日本の温浴文化・湯治文化の 無形文化遺産記載提案書の 概要 2014年11月 「日本の温浴文化・湯治文化」のユネスコ無形文化遺産 化推進準備室(仮称) ユネスコ無形文化遺産の保護に関する条約に基づく無形文化遺産への記載基準 ユネスコ無形文化遺産保護条約締約国会議で決定する運用指示書に次の通り規定さ れている。 段落2 申請国は,申請書において,代表一覧表への記載申請案件が,次のすべての 条件を満たしていることを証明するよう求められる。 1 申請案件が条約第2条に定義された「無形文化遺産」を構成すること。 2 申請案件の記載が,無形文化遺産の認知,重要性に対する認識を確保し,対話を 誘発し,よって世界的に文化の多様性を反映しかつ人類の創造性を証明することに 貢献するものであること。 3 申請案件を保護し促進することができる保護措置が図られていること。 4 申請案件が,関係する社会,集団及び場合により個人の可能な限り幅広い参加及 び彼らの自由な,事前の説明を受けた上での同意を伴って提案されたものであるこ と。 和食と同様に、日本国民の文化であり、同意があること。 5 条約第11条及び第12条にのっとり,申請案件が提案締約国の領域内にある無 形文化遺産の目録に含まれていること。 <参考>ユネスコ無形文化遺産保護条約(抄) 第2条 定義 この条約の適用上, 1 「無形文化遺産」とは,慣習,描写,表現,知識及び技術並びにそれらに関連する器具,物品, 加工品及び文化的空間であって,社会,集団及び場合によっては個人が自己の文化遺産の一部として 認めるものをいう。この無形文化遺産は,世代から世代へと伝承され,社会及び集団が自己の環境, 自然との相互作用及び歴史に対応して絶えず再現し,かつ,当該社会及び集団に同一性及び継続性の 認識を与えることにより,文化の多様性及び人類の創造性に対する尊重を助長するものである。この 条約の適用上,無形文化遺産については,既存の人権に関する国際文書並びに社会,集団及び個人間 の相互尊重並びに持続可能な開発の要請と両立するものにのみ考慮を払う。 2 1に定義する「無形文化遺産」は,特に,次の分野において明示される。 (a)口承による伝統及び表現(無形文化遺産の伝達手段としての言語を含む。) (b)芸能 (c)社会的慣習,儀式及び祭礼行事 (d)自然及び万物に関する知識及び慣習 (e)伝統工芸技術 第11条 締約国の役割 締約国は,次のことを行う。 (a)自国の領域内に存在する無形文化遺産の保護を確保するために必要な措置をとること。 (b)第2条3に規定する保護のための措置のうち自国の領域内に存在する種々の無形文化遺産の認 定を,社会,集団及び関連のある民間団体の参加を得て,行うこと。 第12条 目録 1 締約国は,保護を目的とした認定を確保するため,各国の状況に適合した方法により,自国の領 域内に存在する無形文化遺産について一又は二以上の目録を作成する。これらの目録は,定期的に更 新する。 「自然の力の人類への還元」という精神に則り育まれて きた「温浴文化・湯治文化」を提案 案 日本の温浴文化では・・・ 日本の国土に根差し た多様な温泉(ONSE N)が生活文化に定着 している ・地域によって多様な泉質の 温泉が存在し、庶民の健康 維持回復の為に利用されて いる ・温泉の利用法に関して、発 展伝承されてきた文化がある ・飲む、浸かるなどの利用方 法が現代もなお多くの庶民に 利用されている。 ・湯もみなどのように観光文 化として発展している。 庶民の生活文化に浸 透した銭湯は、公衆 衛生向上だけでなく 交流の場として重要 な位置づけとなってい る ・市街地では地域住民の社 交・交流の場として温浴施 設が重要な役割を担ってき た ・地域により温浴施設の建 築物に特徴的な文化が施さ れてきた(銭湯絵、外観) ・世代間を繋ぐ生活文化の 場 四季を楽しみ、食事を 楽しみ、癒しを得ること によって自然の力を心 身の回復に活用 ・日本独自の四季や食事を 取り入れ、癒しと共に自然治 癒力を高めている(湯治) ・季節の植物、自然の産物を 活用して、温浴効果を高める 工夫が施されている(薬湯) 庶民の生活文化と密接に関連している。 健康の維持増進と共に、コミュニティの絆を深める役割を担っている 温浴文化は・・・お風呂という生活の場を「自然の力の還元」という方法で発展さ せている「社会習慣」として提案する。 温浴文化を記載することで期待される効果 主旨・内容に関して皆様のご協力を賜りたくお願いいたします。 ◇無形文化遺産全体の認知や重要性の認識が向上する ・自然の恩恵を人類が受けていることを再認識し、自然を大切にする認知向上となる。 ・日本国内だけでなく、広く世界へも日本の自然資産の認知を広げ、活用を促進するこ とで人類の健康増進と、コミュニケーションの場を広げる。 ◇人類の公衆衛生と健康維持増進を発展させる ・古来から地域毎の泉質の違いを研究し有効に活用したり、自然の植物・産物を入浴 方法に取り入れ、工夫することで温浴効果を高め、健康の維持増進だけでなく、治癒と いう目的で湯治を発展させてきた。それらが今後更に活用され、人類の健康増進に寄 与できる。 ◇文化を多様化し、創造的にすることで、自然との共生の知恵を創出させる。 ・地域の特性と多様性を色濃く残す習慣である。 ・入浴方法などが文化芸術と共に伝統的に伝えられ発展してきた。(湯もみ、銭湯絵、 建築物) ⇒文化の多様性を生み、人類の知恵と創造性を発展させてきたことを示している。 また、コミュニティの場として、優れていることを示している。 保護措置は全国約〇〇のコミュニティ・グループ等の取り組みを中心に構成 地域及び地方公共団体の取組 ◇子供たちに温浴文化を伝えるため「浴育」を学 校などと連携して実施(全国公衆浴場同業組合) ◇温泉の科学的知識、利用法、安全知識などを 専門的に体系化し、専門家を育成(温泉マイス ター、温泉入浴指導員) ◇地域の特性的な泉質を研究し利用を促進する 活動(健康と温泉フォーラム、三朝温泉、玉川温 泉、増富温泉、五頭温泉、関金温泉、菊池温泉、 長湯温泉) ◇温浴文化を若い世代にも認知を広げ、人類に 寄与できる事業として普及促進(おふろ元気プロ ジェクト) その他の取組 ◇日本独自の観光資源としての発展を促 進(日本スパ振興協会) ◇温浴施設の安全安心な衛生管理の普 及を推進(入浴施設衛生管理推進協議 会) モニタリングの実施 ◇申請に賛同するコミュニティや集団によ る「日本温浴文化のユネスコ無形文化遺 産化推進協議会(仮称)」のもと、登録に伴 う過度の商業化等についてモニタリングを 実施 国のサポート ◇浴育の推進支援による生活文化の伝承・発展(文科省) ◇温泉利用による健康増進に関する保健適応の導入(厚労省) ◇海外への告知促進への支援(経産省クールジャパン、観光庁) アンケート結果では日本温浴文化の提案が圧倒的に支持されている あなたは、日本温浴文化を保護 し、価値を高め、子供や孫の世代 に伝えることは重要だと思います か。 支持率 あなたは、日本温浴文化をユネスコ の無形文化遺産に提案することを支 持しますか。 支持率 強くそう思 う そう思う 強く支持 する 支持する そう思わ ない 全くそう思 わない 支持しな い 全く支持し ない 全国約1,500のコミュニティ、草の根グループ等が提案に賛同 賛同したコミュニティ、グループの例 (案) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・全国旅館おかみの集い ・日本旅館国際女将会 賛同した地方自治体等 (案) 鳥取県三朝町、秋田県仙北市、・・・・・ 賛同いただける有識者 皆様のネットワークで ご支援お願いいたし ます! 申請から登録の可否決定までのスケジュール 2015年 2月~7月 有 識 者 に よ る 検 討 会 ( 4 回 ) 登録申請への 国民的な支持 ・Webアンケート ・1,500以上の 団体・草の根グ ループの賛同 が必要 2016年 1月~ 2月 3月 文 化 審 議 会 等 で の 審 議 ( 3 回 ) ユ ネ ス コ に 申 請 書 を 提 出 2017年 テレビ・雑誌等 で様々なメディ アでの特集・報 道 ・NHK ・テレビ東京 11月 12月 補 助 機 関 に よ る 事 前 評 価 結 果 の 公 表 政 府 間 委 員 会 で 登 録 の 可 否 が 決 定 *補助機関とは、政府間委員会委員国のうち6か国の有識者(文化人類学者等)からなる評価機関 *政府間委員会とは、締結国(148か国)のうち24か国からなる委員会 和食の例 (1) <第1回 日本食文化の世界無形遺産登録に向けた検討会 名簿> (会長)熊倉功夫(静岡文化系術大学学長) (委員)(社)日本麺類業団体連合会会長・上野やぶそば (社)日本フードサービス協会会長・美濃吉 (社)日本料理文化振興協会理事長・江戸割烹米村 東京農業大学 辻調理師専門学校長 服部学園理事長 日本料理アカデミー理事長・菊乃井 日本酒造組合中央会・清酒月の桂 全国すし商生活衛生同業組合連合会会長・都寿司 キッコーマン 味の素 (アドバイザー) 東京文化財研究所 (オブザーバー)外務省・文化庁・厚労省・経産省・観光庁 (主催) 農水省 検討会 構成案 (会長) 学者 (委員) NPO健康と温泉フォーラム 、 NPO日本スパ振興協会 (社)日本温泉気候物理医学会 近畿日本ツーリスト 、 JTB 全国公衆浴場協同組合 (社)日本おふろ元気プロジェクト 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連) 、(社)日本旅館協会 星のや・山中温泉かよう亭 他 (アドバイザー) 東京文化財研究所無形文化遺産部長 (財)日本健康開発財団 (財)中央温泉研究所 旅行新聞社 (オブザーバー) 外務省 文科省・文化庁 厚生労働省 農林水産省 経産省・観光庁 (主催) 経済産業省 (参考)既に代表一覧表に記載されている類似分野の無形文化遺産 ○韓国のキムチ製造と分かち合い文化、キムジャン ○中国伝統医学の鍼灸術 ○和食:日本人の伝統的な食文化 ―正月を例として― ○カンドンベとその社会的・文化的空間:共同社会の慣習 ○地中海の食事(イタリア/キプロス/ギリシア/クロアチア/スペイン/ポルトガ ル/モロッコ共通) 認可の手順 和食の例 (2) 京都府+日本料理アカデミー 農水省 関係者検討会 文化庁 申請委員会 登録 保護・承継活動 温浴文化申請 温浴文化無形文化遺産化推進協議会設立 + 自治体 厚労省または経産省 検討委員会(メンバー+オブザーバー設定) 5つの基準すべてを満たす 文化庁チェック 文化審議会で委員会メンバー選択し審議 内閣府 ユネスコ申請 登録 保護・承継 情報収集・協力窓口 (1)文化庁文化財部伝統文化課 文化財国際協力室 木南(キミナミ) 秀隆氏 TEL 03-5253-4111(代) (内線2870) (2)農水省大臣官房政策課 食ビジョン推進室(元 和食文化事務局) 井原課長代理 TEL 03-3502-8111(代) (内線3104) ダイヤルイン 03-6738-6120 (3)和食文化の保護・承継国民会議事務局 岡下さん TEL 03-5226-9953(読売エージェンシー内)
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