界面適合格子と埋め込み境界法を用いた 気泡と固体壁の衝突に関する

第 23 回数値流体力学シンポジウム
A7-1
界面適合格子と埋め込み境界法を用いた
気泡と固体壁の衝突に関する数値解析
Numerical Analysis of Bubble-Wall Collision Adopting
Interface-Tracking Grid System and Immersed Boundary Method
加山 広之,阪大院,大阪府吹田市山田丘 2-1,E-mail:[email protected]
大森 健史,阪大工,大阪府吹田市山田丘 2-1,E-mail:[email protected]
梶島 岳夫,阪大工,大阪府吹田市山田丘 2-1,E-mail:[email protected]
Hiroyuki KAYAMA, Osaka University, Yamadaoka 2-1, Suita, Osaka, 565-0871, Japan
Takeshi OMORI, Osaka University, Yamadaoka 2-1, Suita, Osaka, 565-0871, Japan
Takeo KAJISHIMA, Osaka University, Yamadaoka 2-1, Suita, Osaka, 565-0871, Japan
Using an Interface-Tracking Method coupled with an Immersed Boundary Method (IBM), a bubble-wall collision
problem under the effect of gravity is resolved. The gas-liquid interface is captured by the Interface-Tracking
Method, and the whole fluid field is described by the body (the interface) fitted coordinate system. Implementation
of the wall in the fluid is based on the IBM. This coupled method enables us to investigate the dynamics of the
flow between the bubble and the wall in detail. In the present study, the bubble-wall collision is analyzed, and a
flow in the liquid film between the bubble and the wall is discussed.
1.
緒言
本研究では分散性三相流の素過程として,単一気泡と
剛体壁の衝突に関する数値計算を行い,固液,気液界面
近傍における流れのダイナミクスを解明することを目的
とする.流れ場に気泡表面に沿って張られた適合格子を
用い,境界追跡法によって気液自由界面を捉える.また
剛体壁は IB 法によって表現する.この手法は直交格子法
の計算に比べて界面現象を精度よく解析できるという利
点がある.
境界追跡法と IB 法をカップリングした計算方法
流体は非圧縮ニュートン流体,固体壁は剛体壁を仮定
する.基礎方程式は積分型 Navie-Stokes 方程式と連続の
式である.固体を IB 法で表現する.すなわち,流体-固体
間での運動量交換に伴って流体にかかる強制力を固体体
積率で重み付けし,基礎方程式に含ませ陰的に扱う.気
液自由界面は運動学的条件と,力学的条件を満たすよう
に境界追跡法を用いて気泡界面適合格子を移動させる.
0.003
vertical coordinate [m]
0.1
3.
単一気泡と剛体壁の衝突の計算結果
液相を水,気相を空気として重力場における単一気泡
と水平な静止剛体壁との衝突問題に適用したところ,壁
面に対して衝突してから離脱するまでの流れ場の様子を
捉えることができた.特に気泡が壁面に付着している際
に形成される液膜と,そこに生じる流速や圧力分布を観
察することができた.
気泡重心の鉛直座標成分と速度の鉛直方向成分の時間
変化を図??に示した.気泡が衝突と反発を繰り返しなが
ら収束していく様子がわかる.特に気泡が壁面に付着し
ている際に形成される液膜と,そこに生じる流速や圧力
分布を観察することができた.図??は気泡が剛体壁に衝
突したときの界面と速度ベクトルを表したものである.衝
突時に液膜が形成されていることが確認できる.
0.002
0
0.001
Velocity of the vertical component [m/s]
Fig. 1: velocity field at the bubble-wall collision
2.
−0.1
0
0
0.1
time[s]
Fig. 2: vertical coordinate and velocity of the bubble is
converging
が,固体界面は IB 法で表現するため明確ではない.以上
の点から,液膜を模擬した流路で次に示すような 2 通り
の計算領域を設定し,本研究の計算手法の精度を検証す
る.A:気液界面に沿って計算格子を設定し,固体壁を IB
法で表現する計算領域.気泡界面を模擬した境界には滑
り条件を与える.B:気泡界面と固体壁の両方の境界に適
合した格子を設定した計算領域.気泡界面には滑り条件,
固体壁には滑り無し条件を与える.2 通りの計算領域を
用いて液膜を模擬した流路の流速分布や,気泡界面と固
体壁が流体から受ける応力を比較した.
4.
IB 法の検証
本研究の手法では単一気泡が剛体壁に付着する際に形
成される液膜に十分な解像度が確保されていない.さら
に気泡界面は境界適合格子により明確に捉えられている
1
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