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今回のメンタル講義の目的
対象者
健常者
ほとんど
の人
メンタル
不安
予備軍
メンタル
不安
当事者
目的
予防
治療
弱者への
なすべき サポート 方法習得 必ず医者
意識up
こと
へ行くこと
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「心の病」抱える社員が増加、30歳代が6割
(読売新聞)
6割を超える企業で「心の病」を抱える社員が増加傾向にあることが、
社会経済生産性本部の実施したアンケート調査でわかった。
同本部では「風通しがよく、何でも相談しあえるような職場環境作り
が急務になっている」と話している。
調査は、全国の上場企業を対象にメンタルヘルスの取り組みに
ついて聞いたもので、今年4月に実施。218社から回答を得た。
調査結果によると、「この3年間で(社員の)心の病が増加した」と
答えた割合は61・5%となり、2年前の調査に比べて
3・3ポイント増えた。「心の病による1か月以上の休業者」を
抱える企業の割合も74・8%に上った。
[読売新聞社:2006年08月06日 20時26分]
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うつ病患者発生状況の指標
特別な人
うつ病患者 他
日本の実状
3万人の自殺者
自殺3万人
氷山の一角
87万人 当事者層
未遂30万人
900万人
予備軍層
正常な人と予備軍
870万人
9000万人
ハインリッヒの法則
正常 ?
3
メンタル疾患になっても
必ず回復する。
うつは
いつか終わるときが来る。
あわてることなく、ゆっくり・じっくり
回復に努めること
(耐えて待つ、過去も未来も思わず、今日一日を精一
杯生きることそして、頑張れた自分を認めること。)
周囲は我慢強く暖かく見守ること
4
うつ病とは-1
単なる心の風邪ではない
心の風邪の間は気がつかない
誰もがいつも経験して
意識しないうちに回復している
怠け病ではない
気持ちの切り替えでは治らない
そういう状態になって周囲の目が
気になってドンドン悪化してしまう
心も体も思うようにならなくなる
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うつ病とは-2
うつ病とは何か
1.臓器(心ではない)としての脳の失調
セロトニンなど脳内物質バランス失調
2.脳の自己打撃による心の病
何もかもを否定する心の発生(不快感覚)
3.認知のゆがみ
自己性格+心⇒妄想の日々、精神的苦痛
4.最悪の結果
社会からの孤立、家庭崩壊、自殺
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<3種類のうつ>
・器質因性のうつとは、「脳の機能そのものの異常」
脳卒中のあとでうつになる方など
・心因性のうつとは、「悲しい出来事、ショックな出来事が原因」
時間が経つと元に戻ってゆく
しかし、中には次の
・内因性のうつに移行・・・「うつ病」の大多数はこの分類
取り立てて目立つ原因が見当たらないのにうつになる「うつ病」
の大多数はこの分類に入る。原因は突き止められないものの、
発病を促した「誘因」は存在します。
悪いこと 人間関係のストレス、更年期、産褥期、
意に沿わない転職、リストラなど
良いこと 引越(新居の建築)、入学、進学、昇進
栄転のような喜ばしい出来事も誘因になる。
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こころ & 体
体験実験
何も考えないで
(臓器:体) 30秒間目をつむる
脳内物質の失調
不快感のみ感じる
生体物質による制御
脳
脳
こころ
妄想の発生源
制御
意
識
正常・活発
無
意
識
安
定
運
転
暴走
発病
こころ
自己否定妄想
外見的行動
意識
制御不能化
怠け・だるさ
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うつ病の実態
意思とこころと脳の関係(図の具体的説明)
意思=自分
こころと脳は別物・・・意思ではない。
物質的脳と暴走するこころにより
歪んだ認識が意思を妨害
(化学的・物理的反応による自動制御)
⇒思い通りにならない。自己否定。
(希死念慮は、意思ではなくこころの暴走)
(自殺願望)
他の精神的疾病の多くも
自分ではないこころと脳の影響で
身体や精神に障害発生
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うつ予防のすすめ
無意識行動を少なくする
「あぁ、こういう感じ」万事意識的に味わう
何事も白黒がはっきりしないのが普通
判断するには51:49、ちょっとの違いだ
自分を悪く評価しないこと
良いとか悪いとかを思うことを止める。
起きてもいない事をあれこれ思わない
例えば 「・・・と思っているなぁ」で考えるこ
とを止める。
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当事者・予備軍の方へ・・・行き詰まったら
何事もこんなもんなのだと
「これでいいのだ」
と口に出して何度も言ってみる。
必ず誰かに相談してください。
決して
どうしてそんな風にしたのだろう
どうして自分は情けないのだろう
などと後悔してはいけません
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<どんな人がなりやすいか>
一般にマジメで責任感の強く、能力も高い人がうつ病になりやす
いと言われます。精神科医の笠原嘉先生によれば(同著『軽症う
つ病』(講談社現代新書))、
1 几帳面、完全主義、強い義務感、業績重視の人生観
2 他人との円満な関係の維持
3 非攻撃性、物静かな性格
こういった性格の人は、他人に任せるということができず、仕事
でも何でもひとりで抱え込んでしまう。自分の心について他人に
相談できない。そうするとまたうつ気分が蓄積され・・・・と悪循環
をたどるわけです。一般にまじめな人が吹っ切れてしまったとき
ほどやばいものはないといいます。自殺などに走る前に、どこか
で息を抜かなくてはならないのでしょう。
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うつ病の始まり
心と体の一方または両方に症状がでる
(変な感じが1-2週間も続いたら病気を疑うこと)
1.不慣れな難しい仕事に成果が出ない
2.元気が出ない
3.疲れやすくなる
4.仕事に身が入らなくなる
5.出勤したくなくなる
(本人・周りも病気に気づかない)
普通の人は上手くリフレッシュができる
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<うつ病の3つの症状>
(1)ゆううつな気分、落ち込み(抑うつ症状)
(2)不安感・イライラする(不安焦燥)
(3)何をするのもおっくう、何もできない(抑制症状)
の3つです。
重症になると一日中寝たきりで何もせず、
心だけは悶々とすることになります。
周囲からは「怠け者」の烙印を押されてしまうことも
多いようです。
うつ病は、病気の判断が難しく、回復が長期化
しやすいので一刻も早く専門医に相談すること。
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●うつ病にみられる症状
うつ病の症状には精神症状と身体症状があります。精神症状は更
に「感情」「思考」「意欲」に分かれます。
精神症状
「感情」:ゆううつ感、抑うつ気分、不安感、イライラ感、劣等感、
後悔、ぐちっぽい、心配性、取り越し苦労、
人に会いたくない、罪悪感、自責感、自殺念慮、
何をしても楽しくない
「思考」:思考力減退、悲観的、記憶力低下、判断力の低下、
考えがまとまらない、 決断できない、
全て自分がダメであるという妄想
「意欲」:おっくう、無気力、根気が無い、興味・関心の低下、
集中力低下、 家事や日常動作ができない
身体症状:全身倦怠感、易疲労性、頭重、頭痛、肩こり、筋肉痛、
眼精疲労、不眠(早朝覚醒が多い) ときに過眠、食欲不振、
ときに過食、性欲減退、胸部圧迫感、胸焼け、口渇、便秘
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うつ病治療
1.休養 まず第一にすること
2.脳の失調対応
薬物療法・・・・・脳内の化学物質調整
個人差があり個別の処方が大切、時間掛かる
異常な状態を緩和して、苦痛を和らげる。
薬物だけでは再発しやすい。
これだけでは完全に治癒するかどうかは判っていない。
3.認知のゆがみ対応
精神療法(認知行動療法)・・・・薬物を使用しない
自分の性格を認め間違った認識をしないように、
行動しながら認知を修正する。
瞑想手法を利用する。
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私は合う薬を見つけるのに3年、計5年間薬を飲んだ
薬名
効能
ソラナックス(その他)
緊張をほぐす
パキシル(SSRI)
△?憂うつ気分の改善 効果が高いと言われる新薬
トレドミン(SNRI)
× 憂うつ気分の改善
テトラミド (第二世代) × 憂うつ気分の改善 動けなくなる
アモキサン(第二世代) × 憂うつな気分改善、意欲を高める
レンドルミン(その他)
睡眠導入剤
便秘薬(その他)
○
ルジオミール(第二世代) × 意欲を高める
デパス(その他)
△
緊張をほぐす
レスリン(第二世代) △
憂うつ改善、意欲向上
ピーゼットシー (その他) × 不安除去
レキソタン(その他)
× 緊張を和らげる
リーマス(その他)
興奮を抑える
ルボックス(SSRI) × 憂鬱な気分解消 平衡感覚異常
セパゾン(その他)
緊張をほぐす
ノリトレン(第一世代) ◎ 憂うつ気分改善、意欲向上
マイスリー (その他) ○ 睡眠薬
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●患者さんにしてあげてほしいこと
本来うつ病はエネルギーのなくなる病気ですから、治療には休養
と薬物療法が基本です。また、うつ病は一進一退を繰り返しながら
(三寒四温)、だんだんに回復していきますので、あせらずに長い
目で患者さんを見守り、心の支えになってあげて下さい。
①ご家族が主治医に症状の報告をしてください
②重要な事柄の決定は先に延ばしましょう
(結婚、離婚、退職、転職など)
③うつ病は多少時間がかかっても必ず治ります。家庭は安定感を
提供するだけで結構です。
④患者さんに休養をすすめるだけでなく、可能な限り家事などの
仕事は代行してあげる。 (母親の教育的見地はひとまずおいて
おく。他の兄弟・姉妹・家族・親族には病気のことを理解してもら
う。)
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●患者さんに対する接し方
家族や周囲の方が病気について自分勝手に
解釈したり、ご自分の考えを患者さんに押し付け
たりすると、苦しんでいる患者さんをますます
苦しい状況に追い込んでしまいます。
うつ病の患者さんに接するときは家族や周囲の
人が病気のことをよく理解して、患者さんを支えて
いただく必要があります。
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●患者さんにしてはいけないこと
うつ病患者さんは元来、真面目な方が多く、頑張ら
なくてはいけないことをよく知っているのですが、それが
できなくて苦しんでいるのです。
具体的な対応については、親だけでも良いから
主治医の診察に出向き相談して下さい。
①無理に運動や外出・旅行などをすすめない
②患者さんを叱咤激励することは、苦しみをより深くし、
追い詰める結果となります。
③くれぐれも、ご自分の意見を押し付けることはしない
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