哲学入門(倫理観中心) by渡辺華月 第二講座 古代原子

哲学入門(倫理観中心)
by渡辺華月
第二講座 古代原子論の挑戦
(ホームページ「せたなべ哲学」でも
講義用スライドが見れます。)
※GOOGLEに「せたなべ」で検索
龍大ホームページとはリンクしていません
今日は単位取得の命運を分ける日!
「 ナビプリント 」とかいうプリントを
もらったよ。班も決められるみたい。
単位の条件となる課題の説明は後半で、
最初は「ありはあり、あらぬはあらぬ」の
パルメニデスについての授業みたいよ。
あるものはあり、ないものはない、とい
うなら当たり前過ぎることだけど、それ
が哲学史科学史に大きなインパクトを与
えたと言ってたな。どういうことだろう。
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パルメニデス
BC5C.
(エレアの)ゼノン
BC490頃-430頃
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- 3/11-
〈2A〉「真に存在するもの」とは
パルメニデス「ありはあり、あらぬ
はあらぬ。」「ある」ものが同時に「あ
らぬ」ものでもあることはいかなる
瞬間でも起こりえない。「ある」もの
は「あらぬ」ものになることはあり
えないので、「ある」ならば、永遠に
あり続ける。真に存在するもの=生
成消滅せず、変化せず、運動せず永遠
不滅、不変不動、常に同一なるもの
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〈2B〉ゼノンによる生成、運動の否定
【前490頃-430頃】
真に存在するものが
永遠不滅、不変不動、常に同一なる
ものであるなら、
運動や多様、変化は見せかけだけで、
真に存在するものではないと考え
ねばならぬ。
- 5/11-
アキレスと亀のパラドクス by
ゼノン
2
3
亀が元いた場所(1,2,3)に辿り着いた
時には亀は少し先に進んでいるため、
アキレスは亀に永久に追いつけない。
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「運動はない」とか「アキレスは亀をぬか
せない」とか、明らかにおかしなことを言
ってる人達だなあ。タレスみたいに「万物
の根源は水」とかいう方がまだわかるな。
歴史に残ってるから、後世の人が捨て難い
何かを感じたのかな。「ありはあり、あら
ぬはあらぬ」って響くものはあるね。
明らかにおかしなことが理屈のうえで一
応成り立っているのは気になるな。ゼノン
の説明には何かトリックがあるはず。
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デモクリトス
BC460頃-370頃
プラトン
BC427ー347
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〈2C〉原子論者による生成の説明
ゼノンは場所や時間が無限数の点か
ら成り立つ(=どこまで分割してもき
りがない) としたが、レウキッポス・
デモクリトス [前5c.後半]はそれ以
上分割できない最小単位として 原子
を考える。原子は不変不滅同質一様
の、内に空虚を全く含まぬ完全剛体。
空虚によって互いに隔たられている
ことで運動・結合・離散する 。
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〈2D〉原子論の利点と問題点
利点
量的に事物をとらえ、物と物と
のぶつかりあいとして世界を見る。
明快で効率的な世界観。
問題点
無価値・無性質な原子を基本的
な実在とみるので、人間にとっての
善悪の問題を問う視点が不在。
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割り算は何回繰り返しても答が0になら
ないのが、当然だけど不思議に思ったこと
はあるな。ゼノンの理屈の図解では、2 倍
の速度で速く走る者は遅い者との距離の
差を、半分、また半分としていくけど、二
等分を何度繰り返しても0にはならない。
分割には終わりがある、と「アキレスと亀」
への反論から原子論が生まれたんだね。
「アキレスと亀」を無視せず、真面目に反論
したんだね。さあ、今から単位の説明だよ。
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第二講座の主な参考資料
G・ Sカーク他著/内山勝利他訳『ソクラテス以前の哲学者たち』
京都大学学術出版会
内山勝利責任編集 『哲学の歴史1 哲学の誕生 古代1』 中央公論社
宇波弘文 河合隼雄 藤澤令夫 渡辺慧編
『岩波講座 転換期における人間2 自然とは』岩波書店