日本国憲法のルーツ 考

日本国憲法のルーツ 考
○ 17世紀ヨーロッパで、力を持ってきた市民が国王の権力を制限しようとしはじめる。
ジョン・ロック(1632∼1704)の「社会契約説」・・・
1. すべての人間は生まれながら生命・自由・財産の権利(自然権)をもっている
2. 自然権を確実なものにするため、政府と社会契約を結び権力を委ねる
3. 政府が権力を濫用したら、人々は政府に抵抗し政府を変える権利がある
(池上彰「憲法はむずかしくない」・杉原泰雄「憲法読本」)
1776 アメリカの独立宣言
1789 フランスの人権宣言
○ 明治維新以降の日本の動き
1879(M12) 教育令
1880 ごろ 自由民権運動・私擬憲法の広がりと衰退
植木枝盛『民権自由論』(1879) 『天賦人権弁』
中江兆民『民約訳解』(ルソーの『社会契約論』の一部を漢訳)」憲法私案時代
植木枝盛『東洋大日本国国憲按』
五日市憲法(1881)
*「さしあたっての政治課題にその関心を集中させていったことに伴う問題性」
(白石恵美「中国残留孤児 帰国者の人権擁護 世界人権問題叢書」明石書店)
1881(M14) 国会開設の勅諭
1889(M22)大日本帝国憲法発布・・・1880∼の私擬憲法は生かされていない
1890 第一回帝国議会 と 教育勅語発布
1925(T14) 治安維持法 と 普通選挙の獲得
↓
1937(S12)日中戦争
1941(S16)太平洋戦争
1945(S20)ポツダム宣言受諾
↓
1945 憲法研究会(鈴木安蔵ほか)『憲法草案要綱』を政府・GHQ に提出
*植木枝盛・五日市憲法なども参考にしている
1945 日本国憲法公布
○ グローバルな近代憲法の思想と、明治政府体制確立前の市民の思想が結びついて、日本国憲法
が生まれた、と言えるのではないだろうか。
自然権・社会契約の近代憲法の思想 + 自由民権運動 私擬憲法 (鈴木安蔵) ⇒ 日本国憲法