プラズマ工学 九州工業大学電気工学科 趙孟佑 No.4 〜衝突〜 参考書:真壁利明、プラズマエレクトロニクス、培風館 1 衝突断面積 面積 A 分子の断面積 分子密度n x+dx x 電子 典型値 ~10-20m2 速度 v x=0 上に示された体積中の分子の数 分子によって覆われる面積 dx進む間に衝突する確率 Nn nAdx Nn nAdx Nn nAdx n dx A A 2 衝突 電子ビーム x • 電子が同一の速度vでビームを構成していると仮定 • 分子と衝突すると、速度vを失ってビームから離脱する • dx進む間のビームを構成する電子の数の変化は dNe Nen dx 一個の電子が衝突する確率 3 衝突 電子ビーム x • x=0で電子の数をN0とすると dNe Nen dx Ne No exp n x 4 衝突断面積 Ne No exp n x • σは衝突断面積と呼ばれる • 代表値として、水素原子の円軌道半径 (ボーア半径)a0=5.29x10-11mを考える a02 8.79 1021 m2 電子と原子・分子の衝突の場合、 大体、10-20m2(Åの2乗)と考えて間違いはない。 5 平均自由行程 • 自由行程:ある衝突をしてから、次の衝突 をするまでに空間を飛行する距離 Nen dx 自由行程がxからx+dxである確率 N0 Nen dx 自由行程の平均(期待)値 mfp x N0 0 N0 exp n xdx 1 Nen dx mfp x n x N0 N0 n 0 0 λmfpを平均自由行程と呼ぶ 1 mfp n 6 平均自由行程 • 電子ビームが散乱されずに残る数 x Ne No exp mfp こういう式でかけるものをポアッソン過程と呼ぶ 1 0.8 e N /N 0 0.6 0.4 0.2 0 0 0.5 1 1.5 2 x/ 2.5 3 3.5 7 衝突周波数 • 平均自由行程を進むと1回は衝突する • 衝突と衝突の間の平均時間:衝突時間 col mfp v 1 n v 単位時間に衝突を起こす回数:衝突周波数 col 1 col v mfp n v nv 8 運動量保存 m1 v1 m1 m2 v2 v1’ m2 v2’ before collision after collision • 衝突している時間(10-16s秒程度)に、外力が働かない • 粒子の全運動量は保存される • 質量中心の速度の運動エネルギーが保存される 9 運動量保存 m1 v1 m1 m2 v2 v1’ m2 v2’ after collision before collision r r r' r' m v m v m v m v 1 1 2 2 1 1 2 2 運動量保存 1 1 1 1 2 2 2 2 Ek m1v1 m2v2 (m1 m2 )vg vr エネルギー 2 2 2 2 r r 不変 r m1v1 m2v2 変化 v g 質量中心速度 m1 m2 vg は衝突前後で変わらない r r r v 相対速度 r v1 v2 もし、変わるものがあるとす m1m2 ると、相対速度vrだけが変わる 換算質量 m1 m2 10 弾性 or 非弾性 衝突前のエネルギー 衝突後のエネルギー 1 2 1 '2 vr vr E 2 2 E 0 弾性衝突 E 0 非弾性衝突 質量中心系 (運動エネルギーが内部エネルギーになる) E 0 非弾性衝突 (内部エネルギーが運動エネルギーになる) 11 微分断面積 この面積への立体角 j B A dW sinqdqdj q 質量中心系 衝突断面積 Q 粒子が dWの立体角中に散乱される確率 d (q,j )dW d (q,j ) 微分断面積 Q 12 運動量移行断面積 A 全衝突断面積 運動量移行断面積 運動量変化 運動量変化の割合 運動量を失う距離 B j q Q= d (q,j )dW 0 2 0 d (q,j )sinqdqdj Qm = (1 cosq )d (q,j)dW p p pcosq p(1 cosq ) p (1 cosq ) p 1 粒子Aが粒子Bに運動量を与える nnQm 13 弾性衝突によるエネルギー移行 m1 m2 m2 m1 v1’ v1 v2’ before collision after collision Momentum: m1v1 m1v1' m2v'2 1 2 1 '2 1 '2 Energy: E = m1v1 m1v 1 m2v 2 2 2 2 m2 ' ' v1 v2 - v1 m1 2m1 ' v2 v1 m1 m2 14 弾性衝突によるエネルギー移行 m1 m2 m2 m1 v1’ v1 v2’ before collision m2のエネルギー変化 after collision 1 4m1m2 1 '2 2 E m2v 2 m v 1 1 2 2 2 m1 m2 エネルギー変化の割合 E m1 For m2 m1, E m2 E 4m1m2 E m1 m2 2 質量差が大きいとき、僅かなエネルギーしかm1からm2に渡されない 15 平衡に達する時間 • プラズマを作った直後は、通常は電子の方が重い 粒子(原子、分子、イオン)よりも温度(粒子一 個一個の平均運動エネルギー)が高い • 平衡 – 電子と重粒子が同じ温度をもつ • 平均の並進運動のエネルギー=(3/2)κT – 各々の粒子は同様の運動エネルギーをもつ • 1回の衝突で電子(m1)から重粒子(m2)に僅かなエネ ルギーしか渡らない • 電子は m2/m1 回重粒子にぶつからないと両者の温 度は等しくならない (m2/m1 > 1000) 平衡に達する時間: 1 E m2 1 m2 eq E m1 m1nhQve 16 クーロン衝突(荷電粒子間衝突) 電子 散乱角 正イオン (静止と見做せる) 距離r0でのクーロン力 F e2 4 or02 r イオンの周辺に居る時間 T 0 v 17 クーロン衝突 運動量変化=力x時間 (mv) = FT e2 4or0v もし、電子が90o曲げられるとすると、 (mv) mv mv 変形して、 e2 4or0v e2 r0 4o mv2 等しくおいて 4 e Cross section: ei r02 16o2 m2v4 ne4 Collision frequency: ei nv 2 3 16o2 m v 18 クーロン衝突 4 e 衝突断面積 ei r02 16o2 m2v4 ne4 衝突周波数 ei n v 16o2 m2v3 マクスウェル分布をしているとすると、電子の速度は v Te me で近似できる。 19 クーロン衝突 ei e4 16 Te 2 o 2 90度曲げられる大きな散乱だけを考慮 したが、実際には、小角度散乱が多数 あるので、それの補正をする ei e4 16 Te 2 o 2 ln Coulomb logarithm 大体10程度 20 クーロン衝突 ei e4 16 Te 2 o 2 12n3d ln は大体 10 ln n:プラズマ密度 λD:デバイ長 From Chen 21 クーロン衝突 electron イオンの存在を知らない 散乱なし electron 小角度散乱 d electron ion r F exp d 大角度散乱 22
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