6章 脳はどこまでわかったか 1.脳の部位と役割分担 2.神経細胞と神経伝達のしくみ 3.記憶のしくみ 4.認知症 5.まとめ 1.脳の部位と役割分担 失語症患者の症状と死後解剖の結果の欠損位置から分かってきた。 ブローカの研究 他人のことばは理解できるが話せない:運動言語中枢 → 左の前頭葉 ウェルニッケの研究 聞いたことばの意味が分からない:聴覚性失語 書かれた文字が分からない:視覚性失語 感覚言語中枢 → いずれも左の側頭葉に欠損 言語能力は左脳が決めている。 2.神経細胞と神経伝達のしくみ 記憶や意識は、神経細胞のネットワークにより形成される。 神経細胞は神経細胞体、軸索、樹上突起よりなり、方向性を持つ。 神経伝達物質は細胞体でつくられ、軸索内を輸送され、末端に蓄積される。 グリア細胞が神経細胞に栄養補給やミエリン鞘を提供する。 Naイオンの流入 → 電位の変化(活動電位) → シナプスにおける神経伝 達物質の放出と受容体への結合 → 神経伝達物質の回収か分解、が神経 伝達の基本。 神経伝達物質の例 セロトニン:気分、摂食 ドーパミン:意欲、常習 グルタミン酸:促進性神経伝達物質 グリシン、GABA:抑制性神経伝達物質 リガンド:受容体に結合する生体内物質 アゴニスト:受容体を活性化させる、リガンドとは異なる物質 アンタゴニスト:受容体に対し阻害的に働く物質 3.記憶のしくみ 大脳の海馬:陳述記憶に必須 くり返し刺激で神経細胞の反応性が大きくなる。 しかも、数週間続く:長期増強 長期増強にはグルタミン酸受容体が関与 4.認知症 脳卒中の後遺症、頭部外傷、アルツハイマー 脳、神経細胞外に老人斑:アミロイドβタンパク質が蓄積し、大脳皮質細 胞が死滅する。 アミロイド前駆体 → α+γセクレターゼで切断されれば易溶性 β+γセクレターゼで切断されると難溶性の アミロイドβタンパク質 アポリポタンパク質Eの多型もアルツハイマー病に関連する。 6章 脳はどこまでわかったか 1.脳の部位と役割分担 失語症患者の症状と死後解剖の結果の欠損位置から分かってきた。 言語能力は左脳が決めている。 2.神経細胞と神経伝達のしくみ 記憶や意識は、神経細胞のネットワークにより形成される。 Naイオンの流入 → 電位の変化(活動電位) → シナプスにおける神経伝達 物質の放出と受容体への結合 → 神経伝達物質の回収か分解、が神経伝達の基本。 リガンド アゴニスト アンタゴニスト 3.記憶のしくみ 海馬 長期増強:グルタミン酸受容体が関与 4.認知症 アルツハイマー:老人斑=アミロイドβタンパク質が蓄積し、大脳皮質細胞が 死滅する。 アミロイド前駆体 → α+γセクレターゼで切断:易溶性のアミロイドβ β+γセクレターゼで切断:難溶性のアミロイドβ アポリポタンパク質Eの多型もアルツハイマー病に関連
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