前回復習と補足

第4章 キャリア教育の推進
• (1)「キャリア教育」の展開
– ①「キャリア教育」という文言の登場
• 中央教育審議会答申「初等中等教育と高等教育との接続の改
善について」(平成11年12月)
– ② 「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議報告
書」(平成16年1月)
– ③小学校・中学校・高等学校キャリア教育推進の手引-児童生徒
一人一人の勤労観、職業観を育てるために-(文部科学省平成18
年11月)
– ④中教審答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学
校の学習指導要領の改善について」(2008.1.17)
– ⑤今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(
第二次審議経過報告)(2010.5.13)
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3章キャリア教育の推進(2)
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第4章 キャリア教育の推進
• (2)諸概念の定義(②)
– ①「キャリア」
・一般的には,個々人がたどる行路や足跡,経歴,ある
いは,特別な訓練を要する職業,職業上の出世や成功
,生涯の仕事等を示す用語
・「個人」と「働くこと」との関係の上に成立する概念
・「働くこと」については,職業生活以外にも,ボランティ
アや趣味などの多様な活動がある
・個人がその職業生活,家庭生活,市民生活等の全生
活の中で経験する様々な立場や役割を遂行する活動と
して幅広くとらえる必要
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3章キャリア教育の推進(2)
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第4章 キャリア教育の推進
• 「個々人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役
割の連鎖及びその過程における自己と働くこととの関
係付けや価値付けの累積」と定義
– ② 「キャリア教育」
• 個々人が自分なりの確固とした勤労観,職業観を持
ち,自らの責任で「キャリア」を選択・決定していくこと
ができるよう必要な能力・態度を身につけていくことが
重要
• 「児童生徒一人一人のキャリア発達を支援し,それぞ
れにふさわしいキャリアを形成していくために必要な
意欲・態度や能力を育てる教育」
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第4章 キャリア教育の推進
• 端的には,「児童生徒一人一人の勤労観,職業観を
育てる教育」(②)
• 「望ましい職業観・勤労観及び職業に関する知識や技
能を身に付けさせるとともに,自己の個性を理解し,
主体的に進路を選択する能力・態度を育てる教育」(
①)
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3章キャリア教育の推進(2)
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第4章 キャリア教育の推進
• (3)キャリア教育の意義
– ①キャリア教育が求められる背景(①)
– 「出口」に関わる課題
• 若者のフリーター志向の広がり,無業者の増加,就職
後の早期離職等,「学校から職業への移行」にかかる
課題
• 「学校教育と職業生活との接続」=「学校から職業へ
の移行」にかかる課題の克服
– 「小学校段階からの発達段階に応じたキャリア教育の推
進」
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第4章 キャリア教育の推進
– ①キャリア教育が求められる背景(②)
– (1) 就職・就業をめぐる環境の激変
• 経済のグローバル化による競争強化によるコスト削
減、経営の合理化による雇用調整等
• 経験者採用や中途採用,外部委託等の比重の増加
• 正規雇用から一時的・非正規雇用(アルバイトやパー
ト等)への切り替え
• 求人の減少
– 将来の生活や社会人・職業人としての生き方を描くこと
が困難
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第4章 キャリア教育の推進
– (2)若者の勤労観,職業観や職業人としての基礎的・基本
的な資質・能力をめぐる課題
• 働くことへの関心,意欲,態度,目的意識,責任感,
意志等,勤労観,職業観の未熟さ
• コミュニケーション能力や対人関係能力,基本的マナ
ー等,職業人としての基礎的資質・能力の低下
• 社会の一員としての意識の希薄化
– (3)若者の意識の変化
• 精神的・社会的自立が遅れ,人間関係を築くことがで
きない,進路を選ぼうとしないなどの子どもの増加
• いわゆるモラトリアム傾向が強くなり,「とりあえず」進
学したりする若者の増加
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第4章 キャリア教育の推進
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第4章 キャリア教育の推進
– ②キャリア教育の意義(③)
– ・一人一人のキャリア発達や個としての自立を促す視点
から,従来の教育の在り方を幅広く見直し,改革していく
ための理念と方向性を示す(教育改革の理念と方向性)
– ・キャリアが子どもたちの発達段階やその発達課題の達
成と深くかかわりながら段階を追って発達していくことを
踏まえ,子どもたちの全人的な成長・発達を促す視点に
立った取組を積極的に進めること(全人的発達の支援)
– ・各領域の関連する諸活動を体系化し計画的,組織的に
実施することができるよう,各学校が教育課程編成の在
り方を見直していくこと(各学校の教育課程の再編)
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第4章 キャリア教育の推進
– ③ 「生きる力」形成上のキャリア教育の意義
• 新学習指導要領の狙い
– ・「生きる力の形成」
– ・ とりわけ「確かな学力」の形成
» 基礎的・基本的な知識・技能の習得、思考力・判断力・
表現力(活用力)の形成
– ・学習意欲の向上や学習習慣の定着
– ・キャリア教育を通じ,子どもたちが自らの将来について夢
やあこがれをもったり,学ぶ意義を認識したりすることが大
切
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第4章 キャリア教育の推進
– (4)進路指導とキャリア教育
• 進路指導は,生徒が自らの生き方を考え,将来に対
する目的意識を持ち,自らの意志と責任で進路を選
択決定する能力・態度を身に付けることができるよう,
指導・援助すること。定義・概念としては,キャリア教
育との間に大きな差異は見られず,進路指導の取組
は,キャリア教育の中核をなす
• これまでの進路指導は、一人一人の発達を組織的・
体系的に支援するといった意識や姿勢,指導計画に
おける各活動の関連性や系統性等が希薄
• 子どもたちの意識の変容や能力・態度の育成に十分
結び付いていない
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第4章 キャリア教育の推進
• 学校における活動全体をキャリア発達への支援という
視点を明確に意識して展開する
– (5)職業教育とキャリア教育
• 職業教育は,職業に従事する上で必要とされる知識
,技能,態度を習得させることを目的として実施される
教育
• より狭義には,専門教育における各教科のうち,農業
,工業,商業,水産,家庭,看護,情報,福祉など,職
業に関する教科の学習を通して行う教育
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• 来,職業教育の取組において,専門的な知識・技能を
習得させることのみに重きが置かれ,生徒のキャリア
発達をいかに支援するかという視点に立った指導が
十分行われてこなかった
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第4章 キャリア教育の推進
• (6)各発達段階におけるキャリア教育
– 1)キャリア発達にかかわる諸能力
•
•
•
•
1.人間関係形成能力
2.情報活用能力
3.将来設計能力
4.意思決定能力
– 2)獲得されるべき諸能力
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第4章 キャリア教育の推進
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第4章 キャリア教育の推進
3)各学校段階におけるキャリア教育
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第4章 キャリア教育の推進
4)学校と地域・社会との接続を目指して
1.体験的活動の活用
・職場体験やインターンシップ等の体験活動の意義
職業や仕事の可能性や適性の理解、自己有用感の獲
得、学ぶことの意義の理解と学習意欲の向上等様々な
教育効果が期待される
・そのほかの活動
企業見学や社会人・職業人講話・インタヴュー、大学
等上級学校等の見学、聴講および大学からの出前授業
、図書館や美術館、博物館での調査研究活動、福祉施
設や幼稚園、保育所等でのボランティア体験等々
プ
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第4章 キャリア教育の推進
2.実施上の注意
・一過性にならないように
事前指導において体験活動の意義の理解、職業調べ
やインタヴューとの組み合わせ
事後にまとめの話し合いや討論会、発表会等の企画
3.社会の仕組みや経済社会の仕組みについての現実
的理解の促進
・社会的分業のもとで、相互に支えあっている社会の仕
組み
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・キャリアを積み重ねる上で最低限持っていなければな
らない知識
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3章キャリア教育の推進(2)
第4章 キャリア教育の推進
・キャリアを積み重ねる上で最低限持っていなければな
らない知識
労働者としての権利や義務、雇用契約の法的意味、求
人情報の獲得方法、人権侵害等への対処方法、相談機
関に関する情報や知識
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第4章 キャリア教育の推進
2.社会の仕組みや経済社会の仕組みについての現実
的理解の促進
・社会的分業のもとで、相互に支えあっている社会の仕
組み
・キャリアを積み重ねる上で最低限持っていなければな
らない知識
労働者としての権利や義務、雇用契約の法的意味、
求人情報の獲得方法、人権侵害等への対処方法、
相談機関に関する情報や知識
3.学校外の教育資源の活用
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