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目次
経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定
前文
第一・ 五条
第一・四条
第 一・三条
第一・ 二条
第一・一条
審査及び上訴
行政上の 措置に関連す る手続
公衆による意 見提出の手続
透 明性
一般的定義
目的
総則
第一・六条
腐敗行為の防 止に関する措 置
第一 章
第一・七 条
1
第 一・八条
秘 密の情報
他の協定との関 係
租税
第一・十一条
実施取極
第一・九条
第一・十 二条
合 同委員会
例外
第一 ・十三条
小委員会
第一 ・十条
第一・十四 条
両締約国 間の連絡
物品の 貿易
第一・ 十五条
第 二章
第二・ 一条
物品の分類
定義
一 般規則
第二・二条
内国民待遇
第一節
第二・三 条
2
第二 ・六条
第二・五条
第 二・四条
輸入及び輸出の制 限
輸 出 補助 金
関税上の評価
関 税の撤廃又は引 下げ
セーフガード措 置
第二・七条
第二節
二国 間セーフガード 措置の適用
通報及び協議
第二 ・八条
第 二・十一条
補償
条件及び制限
第二・十二 条
暫定的 な二国間セー フガード措置
第二・九条
第二・ 十三条
世界貿易機関設 立協定に基づ くセーフガード 措置との関係
調査
第二・十四条
両締約国間 の連絡
第二・ 十条
第二・十 五条
3
第 二・十六条
ダ ンピ ン グ 防 止 措 置 及 び 相 殺 措 置
見直し
第二 ・十七条
国際収支擁護の ための措置
他 の規定
第二・十八条
物品の貿 易に関する小 委員会
第三節
第二・十 九条
物 品の貿易のため の運用上の手続規 則
第三・二条
第 三・一条
完全に得 られる産品
原産品
定義
輸出につい ての協力
第二 ・二十条
第二・二十 一条
第三・ 三条
原産資格割合
原産地規則
第三・四条
累積
第三章
第三・五 条
4
第 三・六条
僅 少の非原産材料
間 接材料
原産資格を与 えることとな らない作業
第三 ・十一条
附属品、予備 部品及び工具
第三・七条
第三・十二 条
小売用の 包装材料及び 包装容器
積 送 基準
第三・ 十三条
輸送用及び船積 み用のこん包材料 及びこん包容 器
第三 ・八条
第 三・十四条
関税上の特 恵待遇の要求
組み立ててないか 又は分解して ある産品
第三・十五 条
原産地 証明書
第三・九条
第三・ 十六条
輸出に関する義 務
代替性のあ る産品及び材 料
第三・十七条
原産地証明 書に基づく確 認の要請
第三・十 条
第三・十 八条
5
第三・二十二 条
第三 ・二十一条
虚偽申 告に対する罰 則及び措置
軽微な誤り
秘密 性
原産品であるか否かについての確認のための訪問
第三・二 十三条
雑則
第 三・十九条
第三 ・二十四条
原産地規則 に関する小委 員会
原産品であ るか否かにつ いての決定及び関 税上の特恵待 遇に係る決定
第三・二十 五条
原産地 規則のための 運用上の手続規 則
第三・二十 条
第三・ 二十六条
第四・ 二条
第四・一条
透明性
定義
適用範囲及び 目的
税関手 続及び貿易円滑 化
第四・三条
通関
第 四章
第四・四 条
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第四・八条
第四 ・七条
第四・六条
第 四・五条
税関手続及び貿易 円滑化に関す る小委員会
協 力 及び 情 報 の 交 換
事前教示
一 時輸入及び通過 物品
第 五・四条
第五・ 三条
第五・二条
第五 ・一条
照会所
措 置の同等
措置の調和
権利及び義務の 再確認
適用 範囲
衛生植物検疫 措置
第五・五条
衛生植物 検疫措置に関 する小委員会
第五章
第五・ 六条
第十六章の規定の 不適用
強 制 規 格 、 任 意規 格 及 び 適 合 性 評 価 手 続
第五・七条
第六章
7
第六・十条
第 六・九条
第六・ 八条
第六・七条
第六 ・六条
第六・五 条
第六・四条
第六 ・三条
第六・二条
第 六・一条
第十六章の規 定の不適用
強 制規格、任意規 格及び適合性評価 手続に関する 小委員会
照会所
適合性評価手続 の結果の受入 れ
強制 規格
国際規格
権利及び義務の再 確認
定義
目的
適 用範囲
適用範囲
サービスの 貿易
第七・一条
定義
第七章
第七・二 条
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第七・七 条
第七・六条
第七 ・五条
第七・四条
第 七・三条
国内 規制
特定の約束 に係る表
追加的な約束
市場アクセス
最恵国待遇
内 国民待遇
商慣習
第七 ・八条
第 七・十一条
支払及び資 金の移転
承認
第七・十二 条
国際収 支の擁護のた めの制限
第七・九条
第七・ 十三条
透明性
独占及び排 他的なサービ ス提供者
第七・十四条
利益の否認
第七・ 十条
第七・十 五条
9
第七・十七 条
第 七・十六条
約束の見直 し
サービスの貿易に関する小委員会
一般原則
自然人の 移動
第八・一条
適用範囲
第八 章
第八・二 条
定義
要件及び手 続
第八 ・三条
第八・ 五条
自 然人の移動に関 する小委員会
特定の約束
第 八・六条
紛争解決
第八・四条
第八・七条
一般規定
電子商取引
第九・一条
定義
第九章
第九・二 条
10
第九・九条
第九 ・八条
第九・七 条
第九・六条
第九 ・五条
第九・四条
第 九・三条
国内規制
貿易 実務に係る文書 の電子化
要求されて いない商業上 の電子メール
消費者の保護
電 子 署名
デジタル・プ ロダクトの無 差別待遇
関税
ソース・コード
コンピュー タ関連設備の 所在地に関する 要求の禁止
第 九・十一条
協力
第九・ 十条
第九・十二 条
電子商 取引に関する 小委員会
投資
適用範囲
第九・ 十三条
第十章
第十・一 条
11
第十・八条
第十 ・七条
第十・六 条
第十・五条
第十 ・四条
第十・三条
第 十・二条
適合しない措置
特定 措置の履行要求 の禁止
裁判所の裁 判を受ける権 利
一般的待遇
最 恵 国待 遇
内国民待遇
定義
資金の移転
収用及び補 償
第十・十一 条
代位
第十・ 九条
第十・ 十二条
一方の締約国と 他方の締約国 の投資家との間 の投資紛争の解決
争 乱からの保護
第十・十三条
一時的なセ ーフガード措 置
第 十・十条
第十・十 四条
12
第十 ・二十条
第十・十 九条
第十・十八条
第十 ・十七条
第十・十六 条
第 十・十五条
有 効期間及び終了
二国間投 資協定との関 係
投資に関する小 委員会
健 康、 安 全 及 び 環 境 に 関 す る 措 置 並 び に 労 働 基 準
利益の否認
信用秩序の維持 のための措置
第十一 ・四条
第十一・三 条
第 十一・二条
第十一 ・一条
透明性
手続の 公正な実施
無差別待遇
反競争的行為の 規制に関する協力
反競争的 行為
競争
第十一・五条
第一・八条 2及び第十六 章の規定の不適 用
第十一章
第十一・ 六条
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第十 二・二条
第十二・一 条
内国民待遇
定義
一般規定
知的 財産
第十二・三条
手続事項
第 十二章
第十二・ 四条
透 明性
特許
第十 二・五条
第十二 ・七条
意匠
知的財産の保 護についての 啓発の促進
第 十二・八条
商標
第十二・六 条
第十二・九 条
地理的表示
著作権 及び関連する 権利
第十二・十一 条
不正競争
第十二 ・十条
第十二・ 十二条
14
第十二・十 九条
第十 二・十八条
第十二・ 十七条
第十二・十六 条
第十 二・十五条
第十二・十 四条
第 十二・十三条
安全保障の ための例外
知的財産に関す る小委員会
デジタ ル環境におけ る権利行使
刑事上の制裁 に係る権利行 使
民事 上 の 救 済 に 係 る 権 利 行 使
国境措置 に係る権利行 使
開示されてい ない情報の保 護
第十三 ・三条
第十三・二 条
第 十三・一条
無差別待遇に関 する交渉
追加的 な交渉
情報の交換
調達に関する原 則
政府調達
第十三・四条
政府調達に 関する小委員 会
第十三 章
第十三・ 五条
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第十四・一 条
ビ ジネ ス 環 境 の 整 備 に 関 す る 小 委 員 会
基本原則
ビジ ネス環境の整備
第十 四・二条
連絡事務所
第 十四章
第十四・三条
第十六章 の規定の不適 用
協力
第十四・ 四条
第十 五章
第十五 ・二条
協力の費用
協力の範 囲及び形態
基本原則
第 十五・三条
協力に関す る小委員会
第十五・一 条
第十五・四 条
次章の 規定の不適用
紛 争解決
適用範囲
第十五 ・五条
第十六章
第十六・ 一条
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第十六・八 条
第十 六・七条
第十六・ 六条
第十六・五条
第十 六・四条
第十六・三 条
第 十六・二条
仲裁裁判所の 任務
仲 裁裁判所の構成
仲裁裁判 所の設置
あっせん、調停 又は仲介
協議
紛争解決の 場の選択
一般原則
裁定の実 施
仲裁裁判 手続
第十六・十 一条
期間 の変更
第十六 ・九条
第十六 ・十二条
費用
仲裁裁判手続の 終了
第十六・十三 条
言語
第 十六・十条
第十六・ 十四条
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第十七・一 条
附 属書 及 び 注 釈
目次及び見 出し
最終 規定
第十 七・二条
改正
第 十七章
第十七・三条
第二・四条 の規定に関する 表
効力発生
附属書 一(第二章関 係)
品目 別規則
第十七・ 四条
附 属書二(第三 章関係)
原産地証明書 の必要的記載事項
終了
附属書三( 第三章関係)
金融サー ビス
第十 七・五条
附属書 四(第七章関 係)
電気 通信サービス
正文
附属書五(第 七章関係)
特定の約束に 係る表及び最恵 国待遇の免除 に係る表
第十七・六 条
附属書六 (第七章関係 )
18
附属書十(第 十章関係)
附属 書九(第十章 関係)
附属書八( 第十章関係)
附 属書七(第八 章関係)
収用
第十・八 条3に規定す る措置に関する 留保
第十・八条1 に規定する措置に 関する留保
自然 人の移動に関 する特定の約束
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前文
日本国及び モンゴル国は、
貿易 及び投資の増 大並びに両締約国 間の互恵的な 協力を通じて発 展を遂げてきた良 好な関係並び に強固な
経済的及び政 治的きずなを意識 し、
国際化及 び世界経済の 一層緊密な統合 によってもたらさ れる活発なか つ急速に変化す る国際環境が 、新た
な多 数の経済上の 課題及び機会を 両締約国に提 示していることを 理解し、
両締約国の 経済がお互いを補 完する条件に 恵まれているこ と並びにその 補完性が両締約国 間の貿易及び 投
資の活 動を通じたそ れぞれの経済力の 利用により両 締約国における 持続可能な経済的 発展を一層促 進するこ
と に寄与するも のであることを 認識し、
経済発展の 水準における締 約国の相違を 理解し、
両締約国間の貿易及び投資を規律する互恵的な規則を通じて貿易及び投資に関する明確かつ強固な枠組み
を創設するこ とを希望し、
さらに、両締約国の経済の競争力及び供給の能力を強化し、両締約国の市場をより効率的かつ活発なもの
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と し、両締約国 間の貿易及び投 資の一層の拡 大のための予見可 能な通商上の 環境を確保し、 並びに両締約 国
の経済効率 の向上及び経 済成長に貢献す ることを希望し、
両締 約国間の通商 上及び経済上の関 係を一層強化 するための民間 部門の重要な役割 に留意し、並 びにこの
協定がそのよ うな民間部門のた めの新たな貿 易及び投資の機 会を創出する ことを信じ、
この協定 の実施が、人 材養成を通じて 新たな、かつ、よ り良い雇用の 機会を創出する ことに貢献し 、両締
約国 の国民の生活 水準(消費者の 福祉を含む。 )を向上させるこ とを信じ、
この協定が 、両締約国間の既 存の政治的及 び経済的なきず なの強化に貢 献するのみならず 、日本国とモ ン
ゴル国 との間の「戦 略的パートナーシ ップ」の構築 における重要な 段階の一つとなる との見解を再 確認し、
千 九百九十四年 のガット第二十 四条及びサービ ス貿易一般協定 第五条を想起 し、
この協定が 両締約国間の関 係において新 たな時代を開くも のとなるであ ろうことを確信 し、
両締約国間の経済上の連携の強化のための法的枠組みを設定することを決意して、
総則
次のとおり協 定した。
第一章
21
第 一・一条
目的
この協定は 、両締約国の発 展段階及び経 済上の必要性を考 慮しつつ、次 に掲げる手段を 通じて、両締 約国
間の 新たな経済的 な活力を作り出す ことを目的と する。
両締約国間の 物品及びサービス の貿易を自由 化し、及び円滑 化すること。
両締 約国における 投資の機会を増 大させ、並びに投 資財産及び投 資活動の保護を 強化すること 。
知的財産の 保護を強化するこ と。
各締約 国における競争法 の効果的な執 行のための協力 及び調整を促 進すること。
貿 易及び投資に 関連する全ての 分野における両締 約国間の協力 並びにビジネス 環境の整備を更 に強化
し、拡大し 、及び深めるた めの枠組みを 設定すること。
一般的定義
この協 定の実施及び運 用並びに紛争 の防止及び解決の ための効果的 な手続を創設す ること。
第一・二条
こ の 協 定 に 別 段 の 定 め があ る 場 合 を 除 く ほ か 、 こ の 協 定 の 適 用 上 、
22
両締約国 間の自然人の移 動を円滑化す ること。
(f) (e) (d) (c) (b) (a)
(g)
「関税評価協定」とは、世界貿易機関設立協定附属書一A千九百九十四年の関税及び貿易に関する一
般協定第七 条の実施に関す る協定をいう 。
「区 域」とは、
日本国につい ては、日本国の領 域並びに日本国 が国際法に基 づき主権的権利又 は管轄権を行 使する
注釈
の 規 定 は 、 国 連 海 洋 法 条 約 を 含 む 国 際 法 に 基 づ く 両 締 約 国 の権 利 及 び 義 務 に 影 響 を 及 ぼ
(b)
む。
法人の設立、 取得又は維持
サ ー ビ ス の 提 供 を 目 的 と し て締 約 国 の区 域 内 で行 わ れ る次 の い ず れか の 行 為に よ り 置か れ る もの を 含
「 業務上の拠点 」とは、業務を 行うため又は自由 職業のための 事業所をいい、 これらの事業所 には、
すもの ではない。
この
モン ゴル国について は、モンゴル 国の領域をいう。
排他的経 済水域及び大陸 棚をいう。
(i)
(ii)
支店又は 代表事務所の設置 又は維持
(ii) (i)
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(a)
(b)
(c)
「税関当局」とは、各締約国又は第三国の法令に従い、関税法令の運用及び執行について責任を負う
当局をいう 。
日本 国については、財 務省又はその 後継機関
「 締約国の企業 」とは、締約国 の関係法令に基づ いて設立され 、又は組織され る企業をいう。
信託、組合、個人企業、合弁企業、団体、組織及び会社を含む。)をいう。
ているかを 問わず、関係法令 に基づいて適 正に設立され、 又は組織され る法人その他の事 業体(社団、
「企 業」とは、営 利目的であるか 否かを問わず、ま た、民間又は 政府のいずれが 所有し、又は 支配し
「日」と は、暦日をいい 、週末及び休 日を含む。
モンゴル国に ついては、関税庁 又はその後継機 関
(ii) (i)
「サービス 貿易一般協定」 とは、世界貿 易機関設立協定附 属書一Bサー ビスの貿易に関 する一般協定
をいう 。
「千九百九十 四年のガット」と は、世界貿易 機関設立協定附 属書一A千九百九 十四年の関税 及び貿易
に関する 一般協定をいう。 この協定の適 用上、千九百九 十四年のガッ トの条項を引用す る場合には、 そ
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(d)
(f) (e)
(h) (g)
(i)
の 解釈に係る注 釈を含む。
「統一シス テム」とは、商 品の名称及び 分類についての統 一システムに 関する国際条約 附属書に定め
る商 品の名称及び 分類についての統 一システムであ って、両締約 国によりそれぞれ の国内法の下 で採用
され、及び実 施されるものをい う。
「投資財 産」とは、投資 家により直接 又は間接に所有さ れ、又は支配 されている全て の種類の資産 を
いい 、次のものを 含む。
企業及び企 業の支店
「 知的財産」とは、 第十二・二条 に規定するもの をいう。
知的財産
金銭債 権及び金銭的価 値を有する契 約に基づく給付の 請求権
契約(完成 後引渡し、建設 、経営、生産 又は利益配分に関 する契約を含む 。)に基づく 権利
債 券、社債、貸 付金その他の貸 付債権(その貸付 債権から派生 する権利を含む 。)
株式、 出資その他の形態 の企業の持分 (その持分から 派生する権利 を含む。)
(vi) (v) (iv) (iii) (ii) (i)
注釈
25
(j)
(k)
法 令又は契約に よって与えられ る権利(例えば、 特許、免許、 承認、許可。金 融サービス及 び電気
通信サービ スの提供、原子 力の生産並び に天然資源の探査 及び採掘のた めの権利を含む 。)
他の 全ての資産(有体 であるか無体 であるかを問わ ず、また、動 産であるか不動産 であるかを問 わ
投 資財産には、投 資財産から生 ずる価値、特に、 利益、利子、 資本利得、配当 、使用料及び 手
ない。)及び 賃借権、抵当権、 先取特権、質 権その他の関連 する財産権
注釈
数料 を含む。投資さ れる資産の形 態の変更は、その 投資財産とし ての性質に影響 を及ぼすもの で
はない。
行 っており、又 は既に行ったも のをいう。
締約国の法 律の下で当該締 約国の国民で ある自然人
わず、関 係の法律に基づい て適正に設立 され、又は組織 される法定の 事業体(社団、信 託、組合、合 弁
「法人」とは 、営利目的である か否かを問わ ず、また、民間 又は政府のいずれ が所有してい るかを問
締約国 の企業
(ii) (i)
26
(vii)
(viii)
「 締 約 国 の 投 資 家 」 と は 、 次 の 者 で あ っ て 、 他 方 の 締 約国 の 区 域内 に お いて 、 投 資 を行 お う とし 、
(l)
(m)
企 業、個人企業 及び団体を含む 。)をいう。
法人がいず れかの者によっ て「所有」さ れるとは、当該者 が当該法人の五 十パーセント を超える持
分を受益者として所有する場合をいう。
法人がいずれ かの者によって「 支配」されると は、当該者が 当該法人の役員の 過半数を指名 し、又
「原 産品」とは、 第三章の規定に 従って原産品とさ れる産品をい う。
は当該法 人の活動につき 法的に指示す る権限を有する場 合をいう。
(ii)
「両締約国」とは、日本国及びモンゴル国をいい、「締約国」とは、日本国又はモンゴル国をいう。
「者」 とは、場合に応じ て、自然人又 は企業若しくは 法人をいう。
法人 がサービスを直 接ではなく、 支店、代表事務所 その他の形態 の業務上の拠点 を通じて提供
「 サービス提供 者」とは、サー ビスを提供し、又 は提供しよう とする者をいう 。
注釈
し、又 は提供しようと する場合には 、サービス提供者 (すなわち、 当該法人)に対 し、第七章の
規定に基づいてサービス提供者に与えられる待遇が当該業務上の拠点を通じて与えられる。当該
待遇は、 当該業務上の拠点 に及ぼされる ものとし、サー ビスが提供され、 又は提供され ようとす
27
(n)
(i)
(r) (q) (p) (o)
1
る 締約国の区域外 に所在する当 該サービス提供者 の部分に及ぼ される必要はな い。
「衛生植物 検疫措置の適用 に関する協定 」とは、世界貿易 機関設立協定 附属書一A衛生 植物検疫措置
の適 用に関する協 定をいう。
「公的企業」 とは、締約国が所 有し、又は支 配している法人 をいう。
「貿易関 連知的所有権協 定」とは、世 界貿易機関設立協 定附属書一C 知的所有権の貿 易関連の側面 に
関す る協定をいう 。
「 国 連 海 洋 法 条 約 」 と は 、 千 九 百 八 十 二 年 十 二 月 十 日 に モ ン テ ゴ ・ ベ イ で作 成 さ れ た 海 洋 法 に 関 す る
国際連 合条約をいう 。
「 世界貿易機関 設立協定」とは 、千九百九十四年 四月十五日に マラケシュで作 成された世界貿 易機関
透明性
を設立する マラケシュ協定 をいう。
第一・ 三条
各締約国 は、法令、一般に 適用される司 法上の決定及び 自国が締結し ている国際協定で あって、この 協
定の対象となる事項に関するものを速やかに公表し、又は公に利用可能なものとする。
28
(s)
(u) (t)
(v)
(w)
2
3
4
各締約国は 、1に規定する 法令について 責任を有する権限 のある当局の 名称及び住所を 容易に公に利 用
可能なもの とする。
一方の締約国は、他方の締約国の要請があった場合には、1に規定する事項に関して、合理的な期間内
に、可能な範 囲において英語で 、当該他方の 締約国の個別の 質問に応じ、 及び当該他方の締 約国に情報を
提供する 。
各締約国は、 この協定の実施 及び運用に重 大な影響を及ぼす 法令を導入し 、又は変更する 場合には、緊
急の場合を 除き、かつ、国内 法の対象とな る範囲内で、当 該法令が公表 され、又は公に利 用可能なもの と
公 衆による意見提 出の手続
される 時と当該法令 の導入又は変更が 効力を生ずる時 との間に適当 な期間を置くよう 努める。
第 一・四条
各締約国は 、自国の法令に 従い、かつ、 実施可能な範囲内 で、この協定 の対象となる事 項に関する公 衆に
行政上の措置に関 連する手続
締約 国の権限のあ る当局は、この協 定の実施及び運 用に関連し、 又は影響を及ぼす 行政上の決定 を求め
第一・五条
よる意 見提出の手続 を維持する。
1
29
2
3
る 者によって提 出された申請を 受理した場合 には、自国の法令 に従って、次 のことを行う。
3に規定す る定められた標 準的な期間を 考慮して、自国の 法令に基づき 不備がないと認 められる申請
が提 出された後合 理的な期間内に、 当該申請に関す る決定を申請 者に通知すること 。
申請者の要請 があった場合には 、申請の処理 状況に関する情 報を合理的な期間 内に提供する こと。
締約国の権限のある当局は、自国の法令に従い、1に規定する申請を審査する基準を定めるものとし、
また 、次のことを 行う。
当該基準を できる限り具体的 なものとする こと。
当該基 準を公に利用可能 なものとする こと(公に利用 可能なものと することが当該締 約国にとって 行
政 上特別の支障 を来すこととな る場合を除く。 )。
締約国 の権限のある 当局は、1に規 定する申請の審査 を行うため、 自国の法令に従 って、次のこ とを行
う。
申請の受理と 当該申請に対して 行う行政上の 決定との間の標 準的な期間を定め るよう努める こと。
標準的な 期間が定められた ときは、当該 期間を公に利用 可能なものと すること。
30
(a)
(b)
(b) (a)
(b) (a)
4
1
2
締約国の権 限のある当局は 、ある者に対 して義務を課し、 又は法的な権 利を制限する最 終的な決定を 行
う前に、時 間的にかつ措置 の性格上許容 され、及び公共の 利益に反する こととならない ときは、自国 の法
令に 従って、その 者に対して次の通 知及び機会を 与えるよう努め る。
適当な通知( 当該措置の性格、 当該措置の根 拠となる法令の 条項及び当該措置 の原因となる 事実の記
載を含む 。)
審査及び上訴
その 者の立場を裏 付ける事実及び 主張を提示するた めの適当な機 会
第一・六条
各 締約国は、こ の協定の対象とな る事項に関す る行政上の行為 について、速やか な審査及び正 当な理由
が ある場合には その是正が行わ れるために、裁 判所又は手続を 維持する。当 該裁判所又は手続 は、公平な
ものとし、 及びそのような 行為の行政上 の実施について責 任を有する当 局から独立して いなければな らな
い。
各締約国 は、1に規定する 裁判所又は手 続において、当 事者に対し次 のことを要求する 権利が与えら れ
ることを 確保する。
31
(a)
(b)
3
当 事 者 そ れ ぞ れ の 立 場 を 裏 付 け る 主 張 を 行 い 、又 は 自 己 の 立 場 を 防 御 す る た め の 適 当 な 機 会 が 与 え ら
れること。
証 拠 及 び 記 録 さ れ る意 見 に 基 づ く 決 定 が 行 わ れ る こ と 。
各締約国 は、自国の法令に よって定めら れる上訴又は更 なる審査の手 続に従うことを条 件として、問 題
腐敗行為の防止 に関する措置
となって いる行政上の 行為に関し、当 該行政上の行為に 関する決定が 関係当局によっ て実施される ことを
確保 する。
第一・七条
各締約 国は、自国の 法令に従い、この 協定の対象とな る事項に関す る自国の公務員に よる腐敗行為 を防止
秘密の情報
この 協定に別段の 定めがある場合を 除くほか、この 協定のいかな る規定も、締約国 に対し、秘密 の情報
の秘密性を保 持する。
一 方の締約国は 、自国の法令に 従い、他方の 締約国がこの協定 に従って秘密の ものとして提 供した情報
第一・八条
し 、及び阻止す るために、適当 な措置をとる。
1
2
32
(a)
(b)
1
2
3
1
2
で あって、その 開示が、法令の 実施を妨げ、 その他公共の利益 に反すること となり、又は公 私の特定の企
租税
業の正当な 商業上の利益を 害することと なるものの提供を 要求するもの ではない。
第一 ・九条
この協定 に別段の定めがあ る場合を除く ほか、この協定 の規定は、租 税に係る課税措置 については、 適
用しない 。
この協定のい かなる規定も、 租税条約に基 づく締約国の権利 及び義務に影 響を及ぼすもの ではない。こ
の協定と当 該租税条約とが抵 触する場合に は、その抵触の 限度において 、当該租税条約が 優先する。
第 一・三条及び 前条の規定は、こ の協定の規定 が租税に係る課 税措置に適用され る限度におい て、当該
例外
措 置について適 用する。
第一・十条
こ の協定(第七 章、第八章及び 第十二章を除 く。)の適用上、 千九百九十四年 のガット第二 十条及び第
二十一条の規 定は、必要な変更 を加えた上で 、この協定に組 み込まれ、こ の協定の一部を成 す。
第七 章から第十章 までの規定の適用 上、サービス貿 易一般協定第 十四条及び第十四 条の二の規定 は、必
33
3
1
要 な変更を加え た上で、この協 定に組み込ま れ、この協定の一 部を成す。
両締約 国は、次に掲 げる場合に関連 する事項について 相互に協議す ることができる 。
少数の一次産品の輸出に依存する締約国の輸出収入が、当該産品の販売又は国際価格の低下により、
著しく減少す る場合
及び サービス貿易一般 協定第十四条
締約国の 特定の産業の確 立を促進する ことが、その国民 の一般的生活 水準を引き上げ るために求め ら
この 条の規定の適用上 、千九百九十 四年のガット第 二十条
再確認す る。
の規定は、生物 資源であるか 否かを問わず、 有限天然資源の 保存に
他の協 定との関係
34
れる 場合
注釈
九 百九十四年の ガット第二十条
の規定 は、人、動物又は 植物の生命又 は健康の保護の ために必要な 環境上の措置を含 むこと並びに 千
(b)
両締約国 は、世界貿易機関 設立協定又は 両締約国が締結 しているその 他の協定に基づく 権利及び義務 を
第一・ 十一条
関する措置 に適用すること が了解される 。
(g)
(b)
(a)
(b)
2
3
この協定と 世界貿易機関設 立協定とが抵 触する場合には、 その抵触の限 度において、世 界貿易機関設 立
協定が優先 する。
この協定と両締約国が締結している協定(世界貿易機関設立協定を除く。)とが抵触する場合には、両
実施取極
締約国は、国 際法の一般原則を 考慮しつつ、 相互に満足すべ き解決を得る ために直ちに相互 に協議する。
第一・十 二条
35
両締 約国政府は、 この協定を実施 するための詳 細及び手続を定め る別の取極であ って、この協 定を補完す
るもの(以下「実施取極」という。)を締結する。
両締約国は 、この協定に基 づき合同委員会 を設置する。
合同委員 会
1
合同委 員会は、次の ことを任務とす る。
第一・ 十三条
2
この協 定の実施及び運 用について検 討及び監視を行い 、必要な場合 には、両締約国 に対して適当 な勧
この協定 の改正について検 討し、及び両 締約国に勧告す ること。
告を行うこと 。
(a)
(b)
この協定に基づいて設置される全ての小委員会の作業を監督し、及び調整すること。
次のものを 採択すること。
第二 ・二十条及び第三 ・二十六条に それぞれ規定す る物品の貿易 のための運用上の 手続規則及び 原
産地規則のた めの運用上の手続 規則
必要な決 定
両締 約国が合意す るその他の任務 を遂行すること。
合 同 委 員 会 は 、 両 締約 国 政 府 の 代 表 者 か ら 成 る 。
合同委 員会は、次条に規 定するもの以 外の小委員会を 設置すること ができる。
合同委 員会は、その 規則及び手続を 定める。
合 同委員会は、 小委員会に対し て自己の任務の遂 行を委任する ことができる。
4
合 同委員会は、 この協定の効力 発生の日に第 一回会合を開催す るものとし、そ の後は、両締 約国が合意
小委員会
する時期及び 場所において又は 手段によって 会合を開催する 。
5
3
(i)
(ii)
第一・十 四条
36
(d) (c)
(c) (b) (a) (e)
1
この協定の 効力発生の日に 、次の小委員 会を設置する。
第二・十九 条に規定する物 品の貿易に関 する小委員会
第四・八条に 規定する税関手続 及び貿易円滑 化に関する小委 員会
第五・六 条に規定する衛 生植物検疫措 置に関する小委員 会
第六 ・九条に規定 する強制規格、 任意規格及び適合 性評価手続に 関する小委員会
第七・十六 条に規定するサー ビスの貿易に 関する小委員会
第八・ 六条に規定する自 然人の移動に 関する小委員会
第 九・十三条に 規定する電子商 取引に関する小委 員会
第十・十八 条に規定する投 資に関する小 委員会
第十二 ・十八条に規定 する知的財産 に関する小委員会
第十三・五条 に規定する政府調 達に関する小 委員会
第十四・ 二条に規定するビ ジネス環境の 整備に関する小 委員会
37
第三・二十五条に規定する原産地規則に関する小委員会
(l) (k) (j) (i) (h) (g) (f) (e) (d) (c) (b) (a)
2
第 十五・四条に 規定する協力に 関する小委員 会
両締約 国間の連絡
小委員 会は、1に規 定する各条にお いて特定する任務 を遂行する。
第一 ・十五条
定義
一 般規則
物品の貿 易
各締約国は、 この協定に関する 全ての事項に ついて両締約国 間の連絡を円 滑にするため、連 絡部局を指定
する。
第二 章
第一節
第二・ 一条
こ の章の規定の 適用上、
「農業協定 」とは、世界貿 易機関設立協 定附属書一A農業 に関する協定 をいう。
「ダン ピング防止協定 」とは、世界 貿易機関設立協定 附属書一A千 九百九十四年の 関税及び貿易 に関
する一般協定 第六条の実施に関 する協定をい う。
「セーフ ガード協定」とは 、世界貿易機 関設立協定附属 書一Aセーフ ガードに関する協 定をいう。
38
(m)
(b) (a)
(c)
「補助金及び相殺措置に関する協定」とは、世界貿易機関設立協定附属書一A補助金及び相殺措置に
関する協定 をいう。
「 二 国 間 セ ー フ ガ ード 措 置 」 と は 、 第 二 ・ 八 条 2 に 規 定 す る 二 国 間 セ ー フ ガ ー ド 措 置 を い う 。
「 関 税 」 と は 、 産 品 の 輸 入 に 関 連 し て 課 さ れ る 関 税及 び 輸 入税 を い う。 た だ し 、次 の も のを 含 ま な
い。
千九 百九十四年のガ ット第二条2 及び第三条2の規 定に適合して 課される内国税 に相当する課 徴金
提 供された役務 の費用に応じた 手数料その他の課 徴金
相殺措 置に関する協定の 規定に適合し て課されるダン ピング防止税 又は相殺関税
締約国の法 令により、かつ、 千九百九十四 年のガット第六 条、ダンピング防 止協定及び補 助金及び
(ii) (i)
う。
生産者のうち当該産品の生産高の合計が当該産品の国内総生産高の相当な部分を占めている生産者をい
「国内 産業」とは、締 約国内で活動 する同種の若しく は直接に競合 する産品の生産 者の全体又は 当該
「物品の課 税価額」とは、 従価による関 税の賦課のための 輸入物品の価 額をいう。
(iii)
39
(d)
(f) (e)
(h) (g)
「暫定的な二国間セーフガード措置」とは、第二・十三条1に規定する暫定的な二国間セーフガード
措置をいう 。
「 重 大 な 損 害 」 と は、 国 内 産 業 の 状 態 の 著 し い 全 般 的 な 悪 化 を い う 。
「重大な損害 のおそれ」とは、 事実に基づき 、明らかに差し 迫った重大な損害 と認められる ものをい
物品の 分類
い、申立 て、推測又は希 薄な可能性に のみ基づくものを 含まない。
第二 ・二条
内国民待遇
両締約国間 で取引される物品 の分類は、統 一システムに適 合したものと する。
第二・ 三条
一 方の締約国は 、千九百九十四 年のガット第三 条の規定の例に より、他方の 締約国の産品に対 して内国民
待遇を与え るものとし、 このため、同条 の規定は、必要な 変更を加えた 上で、この協定 に組み込まれ 、この
関税の撤廃又は引 下げ
この 協定に別段の 定めがある場合を 除くほか、一方 の締約国は、 他方の締約国の原 産品について 、附属
第二・四条
協定の 一部を成す。
1
40
(i)
(k) (j)
2
書 一の自国の表 に従って、関税 を撤廃し、又 は引き下げる。
両締約 国は、いずれ かの締約国の要 請に基づき、附属 書一の自国の 表において交渉 の対象として 指定し
から
の規定に従い、輸 入について又 は
た原 産品に関する 市場アクセスの改 善その他の事 項について、当 該表に定める条件 に従って交渉 する。
両締約国 間で取引される物 品は、千九百 九十四年のガッ ト第二条1
輸入に関 連して課せら れるその他の全 ての種類の租税又 は課徴金を免 除される。
この条のいか なる規定も、一 方の締約国が 他方の締約国の産 品の輸入につ いて、第二・一 条
までにそれ ぞれ規定する内国 税に相当する 課徴金、ダンピ ング防止税若 しくは相殺関税又 は手数料その 他
の課徴 金を随時課す ることを妨げるも のではない。
特定の産品 に関する最恵国 待遇に基づく自 国の関税の撤廃 又は引下げの 結果として、当該 産品の実行最
恵国税率が 、当該産品と同 じ関税品目に 分類される原産品 について1の 規定に従って適 用される税率 に等
しくなり、又はこれより低くなる場合には、一方の締約国は、他方の締約国に対し、その撤廃又は引下げ
を遅滞なく通 報する。
特定 の産品に関す る自国の実行最恵 国税率が、当該 産品と同じ関 税品目に分類され る原産品につ いて1
(iii)
3
4
5
6
41
(f)
(i)
(b)
関税上の 評価
の 規定に従って 適用される税率 より低くなる 場合には、各締約 国は、当該産 品について、そ の低い税率を
適用する。
第二 ・五条
輸出補助金
関税評価協定 第一部の規定は、 両締約国間で 取引される物品 の課税価格の 決定について準用 する。
第二・六 条
いず れの締約国も 、農業協定附属 書一に掲げる 農産品について、 世界貿易機関設 立協定に基づ く義務に適
輸入及び輸 出の制限
一方の締 約国は、両締約国 が合意する産 品の他方の締約 国からの輸入 又は当該他方の締 約国への輸出 に
協定の規定に基づく義務に適合しないいかなるものも新設し、又は維持してはならない。
の輸出若し くは輸出のため の販売につい て、関税以外の禁 止又は制限で あって関連する 世界貿易機関 設立
いずれの一 方の締約国も、 他方の締約国の 産品の輸入につ いて、又は他 方の締約国に仕向 けられる産品
第二・ 七条
合しないいかなる輸出補助金も新設し、又は維持してはならない。
1
2
ついて関税以外の禁止又は制限であって世界貿易機関設立協定に適合してとられるものを新設する場合に
42
1
は 、自国の国内 法令に適合する 方法により、 その新設の前に、 又はその後で きる限り速やか に、当該他方
の締約国に 対して関連する 情報を利用可 能なものとし、又 は通報するよ う努める。この 2の規定は、 当該
一方の締約国は、世界貿易機関設立協定に基づく関連する手続を通じて他方の締約国に対して関
情報 の共有につい て当該一方の締約 国が公共の利 益に反すると認 めるときは、適用 しない。
注釈
二国間セーフガ ード措置の適 用
セーフガ ード措置
連する情 報を提供するこ とにより、こ の2の規定を履行 することがで きる。
第二 節
第二・八条
一 方の締約国は 、第二・四条の規 定に従って他 方の締約国の原 産品の関税を撤廃 し、又は引き 下げた結
果 として、当該 原産品が絶対量 又は国内生産量 に比較しての相 対量において 増加した数量で自 国に輸入さ
れている場 合において、当 該増加した数 量が自国の国内産 業に対する重 大な損害又は重 大な損害のお それ
を引き起こす重要な原因となっているときは、この節の規定に従うことを条件として、自国の国内産業に
対す る 重 大な 損 害 を防 止 し 、又 は 救 済 し、 か つ 、調 整 を 容易 に す るた め に 必 要な 最 小 限度 の 範 囲に お い
て、二国間セーフガード措置をとることができる。
43
2
1
締約国は、 二国間セーフガ ード措置とし て次のいずれかの 措置をとるこ とができる。
こ の 章 に 定 め る 関 税 の 引 下 げ の 対 象 と な る 1 に 規 定 する 原 産 品の 関 税 の更 な る 引 下げ を 停 止す る こ
と。
次の税率のう ちいずれか低いも のを超えない 水準まで1に規 定する原産品の関 税を引き上げ ること。
二国間セ ーフガード措置 をとる日にお ける実行最恵国税 率
条件及び制限
置の予定適用 期間が一年を超え る場合には、 調整を容易にす るため、当該 二国間セーフガー ド措置を維持
ることができるが、延長を含めた合計の適用期間は、六年を超えないものとする。二国間セーフガード措
えてはなら ない。ただし、 極めて例外的 な状況においては 、二国間セー フガード措置の 適用期間を延 長す
限 度及び期間を 超えて維持され てはならず、ま た、当該二国間 セーフガード 措置の適用期間は 、三年を超
二 国間セーフガ ード措置は、重大 な損害を防止 し、又は救済し 、かつ、調整を容 易にするため に必要な
第二・九条
この 協定の効力発生 の日の前日に おける実行最恵国 税率
(ii) (i)
し て い る 締 約 国 は 、 当 該二 国 間 セ ー フ ガ ー ド 措 置 の 適 用 期 間 中 一 定 の 間 隔 で 当 該 二 国 間 セ ー フ ガ ー ド 措 置
44
(a)
(b)
2
3
4
5
1
を 漸進的に緩和 する。
二国間 セーフガード 措置の対象とさ れた原産品の輸入 については、 当該二国間セー フガード措置 がとら
れた 期間と等しい 期間又は一年のう ちいずれか長 い期間が経過す るまで、二国間セ ーフガード措 置を再度
とってはなら ない。
二国間セーフガード措置の対象とされた原産品について、当該二国間セーフガード措置の適用期間の終
了後 における関税 率は、当該二国 間セーフガー ド措置がとられな かったとしたな らば適用した であろう税
率とする。
二 国間セーフガ ード措置は、輸入 締約国による ある物品の輸入 において輸出締約 国の原産品の 輸入の割
合 が当該物品の 総輸入量の三パ ーセントを超え ない場合には、 当該原産品に ついてとられては ならない。
各締約 国は、二国間 セーフガード措 置に関し、公平な 、時宜を得た 、透明性のある 、かつ、効果 的な手
調査
続を採 用し、又は維 持する。
第二・十条
締約 国は、セーフ ガード協定第三条 及び第四条2に 定める手続と 同様の手続に従い 、自国の権限 のある
45
2
当 局が調査を行 った後において のみ二国間セ ーフガード措置を とることがで きる。
1に規 定する調査に ついては、特別 な場合を除くほか 、当該調査の 開始の日の後一 年以内に完了 させな
通報及び協議
けれ ばならず、か つ、いかなる場合 においても、 当該調査の開始 の日の後十八箇月 を超えてはな らない。
第二・十一条
一方の締約国は、次の場合には、他方の締約国に対し直ちに書面による通報を行う。
に規 定する場合におけ る書面による 通報については 、原産品の輸 入の増加により引 き起こされた
46
重大 な損害又は重 大な損害のおそ れ及びその理由に 関する前条1 に規定する調査 を開始する場 合
二国間セー フガード措置をと り、又は延長 する決定を行う 場合
1 に規定する書 面による通報を行 う一方の締約 国は、全ての関 連する情報を他方 の締約国に提 供する。
に規定 する場合におけ る書面による 通報については、 調査の開始の 理由、調査の対 象となる原産
当 該情報には、 次の事項を含め る。
1
1
調査の開始の 日付
品につ いての正確な 説明及び当該原 産品が分類される 統一システム の号、調査の対 象となる期間 並びに
(a)
(b)
1
2
(b) (a)
(a)
(b)
3
1
2
重 大な損害又は 重大な損害のお それがあるこ とについての証拠 、とろうとする 二国間セーフ ガード措置
の 対 象 と な る 原 産 品 の 正 確 な説 明 及 び当 該 原 産品 が 分 類 され る 統 一シ ス テ ムの 号 、 当該 二 国 間 セー フ
ガー ド措置の正確 な説明並びに当該 二国間セーフガ ード措置を導 入しようとする日 付及び予定適 用期間
二国間セ ーフガード措置を とろうとし、 又は延長しよう とする一方の 締約国は、前条1 に規定する調 査
から得ら れる情報を検 討し、当該二国 間セーフガード措 置に関し意見 を交換し、及び 次条に規定す る補償
補償
につ いて合意に達 するため、他方 の締約国に対 し、事前の協議を 行うための十分 な機会を与え る。
第二・十二 条
二 国間セーフガ ード措置をとろう とし、又は延 長しようとする 一方の締約国は、 他方の締約国 に対し、
当 該二国間セー フガード措置の 結果生ずると予 想される関税の 増大分と実質 的に等価値の対応 を関税に関
する譲許に ついて講ずるこ とによる貿易 上の補償の適切な 方法について 合意することが できる。
両 締約国が前条 3の規定に従っ て協議を開始 した後三十日以内 に補償について 合意すること ができない
場合には、原 産品について二国 間セーフガー ド措置がとられ た締約国は、 この協定に基づく 関税に関する
譲 許 で あ っ て 当 該 二 国 間セ ー フ ガ ー ド 措 置 と 実 質 的 に 等 価 値 の も の の 適 用 を 停 止 す る こ と が で き る 。 譲 許
47
1
2
3
の 適用を停止す る権利を有する 締約国は、実 質的に同等の効果 を達成するた めに必要な最小 限度の期間で
暫定的な二国間 セーフガード措 置
あり、かつ 、当該二国間セ ーフガード措 置が適用されてい る期間に限り 、当該権利を行 使することが でき
る。
第二・十三条
遅延すれば回復し難い損害を与えるような危機的な事態が存在する場合には、一方の締約国は、他方の
及び
に規定す る措置の形態 を
行う。当該 暫定的な二国間 セーフガード 措置の適用につい ては、これが とられた後速や かに両締約国 間の
協議を 開始する。
暫定的な 二国間セーフガー ド措置の適用 期間は、二百日 を超えてはな らない。当該適用 期間中、第二 ・
十条に定める関連する要件が満たされるものとする。暫定的な二国間セーフガード措置の適用期間は、第
48
締約 国の原産品の 輸入の増加が自 国の国内産業 に重大な損害を与 えていること又 は与えるおそ れがあるこ
とについて の明白な証拠があ るという仮の 決定に基づき、 第二・八条2
とる暫 定的な二国間 セーフガード措置 をとることがで きる。
(b)
一方の締約 国は、暫定的な 二国間セーフガ ード措置をとる 前に、他方の 締約国に対し書面 による通報を
(a)
二 ・九条1に規 定する適用期間 に算入される 。
第二・ 九条3から5 までの規定は、 暫定的な二国間セ ーフガード措 置について準用 する。暫定的 な二国
間セ ーフガード措 置の結果として課 された関税は 、その後行われ る第二・十条1に 規定する調査 により原
産品の輸入の 増加が国内産業に 重大な損害を 与えているとの 決定又は与え るおそれがあると の決定が行わ
世界 貿易機関設立 協定に基づくセー フガード措置 との関係
れない場 合には、払い 戻される。
第二 ・十四条
この節のいかなる規定も、一方の締約国が、次のいずれかの規定に従い他方の締約国の原産品に対して
セーフ ガード措置を とることを妨げる ものではない。
千 九百九十四年 のガット第十九 条及びセーフガー ド協定の規定
農業協定第 五条の規定
千 九百九十四年 のガット第十九 条の規定及び セーフガード協定 又は農業協定第 五条の規定に 従って一方
の締約国が他 方の締約国の原産 品の輸入に対 してセーフガー ド措置をとる 場合には、当該輸 入に対してこ
の 節 の 規 定 に 基 づ く 二 国間 セ ー フ ガ ー ド 措 置 を 同 時 に と っ て は な ら な い 。
49
4
1
2
(b) (a)
3
一 方 の 締 約 国 が 、 他 方 の 締 約国 の 原 産品 の 輸 入に 対 し 、千 九 百 九 十四 年 の ガッ ト 第 十九 条 の 規定 及 び
セーフガー ド協定又は農業 協定第五条の 規定に従ってセー フガード措置 をとるに先立ち この節の規定 に基
づ く 二国 間 セ ー フガ ー ド 措置 を と って い る 場合 に は 、 当該 セ ー フガ ー ド 措置 の 適 用期 間 は 、 当該 二 国 間
セーフガード 措置の適用期間に 算入される。 一方の締約国は 、千九百九十 四年のガット第十 九条の規定及
びセーフ ガード協定又 は農業協定第五 条の規定に従って とられたセー フガード措置の 終了後は、当 該輸入
両締約国 間の連絡
に対 し、当該二国 間セーフガード 措置の残存期 間を上限として当 該二国間セーフ ガード措置の 適用を再開
することが できる。
第二・ 十五条
第 二・十一条1 及び第二・十三 条2に規定する 書面による通報 その他のこの 節の規定に基づく 両締約国間
見直し
の連絡につ いては、英語 により行う。
第二・ 十六条
両締約国は、 この協定の効力発 生の日から十 年を経過した後 、必要に応じ 、この節の規定に ついて見直し
を行う。
50
第 三節
他の規 定
第二・十七 条
ダンピング 防止措置及び 相殺措置
この 章のいかなる 規定も、締約国が 千九百九十四 年のガット第六 条、ダンピング防 止協定及び補 助金及び
妨げる ものではない 。
第二・十九条
国際収支 擁護のための 措置
両締 約国は、この 章の規定を効果的 に実施し、及び 運用するため 、ここに物品の貿 易に関する小 委員会
物品の貿易に関 する小委員会
この章 のいかなる規 定も、締約国が 国際通貨基金協定 に基づく為替 管理又は為替制 限を実施する ことを
に 従うものとす る。
一A千 九百九十四年 の関税及び貿易に 関する一般協定 の国際収支に 係る規定に関する 了解に規定す る条件
ならない。 当該措置をとる締 約国は、千九 百九十四年のガ ット第十二条 及び世界貿易機関 設立協定附属 書
この章のいか なる規定も、締 約国が国際収 支上の目的のため に措置をとる ことを妨げるも のと解しては
第二・十 八条
相殺措置に関 する協定の規定に 基づいて措置 をとることを妨 げるものと解 してはならない。
1
2
1
51
2
( 以下この条に おいて「小委員 会」という。 )を設置する。
小委員 会は、次のこ とを任務とする 。
こ の 章 の 規 定 の 実 施及 び 運 用 に つ い て 検 討 及 び 監 視 を 行 う こ と 。
この章の規定 に関連する他の問 題であって両 締約国が合意す るものについて検 討すること。
次条に規 定する物品の貿 易のための運 用上の手続規則に 関し、見直し を行い、及び必 要な場合には 合
同委 員会に対し適 当な勧告を行う こと。
合同委員会 に対し小委員会の 所見を報告す ること。
小委員会は 、両締約国政府 の代表者から成 る。
合同委 員会が委任するそ の他の任務を 遂行すること。
3
小委員 会は、両締約 国が合意する時 期及び場所におい て又は手段に よって会合を開 催する。
物品の 貿易のための 運用上の手続規則
4
第二・ 二十条
合同委員会は 、この協定の効力 発生の日に、 物品の貿易のた めの運用上の 手続規則を採択す る。両締約国
の関係当 局は、同手続 規則に定める詳細 な規則に従って 、この章の規 定に基づく任務を 遂行する。
52
(c) (b) (a)
(e) (d)
第 二・二十一条
輸出について の協力
両締約国は 、第十五章の規 定に従い、輸 出締約国から輸入 締約国に輸出 される中古の四 輪自動車の分 野に
定義
原産 地規則
おい て相互に協力 する。
第三章
第三・一 条
ま での全ての要 件を
53
この 章の規定の適 用上、
「 権 限 の あ る 政 府 当 局 」 と は 、 各 締 約 国 の 法 令 に 従 い 、 原 産 地 証 明 書 の 発給 又 は そ の 発 給 を 行 う 団 体
から
(iii)
う。
「当該 締約国の工船」 又は「当該締 約国の船舶」とは 、それぞれ、 次の
満たす工船又 は船舶をいう。
当該締約 国において登録さ れていること 。
(i)
(i)
「 輸 出 者 」 と は 、 輸 出 締 約 国 に 所 在 す る 者 で あ っ て 、 当 該輸 出 締 約 国か ら 産 品を 輸 出 する も の をい
の指定について責任を負う当局をいう。
(a)
(b)
(c)
当 該締約国の旗 を掲げて航行す ること。
両締 約国の国民が五十 パーセント以 上の持分を所有 していること 。
次のいずれ かの条件を満た すこと。
(iii) (ii)
「 一般的に認め られている会計 原則」とは、資産 又は負債とし て記録すべき財 産又は債務、記 録すべ
一のも のをいう。
おいて相互 に交換することが 可能な締約国 の原産品又は原 産材料であっ て、それらの特性 が本質的に同
「代 替性のある締 約国の原産品」 又は「代替性のあ る締約国の原 産材料」とは、 それぞれ、商 取引に
る工船又 は船舶を所有し ていないもの が所有しているこ と。
い ず れ か の 締 約国 に 本 店 及 び 主 た る 営 業 所 を 有 す る 法 人 で あ っ て 、 第 三 国 に お い て 登 録 さ れ て い
(B) (A)
き資産及び 負債の変化、資 産及び負債並 びにそれらの変化 についての算 定方法、開示す べき情報の範 囲
及び開 示の方法並び に作成すべき財 務書類につき、締 約国において 特定の時に、一 般的に認めら れてい
る会計原則又は十分に権威のある支持を得ている会計原則をいう。それらの規準は、一般に適用される
概括的な 指針をもって足り るが、詳細な 手続及び慣行で あることを妨 げない。
54
(d)
(e)
「輸入者」とは、輸入締約国に産品を輸入する者をいう。
「間接材料 」とは、他の産 品の生産、試 験若しくは検査に 使用される産 品(当該他の産 品に物理的に
組み 込まれないも のに限る。)又は 他の産品の生産 に関連する建 物の維持若しくは 設備の稼働の ために
使用される産 品をいい、次のも のを含む。
燃料及び エネルギー
手袋、眼鏡 、履物、衣類並 びに安全のた めの設備及び備品
ン ド材その他の 産品
生産の 過程で使用され、 又は設備及び 建物の稼働のた めに使用され る潤滑剤、グリー ス、コンパウ
設備及び建 物の維持のために 使用される予 備部品及び産品
工具 、ダイス及び鋳 型
(iv) (iii) (ii) (i)
そ の 他 の 産 品 で あ っ て 、 他 の 産 品 に 組 み 込 ま れ て お ら ず 、 か つ 、 当 該 他の 産 品 の 生 産 に お け る そ の
触媒及び溶剤
他の産 品の試験又は検 査に使用され る設備、装置及び 備品
(viii) (vii) (vi) (v)
55
(g) (f)
使用が当該生産の一部であると合理的に示すことができるもの
「材料」と は、他の産品の 生産に使用さ れる産品をいう。
「 非 原 産 材 料 」 と は、 こ の 章 の 規 定 に 従 っ て 原 産 品 と さ れ な い 材 料 を い う 。
「原産材料」 とは、この章の規 定に従って原 産品とされる材 料をいう。
「輸送用 及び船積み用の こん包材料及 びこん包容器」と は、産品を輸 送中に保護する ために使用さ れ
る産品であって、第三・十三条に規定する小売用の包装材料及び包装容器以外のものをいう。
「 関 税 上 の 特 恵 待 遇 」 と は 、 第 二 ・ 四 条 1 の 規 定 に 従 っ て 輸 出 締 約 国 の 原産 品 に つ い て 適 用 す る 関 税
率をい う。
「 生産者」とは 、産品又は材料 の生産に従事する 者をいう。
「 生 産 」 と は 、 産 品 を 得 る 方 法 を い い 、 製 造 、 組 立 て、 加 工 、成 育 、 栽培 、 繁 殖、 採 掘 、 抽出 、 収
原産品
穫、漁 ろう、わなか け、採集、収集 、狩猟及び捕獲を 含む。
第三・二条
この章に別段の定めがある場合を除くほか、次のいずれかの産品は、締約国の原産品とする。
56
(k) (j) (i) (h)
(l)
(n) (m)
当該締約国において完全に得られ、又は生産される産品であって、次条に定めるもの
当該締約国 の原産材料のみ から当該締約 国において完全に 生産される産 品
非原産材料を使用して当該締約国において完全に生産される産品であって、附属書二に定める品目別
規則(関税分類の変更、原産資格割合又は特定の製造若しくは加工の作業に関する要件を定める規則)
完全に 得られる産品
までに規定 するもの
の規 定の適用上、次に 定める産品は 、締約国におい て完全に得ら れ、又は生産され る産品とする 。
第三 ・三条
及びこの 章の他の全ての 関連する要件 を満たすもの
前条
生きて いる動物であって 、当該締約国 において生まれ 、かつ、成育 されたもの
当 該締約国にお いて狩猟、わな かけ、漁ろう、採 集又は捕獲に より得られる動 物
当該締約国 において生きて いる動物から 得られる産品
から
当該締 約国において収 穫され、採取 され、又は採集さ れる植物及び 植物性生産品
当該締約国に おいて抽出され、 又は得られる 鉱物その他の天 然の物質(
(d)
(a)
を除く。 )
(a)
57
(c) (b) (a)
(e) (d) (c) (b) (a)
1
に規定 する産品から 生産される産品
当 該 締 約 国 の 船 舶 に よ り 、 両 締 約 国 の 領 海 外 の海 か ら 得 ら れ る 水 産 物 そ の 他 の 産 品
両締約国の 領海外における 当該締約国の 工船上で
当 該 締 約 国 に お い て 収 集 さ れ る 産 品 で あ っ て 、 当 該 締約 国 に お いて 本 来 の目 的 を 果た す こ とが で き
基づき、当該 海底又はその下を 開発する権利 を有することを 条件とする。
当 該 締 約 国 の 領 海 外の 海 底 又 は そ の 下 か ら 得 ら れ る 産 品 。 た だ し 、 当 該 締 約 国 が 、 国 連 海 洋 法 条 約 に
(f)
ず、回復又は修理が不可能であり、かつ、処分又は部品若しくは原材料の回収にのみ適するもの
当 該 締 約 国 に お け る 製 造 若 し く は 加 工 の 作 業 又 は 消 費 か ら 生 ず る く ず 及 び廃 品 で あ っ て 、 処 分 又 は 原
材料の回収にのみ適するもの
までに 規定する産品のみ から得られ、 又は生産される 産品
本 来の目的を果 たすことができ ず、かつ、回復又 は修理が不可 能な産品から、 当該締約国にお いて回
から
(k)
収される部 品又は原材料
当該締 約国において
原産資格割合
(a)
の規 定の適用上、産品 の原産資格割合 は、次のいず れかの計算式によ り算定する。
第三・四条
第三 ・二条
(c)
58
(h) (g) (f)
(i)
(j)
(k)
(l)
×
非 原産材料の価 額に基づく計算 式(控除方式 )
=
C
V
Q
M
N
V
-
B
O
F
B
O
F
0
0
1
+
+
+
原 産 材 料 の 価 額 に 基づ く 計 算 式 ( 積 上 げ 方 式 )
=
C
V
Q
M
O
V
費
務
労
接
直
費
経
接
直
この場合に おいて、
×
B
O
F
益
利
0
0
1
「QV C」とは、百 分率で表示され る産品の原産資格 割合をいう。
「 FOB」とは 、2に規定する 場合を除くほ か、輸送の方法を 問わず、産品の 買手から当該 産品の売手
に 支払 わ れ る当 該 産 品の 本 船 渡 しの 価 額 をい う 。 ただ し 、 当該 産 品 が 輸出 さ れ る際 に 軽 減さ れ 、 免除 さ
れ、 又は払い戻さ れた内国税を含ま ない。
「VNM」と は、産品の生産 において使用さ れる全ての非原 産材料の価額 をいう。
「VOM 」とは、産品の 生産において 使用される全ての 原産材料の価 額をいう。
59
(a)
(b)
2
3
注釈
産品の原 産資格割合の算 定に当たり、 輸出締約国におけ る一般的に認め られている会 計原則を適
用する。
産 品 の 本 船 渡 し の 価 額 は 存 在 す る が 、 そ の 価 額 が 不 明 で 確 認 す る こ と が でき な い 場 合 に は 、 1 に 規 定
するFOBは、当該産品の買手から当該産品の生産者への確認可能な最初の支払に係る価額に調整され
る価額と する。
産品 の本船渡しの 価額が存在しな い場合には、1に 規定するFO Bは、関税評価 協定第一条か ら第八
条までの規 定に従って決定さ れる価額とす る。
1 の規定に従っ て原産資格割合を 算定するに当 たり、締約国に おける産品の生産 において使用 される材
料 の価額は、次 のいずれかの価 額とする。
関税評価協 定に従って決定 される価額で あって、当該産品 の生産者が所 在する締約国の 輸入港に当該
材料を 輸送するため に要する運賃、 適当な場合の保険 料、こん包費 その他の全ての 費用を含むも の
当該材料の価 額が不明で確認す ることができ ない場合には、 当該材料について の当該締約国 における
確認可能 な最初の支払に係 る価額。ただ し、当該材料の 供給者の倉庫 から当該産品の生 産者の所在地 ま
60
(a)
(b)
(a)
(b)
で 当該材料を輸 送するために当 該締約国にお いて要する運賃、 保険料、こん包 費その他の全 ての費用及
び当該輸送 に関して当該締 約国において 要する他の費用( 一般的に認め られており、か つ、確認可能 な
もの に限る。)を 除外することがで きる。
に規 定する当該産品 のVNMには 、当該産品の生産 に当たって使 用される当該締 約国の原産材 料
産品が締 約国の原産品であ るか否かを決 定するため原産 資格割合を算 定するに当たり、
1
に 規 定 す る 当 該 産 品 の V O M に は 、 当 該 産 品 の 生 産 に 当 た っ て 使 用 され る 当 該 締 約 国 の 原 産 材 料
の生産において使用される非原産材料の価額を含めない。
1
又は3
の規定におい て産品又は材料 の価額を決定す るために関税 評価協定を適用す るに当たり、
の生産において使用される非原産材料の価額を含める。
2
(a)
4
5
(a)
(b)
累積
産品が一方の締約国の原産品であるか否かを決定するに当たり、当該一方の締約国は、次のことを行うこ
第三・五条
合につ いて適用する 。
関税評価協 定は、必要な変 更を加えて、 国内取引の場合又 は当該産品若 しくは材料の取 引が存在しな い場
(b)
61
(a)
(b)
と ができる。た だし、当該産品 の最後の生産 工程が輸出国であ る当該一方の 締約国において 行われ、かつ 、
当該一方の締約国において当該産品を生産するための材料として使用される他方の締約国の原産品を
当該生産工 程が第三・七 条に規定する作 業を超える水準の ものである場 合に限る。
1
2
当該一方の締 約国の原産材料と みなすこと。
他方の締 約国において行 われた生産を 当該一方の締約国 において行わ れた生産とみな すこと。
当該 産品が非原産 材料を使用して 生産される産品で あるときは、 当該一方の締約 国又は他方の 締約国
僅少の非原 産材料
において一 又は二以上の生産 者により行わ れる異なる段階 における生産 を考慮すること。
第三・ 六条
附属書二に 定める品目別規 則の適用上、特 定の産品につい て適用される 品目別規則におい て当該産品の
価額、重量 又は容積による 特定の割合が 定められ、かつ、 当該産品の生 産に使用される 非原産材料が 全体
として当該割合を超えない場合には、当該非原産材料が当該産品について適用される規則を満たしている
か否かは考慮 しない。
1の 規定は、統一 システムの第一類 から第二四類ま での各類に掲 げる産品の生産に 使用される非 原産材
62
(a)
(c) (b)
1
料 については、 適用しない。た だし、当該非 原産材料が、この 条の規定に従 って原産品とさ れる産品と異
原産資格 を与えること とならない作業
なる号に掲 げられる場合を 除く。
第三 ・七条
産品は、 次の作業が行われ たことのみを 理由として締約 国の原産品と してはならない。
輸送又は 保管の間に産品 を良好な状態 に保存することを 確保する作業 (乾燥、冷凍、 塩水漬け等) そ
の他 これに類する 作業
改装及び仕 分
組み立 てられたものを分 解する作業
の 規定に従って一の 産品として分 類される部品及 び構成品の収
瓶 、ケース及び 箱に詰めること その他の単純な包 装作業
統一システ ムの解釈に関す る通則2
(f)
集
ま でに規定する作業 の組合せ
物品を単にセ ットにする作業
から
(a)
(a)
63
(a)
(e) (d) (c) (b)
(g) (f)
2
1
2
1
積送基準
1の規定は 、附属書二に定 める品目別規 則に優先する。
第三・八条
他 方 の 締 約 国 の 原 産 品 で あっ て 、 次の い ず れか の 条 件を 満 た す もの は 、 積送 基 準 を満 た す 原産 品 と す
る。
当該他方 の締約国から直 接輸送される こと。
積替 え又は一時蔵 置のために一又 は二以上の第三国 を経由して輸 送される場合に あっては、当 該第三
国において 積卸しその他産品 を良好な状態 に保存するため に必要な作業 以外の作業が行わ れていないこ
と。
他方の締約 国の原産品が1 に定める積送基 準を満たさない 場合には、当 該原産品について は、当該他方
組み立て てないか又は 分解してある産品
の締約国の 原産品とみなさ ない。
第三・ 九条
第三・二 条から第三・七条 までの関連規 定の要件を満た し、かつ、統 一システムの解釈 に関する通則 2
の規定に 従って完成品とし て分類される 産品については 、組み立てて ないか又は分解し てある状態で 一
64
(b) (a)
(a)
2
1
2
方 の締約国に他 方の締約国から 輸入される場 合であっても、当 該他方の締約 国の原産品とみ なす。
の規 定に従って完成 品として分類され る産品として 当該締約
締約国 において組み 立ててないか又 は分解してある産 品の材料から 組み立てられる 産品であって 、当該
材料 が統一システ ムの解釈に関する 通則2
国に輸入され たものについては 、当該締約国 の原産品とみな す。ただし、 組み立ててないか 又は分解して
ある産品 の非原産材料 が組み立ててな いか又は分解して ある形態でな く個別に当該締 約国に輸入さ れてい
代替性のあ る産品及び材 料
たな らば、当該産 品が第三・二条 から第三・七 条までの関連規定 の適用される要 件を満たして いたであろ
う場合に限 る。
第三・ 十条
在庫におい て混在している 代替性のある締 約国の原産材料 及び当該原産 材料と代替性のあ る非原産材料
が 産品 の 生 産に 使 用 され る 場 合に お い て 、当 該 産 品が 当 該 締約 国 の 原産 品 で あ るか 否 か を決 定 す ると き
は、これらの材料が当該締約国の原産材料であるか否かについては、当該締約国における一般的に認めら
れている会計 原則に基づく在庫 管理方式に従 って決定するこ とができる。
代替 性のある締約 国の原産品及び当 該原産品と代替 性のある非原 産品が在庫におい て混在してい る場合
65
(a)
1
に おいて、これ らの産品が在庫 において混在 している締約国に おいて輸出に 先立っていかな る生産工程も
経ず、又はいかなる作業(積卸しその他これらの産品を良好な状態に保存するために必要な作業を除く。)
も行 われないとき は、これらの産品 が当該締約国 の原産品である か否かについては 、当該締約国 における
間接材料
一般的に認められている会計原則に基づく在庫管理方式に従って決定することができる。
第三・十一 条
附属品、予備部 品及び工具
の要件を 満たす場合には 、考慮しない。
66
間接材 料については 、生産される場所 のいかんを問わ ず、産品が生 産される締約国の 原産材料とみ なす。
第 三・十二条
産品の 生産に使用さ れた全ての非原 産材料について附 属書二に定め る関連する関税 分類の変更又 は特定
の製 造若しくは加 工の作業が行われ たか否かを決 定するに当たり 、当該産品と共に 納入される附 属品、予
及び
備部品又は工 具であって、当該 産品の標準的 な附属品、予備 部品又は工具 の一部を成すもの については、
次の
(b)
当該 産品と共に納 入される附属品 、予備部品又は工 具が仕入書に おいて当該産品 と別に記載さ れるか
(a)
否かにかかわ らず、当該附属 品、予備部品 又は工具に係る仕 入書が当該産 品の仕入書と別 立てにされな
(a)
2
1
い こと。
当該産品と 共に納入される 附属品、予備 部品又は工具の数 量及び価額が 当該産品につい て慣習的なも
ので あること。
産品が原 産資格割合の要件 の対象となる 場合には、当該 産品の原産資 格割合を算定する に当たり、附 属
小売用の包装 材料及び包装 容器
品、予備 部品又は工具 の価額を、場合 に応じて当該産品 が生産される 締約国の原産材 料又は非原産 材料の
価額 として考慮す る。
第三・十三 条
産 品を小売用に 包装するための包 装材料及び包 装容器について は、統一システム の解釈に関す る通則5
の 規定に従って 当該産品に含ま れるものとして 分類される場合 には、当該産 品が締約国の原産 品であるか
否かを決定 するに当たって 考慮しない。 ただし、当該産品 が次のいずれ かに該当するこ とを条件とす る。
に定め るものであるこ と。
に 定めるものである こと。
完全に 得られ、又は生 産される産品 であって、第三・ 二条
原産材料のみ から生産される産 品であって、 第三・二条
(a)
当該産品 について附属書二 に定める関連 する関税分類の 変更又は特定 の製造若しくは加 工の作業が行
(b)
67
(b)
(c) (b) (a)
2
わ れていること 。
産品が 原産資格割合 の要件の対象と なる場合には、当 該産品の原産 資格割合を算定 するに当たり 、当該
産品 の小売用の包 装材料及び包装容 器の価額を、 場合に応じて当 該産品が生産され る締約国の原 産材料又
輸送用及 び船積み用の こん包材料及びこ ん包容器
は非原産材料 の価額として考慮 する。
第三・十 四条
68
産品 の輸送用及び 船積み用のこん 包材料及びこ ん包容器について は、当該産品が 原産品である か否かを決
関税上の 特恵待遇の要 求
1 の規定にかか わらず、輸入締 約国は、
遇を与える 。
輸入締約国 は、輸出締約国 の原産品につい て、この協定に 従い、原産地 証明書に基づき関 税上の特恵待
第三・ 十五条
定 す る に 当 た っ て 考 慮 し ない 。
1
2
課税価額の総 額が千五百アメリ カ合衆国ドル 若しくは輸入締 約国の通貨による その相当額又 は輸入締
約国が設 定するこれよりも 高い額を超え ない輸出締約国 の原産品の輸 入については、輸 入者に対して 原
(a)
3
4
1
産 地証明書の提 出を要求しない 。ただし、当 該輸入が原産地証 明書に関する義 務を回避する ことを目的
として行わ れたと合理的に 認め得る輸入 の一部を構成しな いことを条件 とする。
自 国 の 法 令 に 従 い 、原 産 地 証 明 書 に 関 す る 義 務 を 免 除 す る こ と が で き る 。
輸入締約 国は、適当な場合 には、輸入者 に対し、産品が 輸出締約国の 原産品であること を示す他の証 拠
の提出を 要求すること ができる。
輸出締約国の 原産品が一又は 二以上の第三 国を経由して輸入 される場合に は、輸入締約国 は、当該原産
品について 関税上の特恵待遇 を要求する輸 入者に対して、 次のものの提 出を要求すること ができる。
通し船 荷証券の写し
当 該第三国の税 関当局その他関 連する団体が提供 する証明書そ の他の情報であ って、当該第三 国にお
いて積卸し その他産品を良 好な状態に保 存するために必要 な作業以外の 作業が当該原産 品について行 わ
原産地証明書
れてい ないことを証 明するもの
第三・十六条
前条 1に規定する 原産地証明書は、 輸出者又は権限 を与えられた その代理人によっ て行われる申 請に基
69
(b)
(b) (a)
2
3
づ き、輸出締約 国の権限のある 政府当局が発 給する。当該原産 地証明書には 、附属書三に定 める事項につ
いての記載 を必ず含めるも のとする。
輸 出 締 約 国 の 権 限 の あ る 政 府 当 局 は 、 こ の 条 の 規 定 の 実 施 の た め に 、 自 国 の関 係 法 令 に よ り 与 え ら れ た
権限に基づき 、原産地証明書の 発給について 責任を負う他の 団体(以下こ の章において「指 定団体」とい
う。)を 指定すること ができる。
輸出締約国の 権限のある政府 当局が指定団 体を指定する場合 には、当該輸 出締約国は、輸 入締約国に対
し書面によ りその指定団体を 通報する。
両 締約国は、こ の章の規定の実施 のために、こ の協定の効力発 生の日に第三・二 十六条に規定 する原産
5
原 産地証明書は 、印刷によるも の又は両締約 国が合意する他の 媒体によるもの とする。
原産地 証明書は、英 語で記入する。
4
6
発給され た原産地証明書は 、輸入締約国 への輸出締約国 の原産品の一 回限りの輸入につ いて適用され 、
地 規則のための 運用上の手続規 則において英語 による各締約国 の原産地証明 書の様式を定める 。
7
かつ、当該原産地証明書が発給された日から十二箇月間有効なものとする。
70
8
9
産品の輸出 者が輸出締約国 に所在する当 該産品の生産者で ない場合には 、当該輸出者は 、次のいずれ か
の申告書に 基づいて原産地 証明書の発給 を申請することが できる。
当該輸出者が権限のある政府当局又はその指定団体に提出する申告書であって、当該産品の生産者が
当該輸出者に 提供する情報に基 づくもの
に規定 する
当該輸出 者の要請により 、当該産品の 生産者が権限のあ る政府当局又 はその指定団体 に直接かつ任 意
に提 出する申告書
原 産 地 証 明 書 は 、 当 該原 産 地 証 明 書 の 発 給 を 申 請 す る 輸 出 者 又 は 輸 出 締 約 国 に 所 在 す る 8
輸出締約国 の権限のある政 府当局は、当 該権限のある政府 当局又はその 指定団体が使用 する署名の見 本
締 約国の原産品 であることを証 明した後にのみ 発給される。
産品の 生産者が、輸 出締約国の権限の ある政府当局又 はその指定団 体に対し、輸出さ れる産品が当 該輸出
(b)
各締約国は、自国の法令に従い、自国の権限のある政府当局又はその指定団体がその発給した原産地証
明書についての記録を当該原産地証明書の発給の日の後五年間保管することを確保する。当該記録には、
71
(a)
(b)
及び印 章の図案を輸 入締約国に提供 する。
10
11
輸 出締約国の原 産品であること を証明するた めに提示された全 ての補助的な 文書を含む。
輸出締約国 の権限のある政 府当局は、原 産地証明書の発給 の決定を取り 消す場合には、 当該原産地証 明
書が 当該権限のあ る政府当局に返却 された場合を 除くほか、当該 原産地証明書の発 給を受けた輸 出者及び
輸出に関 する義務
輸入締約国の 税関当局に対して 速やかにその 取消しを通報す る。
第三・十 七条
出 締約国の権限 のある政府当局 又はその指定団 体に対して書面 により遅滞なく 通報すること。
原産地証明書に 基づく確認の要 請
当該原産地 証明書の発給の 日の後五年間 、産品が輸出締約 国の原産品で あることに関す る記録を保管
するこ と。
第三・十八条
両締 約国は、この 章の規定の適正な 適用を確保する ため、この協 定及びそれぞれの 国内の法令に 従い、
72
各締 約国は、自国 の法令に従い、 原産地証明書 の発給を受けた輸 出者又は輸出締 約国に所在す る前条8
当該原 産地証明書の発給 を受けた産品 が当該輸出締約 国の原産品で ないことを知った ときは、当該 輸
に規定する産品の生産者が、次のことを行うことを確保する。
1
(a)
(b)
(b)
12
原 産地証明書に 関する情報を確 認するために 相互に支援する。
輸入締 約国の税関当 局は、関税上の 特恵待遇を与えら れるものとし て輸出締約国か ら輸入される 産品が
当該 輸出締約国の 原産品であるか否 かを決定する ため、当該輸出 締約国の権限のあ る政府当局に 対し、当
該産品が当該 輸出締約国の原産 品であるか否 かに関する情報 を原産地証明 書に基づいて要請 することがで
きる。
輸出締約国の 権限のある政府 当局は、2の 規定の実施のため に、自国の法 令に従い、要請 された情報を
当該要請の 受領の日の後四箇 月を超えない 期間内に提供す る。輸入締約 国の税関当局は、 必要と認める 場
合には 、産品が輸出 締約国の原産品で あるか否かに関 する追加の情 報を要請すること ができる。輸 出締約
国 の 権 限の あ る 政 府当 局 は 、輸 入 締 約国 の 税 関当 局 が 追 加の 情 報 を要 請 す る場 合 に は、 自 国 の 法令 に 従
い、要請さ れた情報を当該 要請の受領の 日の後二箇月を超 えない期間内 に提供する。
輸 出締約国の権 限のある政府当 局は、3の規 定の実施のために 、原産地証明書 の発給を受け た輸出者又
に規定する産 品の生産者に 対し、輸入締約国 の税関当局か
73
2
3
4
は当該輸出締 約国に所在する第 三・十六条8
ら 要 請 さ れ た 情 報 を 当 該政 府 当 局 に 提 供 す る よ う 要 請 す る こ と が で き る 。
(b)
1
2
第 三・十九条
原産品であるか 否かについての確 認のための訪 問
輸入締 約国の税関当 局は、前条の規 定に基づく確認の 要請の結果に 満足しない場合 には、次のこ とを行
うこ とができる。
に規定 する産品の生産 者の施設を訪 問す
輸出締約国の 権限のある政府当 局が当該輸入 締約国の税関当 局の立会いの下に 原産地証明書 の発給を
受けた輸 出者又は当該輸 出締約国に所 在する第三・十六 条8
ることを通じて、産品が当該輸出締約国の原産品であるか否かに関する情報を収集し、及び提供するこ
と並びにそ のため当該産品の 生産に使用さ れた設備の確認 を行うことを 、当該輸出締約国 に対して要請
するこ と。
に規定 する訪問の間 又
産 品が輸出締約 国の原産品であ るか否かに関する 情報であって 、当該輸出締約 国の権限のある 政府当
局又はその 指定団体が所持 するものを提 供することを、当 該輸出締約国 に対し
はその 後に要請する こと。
ような要請を行う書面を、訪問の実施を希望する日の少なくとも四十日前までに受領の確認を伴う方法に
輸入締約 国の税関当局は、 1の規定に基 づく訪問の実施 を輸出締約国 に対して要請する 場合には、そ の
(a)
74
(b)
(a)
(b)
3
4
5
よ り当該輸出締 約国に送付する 。当該輸出締 約国の権限のある 政府当局は、 その施設に訪問 を受ける輸出
者又は当該 輸出締約国に所 在する産品の 生産者に対し、訪 問を受けるこ とについて同意 するか否かの 書面
によ る回答を求め る。
2に規定 する要請を行う書 面には、次の 事項に関する情 報を含める。
当該書面 を作成する輸入 締約国の税関 当局を特定する事 項
訪問の実施 を希望する日及び 場所
要請す る訪問の目的及び 実施の範囲( 原産地証明書に 記載された産 品であって、確認 の対象となっ て
い るものについ ての明記を含む 。)
訪問に立ち 会う輸入締約国 の税関当局の 職員の氏名及び官 職
輸 出締約国は、 1の規定に基づ いて要請され た訪問の実施を受 諾するか否かを 、2に規定す る要請を行
う書面を受領 した日の後三十日 以内に輸入締 約国に対して書 面により回答 する。
輸出 締約国の権限 のある政府当局は 、自国の法令に 従い、訪問の 最終日の後四十五 日以内又は相 互に同
75
その 施設への訪問 が要請される輸 出者又は輸出締約 国に所在する 産品の生産者の 氏名又は名称
(d) (c) (b) (a)
(e)
1
2
3
原産品であ るか否かにつ いての決定及び関 税上の特恵待遇 に係る決定
意 するその他の 期間内に、1の 規定に基づい て収集した情報を 輸入締約国の 税関当局に提供 する。
第三・二十 条
輸 入 締 約 国 の 税 関 当 局 は 、 輸 入 者 が 産 品 に つ い て 関 税 上 の 特 恵 待 遇 を 要 求 する 場 合 に お い て 、 当 該 産 品
が輸出締約国 の原産品でないと き又は当該輸 入者がこの章に 規定する関連 する要件を満たさ ないときは、
の規定に従って輸 出締約国の権 限のある政府当 局から原産地
当該産品 に関税上の特 恵待遇を与えな いことができる。
輸入締約国の 税関当局は、第 三・十六条
証明書の発 給の決定を取り消 すとの通報を 受領したときは 、産品が当該 輸出締約国の原産 品でないと決 定
し、関 税上の特恵待 遇を与えないこと ができる。
輸入締約国 の税関当局は、 次のいずれかの 場合には、産品 が輸出締約国 の原産品でないと 決定し、関税
上の特恵待 遇を与えないこ とができるも のとし、当該輸出 締約国の権限 のある政府当局 に対して書面 によ
りその 旨の決定を送 付する。
76
12
当該輸出締約 国の権限のある政 府当局が要請 に対して第三・ 十八条3又は前条 5に規定する 期間内に
情報を提 供しない場合
(a)
4
1
当 該 輸 出 締 約 国 が 訪 問 の 実 施 を 拒 否 す る 場 合 又は 前 条 2 の 規 定 に よ る 書 面 に よ る 要 請 に 対 し 同 条 4 に
規定する期 間内に回答しな い場合
前 二 条 の 規 定 に 従 い当 該 輸 入 締 約 国 の 税 関 当 局 に 提 供 さ れ た 情 報 が 当 該 産 品 が 当 該 輸 出 締 約 国 の 原 産
品であること を証明するために 十分でない場 合
輸入締約国の税関当局は、場合に応じて前二条に規定する手続を実施した後、輸出締約国の権限のある
政府 当局に対し、 産品が当該輸出 締約国の原産 品であるか否かに ついての書面に よる決定(当 該決定に係
る事実認定 及び法的根拠を含 む。)を送付 する。当該輸出 締約国の権限 のある政府当局は 、その施設が 前
秘密性
条に規 定する訪問の 対象となった輸出 者又は当該輸出 締約国に所在 する産品の生産者 に対して、当 該決定
を 通報する。
第三・二十 一条
各 締約国は、自 国の法令に従い 、この章の規 定に従って自国に 秘密のものとし て提供される 情報の秘密
性を保持する ものとし、また、 当該情報をそ の提供者の競争 的地位を害す るおそれがある開 示から保護す
る。
77
(b)
(c)
2
輸入締約国 の税関当局がこ の章の規定に 従って入手した情 報については 、
この章の規 定の実施のため に、当該輸入 締約国の税関当局 のみが使用す ることができる 。
当 該 輸 入 締 約 国 が 裁 判 所 又 は 裁 判 官 の 行 う い か な る 刑 事手 続 に お いて も 使 用し て は なら な い 。た だ
し、外交上の経路又は輸出締約国の関係法令に従って設けられたその他の経路を通じて、当該情報の提
軽微な誤り
供が当該 輸出締約国に要 請され、かつ 、当該情報が当該 輸入締約国に 提供された場合 は、この限り でな
い。
第三・二十 二条
輸入締 約国の税関当 局は、軽微な誤り (例えば、軽微 な表現の相違 又は語句の欠落、 タイプの誤り 、指定
に規定 す
さ れた欄からの はみ出し)を考 慮しないものと する。ただし、 当該軽微な誤 りが原産地証明書 に含まれる情
虚偽 申告に対する 罰則及び措置
各締約国 は、原産地証明書 の発給を受け た輸出者又は輸 出締約国に所 在する第三・十六 条8
第三・ 二十三条
報の正確性 に疑いを生じ させるようなも のではないことを 条件とする。
1
る 生 産 者 が 、 原 産 地 証 明書 が 発 給 さ れ る 前 に 虚 偽 の 申 告 書 そ の 他 の 文 書 を 輸 出 締 約 国 の 権 限 の あ る 政 府 当
(b)
78
(b) (a)
2
に規定す
局 又はその指定 団体に提出した 場合には、自 国の法令に従って 、当該輸出者 及び生産者に対 して適当な罰
則その他の 制裁を定め、又 は維持する。
各締約国は、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国に所在する第三・十六条8
る生産者が、 原産地証明書が発 給された後に 当該原産地証明 書の発給を受 けた産品が当該輸 出締約国の原
産品でな いことを知っ たにもかかわら ず、当該輸出締約 国の権限のあ る政府当局又は その指定団体 に対し
に規定する 生産
て書 面により遅滞 なく通報するこ とを怠った場 合には、自国の法 令に従って、当 該輸出者及び 生産者に対
原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国に所在する第三・十六条8
して適当と 認める措置をとる 。
注釈
産品でない ことを知った後 、当該輸出締 約国の権限のある 政府当局又はそ の指定団体に 対して書面
雑則
により 遅滞なく通報し た場合には、 各締約国の法令に 従い、この2 に規定する措置 の対象となら な
い。
第三・二 十四条
79
(b)
者 は、原産地証 明書が発給され た後に当該原産地 証明書の発給 を受けた産品が 当該輸出締約国 の原
(b)
原産地規 則に関する小 委員会
輸 入締約国と輸 出締約国との間 の連絡につい ては、英語により 行う。
第三・二十 五条
両 締 約 国 は 、 こ の 章 の 規 定 を 効 果 的 に 実 施 し 、 及 び 運 用 す る た め 、 こ こ に 原産 地 規 則 に 関 す る 小 委 員 会
(以下この条 において「小委員 会」という。 )を設置する。
小委 員会は、次の ことを任務とす る。
80
次の ものに関し、 検討を行い、及 び必要な場合には 合同委員会に 対して適当な勧 告を行うこと 。
この章の規 定の実施及び運用
小委 員会は、両締 約国政府の代表者 から成る。
合同委員会が 委任するその他の 任務を遂行す ること。
合同委 員会に対して小 委員会の所見 を報告すること。
この章の規 定に関連する他 のあらゆる問 題であって両締約 国が合意する ものについて検 討すること。
次 条に規定する 原産地規則のた めの運用上の手続 規則
いずれ かの締約国が提案 する附属書二 又は附属書三の 改正
(iii) (ii) (i)
1
2
3
(a)
(d) (c) (b)
4
原産地規 則のための運 用上の手続規則
小委員会は 、両締約国が合 意する時期及 び場所において又 は手段によっ て会合を開催す る。
第三・二十 六条
合同 委員会は、こ の協定の効力発生 の日に、原産 地規則のための 運用上の手続規則 を採択する。 両締約国
の税関当局、 権限のある政府当 局その他の関 係当局は、同手 続規則に定め る詳細な規則に従 って、この章 の
税関手続 及び貿易円滑化
規定に基 づく任務を遂 行する。
第四 章
適用範囲及び目 的
こ の章の規定は 、両締約国間で取 引される物品 の通関に必要な 税関手続について 適用する。
第四・一条
1
この章の規 定は、両締約国 により、各締約 国の法令に従っ て、かつ、各 締約国の税関当局 の利用可能な
こ の章は、両締 約国間の物品の 貿易を円滑化 するため、透明性 、関税法令の適 正な適用及び 物品の速や
資源の範囲 内で実施される 。
2
3
かな通関を確 保する枠組みを確 立すること並 びに税関手続の 分野における 協力を促進するこ とを目的とす
る。
81
第 四・二条
定義
この章の規 定の適用上、「 関税法令」と は、物品の輸入、 輸出及び通過 に関して各締約 国の税関当局 が運
用 し 、 及 び 執 行 す る 法 令 で あ っ て 、 関 税 、 手 数 料 及 び 他 の 税 に 関 す る も の 又 は 各締 約 国 の 関 税 領 域 の 境 界 を
透明性
各 締約国は、両 締約国の利害関 係者の要請が あった場合には、 当該利害関係者 が提起した個 別的な税関
効力発生に 先立って容易に 利用可能なも のとする。
に は、利害関係 者が当該改正を 考慮に入れるこ とができるよう 、修正された 情報を可能な限り 当該改正の
各 締約国は、利 用可能なものとさ れた情報を自 国の関税法令の 改正により修正し なければなら ない場合
ても、容易 に利用可能なもの とすることを 確保する。
各締約国は、 自国の関税法令 に関して一般 に利用される全て の関連情報を 、いかなる利害 関係者につい
第四・三 条
越える規制物 品の移動の禁止、 制限その他こ れらに類する規 制に関するも のをいう。
1
2
3
に係る事項で あって自国の関税 法令に関する ものについての 情報をできる 限り迅速かつ正確 に提供する。
各締約国は、特に要請された情報のみでなく、利害関係者が知るべきであると考えるその他の適切な情報
82
4
も 併せて提供す る。
各締約 国は、税関に 係る事項に関す る両締約国の利害 関係者からの 妥当な照会に応 ずる一又は二 以上の
照会 所を指定し、 特に自国のウェブ サイトにより 、当該照会所の 名称及び住所を公 に利用可能な ものとす
る。
両締約国は、 予見可能であり 、かつ、一貫 性及び透明性があ る方法でそれ ぞれの税関手続 を適用する。
通関
1
各締約国は、両締約国間で取引される物品の速やかな通関のため、次のことを行う。
(i)
83
第四・四 条
2
情報通 信技術を利用する こと。
自国の他 の国内当局
適当な場合に は、自国の税関当 局と次のもの との間の協力を 促進すること。
告され た慣行に自国 の税関手続を可 能な限り調和させ ること。
関税協力理 事会の主催の下 で作成される 標準規定及び勧告 規定その他の 関連する国際的 な基準及び勧
自 国の税関手続 を簡素化するこ と。
(c) (b) (a)
(d)
3
1
2
3
4
自 国の貿易関係 者
第三国の税 関当局
各 締 約 国 は 、 影 響 を 受 け る 当 事 者 に 対 し 、 自 国 に よ る 税 関 に 係 る 事 項 に つ いて の 行 為 に 関 す る 司 法 上 又
は行政上の審 査手続であって容 易に利用可能 なものを提供す る。これらの 審査は、当該行為 の行政上の実
一時輸 入及び通過物 品
施に責任 を有する当局 から独立したも のとし、及び公平 かつ公正に実 施する。
第四 ・五条
各締約国は、自国の法令及び国際的な義務に従い、両締約国間で取引される物品の一時輸入のための手
続を引 き続き容易に する。
一方の締約 国は、千九百九 十四年のガット 第五条3の規定 に従い、他方 の締約国からの通 過物品又は他
方の締約国 への通過物品の 通関を引き続 き円滑に行う。
両 締約国は、セ ミナー、研修課 程その他の措 置を通じて、物品 の一時輸入のた めの通関手帳 の国際的な
義務に基づく 使用及び両締約国 又は第三国に おける通過物品 の通関の円滑 化を促進するよう 努める。
この 条の規定の適 用上、
84
(iii) (ii)
「 物 品 の 一 時 輸 入 の た め の 通 関 手 帳 」 と は 、 次の 条 約 に お け る も の と 同 一 の 意 味 を 有 す る 。
日本国につ いては、千九百 六十一年十二 月六日にブリュッ セルで作成され た物品の一時 輸入のため
モンゴル国に ついては、千九百 九十年六月二十 六日にイスタ ンブールで作成さ れた一時輸入 に関す
の 通 関 手 帳 に 関 す る通 関 条 約
(i)
「一 時輸入」とは 、関税の納付に つき全額の又は部 分的な免除を 受けて物品を関 税領域に条件 付で持
る条約
(ii)
ち 込 む こ と が で き る 税 関 手続 を い う 。当 該 物 品は 、 特 定の 目 的 のた め に 輸入 さ れ な けれ ば な らず 、 か
つ 、 当 該 物 品 を 使 用 す る こ と によ る 通 常の 価 値 の低 下 を 除 くほ か 、 いか な る 変更 も 加 えら れ る こと な
事前教示
く 、一定の期間 内に再輸出する ことが予定され ていなければな らない。
第四・六条
輸入締約国は、自国が採用し、又は維持する関係法令又は手続に基づく書面による申請があり、かつ、教
示を拒むべき 合理的な理由を欠 く場合には、 物品の輸入に先 立ち、次の事 項について、事前 の教示を書面 に
より行う よう努める。
85
(a)
(b)
当 該物品の関税 分類
当該物品の 関税評価
協力及び情報の交 換
当該物品が前章の規定に基づき輸出締約国の原産品に当たるか否か。
第四・七条
両締約国は、税関手続(禁制品の取引並びに知的財産権を侵害する疑いのある物品の輸入及び輸出への
そのような協力及び情報の交換は、実施取極で定めるところによって実施される。
1
2
第 一・八条2の 規定は、この条の 規定に基づく 情報の交換につ いては、適用しな い。
対応 を含む。)の 分野において相 互に協力し、 及び情報を交換す る。
3
税 関手続及び貿易 円滑化に関する小 委員会
両締約 国は、この章 の規定を効果的 に実施し、及び運 用するため、 ここに税関手続 及び貿易円滑 化に関
小委員会 は、次のことを任 務とする。
する小委員会(以下この条において「小委員会」という。)を設置する。
第 四・八条
1
2
この章の 規定の実施及び運 用について検 討及び監視を行 うこと。
86
(c) (b) (a)
(a)
この章の規定に関連する分野であって、両締約国間の貿易を円滑化するために改善されるべきものを
特定するこ と。
合同委員会に対し小委員会の所見を報告すること。
小委 員会の組織に ついては、実施 取極で定める 。
合同委員会が 委任するその他の 任務を遂行す ること。
3
小委員会は、 両締約国が合意 する時期及び 場所において又は 手段によって 会合を開催する 。
適用範囲
衛 生植物検疫措置
4
第五章
第五・ 一条
こ の章の規定は 、両締約国間の 物品の貿易に直 接又は間接に影 響を及ぼす可 能性がある両締約 国の全ての
権利及び 義務の再確認
衛生植物検 疫措置であっ て、衛生植物検 疫措置の適用に関 する協定に基 づくものについ て適用する。
第五・ 二条
両締約国は、 衛生植物検疫措置 の適用に関す る協定に基づく 衛生植物検疫 措置に関する権利 及び義務を再
確認する 。
87
(b)
(d) (c)
第 五・三条
措 置の調和
両締約国は 、衛生植物検疫 措置の適用に 関する協定第三条 に規定すると ころにより、衛 生植物検疫措 置の
調和に関連する事項について、できるだけ広い範囲にわたり協力するよう努める。その協力は、各締約国が
衛生植物検疫 措置の適用に関す る協定第五条 の規定に従って 決定した人、 動物又は植物の生 命又は健康に 関
措置の 同等
一方の 締約国は、他 方の締約国の要 請に応じ、特定の 衛生植物検疫 措置の同等の認 定について二 国間で
生 植物検疫措置 を同等なものと して認める。
国の衛 生植物検疫上 の適切な保護の水 準を達成するこ とを客観的に 証明するときは、 当該輸出締約 国の衛
輸入締約国は、輸出締約国が当該輸入締約国に対し当該輸出締約国の衛生植物検疫措置が当該輸入締約
第五 ・四条
する自国の適切な保護の水準を変更することを求められることなく行われる。
1
2
照会所
取決め を行うために 協議を行う。
第五・五条
一方の締約国は、衛生植物検疫措置に関する他方の締約国からの全ての妥当な照会に応じ、及び適当な場
88
衛生植物検疫 措置に関する 小委員会
小委 員会は、次の ことを任務とす る。
委員会(以下 この条において「 小委員会」と いう。)を設置 する。
両 締 約 国 は 、 こ の 章 の 規 定 を 効 果 的 に 実 施 し 、 及 び 運 用 す る た め 、 こ こ に 衛生 植 物 検 疫 措 置 に 関 す る 小
第五・六条
合 には関連する 情報を当該他方 の締約国に提 供する照会所を指 定する。
1
2
に規定 する措置の調 和、措置の同等 、地域的な状況に 対応した調整 並びに管理、検 査及び承認の 手続に
関する事項に 取り組むため、科 学に立脚した 技術的な協議を 行うこと。
衛生植物 検疫措置に関する 両締約国間の 技術的な協力( 能力の開発、 技術援助及び専門 家の交流を含
89
この 章の規定の実 施及び運用につ いて検討及び監視 を行うこと。
相互に受け 入れることがで きる解決を得 ることを目的とし て、衛生植物 検疫措置の適用 に関する協定
あ るものに限る 。)について情 報の交換を行う こと。
検疫に係る事件の発生その他の事項(両締約国間の物品の貿易に直接又は間接に影響を及ぼす可能性が
両締約国の衛生植物検疫に関する規制及び基準の変更又は導入、両締約国の区域内における衛生植物
(b) (a)
(c)
(d)
む 。)について 討議すること。
この章の規 定に関連するそ の他の問題に ついて討議するこ と。
関係機関に対して小委員会の所見を報告すること。
小委員会は、両締約国政府の代表者から成るものとし、関連する専門家の適切な参加を得る。
合同委員会が 委任するその他の 任務を遂行す ること。
3
小委員会は、 両締約国が合意 する時期及び 場所において又は 手段によって 会合を開催する 。
第十六章の規定 の不適用
強制規 格、任意規格及 び適合性評価手 続
適用範囲
この 章の規定は、 次のものについて は、適用しない 。
あって、両締 約国間の物品の貿 易に影響を及 ぼす可能性があ るものについ て適用する。
こ の章の規定は 、貿易の技術的 障害に関する 協定に定義する強 制規格、任意規 格及び適合性 評価手続で
第六・一条
第 六章
第十六 章の規定は、 この章の規定につ いては、適用し ない。
第五・七条
4
1
2
90
(g) (f) (e)
政府機関が政府機関の生産又は消費の必要上作成する購入仕様
目的
衛生植物検 疫措置の適用に 関する協定附 属書Aに定義する 衛生植物検疫 措置
第六 ・二条
この章の目的 は、次のとおりと する。
貿易の技 術的障害に関す る協定の実施 の改善を通じて、 両締約国間の 貿易を増大し、 及び促進する こ
と。
強制規格、任意規格及び適合性評価手続が貿易に不必要な障害をもたらすことのないようにすること
を確保 すること。
定義
両 締約国間の協 力を促進するこ と。
第六・三条
この章 の規定の適用 上、
「貿易の技術 的障害に関する協 定」とは、世 界貿易機関設立 協定附属書一A貿 易の技術的障 害に関す
る協定を いう。
91
(b) (a)
(a)
(b)
(c)
(a)
権利及び義務 の再確認
貿易の技術的障害に関する協定附属書一に定める用語及び定義を適用する。
第六・四条
国際規格
及び
の規定 が定める範囲 内で、関連する 国際規格及び
両締 約国は、貿易 の技術的障害に関 する協定に基 づく強制規格、 任意規格及び適合 性評価手続に 関する権
第六・五 条
各締約国は、 貿易の技術的障 害に関する協 定
強制規格
一方の締 約国が他方の締約 国の強制規格 と類似の強制規 格を作成する ことに関心を有す る場合には、 当
第六・ 六条
機関におい て行うことがで きる。
準 化機関と協力 するよう奨励す る。その協力は 、両締約国が構 成員である地 域標準化機関又は 国際標準化
一 方の締約国は 、国際標準化の活 動において、 自国の国内標準 化機関が他方の締 約国の関連す る国内標
指針又は勧 告を自国の強制規 格及び適合性 評価手続の基礎 として用いる 。
5.4
利及び義務を 再確認する。
1
2
1
2.4
該 他 方 の 締 約 国 は 、 当 該一 方 の 締 約 国 の 要 請 に 応 じ 、 自 国 の 強 制 規 格 の 作 成 に 当 た っ て 利 用 し た 関 連 の 情
92
(b)
2
3
1
2
報 (研究及び文 書を含む。ただ し、秘密の情 報を除く。)を実 行可能な範囲 内で提供する。
一方の 締約国は、他 方の締約国の強 制規格が自国の強 制規格と異な る場合であって も、当該他方 の締約
国の 強制規格を同 等なものとして受 け入れること に積極的な考慮 を払う。ただし、 当該他方の締 約国の強
制規格が当該 一方の締約国の強 制規格の目的 を十分に達成す ることを当該 一方の締約国が認 めることを条
件とする 。
一 方 の 締 約 国 は 、 他 方 の 締約 国 の 強制 規 格 を 自国 の 強 制規 格 と 同等 な も のと し て 受 け入 れ な い場 合 に
適合性評価 手続の結果の 受入れ
は、当該他 方の締約国の要請 に応じ、その 理由について説 明する。
第六・ 七条
両締約国は 、一方の締約国 が他方の締約国 において行われ た適合性評価 手続の結果を受け 入れることを
促進するた めの広範な仕組 みが存在する ことを認識する。 一方の締約国 は、他方の締約 国の要請があ った
場合には、自国の区域内において用いられている当該仕組みの範囲に関する情報を提供する。
一方の締 約国は、他方の締 約国における 適合性評価手続 が自国の適合 性評価手続と異な る場合におい て
も 、 可 能 な と き は 、 当 該他 方 の 締 約 国 に お け る 適 合 性 評 価 手 続 の 結 果 を 受 け 入 れ る こ と を 確 保 す る 。 た だ
93
3
4
し 、適用される 強制規格又は任 意規格に適合 していることにつ いて、当該他 方の締約国の適 合性評価手続
が 自国 の 適 合性 評 価 手続 と 同 等 の保 証 を 与え る も ので あ る と当 該 一 方 の締 約 国 が認 め る こと を 条 件と す
る。
一方の締 約国は、他方の締 約国において 行われた適合性 評価手続の結 果を受け入れない 場合には、当 該
他方の締 約国の要請に 応じ、かつ、自 国の法令に従い、 当該他方の締 約国が適当なと きに是正手段 をとる
こと ができるよう にその理由につ いて説明する 。
一方の締約国は、可能な場合には、自国の区域内における適合性評価機関に与えられる条件よりも不利
で な い条 件 で 、他 方 の 締約 国 に お ける 適 合 性評 価 機 関を 認 定 し、 指 定 し、 又 は 承 認す る 。 一方 の 締 約国
は 、自国の区域 において特定の 強制規格又は任 意規格について 適合性を評価 する機関の認定、 指定又は承
認を行うが 、他方の締約国 における機関 であって当該強制 規格又は任意 規格について適 合性を評価す るも
照会所
のの認定、指定又は承認を拒否する場合には、当該他方の締約国の要請に応じ、その理由について説明す
る。
第六・八 条
94
一 方の締約国は 、強制規格、任 意規格及び適 合性評価手続に関 する他方の締 約国からの全て の妥当な照会
に応じ、並 びに適当な場 合には他方の締 約国が知るべきで あると考える その他の関連す る情報を当該 他方の
強制規格、任意規 格及び適合性評 価手続に関す る小委員会
締約 国に提供する 照会所を指定する 。
第六・九条
両締約国は、この章の規定を効果的に実施し、及び運用するため、ここに強制規格、任意規格及び適合
性評 価手続に関す る小委員会(以 下この条にお いて「小委員会」 という。)を設 置する。
小委員会は、次のことを任務とする。
95
1
2
この章 の規定の実施及び 運用について 検討及び監視を 行うこと。
に関する 情報の交換を行う こと。
強制規格、任 意規格及び適合性 評価手続に関 する活動に従事 する地域的な場及 び多国間の場 での活動
強制規 格、任意規格及 び適合性評価 手続に関連する事 項について協 議すること。
強制規格、 任意規格及び適 合性評価手続 に関する情報の交 換を行うこと 。
強 制規格、任意 規格及び適合性 評価手続の作成及 び改善におい て協力を強化す ること。
(e) (d) (c) (b) (a)
この章の規定に関連する事項に関する両締約国間の技術的な協力について討議すること。
相互に受け 入れることがで きる解決を得 ることを目的とし て、この章の 規定に関連する あらゆる問題
(両 締約国間に紛 争を引き起こす可 能性がある問題 を含む。)に ついて討議するこ と。
関係機関に対 し小委員会の所見 を報告するこ と。
4
3
こ の条の規定の 適用上、小委員会 は、次のもの によって調整さ れる。
小委員会は、両締約国が合意する時期及び場所において又は手段によって会合を開催する。
小委員会は、 両締約国政府の 代表者から成 る。
合同委員 会が委任するそ の他の任務を 遂行すること。
5
日 本国について は、外務省又は その後継機関
第十六章 の規定の不適 用
モンゴル国 については、産 業省又はその 後継機関
第六・ 十条
サービスの貿易
第十六章の規 定は、この章の規 定については 、適用しない。
第七章
96
(g) (f)
(i) (h)
(b) (a)
1
2
第 七・一条
適 用範囲
この章 の規定は、締 約国が採用し、 又は維持する措置 であって、サ ービスの貿易に 影響を及ぼす ものに
つい て適用する。
この章の 規定は、次のもの については、 適用しない。
海上運送 サービスのうち 内航海運に係 るもの
航空 運送サービス に関し、運輸権 (いかなる方法で 与えられるも のであるかを問 わない。)に 影響を
及ぼす措置 又は運輸権の行使 に直接関係す るサービスに影 響を及ぼす措 置
政府調 達
締約国又は公的企業により交付される補助金(贈与、公的に支援される借款、保証及び保険を含む。 )
出入国管理 に関する法令に 基づく措置
一方の 締約国の雇用市 場へのアクセ スを求める他方の 締約国の自然 人に影響を及ぼ す措置及び国 籍、
市民権又は永 続的な居住若しく は雇用に関す る措置
政府の権 限の行使として提 供されるサー ビス
97
(b) (a)
(f) (e) (d) (c)
(g)
2
の規定 にかかわらず、 この章の規定 は、次の事項に影 響を及ぼす措 置について適用 する。
航 空 運 送 サ ー ビ ス の販 売 及 び マ ー ケ テ ィ ン グ
附属書四は、金融サービスに関し、この章の補足規定(適用範囲及び定義を含む。)を定める。
コンピュータ 予約システムのサ ービス
4
附属書五は、 電気通信サービ スに関し、こ の章の補足規定( 適用範囲及び 定義を含む。) を定める。
定義
「 航空機の修理 及び保守のサー ビス」とは、航空 機がサービス を提供していな い間に当該航空 機又は
この章 の規定の適用 上、
第七・二条
5
3
航空機の修 理及び保守のサ ービス
(b)
その一部に 対して行われる 活動をいい、 いわゆるライン・ メンテナンス を含まない。
「コン ピュータ予約シ ステムのサー ビス」とは、航空 機の発着予定 、空席状況、運 賃及び運賃規 則に
関する情報が組み込まれたコンピュータ・システムを通じて予約を受け付け、又は発券を行うことによ
り提供す るサービスをいう 。
98
(c) (b) (a)
(a)
(b)
「現行の」とは、この協定の効力発生の日において効力を有することをいう。
「他方の締 約国の法人」と は、次のいず れかの法人をいう 。
他方 の締約国の法律に 基づいて設立 され、又は組織 される法人
(i)
「措 置」には、サー ビス貿易一般 協定が対象とする 範囲内の租税 に係る課税措置 を含める。
締約国の全て の段階の政府又は 機関が採用し、 又は維持する 措置
「締約 国が採用し、又 は維持する措 置」とは、次の措 置をいう。
注釈
か を問わない。 )をいう。
「措置 」とは、あらゆる 措置(法令、 規則、手続、決 定、行政上の 行為その他のいず れの形式であ る
(B) (A)
法人
に規定する他方の締約国の法人
他方 の締約国の自然 人
業務上の拠点 を通じてサービス が提供される場 合には、次の いずれかの者が所 有し、又は支 配する
(ii) (i)
非 政 府 機 関 が 、 締 約 国 の 全 て の 段 階 の 政 府 又 は 機 関 に よ っ て 委 任 さ れ た 権 限 を行 使 す るに 当 た っ
(ii) (i)
99
(d) (c)
(e)
(f)
て 、採用し、又 は維持する措置
「サービス の貿易に影響を 及ぼす締約国 の措置」には、次 の措置を含む 。
サー ビスの購入、支払 又は利用に係 る措置
当該 締約国の区域内 におけるサー ビスの提供のため の他方の締約 国の者の存在( 業務上の拠点 を含
アクセス 及び当該サービ スの利用に係 る措置
サービスの提 供に関連して、当 該締約国が公衆 一般に提供さ れることを要求し ているサービ スへの
(ii) (i)
「独占 的なサービス提供 者」とは、締 約国が自国の関 連市場におけ るサービスの唯一 の提供者とし て
む。)に係 る措置
(iii)
法 令上又は事実 上許可し、又は 設立する者(公 私を問わない。 )をいう。
「締約国の 自然人」とは、 締約国の法律 に基づく当該締約 国の国民をい う。
「航空 運送サービスの 販売及びマー ケティング」とは 、関係する航 空運送人が自己 の航空運送サ ービ
スの販売及びマーケティング(市場調査、広告、流通その他マーケティングの全ての側面を含む。)を
自由に行 う機会をいう。た だし、これら の活動には、航 空運送サービ スの価格の決定及 びサービスに 適
100
(g)
(h)
(j) (i)
用 される条件を 含まない。
「政府の権 限の行使として 提供されるサ ービス」とは、商 業的な原則に 基づかず、かつ 、一又は二以
上の サービス提供 者との競争を行う ことなく提供さ れるサービス をいう。
「サービスの 提供」には、サー ビスの生産、 流通、マーケテ ィング、販売及び 納入を含む。
「サービ スの貿易」とは 、次に規定す る態様のサービス の提供をいう 。
一方 の締約国の区域 から他方の締 約国の区域へのサ ービスの提供 (越境の態様に よる提供)
一 方の締約国の サービス提供者 によるサービスの 提供であって 他方の締約国の 区域内の業務上 の拠
われる もの(海外消費の 態様による提 供)
一方の締約 国の区域内におけ るサービスの 提供であって他 方の締約国のサー ビス消費者に 対して行
(ii) (i)
一方の 締約国のサービ ス提供者によ るサービスの提供 であって他方 の締約国の区域 内において当 該
点を通じて 行われるもの( 業務上の拠点 を通ずる態様によ る提供)
(iii)
「運輸権 」とは、いずれか の締約国内の 地点を出発地若 しくは目的地 として又は当該締 約国内若しく
一方の締約国 の自然人の存在を 通じて行われ るもの(自然人 の存在を通ずる態 様による提供 )
(iv)
101
(k)
(m) (l)
(n)
1
2
は その上空にお いて、運航し、 又は有償若し くは貸切りで旅客 、貨物若しくは 郵便物を運送 する定期又
は 不 定 期 の 航 空 運 送 サ ー ビ スに 係 る 権利 ( 運 航地 点 、 運 営路 線 、 運送 す る もの の 種 類、 提 供 す る輸 送
内国民待遇
力、 運賃及びその 条件並びに数、所 有、支配その他 航空企業を指 定するための基準 を含む。)を いう。
第七・三条
一方の締約国は、附属書六の自国の特定の約束に係る表に記載する分野において、かつ、当該表に定め
102
る条 件及び制限に 従い、サービス の提供に影響 を及ぼす全ての措 置に関し、他方 の締約国のサ ービス及び
この条の 規定に基づいて 行われる特定の 約束は、いずれ の締約国に対し ても、関連する サービス
サービス提 供者に対し、自国 の同種のサー ビス及びサービ ス提供者に与 える待遇よりも不 利でない待遇 を
与える 。
注釈
又はサービ ス提供者が自国 のものでない ことにより生ずる 競争上の固有の 不利益を補償 することを
要求す るものと解して はならない。
の規
一方の締 約国は、他方の締 約国のサービ ス及びサービス 提供者に対し 自国の同種のサー ビス及びサー ビ
ス提供者に与える待遇と形式的に同一の待遇を与えるか形式的に異なる待遇を与えるかを問わず、
1
定 の義務を履行 することができ る。
一方の 締約国が他方 の締約国のサー ビス又はサービス 提供者に対し て与える形式的 に同一の又は 形式的
に異 なる待遇によ り競争条件が当該 他方の締約国 の同種のサービ ス又はサービス提 供者と比較し て自国の
サービス又は サービス提供者に とって有利と なる場合には、 当該待遇は、 自国のサービス又 はサービス提
最恵国 待遇
供者に与 える待遇より も不利であると 認める。
第七 ・四条
一 方 の 締 約 国 は 、 他 方 の 締 約 国の サ ー ビス 及 び サー ビ ス 提供 者 に 対 し、 第 三 国の 同 種 のサ ー ビ ス及 び
サービ ス提供者に与 える待遇よりも不 利でない待遇を 与える。
各締約国は 、1の規定に合 致しない措置で あっても、当該 措置が附属書 六の最恵国待遇の 免除に係る表
に規定す るサービスの提 供の態様によ る市場アクセスに 関し、他方の 締
市場アク セス
に掲げられ 、かつ、同表に 定める要件を 満たす場合におい ては、当該措 置を維持するこ とができる。
第七・ 五条
一方の締 約国は、第七・二 条
103
3
1
2
1
約国のサービス及びサービス提供者に対し、附属書六の自国の特定の約束に係る表において合意し、及び
(m)
2
締約 国は、第七・二 条
に規定 する提供の態様に よるサービス の提供に関し市 場アクセスに 係
特 定した条件及 び制限に基づく 待遇よりも不 利でない待遇を与 える。
注釈
に
る約 束を行う場合にお いて、国境を 越える資本の移 動が当該サー ビス自体の重要な 部分であると き
は、当該約束 をもって当該資本 の移動を認める ことを約束し たこととする。締 約国は、同条
サービス提 供者の数の制限 (数量割当て 、独占、排他的な サービス提供 者又は経済上の 需要を考慮す
置 を維持し、又 は採用してはな らない。
いて別 段の定めをし ない限り、小地域 を単位とするか 自国の区域の 全体を単位とする かを問わず、 次の措
締約国は、市場アクセスに係る約束を行った分野において、附属書六の自国の特定の約束に係る表にお
束を もって自国の区 域への関連す る資本の移動を認 めることを約 束したこととす る。
規定する 提供の態様によ るサービスの 提供に関し市場ア クセスに係る 約束を行う場合 には、当該約
(m)
(iii)
サービスの取 引総額又は資産総 額の制限(数 量割当てによる もの又は経済上の 需要を考慮す るとの要
件による もの)
104
(m)
(i)
るとの 要件のいずれ によるものであ るかを問わない。 )
(a)
(b)
サービスの事業の総数又は指定された数量単位によって表示されたサービスの総産出量の制限(数量
この
に規定する制限には、サービスの提供のための投入を制限する締約国の措置を含まな
割当てによ るもの又は経済 上の需要を考 慮するとの要件に よるもの)
注釈
い。
サービ ス提供者がサービ スを提供する に当たり、法定 の事業体又は 合弁企業について 特定の形態を 制
の又は経済 上の需要を考慮す るとの要件に よるもの)
サービスの提供に必要であり、かつ、当該提供に直接関係するものの総数の制限(数量割当てによるも
特 定 の サ ー ビ ス の 分 野 に お い て 雇 用 さ れ 、 又 は サ ー ビス 提 供 者 が雇 用 す る自 然 人 であ っ て 、特 定 の
(c)
限 し、又は要求 する措置
外国資本の 参加の制限(外 国資本による 株式保有の比率の 上限を定める もの又は外国資 本による個別
追加的な約束
若しく は全体の投資 総額の比率の上 限を定めるもの)
第七・六条
両 締 約 国 は 、 第 七 ・ 三 条及 び 前 条 の 規 定 に 基 づ く 特 定 の 約 束 に 係 る 表 へ の 記 載 の 対 象 と な っ て い な い サ ー
105
(c)
(d)
(e)
(f)
ビ スの貿易に影 響を及ぼす措置 (資格、基準 又は免許について の事項に関す るものを含む。 )に関する約 束
特定の約 束に係る表
について交 渉することが できる。当該約 束については、附 属書六の自国 の特定の約束に 係る表に記載 する。
第七 ・七条
各締約国 は、第七・三条及 び前二条の規 定に基づいて行 う特定の約束 を表に記載する。 附属書六のそ れ
適合しない現 行の措置に基づく ものに限る。
に 規定する条件 及び制
第七 ・三条及び第 七・五条のいずれ の規定にも適合 しない措置は 、同条に関する欄 に記載する。 この場
106
ぞれの特 定の約束に係 る表は、当該特 定の約束を行った 分野又は小分 野に関し、次の 事項を特定す る。
及び
(b)
市場 アクセスの条 件及び制限
内国民待遇 についての条件及 び制限
追加的 な約束
」と 記載した分野又は 小分野に関し 、1
適 当な場合には 、当該特定の約 束の履行のための 期間
特定の 約束を行い、 かつ、「
(a)
限(出入国管理に関する法令に基づく措置によるものを除く。)は、第七・三条又は第七・五条の規定に
SS
1
2
3
(d) (c) (b) (a)
国内規制
合 には、その記 載は、第七・三 条の規定につ いての条件又は制 限でもあると みなす。
第七・八条
各 締 約 国 は 、 一 般 に 適 用 さ れ る 全 て の 措 置 で あ っ て サ ー ビ ス の 貿 易 に 影 響 を及 ぼ す も の が 合 理 的 、 客 観
的かつ公平な 態様で実施される ことを確保す る。
締約国の権限のある当局は、サービスの提供のために当該締約国の許可が必要な場合には、当該国の法
令に 基づき不備が ないと認められ る申請が提出 された後合理的な 期間内に、当該 申請に関する 決定を申請
者に通知す る。当該締約国の 権限のある当 局は、当該申請 者の要請に応 じ、当該申請の処 理状況に関す る
情報を 不当に遅滞す ることなく提供す る。
一方の締約 国は、サービス 分野において当 該一方の締約国 が採用し、又 は維持する措置で あって他方の
107
1
2
3
締約国のサ ービス提供者に 対する許可、 資格要件、資格の 審査に係る手 続、技術上の基 準及び免許要 件に
関連するものがサービスの貿易に対する不必要な障害とならないことを確保するため、当該措置が次の基
準に適合する ことを確保する。
客観的な かつ透明性のある 基準(例えば 、サービスを提 供する能力) に基づくこと。
(a)
1
2
3
サービスの質を確保するために必要である以上に大きな負担とならないこと。
承認
サービスの 提供に対する偽 装した制限と ならないこと。
第七 ・九条
一方の締 約国は、他方の締 約国のサービ ス提供者に対し て許可、免許 又は資格証明を与 えるに当たり 、
自国の基 準の全部又は 一部を満たすた めに、当該他方の 締約国におい て得られた教育 若しくは経験 、満た
され た要件又は与 えられた免許若 しくは資格証 明を承認すること ができる。
に 規 定 す る 承 認 で あっ て 調 和 そ の 他 の 方 法 に よ り 行 う こ と が で き る も の は 、 両 締 約 国 間 の 協 定 若 し く
第七・四条の いかなる規定も、 当該一方の締 約国に対し、他 方の締約国におい て得られた教 育若しく
に、承認することとする場合には、次のとおりとする。
く は資 格 証 明を 、 当 該一 方 の 締約 国 と 当 該第 三 国 との 間 の 協定 若 し くは 取 決 め に基 づ い て、 又 は 一方 的
一方の締約 国が、第三国に おいて得られた 教育若しくは経 験、満たされ た要件又は与えら れた免許若し
は取決 めに基づいて 又は一方的に行う ことができる。
1
は経験、 満たされた要件又 は与えられた 免許若しくは資 格証明を承認 することを求める ものと解して は
108
(c) (b)
(a)
1
2
な らない。
当該一方の 締約国は、他方 の締約国に対 し、当該協定若し くは取決めへ の当該他方の締 約国の加入に
つい て交渉し、又 はこれと同等の協 定若しくは取決 めについて両 締約国間で交渉す るための機会 を十分
に与える。
当該一方 の締約国は、承 認を一方的に 行う場合には、他 方の締約国に 対し、当該他方 の締約国にお い
て得られた教育若しくは経験、満たされた要件又は与えられた免許若しくは資格証明も承認されるべき
独占及び排 他的なサービ ス提供者
であること について意見を表 明するための 機会を十分に与 える。
第七・ 十条
締約国は、 自国の区域内の 独占的なサービ ス提供者が関連 する市場にお いて独占的なサー ビスを提供す
るに当たり 、第七・三条か ら第七・五条 までの規定に基づ く自国の義務 に反する態様で 活動しないこ とを
確保す る。
締約国の 特定の約束の対象 となっている 分野において当 該締約国の独 占的なサービス提 供者が自己の 独
占 権 の 範 囲 外 の サ ー ビ スを 提 供 す る に 当 た っ て 直 接 に 又 は 提 携 す る 会 社 を 通 じ て 競 争 す る 場 合 に は 、 当 該
109
(b)
(c)
締 約国は、当該 独占的なサービ ス提供者が自 国の区域内におい て第七・三条 及び第七・五条 の規定に基づ
又は
の規定に反する態様で活動してい
く当該特定 の約束に反する 態様で活動す るために自己の独 占的地位を濫 用しないことを 確保する。
一方の締約国 は、他方の締約国 の独占的なサ ービス提供者が
2
を要請す ることができ る。
自国の区 域内でこれら のサービス提供者 の間の競争を 実
こ の 条 の 規 定 は 、 排 他 的 なサ ー ビ ス提 供 者 の 場合 、 す なわ ち 、 締約 国 が 法令 上 又 は 事実 上 、
サービス提 供者を許可し、又 は設立し、か つ、
質的に 妨げる場合に ついても適用する 。
商慣習
両締約 国は、サービ ス提供者の一定 の商慣習(前条の 規定に該当す るものを除く。 )が競争を抑 制し、
第 七・十一条
少数の
ると信ずるに 足りる理由がある 場合には、当 該他方の締約国 に対し、関連 業務に関する特定 の情報の提供
1
に規定 する商慣習を 撤廃することを目 的として協議 す
及びこれによりサービスの貿易を制限することがあることを認める。
一方の締 約国は、他方の締 約国の要請に 応じ、
110
(a)
3
4
1
2
(b)
る。要請を受けた締約国は、当該要請に対して十分かつ好意的な考慮を払うものとし、問題となっている
1
1
2
1
事 項に関連する 秘密でない情報 であって公に 利用可能なものを 提供すること によって協力す る。当該要請
を受けた締 約国は、また、 自国の法令に 従い、かつ、要請 を行った締約 国による情報の 秘密の保護に 関し
支払及び資金の 移転
適切 な協定が締結 されることを条件 として、利用 可能な他の情報 を当該要請を行っ た締約国に提 供する。
第七・十二条
締約国は、次条に規定する場合を除くほか、サービスの貿易に関連する経常取引のための資金の国際的
な移 転及び支払に 対して制限を課 してはならな い。
この章のいかなる規定も、国際通貨基金協定に適合する為替の利用を含め、同協定に基づく国際通貨基
金の加 盟国としての 両締約国の権利及 び義務に影響を 及ぼすもので はない。ただし、 締約国は、次 条の規
定 に基づく場合 又は国際通貨基 金の要請による 場合を除くほか 、資本取引に 関する自国の特定 の約束に反
国際収 支の擁護のた めの制限
するような 制限を資本取引 に対して課し てはならない。
第七・ 十三条
国際収支 及び対外支払に関 して重大な困 難が生じている 場合又は生ず るおそれがある場 合には、締約 国
は、サービスの貿易に対する制限(取引のための支払又は資金の移転に対するものを含む。)を課し、又
111
は 維持すること ができる。
に規 定する制限は 、次の全ての要 件を満たすものと する。
内 国 民 待 遇 及 び 最 恵国 待 遇 に 基 づ い て 適 用 さ れ る も の で あ る こ と 。
国際通貨基金 協定に適合するも のであること 。
他方の締 約国の商業上、 経済上又は資 金上の利益に対し 不必要な損害 を与えることを 避けるもので あ
るこ と。
に規定する 状況に対処するた めに必要な限 度を超えないも のであること。
に規定する状 況が改善するに 伴い漸進的に 廃止されるもので あること。
に規定する制 限を決定するに 当たり、自国の 経済又は開発 の計画にとって一 層重要なサー
一時的 なものであり、
締約国は、
1
1
の規定 に基づいて一方の 締約国が課し 、若しくは維持 する制限又は その変更について は、他方の締 約
てはな らず、また、 これを維持して はならない。
ビスの提供 を優先させるこ とができる。 ただし、特定のサ ービスの分野 を保護するため に当該制限を 課し
1
2
3
4
1
国に対して速やかに通報する。
1
112
(c) (b) (a)
(e) (d)
第 七・十四条
透明性
各締約国は 、全ての分野に おいて、第七 ・三条から第七・ 五条までの規 定に基づく義務 に影響を及ぼ す全
て の 関 係 す る 措 置 を 記 載 し た 法 的 拘 束 力 の な い 表 を 作 成 す る 。 当 該 表 は 、 こ の 協定 の 効 力 発 生 の 日 か ら 五 年
以内に他方の 締約国と交換され 、及び公に利 用可能なものと されるものと し、また、必要に 応じ又は両締 約
分野 及び小分野又 は事項
適 合 し な い 規 定 ( 内 国 民 待 遇 、 最 恵 国 待 遇 又 は 市 場 ア ク セ ス に 係 る も の )の 種 類
当該措 置の法的根拠その 他の根拠
当 該措置の簡潔 な説明
この 条の規定に基づ く表は、透明 性のためにのみ作 成されるもの であり、この章 の規定に基づ く締
約国の 権利及び義務に 影響を及ぼす ものと解してはな らない。この 条の規定に基づ くいかなる見 直し
利益の否認
又は改定も、 当該表を更新する ことのみを目 的とする。
第七・十 五条
113
国の合意に基づき、将来の見直し及び改定の対象となる。当該表には、次の要素を含める。
注釈
(d) (c) (b) (a)
1
2
一方の締約 国は、他方の締 約国のサービ ス提供者であって 当該他方の締 約国の法人であ るものが第三 国
の者によっ て所有され、又 は支配されて おり、かつ、次の いずれかの場 合に該当すると 認めるときは 、当
該サ ービス提供者 に対し、この章の 規定による利 益を否認するこ とができる。
当該一方の締 約国が当該第三国 と外交関係を 有していない場 合
当該一方 の締約国が、当 該第三国に関 する措置であって 次のいずれか に該当するもの を採用し、又 は
維持 する場合
当該法人と の取引を禁止する もの
的な事業活動 を行っていないと 認めるときは 、事前の通報及 び協議を行う ことを条件として 、当該サービ
の者によって所有され、又は支配されており、かつ、当該法人が当該他方の締約国の区域内において実質
一方の 締約国は、他 方の締約国のサ ービス提供者であ って当該他方 の締約国の法人 であるものが 第三国
阻 害することと なるもの
当該法 人に対してこの章 の規定による 利益を与えるこ とにより当該 措置に違反し、又 は当該措置を
(ii) (i)
ス提供者に対し、この章の規定による利益を否認することができる。
114
(b) (a)
1
第 七・十六条
サービスの貿易 に関する小委員会
両締約 国は、この章 の規定を効果的 に実施し、及び運 用するため、 ここにサービス の貿易に関す る小委
員会 (以下この条 において「小委員 会」という。 )を設置する。
小委員会 は、次のことを任 務とする。
小委員会は 、両締約国政府 の代表者から成 る。
2
この章の 規定の実施及び 運用について 検討及び監視を行 うこと。
合同委員会 に対して小委員会 の所見を報告 すること。
3
小委員 会は、両締約 国が合意する時 期及び場所におい て又は手段に よって会合を開 催する。
合同委 員会が委任するそ の他の任務を 遂行すること。
4
約束の 見直し
両締約国 間のサービスの貿 易の更なる自 由化(約束の形 式を再交渉す る可能性を含む。 )のため、両 締
第七・ 十七条
1
約国は、この章の規定及びこの章に規定する附属書の見直しを両締約国が合意する機会に行うことを適当
115
この 章の規定に関 連する問題につ いて討議すること 。
(d) (c) (b) (a)
2
1
2
な 時期に検討す る。
一方の 締約国が自国 のサービスの分 野、小分野又は活 動についてこ の協定の効力発 生の日の後に 自主的
に更 なる自由化を 行った場合には、 当該一方の締 約国は、そのよ うな自主的な自由 化をこの協定 に組み込
一般原 則
自然人の移動
むよう求める 他方の締約国の要 請を適当な時 期に検討する。
第八章
第八 ・一条
こ の 章 の 規 定 は 、 両 締約 国 間 の 特 恵 的 な 貿 易 関 係 、 自 然 人 の 入 国 及 び 一 時 的 な 滞 在 を 互 恵 主 義 に 基 づ い
て促進 し、並びに入 国及び一時的な滞 在のための透明 性のある基準 及び手続を定めた いという両締 約国の
希 望並びに国境 の安全を確保し 、並びに各締約 国の国内労働力 及び永続的な 雇用を保護する必 要性を反映
したもので ある。
各 締約国は、1 に規定する一般 原則に従って この章の規定に関 連する措置をと るものとし、 特に、この
協定に基づく 物品若しくはサー ビスの貿易又 は投資活動を不 当に妨げ、又 は遅らせることの ないよう迅速
にこれら の措置をとる 。
116
1
2
3
第 八・二条
適 用範囲
この章 の規定は、第 八・四条1に定 める区分のいずれ かに該当する 一方の締約国の 自然人であっ て、他
方の 締約国に入国 するものの入国及 び一時的な滞 在に影響を及ぼ す措置について適 用する。
この章の 規定は、一方の締 約国の自然人 であって、他方 の締約国の雇 用市場へのアクセ スを求めるも の
に影響を 及ぼす措置及 び国籍、市民権 又は永続的な居住 若しくは雇用 に関する措置に ついては、適 用しな
い。
この章の規定は、一方の締約国が他方の締約国の自然人の入国及び一時的な滞在を規制するための措置
(自国 の国境を保全 し、及び自国の国 境を越える自然 人の秩序ある 移動を確保するた めに必要な措 置を含
む 。)を適用す ることを妨げる ものではない。 ただし、附属書 七に定める特 定の約束の条件に 従って当該
他方の締約国の自然人に対しては査証を要求し、特定の第三国の自然人に対しては要求しないと
他方の締約 国に与えられる 利益を無効に し、又は損なうよ うな態様で当 該措置を適用し ないことを条 件と
する。
注釈
い う 事 実 の み を も っ て 、 附 属 書 七 に 定 め る 特 定 の 約 束 の 条 件 に 基 づ く 利益 が 無 効 に さ れ 、 又 は 損 な
117
定義
わ れているとは みなさない。
第八・三条
この 章の規定の適 用上、「締約国の 自然人」とは 、締約国内に居 住しているか否か を問わず、当 該締約国
第八・四 条
特定の約束
一方の締約国 は、次の者につ いて行う特定 の約束を附属書七 に定める。
ま でに規定する自然 人に同行する 配偶者及び子
(e)
118
の法律の下で 当該締約国の国民 である自然人 をいう。
1
他方の締約 国の短期の商用訪 問者
から
(b)
サービスの提 供に従事する他方 の締約国の自 然人
当該一 方の締約国にあ る公私の機関 との間の契約に基 づいて高度の 水準の技術又は 知識を必要と する
自由職業サ ービスに従事す る他方の締約 国の自然人
他 方の締約国の 投資家
他方の 締約国の企業内転 勤者
(e) (d) (c) (b) (a)
(f)
2
1に規定す る区分の対象と なる自然人に ついては、附属書 七に定める条 件に従って入国 及び一時的な 滞
在が許可さ れる。ただし、 当該自然人が 、入国及び一時的 な滞在につい て適用される出 入国管理に関 する
法令 であってこの 章の規定に反しな いものに従う ことを条件とす る。
いずれの 締約国も、1に規 定する自然人 であって入国及 び一時的な滞 在を許可するもの の数について 制
要件及 び手続
限を課し 、又は維持し てはならない。
第八 ・五条
一 方 の 締 約 国 は 、 附 属書 七 に 定 め る 自 国 の 特 定 の 約 束 の 対 象 と な る 自 然 人 に 関 し 、 他 方 の 締 約 国 の 自 然
119
3
1
人が次 に掲げる事項 について効果的な 申請を行うため に必要な要件 及び手続に関する 情報を、この 協定の
効 力発生の日に 公表し、又は当 該他方の締約国 に利用可能なも のとする。
当該一方の 締約国への入国
適用があ る場合には、当該 一方の締約国 における自国に おける就労の 許可
当該一方の締 約国における一時 的な滞在の更 新
当該一 方の締約国にお ける当初の一 時的な滞在
(d) (c) (b) (a)
当 該 一 方 の 締 約 国 に お け る 一 時 的 な 滞 在 に 係 る資 格 の 変 更
までに掲げ る入国、一時的 な滞在又は許 可について、他方 の締約国の自 然
一方の 締約国は、他 方の締約国の自 然人から要請があ った場合には 、1に規定する 要件及び手続 に関す
から
る情 報を提供する よう努める。
一方の締 約国は、1
を簡素化し、並びに他方の締約国の自然人の入国及び一時的な滞在に関する手続を円滑化し、及び迅速化
一方の 締約国は、自 国の法令の範囲 内で、他方の締約 国の自然人の 入国及び一時的 な滞在に関す る要件
る。
定 に 基づ く 他 方の 締 約 国の 自 然 人 の入 国 及 び一 時 的 な滞 在 に 対し て 不 当な 障 害 と なら な い こと を 確 保す
一方の締約国は、自国の権限のある当局が1に規定する申請について徴収する手数料自体がこの章の規
手続 の変更を、当 該他方の締約国 に速やかに通 報するよう努める 。
人が効果 的な申請を行 うことに影響を 及ぼす新たな要件 及び手続の導 入又は1に規定 する現行の要 件及び
(e)
2
3
4
5
(a)
自然人の移動 に関する小委 員会
するための措 置をとるよう可能 な限り努める 。
第八・六 条
120
(e)
1
この章の規 定を効果的に実 施し、及び運 用するため、両締 約国は、ここ に自然人の移動 に関する小委 員
会(以下こ の条において「 小委員会」と いう。)を設置す る。
小委員会は、 次のことを任務と する。
小委員会 は、両締約国政府 の代表者から 成る。
2
この章の規定 の実施及び運用に ついて検討及 び監視を行うこ と。
自然人の 入国及び一時的 な滞在を相互 主義に基づいて一 層促進するた めの措置の立案 について検討 す
るこ と。
附 属 書 七 に 規 定 す る 自 然 人 の 入 国 及 び 一 時 的 な 滞 在に 影 響 を 及ぼ す 措 置に 関 す る情 報 を 交換 す る こ
と。
こ の章の規定に 関連する問題で あって両締約国が 合意するもの について討議す ること。
合同委員会 に対して小委員 会の所見を報 告すること。
3
小委 員会は、両締 約国が合意する時 期及び場所にお いて又は手段 によって会合を開 催する。
合同委 員会が委任する その他の任務 を遂行すること。
4
121
(b) (a)
(c)
(f) (e) (d)
り尽 くしたこと。
紛 争解決
及び
の要 件を満たす場 合を除くほか、 この章の規定 につい
他方の締約国の権限のある当局による特定の事案に関する最終的な決定が、1
に 規定す
に規 定する行政上 の救
当該事案 によって影響を 受ける一方の 締約国の自然人が 他方の締約国 の行政上の救済 措置を可能な 限
(b)
第 八・七条
第十六 章に定める紛 争解決手続は、 次の
ては 、適用しない 。
事案に一定の 実行の類型が含ま れること。
(a)
電 子商取引
一般規定
引の利用及び発展に対する不必要な障害を回避することの重要性を認識する。
両締約国 は、電子商取引に よって経済的 な成長及び機会 がもたらされ ることを認識し、 また、電子商 取
第九・ 一条
第九章
る 自然人に起因 する遅延による ものでないとき は、当該行政上 の救済措置は 、尽くされたもの とみなす。
済措置 に係る手続の 開始の日の後一年 以内に行われず 、かつ、当該 決定が行われない ことが1
(b)
1
2
1
(b)
122
(b) (a)
この章は、 電子商取引の利 用に対する信 用及び信頼の環境 を醸成するこ とに寄与するこ と、両締約国 間
両締約国 は、電子商取引に おける技術的 中立性の原則を 認識する。
2
における電 子商取引を促進 すること並び に世界的に電子商 取引の一層広 範な利用を促進 することを目 的と
3
この章の規定と第二章、第七章、次章又は第十二章の規定とが抵触する場合には、その抵触の限度にお
する 。
4
定義
に係るもので あることを証明 するために作 成される電磁的記 録をいう。
123
いて 、この章以外 の章の規定が優 先する。
第九・二条
この章 の規定の適用 上、
「 デジタル・プ ロダクト」とは 、コンピュータ・ プログラム、 文字列、ビデオ 、映像、録音物 その他
「電 子証明書」と は、利用者が電 子署名を行ったこ とを確認する ために用いられ る物が、当該 利用者
送信されるものであるかを問わない。)をいう。
のものであ ってデジタル式 に符号化され たもの(キャリア メディアに固 定されるもので あるか電子的 に
(a)
(b)
1
の要 件を満たすもの をいう。
「電子署名」とは、電磁的記録に記録することができる情報についてとられる措置であって、次の
及び
当該 情報が当該措置を とった者によ り承認されてい ることを示す 措置であること。
関税
デ ジタル・プロダ クトの無差別待遇
他方の 締約国のデジタ ル・プロダク トに対し、自国の 同種のデジタ ル・プロダクト に与える待遇 より
一方の 締約国は、次 の措置を採用し 、又は維持しては ならない。
第 九・四条
各締約 国は、両締約 国間における電子 的な送信に対し て関税を賦課 しないという慣行 を維持する。
第九・三条
関連して、輸入者若しくは輸出者により、又はこれらの者のために作成される必要があるものをいう。
「貿易実 務に係る文書」 とは、締約国 が発行し、又は管 理する様式で あって、物品の 輸入又は輸出 に
当該情報が改 変されていないこ とを確認する措 置であること 。
(ii) (i)
も不利な待遇 を与える措置
他方の締 約国のデジタル・ プロダクトに 対し、第三国の 同種のデジタ ル・プロダクトに 与える待遇よ
124
(ii)
(c)
(d)
(a)
(b)
(i)
2
3
り も不利な待遇 を与える措置
1の規 定は、次のも のについては、 適用しない。
政府 調達
締約国又は公 的企業が交付する 補助金(贈与 、公的に支援さ れる借款、保証及 び保険を含む 。)
第七・四 条2の規定に基 づいて締約国 が維持する措置
第七 ・三条及び第 七・五条の規定 の範囲内で締約国 が採用し、又 は維持する措置 であって、次 のいず
れかに該当 するもの
附属書 六に定める当該締 約国の特定の 約束に係る表に おいて約束し ていない分野に関 する措置
第十・ 八条の規定に基 づいて締約国 が採用し、又は維 持する適合し ない措置
限に反しな い措置
附 属書六に定め る当該締約国の 特定の約束に係る 表において合 意され、及び特 定される条件及 び制
(ii) (i)
一方の締 約国は、1の規定 に基づく自国 の義務を履行す るに当たり、 必要な場合には、 デジタル・プ ロ
ダクトが自国、他方の締約国又は第三国のいずれのデジタル・プロダクトであるかを誠実に決定する。そ
125
(d) (c) (b) (a)
(e)
の ような決定は 、透明性のある 、客観的、合 理的かつ公正な態 様で行う。
一方の 締約国は、1 の規定に基づく 自国の義務を履行 するに当たり デジタル・プロ ダクトの原産 地を決
定す る場合におい て、他方の締約国 の要請がある ときは、当該デ ジタル・プロダク トの原産地を 決定する
ための方法に ついて説明する。
両締約国は、デジタル・プロダクトの原産地を決定するための基準をこの協定に組み入れることを検討
電子署名
する ことを目的と して当該基準の 作成を促進す るため、国際機関 及び国際的な場 において協力 する。
第九・五条
電 子的な取引の 当事者が当該取 引のための適切な 電子署名の方 式を相互に決定 することを禁止 する措
い ずれの締約国 も、電子署名を規 制する措置で あって次のもの を採用し、又は維 持してはなら ない。
置
電子的 な取引の当事者 に対し当該取 引が法的な要件を 満たしている ことを裁判所に おいて証明す る機
会を与えるこ とを妨げる措置
1の 規定にかかわ らず、各締約国は 、電子的な取引 の特定の種類 について、電子署 名が特定の実 施基準
126
4
5
1
2
(a)
(b)
1
2
3
を 満たすこと又 は自国の国内法 令に従って認 定され、若しくは 承認された認 証サービスの提 供者によって
発行される 特定の電子証明 書に基づくも のであることを要 求することが できる。ただし 、次の要件を 満た
すこ とを条件とす る。
に規定す る目的の達成 に実質的に関連す るものである こと。
その要求が、 正当な政策目的に 資するもので あること。
その要求 が、
消費者 の保護
両 締約国は、そ れぞれ自国の国 内法令に従い 、電子商取引の利 用者の個人情報 を保護するた めの措置を
責任を有す るそれぞれの権 限のある当局 の間における協力 の重要性を認 識する。
両締約国は 、消費者の保護 を促進するため 、電子商取引に 関連する活動 に関し、消費者の 保護について
もの及 び消費者の信 頼の向上に資する 措置を採用し、 及び維持する 重要性を認識する 。
両締約国は、電子商取引のための透明性のある、かつ、効果的な措置であって、消費者の保護に関する
第九 ・六条
(a)
要求されてい ない商業上の 電子メール
採用し、又は 維持する。
第九・七 条
127
(b) (a)
各 締約国は、宣 伝を目的とする 要求されてい ない商業上の電子 メールを規制 するために適切 かつ必要な措
貿易実務 に係る文書の 電子化
両 締約国は、電 子的に提出される 貿易実務に係 る文書の受理を 促進するため、二 国間で、及び 国際的な
と法的に同 等なものとして受 理するよう努 める。
各締約国は、 電子的に提出さ れる貿易実務 に係る文書につい て、当該文書 が書面により提 出された場合
るよう努 める。
各締約国 は、貿易実務に係 る文書の全て について、公衆 による電子的 な形式での利用を 可能なものと す
第九 ・八条
置をとるよ う努める。
1
2
3
国内規制
場 において協力 する。
第九・九条
各締約国は、電子商取引に影響を及ぼす自国の全ての措置が、透明性のある、客観的、合理的かつ公平な
態様で実施さ れ、及び正当な政 策目的を実現 するために必要 な水準以上に 大きな負担となら ないことを確 保
する。
128
1
2
1
第 九・十条
コ ンピュータ関連 設備の所在地に関 する要求の禁 止
いずれ の一方の締約 国も、次に掲げ るものが自国の区 域内における 事業を遂行する ための条件と して、
当該 区域内に所在 するコンピュータ 関連設備を利 用し、又は当該 区域内にコンピュ ータ関連設備 を設置す
ることを要求 してはならない。
他方の締 約国のサービス 提供者
当該一方の 締約国の区域内に おける他方の 締約国の投資家 の投資財産
1 の規定にかか わらず、この条の いかなる規定 も、締約国が正 当な公共政策の目 的を達成する ために必
要 な措置であっ てコンピュータ 関連設備の利用 及び設置に影響 を及ぼすもの を採用し、又は維 持すること
を妨げるも のと解してはな らない。ただ し、それらの措置 を、恣意的若 しくは不当な差 別の手段とな るよ
ソース・コード
うな態様で、又は貿易に対する偽装した制限となるような態様で適用しないことを条件とする。
第九・十一条
いず れの一方の締 約国も、他方の締 約国の者が所有 するソフトウ ェア又は当該ソフ トウェアを含 む製品
129
他方 の締約国の投 資家
(c) (b) (a)
2
1
の 自国の区域内 における輸入、 頒布、販売又 は利用の条件とし て、当該ソフ トウェアのソー ス・コードの
移転又は当 該ソース・コー ドへのアクセ スを要求してはな らない。
この条の規定の適用上、1の規定の対象となるソフトウェアは、大量販売用ソフトウェア又は当該ソフ
協力
トウェアを含 む製品に限定する ものとし、中 枢的な基盤のた めに利用され るソフトウェアを 含まない。
第九・十 二条
両締約国は、 適当な場合には 、電子商取引 の発展を促進する ため、二国間 で協力し、並び に地域的な及
び多数国間 の場に積極的に参 加する。
両 締約国は、適 当な場合には、情 報及び経験( 電子商取引に関 する法令及び最良 の慣行につい てのもの
両 締約国は、中 小企業が電子商 取引を利用す るに当たって直面 する障害を克服 するために協 力する。
2
を 含む。)であ って、特に、消 費者の信頼、サ イバーセキュリ ティ、要求さ れていない商業上 の電子メー
3
各締約国 は、自国が利用す ることができ る現存の手段に より、自国に おける非営利団体 による電子商 取
ルの防止、 知的財産、電子 政府及び個人 情報の保護に関連 するものを共 有する。
4
引の促進を目的とした活動(情報及び意見の交換を含む。)を奨励する。
130
5
6
両締約国は 、活発な電子商 取引の環境に 不可欠な要素とし て、国境を越 える情報の流れ の維持を図る こ
との重要性 を認識する。
電子商取引に関 する小委員会
両 締 約 国 は 、 デ ジ タ ル ・ プ ロ ダ ク ト の 貿 易 を 更 に 促 進 す る こ と の 重 要 性 を 認識 す る 。
第九・十三条
この章の規定を効果的に実施し、及び運用するため、両締約国は、ここに電子商取引に関する小委員会
(以 下この条にお いて「小委員会 」という。) を設置する。
小委員会は、次のことを任務とする。
合同委員会に 対して小委員会の 所見を報告す ること。
合同委員 会が委任するその 他の任務を遂 行すること。
131
1
2
この章 の規定の実施及び 運用について 検討及び監視を 行うこと。
デジタ ル・プロダクト の貿易を更に 促進するための新 たな機会を追 求すること。
すること。
こ の章の規定に 関連する問題( 適当な場合には、 第九・四条の 規定の見直しを 含む。)につい て討議
(b) (a)
(e) (d) (c)
3
小委員会は 、両締約国政府 の代表者から 成る。
投資
小委員 会は、両締約 国が合意する時 期及び場所におい て又は手段に よって会合を開 催する。
第十 章
第十・一条
この章の規定は、締約国が採用し、又は維持する措置であって、次の事項に関するものについて適用す
適用範囲
4
1
この章の規 定は、一方の締 約国が採用し、又 は維持する措 置であって、こ の協定の効力 発生の
前 に 他 方 の 締 約国 の 投 資 家 に よ り 当 該 一 方 の 締 約 国 の 区 域 内 に お い て 投 資 さ れ た 投 資 財 産 に 関 連
するもの についても適用す る。
132
る。
他方の締約 国の投資家
注釈1
内にあるも の
第 十・七条及び 第十・十七条の 規定の適用の対象 となる全ての 投資財産であっ て、当該締約国 の区域
当該締 約国の区域内にあ る他方の締約 国の投資家の投 資財産
(c) (b) (a)
2
3
注 釈2
この章 の規定は、この 協定の効力発 生の前に生じた事 態に起因する請 求については 、適用しな
い。
この章の規定 と第七章の規定と が抵触する場 合には、次のと おりとする。
第十・三条、 第十・四条及び第 十・七条の規 定の対象となっ ている事項に関し ては、この章 の規定と
第七章の 規定とが抵触す る限度におい て、同章の規定が 優先する。
に規 定する事項以外 の事項に関し ては、この章の規 定と第七章の 規定とが抵触す る限度におい て、
は ない。
第十・二条
「二国間投資 協定」とは、二千 一年二月十五 日に東京で署名 された投資の促進 及び保護に関 する日本
この章 の規定の適用 上、
定義
こ の章のいかな る規定も、出入国 管理に関する 法令に基づく措 置に関して締約国 に義務を課す るもので
この章の規 定が優先する。
(a)
国とモン ゴル国との間の協 定をいう。
133
(a)
(b)
(a)
1
企 業が投資家に よって「所有」 されるとは、当該 投資家が当該 企業の五十パー セントを超え る持分
を所有する 場合をいう。
企業 が投資家によって 「支配」され るとは、当該投 資家が当該企 業の役員の過半数 を指名し、又 は
「現行の 」とは、この協 定の効力発生 の日において効力 を有すること をいう。
当該企業の活 動につき法的に指 示する権限を 有する場合をい う。
(ii)
「自 由利用可能通 貨」とは、国際 通貨基金協定に定 義する自由利 用可能通貨をい う。
「 投 資 活 動 」 と は 、 投 資 財 産 の 設 立 、 取 得 、 拡 張 、 運 営 、 経 営 、 維 持 、 使用 、 享 有 及 び 売 却 そ の 他 の
処分を いう。
「 措置」とは、 あらゆる措置( 法令、規則、手続 、決定、行政 上の行為その他 のいずれの形式 である
内国民待 遇
かを問わな い。)をいう。
第十・ 三条
一方の締 約国は、自国の区 域内において 、投資活動に関 し、他方の締 約国の投資家及び その投資財産 に
対し、同様の状況において自国の投資家及びその投資財産に与える待遇よりも不利でない待遇を与える。
134
(b)
(i)
(e) (d) (c)
(f)
2
1の規定は 、一方の締約国 が、自国の区 域内における他方 の締約国の投 資家の投資活動 に関して特別 な
手続を定め る措置を採用し 、又は維持す ることを妨げるも のと解しては ならない。ただ し、当該手続 は、
最恵国待遇
この 章の規定に基 づく当該投資家の 権利を実質的 に害するもので あってはならない 。
第十・四条
一方の締 約国は、自国 の区域内におい て、投資活動に関 し、他方の締 約国の投資家及 びその投資財 産に対
一般的待遇
一 方の締約国は 、自国の区域内に おいて、他方 の締約国の投資 家の投資財産に対 し、国際法に 基づく待
第十・五条
し、 同様の状況に おいて第三国の 投資家及びそ の投資財産に与え る待遇よりも 不利でない待遇 を与える。
1
こ の1の規定は、 他方の締約国 の投資家の投資財 産に与えられ るべき待遇の最 低限度の基準 と
遇 (公正かつ衡 平な待遇並びに 十分な保護及び 保障を含む。) を与える。
注釈1
して、 外国人の待遇に 関する国際慣 習法上の最低基準 を用いること について定めた ものである。
「公正かつ衡平な待遇」及び「十分な保護及び保障」の概念は、外国人の待遇に関する国際慣習
法上の最 低基準が要求する 待遇以上の待 遇を与えること を求めるものでは ない。この協 定の他の
135
2
3
1
2
注釈 2
規 定又は他の国際 協定に対する 違反があった旨の 決定が行われ ることは、この 1の規定に対 する
違反があっ たことを証明す るものではな い。
「公正か つ衡平な待遇」に は、法の正当な 手続の原則に 従った刑事上若し くは民事上の 訴訟手
続又は行政上の裁決手続における裁判を行うことを拒否しないとの締約国の義務を含む。
一方の締約国が他方の締約国の投資家の特定の投資財産に関して書面により義務を負うこととなった場
合に おいて、当該 投資家が当該投 資財産の設立 、取得又は拡張の 際に当該一方の 締約国による 当該義務の
履行を求め ることが可能であ ったときは、 当該一方の締約 国は、当該義 務を遵守する。
裁 判所の裁判を受 ける権利
こ の条の規定は 、租税に係る課税 措置に適用す る。
第 十・六条
一方の 締約国は、自 国の区域内にお いて、投資家の権 利の行使及び 擁護のため全て の審級にわた り裁判
所の裁判を受け、及び行政機関に申立てをする権利に関し、他方の締約国の投資家に対し、同様の状況に
おいて自国の 投資家又は第三国 の投資家に与 える待遇よりも 不利でない待 遇を与える。
この 条の規定は、 租税に係る課税措 置に適用する。
136
1
第 十・七条
特 定措置の履行要 求の禁止
いずれ の締約国も、 自国の区域内に おける締約国又は 第三国の投資 家の投資活動に 関し、次の事 項の要
求を 課し、又は強 制してはならず、 また、当該事 項を約束し、又 は履行することを 強制してはな らない。
一定の水準又 は割合の物品又は サービスを輸 出すること。
一定の水 準又は割合の現 地調達を達成 すること。
自国 の区域内にお いて生産された 物品若しくは提供 されたサービ スを購入し、利 用し、若しく は優先
し、又は自 国の区域内の者か ら物品若しく はサービスを購 入すること。
輸入数 量又は輸入価額を 、輸出数量若 しくは輸出価額 と又は当該投 資家の投資財産に 関連する外国 為
替 の流入の量と 何らかの形で関 連付けること。
当 該 投 資 家 の 投 資 財 産 に よ り 生 産 さ れ る 物 品 又 は 提 供さ れ る サー ビ ス の自 国 の 区域 内 に お ける 販 売
を 、 輸 出 数 量 若 し く は 輸 出 価 額と 又 は 外 国為 替 収 入と 何 ら かの 形 で 関連 付 け るこ と に よ り制 限 す るこ
と。
輸出又は 輸出のための販売 を制限するこ と。
137
(c) (b) (a)
(d)
(e)
(f)
特 定 の 国 籍 を 有 す る 者 を 役 員 、 理 事 又 は 取 締 役に 任 命 す る こ と 。
自国の区域 内に当該投資家 の特定地域又 は世界市場に向け た事業本部を 設置すること。
一 定 の 数 又 は 割 合 の自 国 民 を 雇 用 す る こ と 。
当該投資家が 生産する物品又は 当該投資家が 提供するサービ スの一又は二以上 を、特定地域 又は世界
市場に向 けて自国の区域 のみから供給 すること。
当該 投資家と自国 の区域内の者と の間で任意に締結 されるライセ ンス契約(既に 締結されたも のかど
う か を 問 わ な い 。 ) に つ いて 次 の 事 項を 採 用 する こ と 。た だ し 、当 該 締 約国 が 政 府 の権 限 の 行使 と し
て、次の事項を採用することの要求を課し、又は次の事項を採用することを約束し、若しくは履行する
こ とを強制する 場合に限る。
当該ライセ ンス契約の下で の使用料に係 る一定の率又は額
注釈
に規定する「ライ センス契約」 とは、技術、製 造工程その他の財 産的価値を有 する知識
(k)
の移転に 関するライセンス 契約をいう。
この
当該ラ イセンス契約の 有効期間に係 る一定の期間
(ii) (i)
138
(j) (i) (h) (g)
(k)
2
3
いずれの締 約国も、自国の 区域内におけ る締約国又は第三 国の投資家の 投資活動に関し 、利益の享受 又
はその継続 のための条件と して、次の事 項を要求し、これ に従うことを 求めてはならな い。
一 定 の 水 準 又 は 割 合の 現 地 調 達 を 達 成 す る こ と 。
自国の区域内 において生産され た物品若しく は提供されたサ ービスを購入し、 利用し、若し くは優先
し、又は 自国の区域内の 者から物品若 しくはサービスを 購入すること 。
輸入 数量又は輸入 価額を、輸出数 量若しくは輸出価 額と又は当該 投資家の投資財 産に関連する 外国為
替の流入の 量と何らかの形で 関連付けるこ と。
当 該 投 資 家 の 投 資 財 産 に よ り 生 産 さ れ る 物 品 又 は 提 供 され る サ ービ ス の 自国 の 区 域 内に お け る販 売
を 、 輸 出 数 量 若 し く は 輸 出 価 額 と又 は 外 国 為替 収 入 と何 ら か の形 で 関 連付 け る こ とに よ り 制限 す る こ
と。
輸出又 は輸出のための 販売を制限す ること。
2 の い か な る 規 定 も 、 締 約 国 が 、 自 国 の 区 域 内 に お け る締 約 国 又は 第 三 国の 投 資 家の 投 資 活 動に 関
し、利益 の享受又はその継 続のための条 件として、自国 の区域内にお いて、生産拠点を 設け、サービ ス
139
(b) (a)
(c)
(d)
(a) (e)
を 提供し、労働 者を訓練し、若 しくは雇用し 、特定の施設を建 設し、若しくは 拡張し、又は 研究開発を
の 規 定 は 、 反 競争 的 行 為 を 規 制 す る 法 律 の 違 反 に 係 る 救 済 措 置 と し て 裁 判 所 又 は 競 争 当 局 が 、 1
行うことを 要求し、これに 従うことを求 めることを妨げる ものと解して はならない。
1
から
まで並 びに2
(c)
る場合に は、適用しない 。
1
及び
の規定は、対外援 助に関する計 画に関連して物 品又はサービ スにつ
(b)
(k)
及び
の規定は、輸 入締約国が物 品の内容に関し て課する要件 であって、特恵的 な関税又は特 恵
(b)
4
1及び 2の規定は、 これらの規定に 定める要求以外の いかなる要求 についても、適 用しない。
適合しな い措置
第十・三 条、第十・四条及 び前条の規定 は、次のものに ついては、適 用しない。
締約国の 中央政府により維 持されるこれ らの規定に適合 しない現行の 措置であって、附 属書八の当該
第十・ 八条
1
的 な割当ての適 用を受けるため に必要なものに ついては、適用 しない。
2
いて必要と される要件につい ては、適用し ない。
(a)
に規定する事 項の採用の要求を 課し、又は当 該事項の採用を 約束し、若しくは 履行すること を強制す
(k)
(a)
(a)
140
(b)
(c)
(d)
(a)
2
3
4
締 約国の表に記 載するもの
及び
に規定 する措置の改正又 は修正(当該改 正又は修正の 直前における当該 措置と第十・ 三条、
に規定する措置 の継続又は即 時の更新
締約国の地 方政府により維 持されるこれ らの規定に適合し ない現行の措 置
及び
(b) (b)
に規定 する適合しな い措置であって、 他方の締約国 の都道府県又は ウランバート
(b)
いずれの 一方の締約国も、 附属書九の自 国の表の対象と なる措置をこ の協定の効力発生 の日の後に採 用
活動に関して採用し、又は維持する措置については、適用しない。
第十・ 三条、第十・ 四条及び前条の 規定は、締約国が 附属書九の自 国の表に記載す る分野、小分 野又は
で きる。
らすと 認める場合に は、当該措置の適 用に関し相互に 満足すべき解 決を得るために協 議を要請する ことが
ル市若しく は県が採用し、又 は維持するも のが、当該一方 の締約国の投 資家が行う投資活 動に障害をも た
一方の締約国 は、1
第十・四 条及び前条の規 定との適合性 の水準を低下させ ない場合に限 る。)
(a) (a)
する場合には、他方の締約国の投資家に対し、その国籍を理由として、当該措置が効力を生じた時点で存
141
(d) (c) (b)
5
6
7
在 する投資財産 を売却その他の 方法で処分す ることを要求して はならない。
一方の 締約国は、こ の協定の効力発 生の日の後に、附 属書八の自国 の表に記載する 現行の適合し ない措
置を 改正し、若し くは修正する場合 又は附属書九 の自国の表に記 載する分野、小分 野若しくは活 動に関す
る新たな若し くは一層制限的な 措置を採用す る場合には、そ の改正若しく は修正又は当該新 たな若しくは
一層制限 的な措置の実 施の前に(例外 的な状況において は実施の後で きる限り速やか に)、次のこ とを行
142
う。
当 該 改 正 若 し く は 修 正 又 は 当 該 措 置 の 詳 細 な 情 報 を 他 方 の 締 約 国 に 通 報 する こ と 。
例 外 又 は 特 別 の 取 扱 い とし て 貿 易 関 連 知 的 所 有 権 協 定 第 三 条 か ら 第 五 条 ま で に 明 示 的 に 規 定 す る 範 囲 内 に
第十・三 条及び第十・四条 の規定は、貿 易関連知的所有 権協定第三条 及び第四条の規定 に基づく義務 の
は撤廃 するよう努め る。
各締約 国は、適当な 場合には、附属 書八及び附属書九 の自国の表に 掲げる適合しな い措置を削減 し、又
の 間で誠実に協 議を行うこと。
他方の 締約国の要請があ った場合には 、相互の満足を 確保すること を目的として当該 他方の締約国 と
(b) (a)
あ るいかなる措 置についても、 適用しない。
第十・ 三条、第十・ 四条及び前条の 規定は、締約国が 政府調達に関 して採用し、又 は維持するい かなる
収用及び補償
措置 についても、 適用しない。
第十・九条
いずれの一方の締約国も、自国の区域内にある他方の締約国の投資家の投資財産の収用若しくは国有化
又は これに対する 収用若しくは国 有化と同等の 措置(以下「収用 」という。)を 実施してはな らない。た
だし、次の 全ての条件を満た す場合は、こ の限りでない。
公共の 目的のためのもの であること。
差 別的なもので ないこと。
2から4ま での規定に従っ て迅速、適当 かつ実効的な補償 の支払を伴う ものであること 。
正当な 法の手続及び第 十・五条の規 定に従って実施す るものである こと。
補償は、 収用が公表された 時又は収用が 行われた時のい ずれか早い方 の時における収用 された投資財 産
の公正な市場価格に相当するものでなければならない。公正な市場価格には、予定された収用が事前に公
143
8
1
2
(d) (c) (b) (a)
3
4
5
6
1
に 知られること により生じた価 格の変化を反 映させてはならな い。
補償に ついては、遅 滞なく支払うも のとし、支払の時 までの期間を 考慮した商業的 に妥当な利子 を含め
る。 当該補償につ いては、実際に換 価すること、 自由に移転する こと並びに収用の 日の市場にお ける為替
相場により関 係する投資家の締 約国の通貨及 び自由利用可能 通貨に自由に 交換することがで きるものとす
る。
収用の影響を 受ける投資家は 、当該投資家 の事案及び補償の 額に関し、こ の条に定める原 則に従って速
やかな審査 を受けるため、収 用を行う締約 国の裁判所の裁 判を受け、又 はその行政機関に 対して申立て を
する権 利を有する。 ただし、第十・十 三条の規定の適 用を妨げない 。
こ の 条 の 規 定 は 、 租 税 に 係 る課 税 措 置が 収 用 を構 成 す る限 度 に お いて 、 当 該課 税 措 置に つ い て適 用 す
る。
争乱からの保護
こ の条の規定は 、附属書十の規 定に従って解 釈する。
第十・十条
一方 の締約国は、 武力紛争又は自国 の区域内におけ る革命、暴動 、国内争乱若しく はこれらに類 する事
144
2
3
1
件 その他の緊急 事態により、自 国の区域内に ある投資財産に関 して損失又は 損害を被った他 方の締約国の
投資家に対 し、原状回復、 損害賠償、補 償その他の解決方 法に関し、自 国の投資家又は 第三国の投資 家に
与 え る待 遇 の う ち当 該 他 方の 締 約 国の 投 資 家に と っ て いず れ か 有利 な も のよ り も 不利 で な い 待遇 を 与 え
る。
1に規定する解決方法の手段としての支払が行われる場合には、当該支払については、実際に換価する
こと 、自由に移転 すること並びに 市場における 為替相場により関 係する投資家の 締約国の通貨 及び自由利
用可能通貨 に自由に交換する ことができる ものとする。
第 一 ・ 十 条 の 規 定 に か か わ ら ず 、い ず れ の一 方 の 締 約国 も 、 同条 の 規 定に 従 っ てと る 措 置 を理 由 と し
資金の移転
て 、1の規定に 基づく義務を免 除されない。
第十・十一 条
一 方の締約国は 、自国の区域に 向けた又は自 国の区域からの全 ての資金の移転 であって、自 国の区域内
にある他方の 締約国の投資家の 投資財産に関 連するものが、 遅滞なく、か つ、自由に行われ ることを確保
する。この資金の移転には、特に次のものを含める。
145
2
3
当初の資金及び投資財産を維持し、又は増大させるための追加的な資金
利益、利子 、資本利得、配 当、使用料、 手数料その他の投 資財産から生 ずる収益
融 資 の 返 済 そ の 他 の契 約 に 基 づ い て 行 わ れ る 支 払 で あ っ て 、 投 資 財 産 に 関 連 す る も の
投資財産の全 部又は一部の売却 又は清算によ って得られる収 入
当該一方 の締約国の区域 内にある投資 財産に関連する活 動に従事する 当該他方の締約 国から赴任し た
従業 員が得た収入 その他の報酬
前二条の規 定に従って行われ る支払
第十・ 十三条の規定に基 づく紛争の処 理の結果として 生ずる支払
各締約国は 、1に規定する 資金の移転が遅 滞なく、かつ、 自由利用可能 通貨により移転の 日の市場にお
ける為替相 場で行われるこ とを確保する 。
1 及び2の規定 にかかわらず、 締約国は、次 の事項に関する自 国の法令を衡平 、無差別かつ 誠実に適用
する場合には 、資金の移転を遅 らせ、又は妨 げることができ る。
破産、支 払不能又は債権者 の権利の保護
146
(e) (d) (c) (b) (a)
(g) (f)
(a)
証 券の発行、交 換又は取引
刑事犯罪
代位
裁決手続における命令又は判決の履行の確保
第十・十二条
一方の締 約国又はその 指定する機関が 、自国の投資家に 対し、他方の 締約国の区域内 にある当該投 資家の
投資 財産に関連す る損害の塡補に 係る契約、保 証契約又は保険契 約に基づいて 支払を行う場合 には、当該他
方の締約国は、当該支払の原因となった当該投資家の権利又は請求権の当該一方の締約国又はその指定する
機関へ の譲渡を承認 し、かつ、当該一 方の締約国又 はその指定する 機関が、代位によ り、当該投資 家の当初
の 権利又は請求 権と内容及び範 囲において同じ 権利又は請求権 を行使する権 利を有することを 承認する。当
該権利又は 請求権の譲渡 に基づき当該一 方の締約国又はそ の指定する機 関に対して行わ れる支払及び このよ
一方の締約国と 他方の締約国の 投資家との間 の投資紛争の解決
この 条の規定の適 用上、
第十・十三条
うにし て支払われた 資金の移転につ いては、前三 条の規定を準用す る。
1
147
(d) (c) (b)
「 紛 争 投 資 家 」 と は 、 投 資 紛 争 の 当 事 者 で あ る投 資 家 を い う 。
「紛争締約 国」とは、投資 紛争の当事者 である締約国をい う。
「 紛 争 当 事 者 」 と は、 紛 争 投 資 家 及 び 紛 争 締 約 国 を い う 。
「ICSID 条約」とは、千九 百六十五年三 月十八日にワシ ントンで作成され た国家と他の 国家の国
民との間 の投資紛争の解 決に関する条 約をいう。
「I CSIDに係 る追加的な制度 についての規則」 とは、投資紛 争解決国際セン ターの事務局 が手続
を実施する ための追加的な制 度を規律する 規則をいう。
「投資 紛争」とは、一方 の締約国と他 方の締約国の投 資家との間の 紛争であって、当 該他方の締約 国
の 投資家又は当 該一方の締約国 の区域内にある 当該他方の締約 国の投資家の投 資財産について 、この章
の規定に基 づく当該一方の 締約国の義務 の申し立てられた 違反により損 失又は損害が生 じているもの を
いう。
「ニューヨー ク条約」とは、千 九百五十八年 六月十日にニュ ーヨークで作成さ れた外国仲裁 判断の承
認及び執 行に関する条約を いう。
148
(d) (c) (b) (a)
(e)
(f)
(g)
2
6
の規 定に従うことを 条件として、 この条のいかなる 規定も、紛争 投資家が紛争締 約国の区域内 に
投資紛争は、 可能な限り、紛争 当事者の間の 友好的な協議に より解決する 。
おいて行政 的又は司法的解 決を求めるこ とを妨げるものと 解してはなら ない。
3
紛争投資 家は、紛争締約国 に対して書面 による協議の要 請を行った日 から百二十日以内 に当該協議に よ
り投資紛 争が解決され ない場合には、 6の規定に従うこ とを条件とし て、当該投資紛 争を次のいず れかの
国際 的な仲裁に付 託することがで きる。
ICSID条約による仲裁。ただし、ICSID条約が両締約国間で効力を有する場合に限る。
ICS IDに係る追加的 な制度につい ての規則による 仲裁。ただし 、いずれか一方の 締約国のみが I
C SID条約の 当事国である場 合に限る。
国際連合国 際商取引法委員 会の仲裁規則 による仲裁
紛争締 約国と合意する 場合には、他 の仲裁規則による 仲裁
適用され る仲裁の規則は、 この条の規定 によって修正す る部分を除く ほか、4に規定す る仲裁を規律 す
る。
149
(a)
(i)
4
5
(b) (a)
(d) (c)
6
7
4及び8 の規定にかかわ らず、4に規 定する仲裁への請 求の付託は、 次の
及び
(i)
の 場合に該当す る
(ii)
に 規定する違反 を構成するとさ れる紛争締約 国の措置に関し、 いずれかの締 約
ときを除く ほか、行うこと ができない。
紛争 投資家が、1
(f)
出す ること。
(f)
の 規定にかかわ らず、紛争投資 家は、紛争締約国 の権限のある 裁判所において 、暫定的な差止 めに
に基づ く投資紛争解決手 続においてい かなる手続も開 始していない こと。
紛争投資家 が、1
に規定す る違反を構成 するとされる紛 争締約国の措置に 関し、二国間 投資協定
投資紛争 解決手続を含む 。)において 手続を開始する権 利を放棄する 旨の書面を当該 紛争締約国に 提
国の法律の下 にある裁判所にお いて訴訟を提 起し、又は他の 紛争解決手続(二 国間投資協定 に基づく
(i)
(ii)
付託される少なくとも九十日前に書面によりその旨の通報を行う。当該通報には、次の事項を明記する。
4の規定 に従い投資紛争を 仲裁に付託し ようとする紛争 投資家は、紛 争締約国に対し、 当該投資紛争 が
ること ができる。
よる救済( 損害賠償の支払 を伴わないも のに限る。)を申 し立て、又は その申立てに係 る手続を継続 す
(a)
150
(a)
(b)
8
当 該紛争投資家 の氏名又は名称 及び住所
当該紛争締 約国の問題とな る特定の措置 並びに問題の所在 を明確にする 上で十分な当該 投資紛争に関
す る 事 実 に 係 る 根 拠 及 び 法 的 根拠 の 簡 潔 な要 約 ( この 章 の 規定 に 基 づく い ず れ の義 務 に つい て 違 反が
あったとされ るかについての特 定を含む。)
4に規定 する仲裁のうち 当該紛争投資 家が適用するため に選択するも の
当該 紛争投資家が 求める救済手段 及び損害賠償請求 額の概算
の規定の要 件を
各締約国は、紛争投資家が、投資紛争を4に規定する仲裁であって当該紛争投資家が選択するものに
及び
(ii)
付託することに同意する。
の 規定による同 意及び紛争投資 家による投資紛争 の仲裁への付 託は、次の
(i)
ICS ID条約第二章 の規定又はI CSIDに係る追 加的な制度に ついての規則の 規定であって 、
満たさなけ ればならない。
(a)
書面によ る合意に関するニ ューヨーク条 約第二条の規定
紛争の両当事 者の書面による同 意に関するも の
(i)
(ii)
151
(b) (a)
(a) (d) (c)
(b)
9
8の規定に かかわらず、4 に規定する仲 裁への投資紛争の 付託は、紛争 投資家が1
に 規定する損失 又
4の規定により設置される仲裁裁判所は、紛争当事者が別段の合意をする場合を除くほか、紛争当事者
場合 には、行うこ とができない。
は損害を被 ったことを知っ た日又は知る べきであった最初 の日のいずれ か早い方の日か ら三年が経過 した
(f)
それぞれ が任命する各 一人の仲裁人及 び紛争当事者の合 意により任命 されて裁判長と なる第三の仲 裁人か
の規定の要 件
ら成 る三人の仲裁 人により構成す る。投資紛争 が仲裁に付託され た日から六十日 以内に、紛争 投資家又は
又は
11
に規定する仲裁 の場合には投 資紛争解決国際セ ンターの事務 局長に
(b)
に規定する仲 裁の場合にはハ ーグの常設仲裁 裁判所の事務 総長に対し、いま だ任命され
(a)
紛争締約国 が一人又は二人以 上の仲裁人を 任命しない場合 には、紛争当 事者のいずれも、
又は
に従う ことを条件と して、4
対 し、4
(d)
第三の 仲裁人は、紛 争当事者が別段 の合意をする場合 を除くほか、 いずれかの締約 国の国民であ っては
ていない一 人又は二人以上 の仲裁人を任 命するよう要請す ることができ る。
(c)
ならず、いず れかの締約国に日 常の住居を有 してはならず、 紛争当事者の いずれによっても 雇用されては
ならず、及びいかなる資格においても対象となる投資紛争を取り扱ったことがあってはならない。
152
10
11
仲 裁は、紛争当 事者が別段の合 意をする場合 を除くほか、ニュ ーヨーク条約を 締結している 国において
行う。
4の 規定により設 置される仲裁裁判 所は、この章の 規定及びこの 協定の関係する他 の規定並びに 関係す
る国際法の規 則に従って、係争 中の事案につ き決定する。
紛争締約 国は、他方の締 約国に次のも のを送付する。
仲裁 に付託された 投資紛争につい ての書面による通 知(当該投資 紛争が付託され た日の後三十 日以内
仲裁に おいて提出された 全ての主張書 面の写し
に送付する 。)
(a)
仲裁裁 判所は、紛争 投資家の権利を 保全し、又は仲裁 手続の進行を 容易にするため 、暫定的な保 全措置
協定の関係 する他の規定の 解釈に関する 問題につき仲裁裁 判所に対して 意見を提出する ことができる 。
紛 争締約国でな い締約国は、紛 争当事者への書 面による通知を 行った場合には 、この章の規定 及びこの
(b)
に規定す る違反を構成 するとされる措置 の差止めを命 じて
(紛争当事者 のいずれかが所持 し、又は支配 する証拠を保全 するための命 令を含む。)を命 ずることがで
きる。仲裁裁判所は、差押えを命じ、又は1
(f)
153
12
13
14
15
16
は ならない。
仲裁裁判所 は、本案につい て決定する前 に、当該仲裁裁判 所の管轄権及 び紛争投資家の 請求の受理可 能
性に 関する紛争締 約国の異議につい て先決問題と して取り扱い、 及び、正当な理由 があるときは 、決定す
る。仲裁裁判 所は、紛争締約国 の異議につい て先決問題とし て決定するに 当たり、正当な理 由があるとき
は、主張 を認められた 一方の紛争当事 者が異議の申立て 又は異議に対 する反論を行う に際して生じ た合理
的な 費用及び弁護 士の報酬を支払 うよう命ずる 裁定を下すことが できる。仲裁裁 判所は、その ような裁定
が正当であ るか否かを決定す るに当たって は、紛争投資家 の請求又は紛 争締約国の異議に 根拠がなかっ た
か否か について検討 する。この検討を 行う際、仲裁裁 判所は、紛争 当事者に対し意見 を述べる合理 的な機
会 を与える。
仲裁裁判所 は、次の事項に ついてのみ裁 定を下すことがで きる。
に 規定する救済措 置のいずれか 一方又は双方
紛争締 約国が、紛争投 資家及びその 投資財産に関し、 この章の規定 に基づく義務に 違反したか否 かに
又は
(ii)
関する判断
違反があ った場合には、次 の
(i)
(a)
(b)
154
17
18
損 害賠償及び適 当な利子
紛争締約国は、次に掲げる情報を除くほか、4の規定により設置される仲裁裁判所に提出され、又は当
下すこと ができる。
仲裁裁判所は、この条及び適用される仲裁規則の規定に従い、費用及び弁護士の報酬についても裁定を
支払うことができることを定めるものとする。
原状回復。 この場合の裁定 においては、 紛争締約国が原状 回復に代えて損 害賠償及び適 当な利子を
(ii) (i)
該仲裁裁判 所が発する全ての 文書(裁定を 含む。)を時宜 を失すること なく公に利用可能 なものにする こ
とがで きる。
業 務上の秘密の 情報
れている国における有効な裁定の執行に関する関係法令及び関連する国際法(ICSID条約及びニュー
仲裁裁判所の裁定は、最終的なものであり、かつ、紛争当事者を拘束する。当該裁定は、執行が求めら
関連す る仲裁規則に従 って不開示と しなければならな い情報
いずれかの 締約国の関係法 令により、特 に秘密とされ、又 は他の方法に より開示から保 護される情報
(c) (b) (a)
155
19
20
1
ヨ ーク条約を含 む。)に従って 執行される。
いずれの一 方の締約国も、 他方の締約国 及び当該一方の締 約国の投資家 が4の規定に従 って仲裁に付 託
する ことに同意し 、又は付託した投 資紛争に関し 、外交上の保護 を与え、又は国家 間の請求を行 ってはな
の規 定の適用上、外 交上の保護には、 投資紛争の解 決を容易にする ことのみを目 的とす
らない。ただ し、当該他方の締 約国が当該投 資紛争について 下された裁定 に従わなかった場 合は、この限
りでない 。この
この条の規 定は、第十・五条 、第十・六条 又は第十・九条 の規定が対象 とする限りにおい て、租税に係
る非 公式の外交交 渉を含めない。
21
一時的なセーフ ガード措置
る課税 措置に関する 紛争について適用 する。
第 十・十四条
いずれ の締約国も、 次のいずれかの 場合には、投資財 産に関連する 国境を越える資 本取引並びに 投資財
産に関連する支払及び資金の移転に関する制限的な措置を採用し、又は維持することができる。
国際収支及び 対外支払に関して 重大な困難が 生じている場合 又は生ずるおそれ のある場合
資金の移 転が経済全般の運 営、特に通貨 及び外国為替政 策に重大な困 難をもたらし、又 はもたらすお
(b) (a)
156
21
22
2
3
4
そ れのある状況 にある例外的な 場合
1の制 限的な措置は 、次の全ての要 件を満たすものと する。
内 国 民 待 遇 及 び 最 恵国 待 遇 に 基 づ い て 適 用 さ れ る も の で あ る こ と 。
国際通貨基金 協定に適合するも のであること 。
他方の締 約国の商業上、 経済上又は資 金上の利益に対し 不必要な損害 を与えることを 避けるもので あ
るこ と。
1 に 規 定 す る 状 況 に 対 処 す る た め に 必 要 な 限 度 を 超 え な い も の で あ る こ と。
一時的 なものであり、1 に規定する状 況が改善するに 伴い漸進的に 廃止されるもので あること。
1の規定に 基づいて課し、 若しくは維持す る制限又はその 変更について は、他方の締約国 に対して速や
かに通報す る。
信用秩序の 維持のための 措置
こ の条のいかな る規定も、国際 通貨基金協定 に基づく締約国の 権利及び義務を 変更するもの と解しては
ならない。
第十・十 五条
157
(c) (b) (a)
(e) (d)
この章の他 の規定にかかわ らず、締約国 は、信用秩序の維 持のための金 融サービスに関 連する措置( 投
資家、預金 者、保険契約者 若しくは信託 上の義務を金融サ ービスを提供 する企業が負う 者を保護し、 又は
金融 体系の健全性 及び安定性を確保 するための措 置を含む。)を 採用し、又は維持 することを妨 げられな
い。
締約国が1の規定に基づいて採用し、又は維持する措置は、この章の規定に適合しない場合には、この
利益の否認
章の 規定に基づく 当該締約国の義 務を回避する ための手段として 用いてはならな い。
第十・十六 条
一 方の締約国は 、他方の締約国の 投資家であっ て当該他方の締 約国の企業である ものが第三国 の投資家
158
1
2
1
に よって所有さ れ、又は支配さ れており、かつ 、次のいずれか の場合に該当 するときは、当該 他方の締約
国の投資家 及びその投資財 産に対し、こ の章の規定による 利益を否認す ることができる 。
当該一 方の締約国が当 該第三国と外 交関係を有してい ない場合
締約国の 企業若しくはその 投資財産に対 してこの章の規 定による利益 を与えることによ り当該措置に 違
当該第三国に 関する措置であっ て、当該他方 の締約国の企業 との取引を禁止す るもの又は当 該他方の
(b) (a)
2
反 し、若しくは 当該措置を阻害 することとな るものを当該一方 の締約国が採用 し、又は維持 する場合
一方の 締約国は、他 方の締約国の投 資家であって当該 他方の締約国 の企業であるも のが第三国の 投資家
によ って所有され 、又は支配されて おり、かつ、 当該企業が当該 他方の締約国の区 域内において 実質的な
事業活動を行 っていないときは 、当該他方の 締約国の投資家 及びその投資 財産に対し、この 章の規定によ
健康 、安全及び環 境に関する措置並 びに労働基準
る利益を 否認すること ができる。
第十 ・十七条
両締約国は 、それぞれ自国の 健康、安全及 び環境に関する 措置の緩和又 は労働基準の引下 げを通じて各 締
約国又 は第三国の投 資家による投資を 奨励すること を差し控える。 各締約国は、自国 の区域内にお ける各締
約 国又は第三国 の投資家による 投資財産の設立 、取得及び拡張 を奨励する手 段としてそのよう な措置又は基
投資に 関する小委員 会
両締約国 は、この章の規定 を効果的に実 施し、及び運用 するため、こ こに投資に関する 小委員会(以 下
第十・ 十八条
準の適用の 免除その他の 逸脱措置を行う べきではない。
1
この条において「小委員会」という。)を設置する。
159
小委員会は 、次のことを任 務とする。
小委員会は、両締約国政府の代表者から成るものとする。
2
この章の規 定の実施及び運 用について検 討及び監視を行う こと。
こ の 章 の 規 定 に 関 連す る あ ら ゆ る 問 題 に つ い て 情 報 を 交 換 す る こ と 。
この章の規定 に関連するあらゆ る問題につい て討議すること 。
合同委員 会に対して小委 員会の所見及 び討議の結果を報 告すること。
3
小 委員会は、両 締約国政府以外の 関係団体の代 表者であって討 議される問題に関 連する必要な 専門知識
合同 委員会が委任 するその他の任 務を遂行すること 。
4
5
こ の条の規定は 、第十・五条、 第十・六条又 は第十・九条の規 定が対象とする 限りにおいて 、租税に係
小委員 会は、両締約 国が合意する時 期及び場所におい て又は手段に よって会合する 。
を 有するものを 招請することが できる。
6
二国間投資 協定との関係
る課税措置に 関する事項につい て適用する。
第十・十 九条
160
(e) (d) (c) (b) (a)
1
2
3
二国間投資 協定第十七条2 の規定にかか わらず、二国間投 資協定は、こ の協定の効力発 生の日に終了 す
る。
両締約国は、二国間投資協定の終了の日の前に取得された投資財産及び収益に関しては、二国間投資協
定第十七条3 の規定に従い、二 国間投資協定 第一条から第十 六条までの規 定が二国間投資協 定の終了の日
から更に 十五年の期間 引き続き効力を 有することを確認 する。
2の規定の適 用上、この協定 のいかなる規 定も、二国間投資 協定の関連規 定に基づく締約 国の権利及び
有効期間 及び終了
義務に影響 を及ぼすものでは ない。
第十・ 二十条
こ の協定の終了 の日の前に取得 された投資財産 に関しては、こ の章の規定及 びこの章に直接関 係するこの
第十一 章
競争
第十一・一条
各締 約国は、自国 の法令に従い、自 国の市場の効率 的な機能を通 じて両締約国間の 貿易及び投資 の流れ
反競争的行為
協定の規定 は、この協定 の終了の日から 更に十年の期間引 き続き効力を 有する。
1
161
2
1
2
を 円滑にするた め、反競争的行 為に対して適 当と認める措置を とる。
この章 の規定の適用 上、「反競争的 行為」とは、それ ぞれの締約国 の競争法令に基 づき罰則又は 排除に
反競争的行為の 規制に関する協 力
係る 措置の対象と される行動又は取 引をいう。
第十一・二条
両締約国は、それぞれ自国の法令に従い、かつ、自己の利用可能な資源の範囲内で、反競争的行為の規
制に 関して相互に 協力し、及び支 援する。
無差別待 遇
この条の規定に基づく協力の実施に関する詳細及び手続については、実施取極で定める。
第十一 ・三条
手続の 公正な実施
各 締約国は、同 様の状況にある 者の間で国籍を 理由とした差別 を行うことな く、自国の競争法 令を適用す
る。
第十一 ・四条
各締約国は、 反競争的行為を規 制するため、 自国の関係法令 に従い、行政 上及び司法上の手 続を公正な方
法で実施 する。
162
第 十一・五条
透明性
第一・ 八条2及び第 十六章の規定の 不適用
各締約国は 、自国の競争法 令及び競争政 策の実施の透明性 を促進する。
第十 一・六条
知的財産
一般 規定
第一・八条2 及び第十六章の規 定は、この章 の規定について は、適用しな い。
第十二章
第十 二・一条
両締約国は、この章の規定及び両締約国が締結している知的財産に関する国際協定に従い、知的財産の
両締約 国は、また、 知的財産に関す る制度の運用にお ける効率性及 び透明性を促進 する。
1
十分に して効果的か つ無差別な保護を 与え、及び確保 し、並びに知 的財産権の侵害へ の対処として 知的財
2
こ の章のいかな る規定も、貿易 関連知的所有 権協定その他の両 締約国が締結し ている知的財 産に関する
産 権を行使する ための措置をと る。
3
国際協定に基 づいて両締約国が 有する現行の 権利を害するも のではなく、 また、それらの協 定に従って両
締約国が負う現行の義務を免れさせるものではない。
163
第 十二・二条
定義
内国民 待遇
この章に規 定する「知的財 産」とは、貿 易関連知的所有権 協定に基づく 全ての種類の知 的財産をいう 。
第十 二・三条
一方の締約国 は、貿易関連知的 所有権協定第 三条及び第五条 の規定に従い 、知的財産の保護 に関し、自国
注釈
この条の規 定の適用上、
「国民」と は、貿易関連知的 所有権協定にお けるものと同 一の意味を有する ものとする。
「保護」には、知的財産権の取得可能性、取得、範囲、維持及び行使に影響を及ぼす事項並びに
こ の章において 特に取り扱われ る知的財産権の使 用に影響を及 ぼす事項を含む 。
手続事 項
「知的財産の保護」には、第十二・十二条に規定する不正競争の防止を含む。
第十二 ・四条
各締約国 は、知的財産に関 する制度の効 率的な運用を確 保するため、 知的財産権に関す る自国の行政 上
の 手 続 を 改 善 す る た め の適 切 な 措 置 を と る 。
164
民に与える待遇よりも不利でない待遇を他方の締約国の国民に与える。
1
(b) (a)
(c)
2
3
4
いずれの締 約国も、特許、 実用新案、意 匠又は商標に関す る出願手続そ の他の行政上の 手続において 、
自国の権限 のある当局に提 出される書類 (願書、優先権の 主張の基礎と なる先の出願の 当該権限のあ る当
局が 受理する言語 への翻訳文、委任 状及び譲渡証 書を含む。)上 の署名その他書類 を提出した者 を特定す
る方法につい ての真正の証明を 要求してはな らない。
2の規定にかかわらず、各締約国は、次のものを要求することができる。
署名 その他書類を 提出した者を特 定する方法が特許 、実用新案登 録、意匠登録又 は商標登録の 放棄に
関するもの である場合におい て、自国の法 令が署名その他 書類を提出し た者を特定する方 法についての
真正の証明を要求する旨を定めるときは、その証明
自 国の権限のあ る当局に提出さ れた書類上の署名 その他書類を 提出した者を特 定する方法が真 正であ
ることにつ いて合理的な疑 いがある場合 には、証拠の提出 (当該権限の ある当局は、当 該者に対して 証
拠の提 出を要求する ことを通知する ときは、その通知 に証拠の提出 を要求する理由 を明記する。 )
いずれの 締約国も、出願日 を認めるため の条件として、 委任状の提出 が出願と同時に完 了することを 要
求しては ならない。
165
(a)
(b)
5
各締約 国は、知的財 産権の取得につ いて権利が登録さ れ、又は付与 される必要があ る場合には、 権利の
各締約国は 、弁理士制度又 は知的財産権 登録認定代理人制 度を改善する よう努める。
取得 のための実体 的な条件が満たさ れていること を条件として、 保護期間が不当に 短縮されない ように、
権利の登録又 は付与のための手 続を合理的な 期間内に行うこ とを確保する 。この場合におい て、知的財産
権の登録 又は付与のた めの出願が、国 内出願として行わ れるか、又は 適用可能な国際 協定に基づく 国際出
願と して行われる かについては、 問わないもの とする。
各締約国は、次の事項を含む商標、意匠及び特許の登録のための制度を設ける。
出願人 が行政機関によ る最終的な拒 絶について司法上 の審査を求め る機会
利害関係者が 次のことを行う機 会(自国の法 令に規定する場 合に限る。)
出願又は 登録に対して異議 を申し立てる こと。
(i)
166
6
7
出願人 に対し、書面によ り(電磁的手 段によることが できる。)出 願の拒絶の決定を 理由を付して 通
出願人が行 政機関による拒 絶に対して不 服を申し立てる機 会
知 すること。
(a)
(d) (c) (b)
登 録の取消し又 は無効を求める こと。
透明性
少なくと も次の事項に関 する情報を公 開し、及びこれら に関する一件 書類に含まれて いる関連する 情
て可能な範囲 において、次のこ とを行うため に利用し得る適 切な措置をと る。
各締 約国は、自国 の知的財産に関す る制度の運用 における透明性 を一層促進するた め、自国の法 令に従っ
第十二・五 条
(ii)
報を要請に応じて少なくとも利害関係者に提供すること。
特許を付与 する意図又は特許 の出願及び付 与
知的財産の 保護について の啓発の促進
る制度に係る 情報について、公 衆が利用する ことができるよ うにすること 。
知的財 産権の効果的な 行使を確保す るための自国の活 動に関する情 報その他の自国 の知的財産に 関す
商標の登録 又は登録出願
意 匠権を付与す る意図又は意匠 の登録
実用新 案の登録
(iv) (iii) (ii) (i)
第十二・ 六条
167
(a)
(b)
両 締約国は、知 的財産の保護に ついての啓発 (知的財産の使用 及び知的財産 権の行使につい ての教育及び
特許
意匠
商標
各締 約国は、いず れかの締約国にお いてその商標の 所有者の商品 又はサービスを示 すものとして 広く認
第十二・九条
各締約国は、物品の全体及び適当なときは部分について、意匠の十分かつ効果的な保護を与える。
第十二・八 条
許 出願を一定の 数の特許出願に 分割することが できることを確 保する。
各 締約国は、特 許出願人が、自国 の法令に定め る期限内に、自 己の発意により、 二以上の発明 を含む特
ものではな い。
ピュ ータ・プログ ラム自体を特許 の対象から除 外するか否かにつ いての各締約国 の自主性に影 響を及ぼす
て、当該 特許出願が拒 絶されないこと を確保する。もっ とも、この条 の規定は、自国 の法令に従い 、コン
各 締 約 国 は 、 特 許 出 願 に 係 る保 護 の 対象 が コ ン ピュ ー タ ・プ ロ グ ラム に 関 連す る こ と のみ を 理 由と し
第十 二・七条
普及の計画 を含む。)を 促進するための 必要な措置をとる 。
1
2
1
168
2
1
識 されている商 標と同一又は類 似の商標が、 不正な意図、特に 、不正な利益 を得る意図若し くは当該広く
認識されて いる商標の所有 者に損害を与 える意図で使用さ れる場合又は そのような使用 の結果として 混同
各締約国は、商標が広く認識されている商標であるか否かを自国の法令に従って決定することが
を生 じさせるおそ れがある場合には 、当該同一又 は類似の商標の 登録を拒絶し、又 は取り消す。
注釈
できる。
各締約国は、 合理的な理由が あること及び 手続上の要件に従 うことを条件 として、出願人 が権限のある
当局に対し その商標登録出願 の審査を速や かに行うよう求 める要請を提 出することができ ることを確保 す
著作権及び 関連する権利
る。こ のような要請 が提出された場合 において、適当 なときは、権 限のある当局は、 当該商標登録 出願の
審 査を速やかに 行う。
第十二・十 条
各 締約国は、著 作者、実演家及 びレコード製 作者に対し、それ ぞれ、その著作 物、レコード に固定され
た実演及びレ コードについて、 有線又は無線 の方法により、 公衆のそれぞ れが選択する場所 及び時期にお
いて利用が可能となるような状態に置くことを許諾する権利を付与する。
169
2
3
各締約国は 、放送機関に対 し、当該放送 機関の放送につい てその同意な く行われる次に 掲げる行為を 禁
止する権利 を与える。
放送 の再放送
放送の固定
放送の固 定物の複製
各締約国は、 自国の法令に従 い、自国にお ける著作権及び関 連する権利を 集中管理する団 体が行う活動
地理的 表示
を促進する ための適切な措置 をとる。
第十二 ・十一条
各 締約国は、自 国の法令及び貿 易関連知的所有 権協定に従い、 地理的表示の 十分かつ効果的な 保護を確保
する。
各締約国 は、パリ条約第十 条の二の規定 に従い、不正競 争行為からの 効果的な保護を与 える。
不正 競争
1
各締 約国は、サー ビスについてパリ 条約第十条の二 の規定を準用 することを確保す る。
第十二 ・十二条
2
170
(c) (b) (a)
3
この条の規 定の適用上、「 パリ条約」と は、千九百年十二 月十四日にブ ラッセルで、千 九百十一年六 月
二日にワシ ントンで、千九 百二十五年十 一月六日にハーグ で、千九百三 十四年六月二日 にロンドンで 、千
九百 五十八年十月 三十一日にリスボ ンで及び千九 百六十七年七月 十四日にストック ホルムで改正 され、並
びに千九百七 十九年九月二十八 日に修正され た工業所有権の 保護に関する 千八百八十三年三 月二十日のパ
リ条約を いう。
開 示されていな い情報の保護
171
第十 二・十三条
各締約国は 、貿易関連知的所 有権協定第三 十九条2の規定 に従い、自国 の法令において、 開示されてい な
い情報 を十分かつ効 果的に保護するこ と(開示され ていない情報の 保護期間であって 私契約に規定 するもの
を 制限する措置 又は開示されて いない情報の開 示を正当な理由 なく強要する 措置をとらないこ とを含む。)
国境 措置に係る権 利行使
各締約国 は、輸入貨物に関 し、次の手続 を採用し、又は 維持する。
第十二 ・十四条
を確保する 。
1
自国の税 関当局が商標権又 は著作権及び 関連する権利を 侵害する疑い のある物品(以下 この条におい
(a)
2
3
て 「侵害の疑い のある物品」と いう。)の解 放を停止するため に職権により行 動することが できる手続
権利者が自 国の権限のある 当局に対し侵 害の疑いのある物 品の解放を停 止するよう申し 立てることが
でき る手続
各締約国 は、1に定める手 続の開始後合 理的な期間内に 自国の権限の ある当局が侵害の 疑いのある物 品
によって 商標権又は著 作権及び関連す る権利が侵害され ているか否か を認定すること ができる手続 を採用
し、 又は維持する 。
1 の 規 定 に 基 づ き 輸 入貨 物 に つ い て 解 放 を 停 止 す る 場 合 に は 、 輸 入 者 及 び 権 利 者 は 、 そ の 停 止 に つ い て
民事上の救済 に係る権利行使
速やか に通知を受け るものとし、侵害 の疑いのある物 品に係る利用 可能な全ての情報 を提供される 。
第 十二・十五条
各締約国は 、知的財産の権 利者が、侵害 活動を行っている ことを知って いたか又は知る ことができる 合理
的な理 由を有してい た侵害者に対し 、知的財産権 の侵害によって当 該権利者が被っ た損害を補塡 するために
刑事上の 制裁に係る権 利行使
適当な賠償を 請求する権利を有 することを確 保する。
第十二・ 十六条
172
(b)
1
2
各締約国は 、貿易関連知的 所有権協定第 六十一条の規定に 従い、少なく とも故意による 商業的規模の 商
標の不正使 用及び著作物の 違法な複製に ついて適用される 刑事上の手続 及び刑罰を定め る。
各締約国は、1に定める犯罪に関し、自国の権限のある当局が、自国の法令に従い、全ての侵害物品の
デジタ ル環境におけ る権利行使
没収又は廃棄 を命ずる権限を有 することにつ いて定める。
第十二・ 十七条
各締 約国の権利行 使の手続は、デ ジタル通信網 における著作権又 は関連する権利 の侵害(侵害 の目的のた
め広範な頒布の手段を不法に使用することを含むことができる。)について適用する。このような手続は、
電子商 取引を含む正 当な活動の新たな 障害となるこ とを回避し、か つ、表現の自由、 公正な手続、 プライバ
知的財産 に関する小委 員会
小委 員会は、次の ことを任務とする 。
(以下この条 において「小委員 会」という。 )を設置する。
両 締 約 国 は 、 こ の 章 の 規 定 を 効 果 的に 実 施 し、 及 び 運用 す る ため 、 こ こ に知 的 財 産に 関 す る小 委 員 会
第十二・十 八条
シ ーその他の基 本原則が当該各 締約国の法令に 従って維持され るような態様 で実施される。
1
2
173
こ の 章 の 規 定 の 実 施 及 び 運 用 に つ い て 検 討 及 び監 視 を 行 う こ と 。
この章の規 定に従い、知的 財産の保護及 び知的財産権の行 使を強化し、 並びに知的財産 に関する制度
の効 率的なかつ透 明性のある運用を 促進するため、 知的財産に関 連するあらゆる問 題について討 議する
こと。
合同委員 会に対して小委 員会の所見及 び討議の結果を報 告すること。
小委員会は、両締約国政府の代表者から成る。
合同 委員会が委任 するその他の任 務を遂行すること 。
3
小 委員会は、両 締約国が合意する 時期及び場所 において又は手 段によって会合を 開催する。
安全保障のた めの例外
4
第 十二・十九条
この章の規 定の適用上、貿 易関連知的所 有権協定第七十三 条の規定は、 必要な変更を加 えた上で、こ の協
政 府調達
調達に関す る原則
定に組 み込まれ、こ の協定の一部を 成す。
第十三章
第十三・ 一条
174
(b) (a)
(d) (c)
各 締約国は、成 長及び雇用を促 進するため生 産及び貿易の拡大 を推進する上 で政府調達が有 する重要性を
認識し、自 国の法令に従 い、政府調達に 関する措置の透明 性を確保する 。また、両締約 国は、両締約 国の開
発 上 、 資 金 上 及 び 貿 易 上 の 要 請 を 考 慮 す る 必 要 性 を 認 め る 。 各 締 約 国 は 、 政 府 調達 に 関 す る 措 置 の 公 正 か つ
情報の交 換
効果的な実施 を確保する。
第十三・ 二条
両締 約国は、それ ぞれ自国の法令 に従い、適時 にかつ可能な限り 英語により、政 府調達に関す る自国の法
追加的な 交渉
令、政策及び慣行について並びに現行の政府調達制度の改革について、情報の交換を中央政府の間で行う。
第十三 ・三条
両 締 約 国は 、 モ ン ゴル 国 が 世界 貿 易 機関 設 立 協定 附 属 書 四政 府 調 達に 関 す る協 定 ( 以下 こ の 条 にお い て
「政府調達 協定」という 。)の締約国と なる意思を表明し たときに、政 府調達に関する 包括的な章を 実現す
こ の 条 の 規 定 の 適 用 上 、 政 府 調 達 協 定 が 改 正 さ れ 、 又 は 他 の 協 定 に よ っ て 代 替 され る 場 合に は 、
ること を目的として 、この章の規定 を見直すため の交渉を開始する 。
注釈
「政府調 達協定」とは、当 該改正された 政府調達協定又 は当該他の協 定をいうものとす る。
175
第 十三・四条
無差別待遇に関 する交渉
一方の締約 国は、この協定 の効力発生の 日の後、自国の政 府調達市場へ のアクセスに関 する利益又は 政府
調達に関する措置についての有利な待遇を第三国に与える場合には、他方の締約国の要請に応じ、当該利益
又は待遇を相 互主義に基づき当 該他方の締約 国に対しても与 えることを目 的として当該他方 の締約国との 間
第十 三・五条
政府 調達に関する 小委員会
両 締 約 国 は 、 こ の 章 の 規 定 を 効果 的 に 実施 し 、 及び 運 用 する た め 、 ここ に 政 府調 達 に 関す る 小 委員 会
(以下 この条におい て「小委員会」と いう。)を設置 する。
小委員会は 、次のことを任 務とする。
176
で交渉す るための機会 を十分に与える 。
1
2
この章の規 定の実施及び運 用について検 討及び監視を行う こと。
合同委員 会に対して小委員 会の所見を報 告すること。
電子調達及び 人材養成について 協力すること 。
各締約 国の政府調達市 場に関する利 用可能な情報を分 析すること。
(d) (c) (b) (a)
合同委員会が委任するその他の任務を遂行すること。
3
小 委 員 会 は 、 両 締 約 国 が 合 意 す る 時 期 及 び 場 所 に お い て 又 は 手 段 に よ っ て 会合 を 開 催 す る 。
小委員 会は、両締約 国政府の代表者 から成る。
基本原則
ビ ジネス環境の整備
の 協力を促進す る。
第十四・二 条
小委 員会は、次のこと を任務とする 。
小委員会(以 下この章において 「小委員会」 という。)を設 置する。
こ の章の規定を 効果的に実施し 、及び運用す るため、両締約国 は、ここにビジ ネス環境の整 備に関する
ビジネス環 境の整備に関 する小委員会
両 締約国は、そ れぞれ自国の法令 に従い、それ ぞれの締約国に おけるビジネス環 境を一層整備 するため
ネス環境を 一層整備するため に適切な措置 をとる。
一方の締約国 は、自国の法令 に従い、自国 において事業活動 を遂行する他 方の締約国の者 のためのビジ
第十四・ 一条
第十四章
4
1
2
1
2
177
(e)
次条の規定に従って各締約国により指定されるビジネス環境の整備に関する連絡事務所(以下この章
において「 連絡事務所」と いう。)が報 告する所見を検討 すること。
自 己 の 発 意 に よ り 、又 は 連 絡 事 務 所 が 報 告 す る 所 見 に 基 づ き 、 ビ ジ ネ ス 環 境 に 関 連 す る 問 題 に 取 り 組
み、及び速や かに当該問題を解 決するための 方法を追求する こと。
に 規定する検討 の結果を適当な 方法で公に利 用可能なものとす ること。
に規定する勧告に関し両締約国がとった措置について検討すること。
両締約国 に対して、小委 員会の所見を 報告し、及び勧告 (両締約国が とるべき措置に 関するものを 含
む。 )を行うこと 。
適当な場合 には、
に規定 する勧告及び
(d)
(c)
検討の 結果を当該他の 小委員会に報 告すること。
ること。そ の協力の形態に は、次のこと を含めることがで きる。
作 業の不必要な 重複を避けるた め、この協定に基 づいて設置す る他の小委員会 と適当な方法で 協力す
(c)
当該他の 小委員会の構成員 を小委員会に 招請すること。
当該他の小委 員会から意見を求 めること。
(iii) (ii) (i)
178
(a)
(b)
(c)
(f) (e) (d)
に規 定する所見及 び勧告を速やかに 報告すること 。
適 当な場合には 、当該他の小委 員会に対し関連す る問題を送付 すること。
合同委員会 に対し、
合同委員会が委任するその他の任務を遂行すること。
小委員会 は、両締約国政府 の代表者(小 委員会において 取り組まれる 問題を所管する関 係省庁の職員 を
含む。) から成る。小 委員会は、両締 約国政府以外の関 係団体の代表 者であって、小 委員会におい て取り
小委員 会は、両締約国が 合意する時期 及び場所におい て又は手段に よって会合を開催 する。
組ま れる問題に関 連する必要な専 門知識を有す るものを招請する ことができる。
4
各締約国は 、この章の目的 のため、連絡事 務所を指定し、 及び維持する。
第十六 章の規定の不 適用
連絡事務 所
1
連絡事 務所の任務その 他の詳細につ いては、実施取極 で定める。
協力
第十六章の規 定は、この章の規 定については 、適用しない。
第十四 ・四条
第十四 ・三条
2
3
(c)
(iv)
第十五章
179
(h) (g)
第 十五・一条
基本原則
両締約国は 、それぞれ自国 の法令に従い 、両締約国間の物 品及びサービ スの貿易並びに 投資を一層自 由化
し、及び円滑化し、並びに両締約国の国民の福祉及び持続可能な開発を促進することを目的として、この協
定に基づく協 力であって相互の 利益に資する ものを促進する 。このため、 両締約国は、次の 分野において 、
両締約国政府間の協力を一層強化し、並びに両締約国の関係団体であって、その一方又は双方が両締約国政
180
府以 外の団体であ るものの間の相 互協力を奨励 し、及び円滑にす る。
農業、林業及び漁業(第五章に規定する衛生植物検疫措置に関連する事項を含む。)
金融サー ビス
科学技術及び 知的財産
公共基 盤、建設及び都 市開発
貿易及び投 資
中 小企業
製造業 (第六章に規定す る強制規格、 任意規格及び適 合性評価手続 に関連する事項を 含む。)
(g) (f) (e) (d) (c) (b) (a)
1
教 育及び人材養 成
環境
鉱業及びエネ ルギー
保健
競争
情報通信技 術
協力の範囲及び 形態
両締約 国政府が相互に合 意するその他 の分野
第 十五・二条
協力の 費用
この章の規 定に基づく協力 の範囲及び形 態については、実 施取極で定め る。
第十五 ・三条
両締約国 は、第十五・一条 に規定する分 野における潜在 的な協力活動 を検討し、及びこ の章の規定に 基
づく協力活動の適時の、効率的かつ効果的な実施を確保するため、この協定の効力発生の日の後、討議を
181
観光
(o) (n) (m) (l) (k) (j) (i) (h)
2
開 始する。
両締約 国は、それぞ れ自国の法令に 従い、この章の規 定に基づく協 力の実施のため に、必要な資 金その
他の 資源を利用可 能なものとするよ う努める。
この章の 規定に基づく協力 のための費用 は、資金及び資 源の効率的か つ効果的な利用に より、両締約 国
協力 に関する小委 員会
が相互に 合意する方法 で負担する。
第十 五・四条
この章の規定を効果的に実施し、及び運用するため、両締約国は、ここに協力に関する小委員会(以下
この条 において「小 委員会」という。 )を設置する。
小委員会は 、次のことを任 務とする。
182
3
1
2
この章の規 定の効果的な実 施及び運用に ついて検討及び監 視を行うこと 。
この章の 規定に関連する問 題について討 議すること。
両締約国間の 更なる協力の方法 を特定するこ と。
第十五 ・一条に規定す る各分野にお ける協力に関する 情報を交換す ること。
(d) (c) (b) (a)
3
4
5
この協定の規定に基づいて設置される他の小委員会が提出した協力に関する提案について討議するこ
と。
適当な場合には、合同委員会に対し、この章の規定に基づく協力活動について勧告を行うこと。
合同委員会に 対し、この章の規 定の実施(両 締約国がとるべ き措置を含む。) に関する小委 員会の所
見及び討 議の結果を報告 すること。
合同 委員会が委任 するその他の任 務を遂行すること 。
小委員会は、適当な場合には、この協定の規定に基づく協力活動の適時の、効果的かつ効率的な実施を
確保す るため、政府 開発援助その他の 協力のための制 度に関する両 締約国の既存の協 議の枠組みを 認め、
そ のような枠組 みとの間で情報 を共有する。
小 委 員 会 は 、 両 締 約 国 政 府 の 代表 者 か ら成 る 。 小 委員 会 は 、両 締 約 国政 府 以 外の 関 係 団 体の 代 表 者で
あって、討議される問題に関連する必要な専門知識を有するものを招請することができる。
小 委 員 会 は 、 両 締 約 国 が 合 意す る 時 期及 び 場 所 にお い て 又は 手 段 によ っ て 会合 を 開 催す る 。 小 委員 会
は、この協定の効力発生の日の後一年以内に、第一回会合を開催するよう努める。
183
(e)
(g) (f)
(h)
第 十五・五条
紛争解 決
次章の規定の不 適用
適用範囲
次章の規定 は、この章の規 定については 、適用しない。
第十 六章
第十六・一条
この協定 に別段の定め がある場合を除 くほか、この章に 定める紛争解 決手続は、この 協定の解釈又 は適用
一般原則
から 生ずる両締約 国間の紛争の回 避及び解決に ついて適用する。
第十六・二 条
両締約 国は、この協 定の解釈及び適用 について合意に 達するよう常 に努める。両締約 国は、この協 定の解
釈 又は適用に関 するいかなる問 題についても迅 速かつ相互に満 足すべき解決 を得るために、協 力、協議その
紛争解 決の場の選択
この章の いかなる規定も、 両締約国が締 結している他の 国際協定(世 界貿易機関設立協 定を含む。) に
第十六 ・三条
他の手段を 通じあらゆる 努力を払う。
1
より利用可能な紛争解決手続を利用する両締約国の権利を害するものではない。申立国は、当該紛争を解
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2
1
2
3
決 するための場 を選択すること ができる。
1の規 定にかかわら ず、申立国は、 特定の紛争に関し 、この章又は 両締約国が締結 している他の 国際協
定の 規定に基づい て仲裁裁判所(世 界貿易機関設 立協定附属書二 紛争解決に係る規 則及び手続に 関する了
解の規定に基 づく小委員会を含 む。)の設置 を要請した場合 には、当該特 定の紛争に関し選 択されなかっ
協議
た仲裁裁 判所又は小委 員会の手続を利 用してはならない 。
第十 六・四条
一方の締約国は、この協定の解釈又は適用に関するいかなる問題についても、他方の締約国に対して書
面によ り協議を要請 することができる 。
1に規定す る協議の要請に おいては、申立 国は、当該要請 の理由(問題 となっている措置 の特定並びに
申立てに関 する法的根拠及 び事実に係る 根拠の記載を含む 。)を示すも のとする。
被 申立国は、要 請に書面により 速やかに回答 するものとし、要 請を受領した日 の後四十日以 内に申立国
との協議を誠 実に開始する。緊 急の場合(腐 敗しやすい物品 に関する場合 等)には、被申立 国は、要請を
受 領 し た 日 の 後 二 十 日 以内 に 協 議 を 開 始 す る 。
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4
5
6
7
両締約国は 、この条の規定 による協議を 通じて、問題につ いての相互に 満足すべき解決 に達するよう 、
全ての努力 を払うものとす る。両締約国 は、当該協議が行 われている間 に、問題の十分 な検討を可能 とす
る十 分な情報を相 互に提供する。
両締約国 は、この条の規定 に基づく協議 が行われている 間、両締約国 の関係する機関及 び団体の職員 で
あ って 協 議 の 対象 と な る問 題 に つい て の 専門 知 識 を 有す る も のを 関 与 させ る こ とを 可 能 とす る よ う 努め
る。
この条の規定に基づく協議は、秘密とされ、かつ、その後の手続においていずれの締約国の権利も害す
るもの ではない。
この条の規 定に基づく協議 は、両締約国の 合意に基づき、 対面して又は 両締約国に利用可 能なあらゆる
技術的手段 によって行うこ とができる。 両締約国が協議を 対面して行う ことを合意する 場合には、協 議は
両締約国が合意する場所において行われるものとし、場所についての合意がない場合には、被申立国の首
あっせん、 調停又は仲介
都において行 うものとする。
第十六・ 五条
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1
いずれの締 約国も、あっせ ん、調停又は 仲介をいつでも要 請することが できる。いずれ の手続も、両 締
約国の合意 により、いつで も開始するこ とができるものと し、また、い ずれかの締約国 の要請により 、い
つで も終了するこ とができる。
両締約国 が合意する場合に は、あっせん 、調停又は仲介 は、この章に 定める仲裁裁判の 進行中におい て
も、継続 することがで きる。
あっせん、調 停又は仲介に係 る手続及びこ れらの手続におい て両締約国が とる立場は、秘 密とされ、か
仲裁裁判 所の設置
つ、その後 の手続においてい ずれの締約国 の権利も害する ものではない 。
第十六 ・六条
申立国は、 次のいずれかの 場合には、被申 立国に対して書 面により仲裁 裁判所の設置を要 請することが
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2
3
1
できる。た だし、申立国が 、被申立国が この協定に基づく 義務の履行を 怠った結果又は 当該義務に反 する
措置をとった結果、この協定に基づいて直接又は間接に自国に与えられた利益が無効にされ、又は侵害さ
れていると認 めることを条件と する。
協議の要 請が受領された日 の後四十日以 内に、又は緊急 の場合(腐敗 しやすい物品に関 する場合等)
(a)
2
1
2
に は二十日以内 に、被申立国が 第十六・四条 の規定による協議 を開始しない場 合
協議の要請 が受領された日 の後六十日以 内に、又は緊急の 場合(腐敗し やすい物品に関 する場合等)
には 三十日以内に 、両締約国が第十 六・四条の規定 による協議に より紛争を解決す ることができ ない場
合
仲裁裁判所の構 成
違反 があったとさ れるこの協定の 規定その他適用可 能な国際法の 関連する規定を 含む申立ての 法的根
この条の規定による仲裁裁判所の設置の要請には、次の事項を含む当該要請の理由を明記する。
拠
事実に 係る根拠
第 十六・七条
仲裁裁 判所は、三人 の仲裁人から成 るものとし、当該 仲裁人は、適 切な技術的又は 法的知見を有 するべ
きであ る。
各締約国 は、仲裁裁判所の 設置の要請が 受領された日の 後三十日以内 に一人の仲裁人を 任命し(自国 民
を任命することができる。)、及び裁判長となる第三の仲裁人の候補者を三人まで提案する。第三の仲裁
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(b)
(a)
(b)
3
人 は、いずれか の締約国の国民 であってはな らず、いずれかの 締約国に日常 の住居を有して はならず、い
ずれかの締 約国により雇用 されてはなら ず、及びいかなる 資格において も対象となる紛 争を取り扱っ たこ
とが あってはなら ない。
両締約国 は、仲裁裁判所の 設置の要請が 受領された日の 後四十五日以 内に、2の規定に 従って提案し た
候補者を 考慮して、第 三の仲裁人を合 意により任命する よう努める。
いずれかの締 約国が2の規定 により一人の 仲裁人を任命しな かった場合又 は両締約国が3 の規定により
仲裁裁判所 の設置の日は、 裁判長が任命さ れた日とする。
4
第三の仲裁 人について合意す ることができ ない場合には、 いまだ任命さ れていない一人又 は二人以上の 仲
5
この条 の規定により 任命された仲裁 人が辞任し、死亡 し、又は職務 を行うことがで きなくなった 場合に
裁人は 、十日以内に 、2の規定により 提案された候補 者の中からく じ引で選ばれる。
6
は、後任の仲裁人を最初の仲裁人の任命に係る規定と同様の方法で任命する。後任の仲裁人は、最初の仲
裁人が有する 全ての権限及び任 務を有するも のとする。仲裁 裁判所が行う 検討は、後任の仲 裁人が任命さ
れる時まで停止されるものとする。
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1
2
第 十六・八条
仲裁裁判所の任 務
前二条 の規定により 設置される仲裁 裁判所は、次のこ とを任務とす る。
自己に付託された問題の客観的な評価(問題の事実関係、この協定の適用の可能性及びこの協定との
適合性に関す るものを含む。) を行うこと。
両締約国 と定期的に協議 を行うこと( 当該協議の機会は 、両締約国に 均等に与えるも のとする。) 及
び両締約国が相互に満足すべき解決を図るための十分な機会を与えること。
この協定及 び適用可能な国際 法の規則に従 って裁定を下す こと。
裁定に 法及び事実に関す る認定並びに 当該認定の理由 を含めること 。
締 約国が要請す る場合には、第 十六・十一条の規 定との関連に おいて両締約国 が考慮する裁定 の実施
方法(裁定 の実施の期間を 含む。)につ いての提案を裁定 に添付するこ と。
仲 裁裁判所は、 必要かつ適当と 認める関係情 報の提供を両締約 国に要請するこ とができる。 仲裁裁判所
が必要かつ適 当と認める情報の 提供を要請す る場合には、両 締約国は、迅 速かつ十分にこれ に応ずるもの
とする。
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(a)
(b)
(e) (d) (c)
3
4
1
2
3
仲裁裁判所 は、いかなる関 係者に対して も情報の提供を要 請することが できるものとし 、また、問題 の
一定の側面 についての意見 を得るために 専門家と協議する ことができる 。仲裁裁判所は 、いずれかの 締約
国が 提起した科学 上又は技術上の事 項に関する事 実に係る問題に ついては、専門家 に対して意見 書の提出
を要請するこ とができる。
仲裁裁判手続
仲裁裁判所が3の規定により入手した情報については、両締約国による利用を可能としなければならな
い。
第十六・九 条
仲 裁裁判は、非 公開とする。両締 約国は、仲裁 裁判所により出 席するよう招請さ れた場合に限 り、その
会 合に出席する 。
仲裁裁 判手続の場所 は、両締約国の 合意により決定さ れるものとし 、また、そのよ うな決定が行 われな
い場合には、仲裁裁判手続の第一回会合は被申立国の首都において行い、その後は両締約国において交互
に行うものと する。
仲裁 裁判所の評議 及び仲裁裁判所に 提出された文書 は、秘密のも のとして取り扱う 。
191
4
3の規定に かかわらず、い ずれの一方の 締約国も、紛争に 関する見解に ついて公に表明 することがで き
る。ただし 、他方の締約国 が秘密である と指定して仲裁裁 判所に提出し た情報又は意見 書については 、こ
れを 秘密のものと して取り扱う。一 方の締約国が 秘密のものとし て情報又は意見書 を提出した場 合には、
他方の締約国 は、当該情報又は 意見書につい て公開し得る秘 密でない要約 を提出するよう要 請することが
できる。 そのような要 請を受けた当該 一方の締約国は、 当該要請を受 け入れ、そのよ うな要約を提 出する
か、 又は理由を示 すことを必要と することなく 当該要請を拒否す ることができる 。
両締約国は、仲裁裁判手続における表明、陳述又は反論の場に出席する機会を与えられる。一方の締約
仲裁裁 判所の裁定の 起草は、両締約 国の参加なしに行 うものとする 。
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国が仲 裁裁判所に提 出した情報又は意 見書(裁定案の 説明部分に関 する意見及び仲裁 裁判所の質問 に対す
6
仲 裁裁判所は、 両締約国が裁定 案(説明部分 並びに仲裁裁判所 の認定及び結論 から成る。) を検討する
る 回答を含む。 )については、 他方の締約国に よる利用を可能 としなければ ならない。
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ことができる ようにするため、 その設置の日 の後百二十日以 内に、又は緊 急の場合(腐敗し やすい物品に
関 す る 場 合 等 ) に は 六 十日 以 内 に 、 裁 定 案 を 提 示 す る 。 仲 裁 裁 判 所 は 、 当 該 百 二 十 日 又 は 当 該 六 十 日 の 期
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間 内に両締約国 に対して裁定案 を提示するこ とができないと認 める場合には 、両締約国の同 意を得て、当
該期間を延 長することがで きる。ただし 、いかなる場合に も、仲裁裁判 所の設置の日か ら両締約国へ の裁
定案 の提示の日ま での期間は、百五 十日を超えな いものとする。 締約国は、裁定案 が提示された 日の後三
仲裁裁判所は、裁定案が提示された日の後四十五日以内に裁定を両締約国に示す。
十日以内に、 仲裁裁判所に対し て当該裁定案 についての意見 を書面により 提出することがで きる。
8
仲裁裁判所は 、裁定その他の 決定をコンセ ンサス方式によっ て行うよう努 めるが、過半数 による議決で
193
9
これを行う こともできる。
仲裁裁判手続の 終了
仲裁裁判所の裁定は、最終的なものであり、かつ、両締約国を拘束する。
第 十六・十条
裁判手続を終 了する。
第十六・ 十一条
裁定の実 施
により 、仲裁裁判手 続の終了につい て合意するこ とができる。この 場合には、裁判 長は、遅滞な く当該仲裁
両締約国は 、両締約国に対 して裁定が下 される前であれば いつでも、裁 判長に対して共 同で通報する こと
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両 締 約 国 が 別 段 の 合 意 を す る場 合 を 除く ほ か 、被 申 立 国は 、 第 十 六・ 八 条 及び 第 十 六・ 九 条 の規 定 に
従って下さ れた仲裁裁判所 の裁定を速や かに実施する。当 該被申立国は 、当該裁定を速 やかに実施す るこ
とが できない場合 には、当該裁定を 妥当な期間内 に実施する。
1に規定 する妥当な期間は 、適当な場合 には仲裁裁判所 の裁定に添付 された当該裁定の 実施の期間に つ
いての提 案を考慮に入 れ、両締約国の 合意により決定さ れる。両締約 国が当該裁定が 下された日の 後四十
五日 以内に当該妥 当な期間につい て合意するこ とができない場合 には、いずれの 締約国も、そ の問題を仲
裁裁判所に 付託することがで きるものとし 、当該仲裁裁判 所は、当該妥 当な期間を決定す る。
被申立国は、 1に規定する妥当 な期間内に裁 定を実施するこ とができないと認 める場合には 、相互に
されなかった場合には、申立国は、三十日の予告をもって通告を行った後、被申立国に対するこの協定
に基づく 譲許その他の義務 の適用を停止 することができ る。
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1
2
3
1に規 定する妥当な期 間の満了の日 の後三十日以内に 満足すべき代 償その他の代替 措置について 合意
する。
満 足すべき代償 その他の代替措 置の提供を図る ため、当該妥当 な期間の満了ま でに申立国と協 議を開始
(a)
(b)
4
5
6
申立国は、 被申立国が1に 規定する妥当 な期間内に裁定を 実施していな いと認める場合 において、被 申
の規定に基づく 協議を開始し なかったときは、 三十日の予告 をもって通告を 行った後、被 申立
当該譲許 その他の義務の 適用の停止に 関連する紛争につ いて協議又は 仲裁裁判手続が 進行している 間
3及び4 に規定する譲許そ の他の義務の 適用の停止は、 次のことを条 件とする。
国に 対するこの協 定に基づく譲許そ の他の義務の 適用を停止する ことができる。
立国が3
(a)
にお いては、行わ ないこと。
一時的なものであり、かつ、相互に満足すべき解決が両締約国間で得られ、又は裁定が実施された時
に解除 されること。
裁 定が実施され ないことによる 無効化又は侵害の 程度と同等の 程度に限定され ること。
に規定する 無効化又は侵害 に関連する分 野と同一の分野に 限定されること 。もっとも、 当該分野に
定する条件が満たされていないと認める場合には、申立国に対して協議を要請することができる。申立国
被申立国 は、申立国による この協定に基 づく譲許その他 の義務の適用 の停止について3 、4又は5に 規
おける 譲許その他の 義務の適用を停 止することができ ず、又は効果 的でない場合は 、この限りで ない。
(c)
195
(a)
(b)
(d) (c)
7
は 、そのような 要請を受領した 日の後十日以 内に協議を開始す る。そのよう な要請が受領さ れた日の後三
十日以内に 両締約国が問題 を解決するこ とができない場合 には、被申立 国は、その問題 を仲裁裁判所 に付
託す ることができ るものとし、当該 仲裁裁判所は 、当該条件が満 たされているか否 かを決定する 。
この条の 規定を適用するた めに設置され る仲裁裁判所は 、できる限り 、裁定の対象とな った問題を取 り
扱った仲 裁裁判所の仲 裁人により構成 する。これが可能 でない場合に は、この条の規 定を適用する ために
設置 される仲裁裁 判所の仲裁人は 、第十六・七 条2から4までの 規定に従って任 命する。両締 約国が異な
る期間につ いて合意しない限 り、この条の 規定により設置 される仲裁裁 判所は、問題が付 託された日の 後
期間の変更
六十日 以内に決定を 行う。当該決定は 、最終的なもの であり、かつ 、両締約国を拘束 する。
第 十六・十二条
費用
こ の章 に 定 める い か なる 期 間 も、 特 定 の 紛争 に 関 し、 両 締 約国 の 相 互の 同 意 に より 変 更 する こ と がで き
る。
第十六・十三 条
各締約国は、自国が任命した仲裁人に係る費用及び自国が仲裁裁判手続に参加する費用を負担する。両締
196
言語
約 国が別段の合 意をする場合を 除くほか、仲 裁裁判所のその他 の費用は、両 締約国が均等に 負担する。
第十六・十 四条
最 終規定
目次及び 見出し
全て の仲裁裁判手 続並びに仲裁裁判 所に提出され る全ての文書及 び情報は、英語に よるものとす る。
第十七章
第十七・ 一条
この 協定の目次並 びにこの協定中 の章、節及び 条の見出しは、引 用上の便宜のた めにのみ付さ れたもので
附属書及 び注釈
あって、この協定の解釈に影響を及ぼすものではない。
第十七 ・二条
こ の協定の附属 書及びこの協定 中の注釈は、こ の協定の不可分 の一部を成す 。
こ の協定は、両 締約国間の書面 による合意に より改正すること ができる。
改正
1
1に規定 する改正は、両締 約国によりそ れぞれの国内法 上の手続に従 って承認されなけ ればならず、 そ
第十七・三 条
2
の効力発生に必要なそれぞれの国内法上の手続が完了した旨を相互に通告する外交上の公文を両締約国政
197
3
府 が交換するこ とにより、両締 約国が合意し た日に効力を生ず る。
2の規 定にかかわら ず、次に掲げる もののみについて の改正は、外 交上の公文を両 締約国政府が 交換す
るこ とにより行う ことができる。
附属書一(た だし、統一システ ムの改正に伴 う改正であって 、附属書一の規定 に従って一方 の締約国
効力発生
により他 方の締約国の原 産品に適用さ れる関税率の変更 を伴わないも のに限る。)
附属 書二
附属書三
第十七 ・四条
こ の協定は、こ の協定の効力発 生に必要なそれ ぞれの国内法上 の手続が完了 した旨を通告する 外交上の公
文を両締約 国政府が交換 する日の後三十 日目の日に効力を 生ずる。この 協定は、次条の 規定に基づい て終了
終了
しない 限り、効力を 有する。
第十七・五条
いずれの一方の締約国も、外交上の経路を通じて一年前に他方の締約国に対して書面による通告を行うこ
198
(a)
(c) (b)
と により、この 協定を終了させ ることができ る。
この協定は、 日本語、モンゴル 語及び英語を ひとしく正文と する。
正文
1
1の規定 にかかわらず、
第十七・六 条
2
附属書一 第二編は、ひと しく正文であ る日本語及び英語 により作成さ れる。
附属書六第 一編A及び第二編 は、ひとしく 正文である日本 語及び英語により 作成される。
附属書 六第一編Bは、ひ としく正文で あるモンゴル語 及び英語によ り作成される。
附 属書七第一編 は、ひとしく正 文である日本語及 び英語により 作成される。
附属書七第 二編は、ひとし く正文である モンゴル語及び英 語により作成さ れる。
附属書 八第一編及び附 属書九第一編 は、ひとしく正文 である日本語 及び英語により 作成される。
附 属 書 八 第 二 編 及 び 附 属 書 九 第 二 編 は 、 ひ と し く 正 文 で あ る モ ン ゴ ル 語 及 び英 語 に より 作 成 され
る。
199
附属 書一第三編は、 ひとしく正文 であるモンゴル語 及び英語によ り作成される。
(d)
(c)
(b)
(a)
(ii) (i) (ii) (i) (ii) (i) (ii) (i)
3
正文の間に 相違がある場合 には、英語の 本文による。
以上 の証拠として 、下名は、各自の 政府から正当 に委任を受けて この協定に署名し た。
二千十五 年二月十日に 東京で、日本語 、モンゴル語及び 英語により本 書二通を作成し た。
日本国のた めに
安倍晋 三
モンゴル国 のために
チメド ・サイハンビレ グ
200