活動電位 3)活動電位 ① 静止電位から神経線維や筋線維が興奮 ② 興奮部分の膜電位: 急激に、しかも一過的に脱分極 ③ 活動電位の発生 膜電位 → 急速に正のピークへ上昇後 ④ 再び急速に元の静止電位の方向へ下降 ⑤ 一旦静止電位よりも過分極側にふれた後(=後過分極) ゆっくりと元の静止電位のレベルに戻る ① 活動電位発生のメカニズム Na+: 細胞外 > 細胞内 → 化学的勾配は内向き K+の透過性によって作り出された静止電位 → 電気的勾配も内向き ① 静止時: Na+は膜を通れさえすれば、一気に細胞内へ流れ込みたい 膜の選択的透過性 K+漏洩チャネルから K+をよく通すが、 Na+はあまり通さない • Na+は膜内に流れ込めない ② 興奮性の信号等を受け取る → 膜が静止電位レベルからある程度脱分極 → 電位依存性Na+チャネルが一時的に開く → 電気化学的勾配に従い、少量のNa+が細胞内に流入 ③ このNa+の流入によって膜の脱分極が進む → もっと多くの電位依存性Na+チャネルが開く → Na+が細胞内に流れこむ Na+の細胞内流入 = 自己再生的に増幅 → 活動電位 活動電位がピークに近づく → Na+チャネルが不活性化状態になる (ゲートは開いたままだが、チャネルが閉じてしまう状態) → ナトリウムイオンの細胞内流入が減少し始める ④ 電位依存性K+チャネルが電位依存性Na+チャネルから 少し遅れて活性化 → K+の流出は活動電位の下降相で最大となる この時点で膜電位は細胞内が正 濃度勾配も電位勾配もK+の流出を促す方向に働く → K+の外向き流がNa+の内向き流よりも大きくなる → 膜電位はカリウムの平衡電位EKに向かって変化する (再び内側を負にする方向に変化する) ⑤ 膜が再分極するにつれ、 K+チャネルは閉じ始める 膜電位に応答する速度が遅い → 静止電位レベルに戻ってもまだ開いているチャネルがある このK+流出 = 活動電位後の後電位 その後K+チャネルが閉じ、静止電位に戻る ① 4)活動電位の伝導 活動電位 → 軸索上を伝わり → 情報を伝達 その際、活動電位の大きさは減衰しない 軸索のある部位に活動電位が発生 その活動部位 → ピーク時には細胞内部が外部に対し+40mVにも帯電 その周囲部 → 静止状態で細胞内がマイナスに帯電 軸索内に流入した電流 = 軸索の長軸方向に拡がる 細胞内:活動部分から周囲に向け、電流が流れ出る 細胞外:周囲から活動部分へ向け、電流が流れ込む 周囲部分 細胞内で陽電荷を受け取り、細胞外では陽電荷が失われる 膜電位 → 脱分極 活動部位に近い部位 外向き電流 = 大きい その部分にあるNa+チャネルを新たに開く • 自己再生的にNa+が流入 • • 活動電位が発生し、膜が興奮 この現象の繰り返し 活動電位 • 軸索上を伝わっていく = 活動電位の伝導 • • • 活動電位発生に伴って流れる局所電流 • その地点から両方向に流れる • 活動電位 • 一方向にしか進まない 一つ前の時点で興奮したNa+チャネル = 不活性状態 • 反応できない (= 不応期 ) • 興奮は一方向に進む 活動電位の伝わる速さ → どの程度先の領域まで脱分極させられるかによって決まる Na+チャネルの密度、軸索の太さ に依存 軸索の直径 大 = 軸索の内部抵抗 低 → 遠くまで脱分極 = 伝導速度 大 無髄神経と有髄神経 無脊椎動物のニューロン = 無髄神経 軸索は裸の状態 感覚ニューロンをのぞく多くの脊椎動物のニューロン = 有髄神経 絶縁体の役割を果たすミエリン鞘(=髄鞘)が軸索を覆う ミエリン鞘とミエリン鞘の切れ目 = ランビエ絞輪 Na+チャネルが集中して存在 跳躍伝導 ある部位の膜が興奮 → 局所電流は膜を横切り、外へ漏れようとする ミエリン鞘 = 膜を横切っての漏電を防ぐ → ランビエ絞輪で初めて外へ流れ出し、脱分極 → そこに集中的に存在するNa+チャネルが活動電位を発生 興奮は、ランビエ絞輪から次のランビエ絞輪へ一気に伝えられる = 跳躍伝導 有髄神経の伝導速度 → 同じ直径の無髄神経に比べはるかに速い
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