領域2 領域の政治的概念化 政治地理学の理論と方法論 第7週 Sackの領域性(再確認) 秩序を創造し維持する手段 われわれが世界を経験して、それに意味を付 与する多くの地理的コンテクストを創造し維持 する装置 ↓ 個人や集団のアイデンティティの創造と再創 造における領域の利用、その領域へのアイ デンティティの形成 領域的イデオロギーとしてのナショナリズム 重要概念 国民国家 国家(state)と国民(nation) ナショナリズム nationの主権・自治・自決といった集合的権利を主 張するイデオロギーや運動 ↓ 国民国家を形成、民族自決を実現する不可欠の契 機=領域・領土 ナショナリズムの領域的契機 客観的条件=土地の占拠・領有 主観的条件=土地に対する心理的愛着、帰属意 識、アイデンティティ ↓ 社会科学分野で看過される ナショナリズム研究の今日的価値 歴史的研究(18世紀末ヨーロッパ起源) 冷戦後の世界 グローバル化論 国民国家(衰退・変容)論 エスノ・ナショナリズム論 アイデンティティ論(エスニック境界論) ↓ 領域的アプローチの可能性 ナショナリズムへの接近法 近代主義アプローチ 世界経済の構造と近代化、ネイションの構築性 非近代主義アプローチ ネイションの歴史的起源と持続性、情緒的・心理 的紐帯の重要性 領域的アプローチ 領域の構造的位置・その変化、およびそこへの 帰属意識 領域的視点からのナショナリズム 中心ー周辺関係と政治的動員 政治経済的不均等発展(社会・空間的周辺化)とエ スニック集団の政治的動員 単一化前提の問題点とその意義 1)構造的インパクトが集団から一様な反応を引き 起こす。 2)集団は地理的に均質な領域に居住している。 3)領域的な連帯形成の困難さと重要性 領域とアイデンティティ 政治経済的構造から説明する限界、集団の紐帯 や連帯を構成する要素に注目 領域保有+領域と集団との文化・歴史的関係 「ホームランド」の神話化=領域の政治化 領域性による場所を通しての権力の具象化 主権の獲得・維持を目的とした集団の統合を領域 の形成・管理を通して行う(ex.竹島・独島ツアー) 領域のイデオロギー的利用(表象) 社会的現実の基盤を形成(ex.領土・領海侵犯報 道)→自己と他者の区別 領域は社会的に構築される(「生成」である) ナショナリズムと地理的スケール 次週のテーマ 沖縄における領域の政治化 戦後の沖縄 地理 面積2,266 km2 (559,951エーカー) 島の数108 亜熱帯性気候 人口1,273,440 (1995年現在) 日本で年間平均収入最下位、失業率最高 歴史 〜1879: 琉球王国 1879〜1945: 沖縄県として編入 1945: 沖縄戦 1945〜72: 米軍占領・統治(琉球列 島) 1972〜: 沖縄県として復帰 1956 年の土地闘争 「島ぐるみ闘争」 The Area of the US Bases in Japan (1945 -1998) 160000 The 1951Peace Treaty The 1972 Reversion 140000 120000 Mainland Japan 100000 Okinawa 80000 60000 40000 20000 0 Year The Governance of Okinawa in 1956 The Japanese Government The US Government Negotiation Okinawa Petition Petition The USCAR Veto/Ordinances Appointment of the Chief Delegate The Ryukyu Government Municipal governments Election of the Legislature Institutionalized relationship Election The Okinawans Non-institutionalized relationship 島ぐるみ闘争と領域性 1956年「島ぐるみ闘争」 冷戦の開始と沖縄の軍事要塞化 土地収用の開始と住民の抵抗 米軍駐留の永続化と土地の無期限借用 土地契約をめぐる経済闘争 領土をめぐる民族・復帰闘争に変化 「土地」を「領土」へ 米軍の弾圧 より有利な条件で地主との個別契約
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