第6章 波の平均場への作用

第6章 波の平均場への作用
これまで波は線形で一般風(平均流)を基本の状態とした。
ー>重力波の作用(働き)の話し。線形の波が、基本の流れを変形する(作用
を及ぼす)。それが大気中で興味ある現象を引き起こす。
そして運動のエネルギーと、、
も進度も位置も時間も
みな因縁が…
6−1:Eliassen-Palmの定理(1)
上の名前の定理を述べる。それは波に伴うエネルギー・フラックスと運動量フラックスとの関係です。
前章で述べたように東西方向の線形の運動方程式は(x-z2次元)、
(1)
 u  u  u  w  u 0    
0 x
t
z
x
p
   
0
ここで
定常な波(一定の位相速度をもち、波の振幅は変化しない)を考
え、以下の波形のような、きれいな波を仮定する
<ー 現実はきれいな波は少ないと思う:
A exp( ik(x  ct ))
すると(1)式は
(2)
 u 0  
 u
(u 0  c)
 w

0

x
z
x
鉛直方向の運動方程式は静力学平衡の近似
(3)
 

g

0
0
z
ここら
質
連続の式として
(4)
 u
 w
1 d 0

 
w  0
x
z
0 dz
熱力学の方程式は(3)を用いて
(5)
(u 0  c)
 (g   )  N2 w  0
 x 0
以上が定常な波にたいする線形波動方程式である(散逸などはない)。
次に(2)式を以下のように変形する。
 ( (u  c) u    )  du 0 w  0
0
dz
x
(6)
図からわかるように、u’w’や p’w’は
正の相間関係
ここで u0 は高さのみの関数として偏微分を全微分に置き換えた。この式に左辺の第一項のx の偏微分の中の変数を左
から掛けると
(7)
du 0
((u 0  c) u   )   ((u 0  c) u   ) 
( (u 0  c) uw    w)  0
dz
x
 線形の式を変形して波の2次
の量を評価すること。
波の2次の量のうち、これからはおもに東西に平均した量を議論する。そこで上式に、東西方向に1波長( Lx = 2 π /
k )の平均操作を適用してみる。式で書けば
1
Lx
Lx
0
A dx
そして1波長の平均操作を over bar で表す。
波の一次の量の1波長の平均はゼロになるが積の1波長の平均は一般的にはゼロにはならない。例えばcos k x の1
波長平均はゼロだが、cos 2 kx = (1+cos2kx)/2 の1波長平均はゼロではない。
2

A  A   (A ) / 2 0
 x  x
一般に
なので、(7)式に平均操作をすることにより以下の式が導かれる。
(8)
  w   (u 0  c)uw
u
u
u

1 
 v  w  fv   u'v' 
pu' w'
t
y
z
y
p z
Lindzen(1990)によると、これが Eliassen-Palm の第一定理と呼ばれる(波に伴うエネルギー・フラックス(左辺)と運動量

フラックス(右辺のu とw の相関、uという運動量が鉛直に流れるとして)の関係を示すものを第一定理としている、1章に
出ていた項)。ただし、非粘性の線形定常波で位相速度がはっきりした波についての関係式。
GFDLの大循環モデルで得られた重力波に伴う運動量フラックスの緯度−高度断面図を示す。成層圏中緯度の東風のと
ころで運動量フラックスは正、西風のところで負になっている(以下で大事)。赤道の成層圏では正になっている。 ただし、
これは全ての擾乱成分であり非定常部分も含む。
西風
u' w'  0
東風
正
負

北半球冬
左が平均東西風で右がそのときの運動量フラックス。Miyahara et al. (1986)より。
 u 
p0
H
uw
6−2:波のエネルギー方程式について(ここでの式はRossby波も含んでいる)
波のエネルギー方程式を導く。前節と同様に定常の波を仮定する。ここでは南北方向も考慮する。普通のエネルギー方
程式の導出と同様に東西方向の式にu’ を掛け、南北方向の式にv’をかけて足すと(南北シアーもあり)、
 (u0  c)u'2 (u0  c)v'2 
u0
u0
 '
 '


u'v'

u'
w'

u'

v'
0


x  2
2

y

z

x

y

(9)
次に熱力学の方程式から(南北基本温度差も含める)
(10)

 '
  
(u0  c)
 v'
 N 2w  0
x
z
y z

この式に
 '
を掛けて
z
 (u0  c)  ' 2 
 '     ' 2
(
)

v'

N w'  0
x 


2
z 
z y z
z
 (u0  c) 1  ' 2 
 ' 1   
 '
(
)

v'

w'
0



x 
2
N 2 z
z N 2 y z
z
(11)
(9)と(11)を足して

(12)
 (u0 c)u'2 (u0 c)v'2 (u0 c) 1 ' 2 u0
u0 ' ' ' 1   '


( )  u'v'  u'w'  u'  v'  v' 2
 w'  0

2
x  2
2
2 N z  y
z x y z N y z z
連続の式(13)
を使って
u' v' 1 


w'  0
x
y
 z
(14)
 (u0 c)u'2 (u0 c)v'2 (u0 c) 1 ' 2 

1
u0
u0 ' 1  


( )  u' ' v' ' w' 'u'v'  u'w'  v'
0

2
2
x  2
2
2 N z  x
y
 z
y
z z N y z
静力学平衡を仮定しているので鉛直成分の運動エネルギーが、また音波を落としているので弾性エネルギーが(14)には
ない。
1
(u' 2 v'2 )
2
運動エネルギー:
Potential エネルギー:

1 1
 ' 2
(
)
2
2 N
z

波が時間的に成長するような成分を持ち、東西に平均したエネルギーの式は以下のように書かれる。
 1 2
1 1  ' 2  
1 
u
u
 ' 1  
2
(u'

v'
)

(
) 
v'  ' 
w'  '  u'v' 0  u' w' 0  v'
0

2
t 2
2 N z  y
 z
y
z
z N 2 y z
第2項の微分の中は圧力と南北方向の速度の積であるが圧力によってなされる仕事を示している(ランダウの流体力学6
節参照)。第3項の微分の中は圧力によってなされる鉛直方向の仕事を示している。またエネルギーフラックスとよばれる。
最後の3つの項は、ここでは基本場から(または基本場へ)のエネルギー変換を表している。
いくつかの解析例:
重力波に伴うPotential Energy、
1 1  2 1 1 R 2
1 1 g 2
2
2
) 
) (T' ) 
) (T' )
2 (
2 (
2(
2 N z
2N H
2N T
の図(Tsuda et al., 2000, J. G. R. )。5月から8月の平
均で、高度は20-30kmの領域での全球分布である。
赤いところが重力波のPotential Energy の高いところ。
Global Positioning System データから得られたもの。
5-8月のOLR図:対流の強さの指標である。大
西洋のPotential Energyの大きいところは強い
対流とずれている。
GCMを用いた実験での短周期重力波に伴うPEの
図:大西洋に重力波にともなうPotential Energyの大
きなところがある(20-30kmの高度)。これは6月の
結果
衛星から見積もられた中層大気全体の重力波シグ
ナル(microwave limb sounder)
1月
Wu and Waters, 1996, GRL
7月
1月
80km
48km
7月
33km
北半球
但し、重力波に伴う温度偏差(K2)、重力波の
potential エネルギーに対応したもの
緯度高度断面図
衛星から見積もられた重力波シグナル(CRISTAとい
う測器)
97年8月、25km高度における、重力波に伴う温度偏差
(K2)ー> 慣性重力波として鉛直運動量フラックスの絶対
値を見積もっている
Ern et al., 2004, JGR
ゾンデ観測:
18-25kmでの重力波の全エネルギーの時間的変化、
Vincent and Alexander, JGR, 2000, 場所はCoros
Islands (12S, 97E)、インド洋でのラジオゾンデ観測を
解析、1月はwet season
重力波の水平波長頻度
月平均の東西風
実線:見積もられた月平均
18-25kmの高度
 u' w' (1 
f
2
2
)
数値モデルから:
波
数
対流からの運動量フラックスとエネルギーフラック
ス:Eitzen and Randall, JAS, 2005
u’w’のスペクトル, 14km高度、
redが正の
周波数
成層圏では上向きのエ
ネルギーフラックス
p' w'  0

T=4hのおける対流(対流圏)と重力波(成層
圏)のようす:細い線は等温位線、太い線は雲
>0.1g/kg
鉛直エネルギーの流れ(左図に対応しては、
実線の方)
6−3:Eliassen-Palmの定理(2)
次にEliassen-Palmの第二定理を述べる。東西/鉛直2次
元のエネルギーの式に東西に1波長平均の操作を施す。す
るとx の偏微分の項は消える。残りを書き表すと、
(15)
du0
1 
uw 
(  w)  0
dz
 0 z 0
前の(8)式は
w   (u0  c)uw 
密度を掛けて
0 w   0 (u0  c)uw 
上式をz微分すると、

u

0 w    0 0u w  (u0  c) 0u w
z
z
z
で、(15)式を用いると、
(u0  c)

0 uw   0
z
なので、下記の条件をみたすときEliassen-Palmの第二定理
が導かれる。
(16)

(  0 uw )  0
z
条件としては、
(i)波が定常であること
(ii)Forcing (例えば thermal forcing )
または Damping がない
(iii)critical level ( u0 - c = 0 ) がない
を満たすときである。
補足注:線形波動として物理量が
i
u  Ae
, w  Be
i
のように表されているとする。ここでAとBは複素数とす
る。このとき積の量の平均値のみを問題にするときに
は、
uw  Re(Ar  iAi )(cos
z   isin ) Re(Br  iBi )(cos  isin  )
u0(z)
 (Ar cos  Ai sin  ) (Br cos  Bi sin  )
1
 (Ar Br  Ai Bi )
2
1
i *  i
 ReAe B e 
2
1
*
 Reu w 
2
*じるしはcomplex conjugateを示す。例えばランダ
ウの電磁気学の45節参照
u0
*critical level ( u0 - c = 0 ) がないWKB近似解の場
合:
WKB近似解が(16)式を満たすことを示しておく。もう
一度書き下すと(この波は基本流に対して東に進む
波である)、
c
z
2H
w  Ae1 / 2 exp( ik( x  ct)  i
m
 m dz)
m(z) 
N
c  u0 (z)
話しの簡単化のために連続の式としてBoussinesq 近似の連続の式を使い、波は鉛直に平面波的とすれば、
iku  imw
u 
A 1/2
m
e
k
z
2H
  ct)  i m dz)
exp (ik(x

最終的に
(17)
 0 uw   00 e
z

H
z
u0(z)
z
H
e A 2   00 A 2  const
2k
2k
ここで ρ00 は地表面での密度である。Eliassen-Palm の定理が導かれた。
このようでも運動量
fluxは一定である。
WKB近似解の w’ の中の分母に m1/2 の factor があったが、物理的には波の運動量の保存則
(Eliassen-Palm の定理)を満たすように摂動の変動が基本流の中でおこっているといっていいであろう。
前章において重力波の critical level の議論をした。その結果を用いて運動量フラックスのとびを計算する(上の条件
(iii)の破れの場合である)。
z>0で(上)、
w  Az1/ 2 ei ln z
  w   (u 0  c)uw
z 0
上
+
+
ー
w
iku    Aiz1/ 2 ei ln z
z

u  A z1/ 2 e i lnz
k
1

1 
uw   Re(Az1/ 2 e i ln z  A* z 1/ 2 e i ln z )   A 2
2
k
2 k
z<0では(下)、
w  Ai z 1/ 2 e e i ln z
z 0
w
1/ 2 1
1/ 2
 Aie z
i  Ae z 
z
z
1
1 2  2 
1/ 2  i ln z
*  1/ 2
uw   Re(Ai z e e  A e z )  A e
2
2 k
iku  
となる。critical levelの上下で差があることに注意 ー> 波が吸収された分の差であることになる。
この差により、平均東西風への加速がおこることになる。
 0uw
の別の見方:
線型近似で、鉛直変位と鉛直流との関係は
(

x
東西に波の形を仮定すれば,

t

 u0

)
x
w
(u0  c)
となる.これに圧力偏差をかけて1波長の平均をとると,
となる.これを式
w
p

x

pw
(u0 c)
 w   (u 0  c)uw
を使って変形すると,
のように表される.
p

 0
x
u' w'
p

  u' w' >0の状況
x 0
図は位相速度c>0で山を動かしている状況
斜の矢羽根は風速を示しており、
u'
>0
w'
>0のところでは
u'>0
w'

x

w
(uの
0  c)
式から負になっており(u0=0)、
shadeの部分を山の所までもっていったところが

x

h
に対応している。
x
exp( ik(x  ctの形から
))
c>0なので、u>0 のところは
u
p
 
で
t
x
ikcuから、
 ikp
図のよう に p>0 のようになっている。
図の影の部分 は

0
x
のところで山がおしていて圧力偏差>0の状況と
なっており、ζをhと見なせば山が流体に加える力(圧力の
次元)と見做す事が出来る。その力が波動として上方に伝わ
る。その力の鉛直差で流体が加速される
3次元への拡張
2次元内部重力波について Eliassen-Palm の定理を導いた。この定理は3次元 stationary(c=0を議論してあるがcがあっ
ても同様)の長波(fも含む) についても拡張されている( Eliassen and Palm,1961) 。
論文の孫引きですが( p-座標 ):
基本状態としては
fU ( y, p)  
 1
 

y

p
fU p  ( 1 ) y
温度風は
stationaryな波の式は
Uux  (U y  f )v  U p 
fu  Uvx 

 0
y

 0
x
U px  fU p v    0
u
v



 0
x
y
p

p

慣性重力波に伴う南北、鉛直energy flux:
Kawatani et al., GRL, 2003
は安定度
このとき、第1定理は(エネルギーフラックスと運動
量フラックスの関係)ー>
保存則(第2定理)は
 v  U( 1U p v  p  u v)
  U( 1 ( f  U y ) v p  u )
南北方向
鉛直方向


 1Up v p  uv 
 1 ( f  Uy )v p  u  0
y
p




 Eliassen-Palm fluxと呼ばれる(南北の成分および熱フラックスを含む)。定常で保存的、および臨
がなりたつ。 の中が
界層のない波の場合はEliassen-Palm fluxの発散=0となることがEliassen-Palmの定理である。
6−4:平均東西風(帯状流)の変化について
1章において、東西に平均した物理量と波動成分に分離して
u  u  u'
(18)
東西方向の運動方程式から以下のような式を導いた。
u  u
u

1
 v  w  fv   u'v' 
u'w'
t
y
z
y
 z
(19)
Eliassen-Palmの定理を導いたときと同じように東西と高度のみの2次元運動だけを考えると、左辺の子午面循環やコリオ
リ項、および右辺の1項は落ちて、

(20)
u
1 

u' w'
t
 z
この式により、もし右辺がゼロでなければ東西平均流が変化していくことを示している。はじめ線形の波動方程式を議論

していたときは0次の基本場と仮定して線形の波動擾乱を議論していたわけであるが、今や線形の波により基本場が変
化していくことがわかる。
前に述べた、Eliassen-Palmの定理は、非常に特別な場合(定常な波で散逸などがない)に(20)の右辺がゼロになることを
示している
Eliassen-Palm の定理の一般化(破綻したときはどのようになる?):
Andrews and McIntyre (1976, J. Atmos. Sci. ) から
擾乱の式として(ブシネスク流体近似、β平面、静力
学平衡)、
Dtu'  Av'  Bw'  p' x   X'
Dtv'  fu'  p' y  Y'
 '  p' z  0
Dt '  y v'   z w'  Q'
u' x  v' y w' z  0
ここで、
右辺:unspecified forcing terms
Dt 


u
t
x
A  uy  f
B  uz
この方程式には、重力波だけでなく、Rossby波
動も含まれる。
平均東西風は緯度、および高さの関数であり、
対応した温度場も緯度、高度依存性をもつ。
東西平均流の式は以下のように書かれる。
u


 Av  Bw   u ' v'  u ' w'  X
t
y
z
v


 v v y  w vz  fu  p y   v'2  v' w'  Y
t
y
z
   pz  0





v
w
  v' '  w' '  Q
t
y
z
y
z
v w

0
y z
u
u
A  f B
y
z
ー>この式を変形すること:
(南北熱フラックスが子午面循環をつくり、それにコリオ
リ力がかかり運動量を変化させるので、そこを一緒に解
釈する方法)


 1Up v p  uv 
 1 ( f  Uy )v p  u  0
y
p




Eliassen-Palm fluxを見て想像されるように、南北熱フラックス
がf(コリオリ項)をとおして運動量フラックスとからむので、そ
の項を東西風の変化の式にくりこむと、以下の式になる。
Eliassen-Palm flux をpseudo-運動量フラックスと呼ぶことも
ある。ー>それの収束が東西風の変化に対応。
u

v ' ' 
v ' '
 Av *  Bw *   (u ' v'  B )  (u ' w'  A )  X
t
y
 z z
z
v *
 2 
 2 v ' '
 fu  p y   v'  v' w' 
 Y  O(a 4 )
t
y
z
tz  z
 
p
0
z
y


*
*
  y v   z w   ( w' '  v' ' )  Q
t
z
z
v w

0
y z
*
*
 v ' '
 v ' '
v  v  ( ) w  w*  ( )
z  z
y  z
*
Richardson数が大きく、赤道β平面で、cをもつtrap赤道
波動について:



(u' v'  Bv'  ' /  z ) 
(u' w'  Av' ' /  z )
y
z
の項(Eliassen-Palm flux divergence)の変形から、平
均東西流の加速として近似的に以下の式が導かれて
いる。平均東西流の式の*のついた項は、小さい近似
である(定常で散逸やcritical levelがないときはゼロに
なる)。
u(y, z,t) 
  (' X' )
t
y
1 
 ' Q' 

(u' ' uy )X'  v' Y'  
(c  u) 
s(z) 
2 
1   
1 

'
  (' u' ) 
(u' ' uy )u'  v' 2  
2 t  y
(c u) 
s(z) 
は擾乱に伴う南北変位をあらわし、
'
ここで、
で定義される。
Dt'  v'
波に対しての外力(1項や2項)、transienceの時(3
項)、critical level (2、3項)のところで東西風が変化
することを示している。
 Eliassen-Palmの定理がなりたたない状況で東西
風が変化していく。
中層大気における平均東西風の変動について(言葉の羅列ですが)
1月の平均東西風
西風
赤道域半年振動
中間圏弱風層
東風
赤道
重力波も関係
赤道域下部成層圏準2年振動
突然昇温、惑星波動
による(9章)
熱圏下部の平均東西風に大気潮汐波(全球的な重力波)が寄与をしている話がある
平均東西風の緯度ー高度断面図において、下部熱圏
に注意してほしい。赤道域で東風が吹いている。
大気中の1日潮汐波(お日さまの加熱と一
緒に西に伝播)の非線形効果を計算した結
果。赤道域は東風になっている。観測の東
風と対応している。一方中緯度では西風が
生成されている。
Miyahara, 1978, J. M. S. J.
金星大気の成層圏における高速の平均東西流に波動に
よる運動量輸送が重要な役割を果たしている。
温度観測から推測された平均東西風
CCSR/NIES/FRCGC AGCMで得られた高速風の実
験結果である(Ikeda et al.,2006)。金星大気の成層
圏では高速の風が再現されている。
しかしながら、この結果では対流圏の中では東西風は再現されて
いない。
観測されている東西風
赤道
45ºN
東西風  0
金星大気の成層圏における高速の平均東西流に寄与す
る波動の輸送:
 u' v' , u' w'
運動量バランスには大気潮汐波動が重要である、
今の場合は、潮汐が生成されている場所で高速風が生成されている。
地球大気の下部熱圏の東風は潮汐波動がつぶれている場所で作られている。
(80km近傍の減速と対応している)

1 0 uw
0
z
u v

y
w
u
z
赤道での各項の加速