確率・統計Ⅰ 第5回 確率変数の共分散、チェビシェフの不等式 ここです! 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 確率論とは 確率変数、確率分布 確率変数の独立性 / 確率変数の平均 確率変数の平均(続き)、確率変数の分散 確率変数の共分散、チェビシェフの不等式 ベルヌイ試行と二項分布 二項分布(続き)、幾何分布など 二項分布の近似、ポアソン分布、正規分布 正規分布とその性質 i.i.d.の和と大数の法則 中心極限定理 統計学の基礎1(母集団と標本、確率論との関係) 統計学の基礎2(正規分布を用いた推定・検定) 確率変数の共分散、 チェビシェフの不等式 1. 確率変数の共分散 (定義) 2. 共分散の公式(1)(2)(3) 3. 共分散の意味 と 分散の公式(2) 4. チェビシェフの不等式 確率変数の共分散 E(X)=μ, E(Y)=νとする。 Cov(X, Y) = E[(X-μ) (Y-ν)] を X と Y の共分散という。 確率変数の共分散、 チェビシェフの不等式 1. 確率変数の共分散 (定義) 2. 共分散の公式(1)(2)(3) 3. 共分散の意味 と 分散の公式(2) 4. チェビシェフの不等式 共分散の公式(1) Cov(X, X) = V(X) 分散 自分自身との共分散が「分散」にほかならない。 共分散の公式(2) V(X+Y) = V(X) + 2Cov(X,Y) + V(Y) 証明 V(X+Y) = E[(X+Y -μ-ν)2] = E[( X -μ)2 + 2 ( X -μ) (Y -ν) + (Y -ν) 2] = E[( X -μ)2]+ 2E [( X -μ) (Y -ν) ]+ E[(Y -ν) 2] = V(X) + 2Cov(X,Y) + V(Y) 共分散の公式(3) Cov(X,Y) = E(XY) - E(X) E(Y) 証明 Cov(X,Y) = E[(X-μ)(Y-ν)] = E( XY -νX -μY + μν ) = E(XY) -νE(X) -μE(Y) +μν = E(XY) - μν 確率変数の共分散、 チェビシェフの不等式 1. 確率変数の共分散 (定義) 2. 共分散の公式(1)(2)(3) 3. 共分散の意味 と 分散の公式(2) 4. チェビシェフの不等式 共分散の意味 X, Y が独立ならば Cov(X,Y) = 0 証明 X, Y が独立 ⇒ E(XY) = E(X)E(Y) だったから、これと Cov(X,Y) = E(XY) - E(X) E(Y) より明らか。 2つの確率変数の相関係数 Cov( X , Y ) ( X ,Y ) V ( X ) V (Y ) を X と Y の相関係数という。 分散の公式(2)の証明 X, Y が独立 ⇒ V(X+Y) = V(X) + V(Y) の証明 X, Y が独立 ⇒ Cov(X,Y) = 0 だったから、これと 共分散の公式(2) V(X+Y) = V(X) + 2Cov(X,Y) + V(Y) より明らか。 確率変数の共分散、 チェビシェフの不等式 1. 確率変数の共分散 (定義) 2. 共分散の公式(1)(2)(3) 3. 共分散の意味 と 分散の公式(2) 4. チェビシェフの不等式 チェビシェフの不等式 P(| X | ) V (X ) μ=E(X) 2 チェビシェフの不等式 証明 (離散型の場合) V(X) = Σ(xi-μ)2 pi ≧(|xi-μ|≧εだけの和で)Σ(xi-μ)2 pi ≧ (|xi-μ|≧εだけの和で) Σε2 pi = ε2 (|xi-μ|≧εだけの和で) Σpi = ε2 P( |xi-μ|≧ε) チェビシェフの不等式 チェビシェフの不等式から、X がどんな分布に 従う場合でも、平均μ, 分散σ2 とすれば 1 P(| X | n ) 2 n たとえば 平均から±3σ 以上離れた値になる確率は 1/9 = 0.111… 以下であることがわかる。 チェビシェフの不等式 チェビシェフの不等式から、X の分散σ2 が小さ いほど、平均μの近くの確率が大きいことがわ かる。 P(| X | ) 1 2 2 (「分散の意味」の証明!) メニューに戻る メニューへ
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