第一回四谷地域 学校熟議

多様な教育リアル熟議 in 北海道
第3回
こぼれ落ちるマイノリティ
~公教育は何を支えきれていないのか~
2011年1月16日
主催:北海道フリースクール等ネットワーク
熟議とは
「熟議」:多くの当事者による「熟慮」と「討議」を
重ねながら政策を形成していくこと。
政策を形成する際、
①多くの当事者(保護者、教員、地域住民等)が集
まって、
②課題について学習・熟慮し、討議をすることにより、
③互いの立場や果たすべき役割への理解が深まるとと
もに、
④解決策が洗練され、
⑤個々人が納得して自分の役割を果たすようになる、
というプロセスのことを言う。
WEBサイト「熟議カケアイ」より
熟議の効果
熟議の効果1:行政改革
熟議の効果2:新しい教育文化の創造
WEBサイト「熟議カケアイ」より
多様な教育リアル熟議(第3回)の
キーワード
「マイノリティ」
「インクルーシブ教育」
「落ちこぼれ(落ちこぼし)」
「不登校」
「障がい」
「病気」
「帰国子女」
「外国人子弟」
「戦後の混乱で教育を受けられなかった方」
「フリースクール」
・障がいを持つ子どもを巡る
「インクルーシブ教育」の実現への願い
⇒“不安視”する教師や保護者との軋轢
・不登校になった子どもをフリースクール
に通わせたいという親の願い
⇒“公的支援”は受けられず、利用料は
自己負担
自己紹介(15分)
自分自身が
マイノリティ当事者に
なった事例を
ラベル書き出し(15分)
公教育の中の
マイノリティとは?
(ラベルに書き出し)
共有(ラベルに書き出したものを分類)
○学校生活(勉強・教科・学力)
・学力の差(勉強についていけない、力が飛び抜けている)
・主要5教科(国・社・数・理・英)というイメージのもとのカリキュラムや評価
・転校、少人数学級、学校から遠い、僻地に住んでいる、同学年の中での年齢の違い
・進学希望ではない人、戦後の混乱で若いときに教育機会を奪われた人
○趣味・活動・社会性(学校内外を含む)
・見た目(服装、金髪・ピアス)、行動が派手・目立たない、不良、彼氏・彼女がいる・いない
・まじめにやる(ことをバカにする風潮)、出る杭は打たれる
・同世代の話についていけない、趣味が同世代と合わない、オタク、習い事(男子のバレエなど)
・集団社会・集団行動になじめない、乱暴者、よく泣く人
・のんびりな子、自分のペースでやりたい、給食を食べるペースの違い
○属性
・病気、障害(学習できない、協調できない、指示通りに動けない)、国籍(外国人子弟、ハーフ)
・親の収入の違いによる生活環境・教育環境の差、母子家庭、父子家庭、単身赴任、生活保護
・体格(身長・体重)の差、運動能力の差、性同一性障害
・家族構成(大家族、一人っ子)、親の過剰干渉・放任、家族の中に犯罪者
○不登校、中退
熟議テーマ1(40分)
支えるとはどういうことか?
なぜ支えられないのか?
支えるために必要なことは?
共有
・お金を出す(税金を投入する)という話だけではない
・学校だけで支えきれるものではない(家庭との境界域における課題など)
⇒ 本来は「学校(教師)」がやるべきという「責任感」と「自惚れ」は紙一重
ソーシャルワーカーや児童相談所など、外部との繋がりを持つことも大切
・「支える」「支えられる」という関係性のものだけではない
⇒ 多数派がマイノリティを認める(排除しない、バカにしない、否定しない、など)
・「認める」ことができないものは何なのか? 基準はどこに合わせるのか?
・まずは本人が何を望んでいるのかを知ること
⇒ 本人が困り感を発信していけるような仕組みを整えることも大切
・その上で具体的にどうするのかは、周りの関係者の想いを含めながらの試行錯誤
⇒ 本人自身が何を望んでいるのかが分からないときは、周りの関係者の汲み取る力も大切
本人の望みが現実と掛け離れているときは、折り合いをつけられるようにしていくことも大切
・しかし、最終的には本人の「自助」なしには解決できない
休憩 10分
熟議テーマ2
支えるために
公教育の役割は?
フリースクールの役割は?
共有(公教育の役割)
○多数派(マジョリティ)の保障
・社会の望む人間を育てる、社会全体の成長を目指す
・一定水準を保つ(認証&評価、お金の流れの調整)
○平等性の担保
・社会福祉としての保障
・「認める」ための価値観を伝える
○多様な存在との関わり
・多様なバックグランドの子どもたちとの出会い、自分以外のことを知る社会勉強
・集団でないと体験できないことを体験する場、社会の多様性を経験できる場
○望むもの
・公教育(これまで通りの「学校」という概念)だけでは支えきれない人がいることを認める
・枠を大きく(「こうあらねば」ではなく、「これもあり」という考え方)
・利用者側が選択できる余地
・生徒に合わせたカリキュラムづくり
・時間枠をゆるやかに
・最小限の指示的関わり
共有(フリースクールの役割)
○少数派(マイノリティ)の保障 ⇒ 平等性の補完
・公教育からもれたときの個人ニーズに対する社会資源
・メンバーの望む社会を保障する
・学びの場を保障する(どんな学びでもOK)
・希望を紡ぐ
・教育に関する社会的課題に対し、当事者意識を持った人たちで共同作業を行う場
⇒ 私学の存在意義に通じる点
○“個”への対応
・ニーズを聴く、個々の関心・ペースを最大限尊重する
・幅の広い受け入れ、小回りが効く
・一息つく避難場所
・マイノリティだらけのクラス
・多様な大人の見本市
・自分自身を育てる
・周囲(より大きな集団社会)との関わりを持てるようになるための準備
○望むもの
・フリースクールを増やす
・つぶれないで、あり続ける
共有(公教育とフリースクールの関係性)
○連携できるところは連携する
(ケース会議など)
○公教育の一つのあり方として認めていく
(認定フリースクール制度など)
⇒ フリースクールで育った子どもたちが親になると、
時間軸とともに、公教育とフリースクールに関する
社会的概念も変化していくのでは?
2011年2月18日(金)18:30~20:30
教育フォーラム
これからの「ふつう」教育
~普通教育って、いったいなに?~
「普通教育」を新しい枠組みで捉え直す動きについて考え合ってみよう
内 容 : 講演(東京シューレ代表奥地圭子氏)× 熟議
会 場 : 札幌エルプラザ内 札幌市男女共同参画センター3Fホール
参加費 : 500円(テーブルファシリテーターおよび学生以下無料)
定 員 : 100名
第4回 2011年2月27日(日)13:30~16:00
公教育のあり方に関する提言
~公教育をどう築き上げていくか~
第1回~第3回の「熟議」で出た意見、および2月に開催す
る教育フォーラムで出た意見などをベースにしながら、ど
うしたらそれを形にしていくことができるかについて「熟
議」します。