心理学基礎 認知発達 福田玄明 ティンバーゲンの4つのなぜ 生体がある行動をするとき、なぜその 行動をするのか?という質問には4つ の答えがある。 究極要因 近接要因 個体発生要因 系統発生要因 遺伝か環境か 発達を規定する2つの要因 遺伝と環境 ワトソン 必要な環境条件が与えられれば、どの子供 でもどのような者にでもしてみせる 空白の石版 ピアジェの発達段階 認知発達の段階 感覚運動期 2歳ごろまで 前操作期 2~7,8歳ころまで 具体的操作期 7,8~11,12歳ころまで 形式的操作期 11,12歳以降 ピアジェの発達段階 感覚運動期 言語などの象徴機能、表象機能の働く以前 の段階 もっぱら感覚と運動の協応によって外界に 適応 限られた生得的な反射によって外界に反応 少しずつ修正されて安定化していく 事物の永続性 取ろうとしているものが隠されると取るのをやめ る ビデオ 前操作期 操作 表象(言語、イメージなど) 内的な表象を処理することを操作と呼ぶ 前操作期 操作ができるようになる段階 いろいろな論理的誤りが見られる 前操作期 量の保存 自己中心性 3つ山問題 アニミズム 物事の因果関係を呪術的、現象的にとらえ たり、動機論的、目的論的に説明したりする 量の保存 どちらが数が多い? 同じ 量の保存 どちらが数が多い? 下の列 長いから 量の保存2 どちらが量が多い 同じ 量の保存2 どちらが量が多い 右 背が高いから ビデオ 3つ山問題 幼児に3つの山の模型を呈示し、自分 が見ている以外の視点からの見えを 尋ねる. 幼児は自分自身の見えについて反応 する。 自己中心性 ビデオ 具体的操作期 具体的な事物については、操作が可 能となり、論理的な思考ができるよう になる。 具体的な内容についてのみ 形式的操作期 抽象的な概念についても論理的に考 えることができるようになる ある命題が与えられると、それが事実 であるかにかかわらず、その条件のも とで思考できる. 仮説演繹的推論が可能になる 赤ちゃん研究の方法 先行注視法 ふたつの刺激を呈示して、注視時間の偏 りを計測。偏りがあるなら二つの刺激を 見分けていることがわかる。 赤ちゃん研究の方法 馴化・脱馴化法 繰り返し同じ刺激を呈示されると反応が なくなる(馴化).その後、提示した刺激で 再び反応が回復(脱馴化)したなら、二つ の刺激の違いを見分けていることがわか る。 赤ちゃんができること 赤ちゃんが生まれつきできることと考 えることで我々は どのような生物学的基盤を持っているの か どのように我々の認知機能は発達してい くのか を検討する 顔の認識 赤ちゃんは新生児の時期から、顔が 好き 顔のような刺激を目で追いかける お母さんの手触り サルの赤ちゃんを用いた実験 針金でできたお母さんの代わりと毛布 でできたお母さんの代わりのどちらを 好むか サルは毛布のお母さんを好んだ。 針金のお母さんからお乳が飲める場 合でも食事の時だけ針金のほうに行っ た。 大きな音などがすると毛布のほうに市 街ついた。 お母さんの手触り 物まねができる 赤ちゃんの前で、「舌だし」、「口開け」、 「口すぼめ」をする 赤ちゃんの表情変化を観察する 結果 新生児模倣(Melzoff & Moore, 1977) 生後2-3か月の新生児でも表情をまね した。 まねをするためには自分の顔をどう動か すとどう変わるかを知っていないといけな い 赤ちゃんは鏡を見たことがない ⇒赤ちゃんは自分の表情とその見えについ て生まれつき知っている。 赤ちゃんのコミュニケーション 1. 赤ちゃんに笑顔で話しかける(1分 間) 2. 「静止顔」でじっとみる(1分間) 3. 笑顔ではなしかける(1分間) 結果 静止顔の時に、赤ちゃんは目をそらし たり、むずがったりする。 元に戻ると赤ちゃんにも笑顔が戻る Still Face 赤ちゃんは、無表情の状態を積極的 に避けた? 飽きたわけではない。 コミュニケーションが途絶えたことを嫌 がった。 赤ちゃんのコミュニケーション Trevarthen(1993) 赤ちゃんとお母さんのテレビを介してのコ ミュニケーション。 条件1 リアルタイムコミュニケーション 条件2 あらかじめ録画された映像 観るものは同じであるが、条件1では双方向のコ ミュニケーションであるのに対し、条件2では一方 的なコミュニケーション 赤ちゃんは条件2を嫌がる。 赤ちゃんも双方向のコミュニケーションをして いる。 赤ちゃんの記憶 ベッドで寝ている赤ちゃんの足にモ ビールにつけたひもを結ぶ。 そうすると、赤ちゃんは足をよく動かす ようになる。 同様の操作を2週間後に行う。 結果 2週間後であっても、赤ちゃんは足を頻繁 に動かした。 これは赤ちゃんが2週間という長期の記憶 が可能であることを示す。 幼児期健忘 小さい頃のことを覚えていない。幼いころには記 憶システムがまだ未熟であるためと考えられてい た。 しかし幼児にも記憶は可能。 他者の意図を推測する 赤ちゃんにライトのスイッチを頭を使っ て押すのを見せる。 普通の状態 毛布にくるまっていて手が使えない状態 赤ちゃんにライトのスイッチを渡す。 結果 赤ちゃんは普通の状態で頭でスイッチ を付けるのを見た場合には、同様に頭 でスイッチを押す。 手が使えない状態で頭でスイッチを押 すのを見ると、赤ちゃんは手でスイッ チを押す。 Gergelyら(2002) 赤ちゃんは手でスイッチを押すのが簡 単であることを知っている。 しかし、理由もなくわざわざ頭で押した 場合には、わざわざ頭で押す理由が あるのではないかと考えた。 鏡の認知 赤ちゃんに気づかれないようにおでこ にシールを貼る。 その後鏡を見せる。 結果 赤ちゃんはシールをとろうとする。 これは、赤ちゃんが鏡に映った自分を 自分自身だと認識していることを示す。 チンパンジーなどでは最初は鏡に向 かって威嚇行動などをとることが知ら れている。 視覚的断崖と社会的参照 段差があるように見え るところには赤ちゃん は行こうとしない. ガラスの向こうにお母 さんがいる お母さんが笑っている お母さんがおこっている ビデオ ガラス 結果 お母さんが笑っている場合には赤ちゃ んはガラスの上に乗ってお母さんのほ うに行く これは、赤ちゃんがお母さんの表情を 見て、危険性を判断していると考えら れる。 まとめ 我々は生まれながらにして、いくつか の能力を持っている その後の学習や成熟のもとになる 我々は生まれつき社会的な存在
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