1.2 触地図・音声情報をもとに視覚障害者もまち遊び

触地図・音声情報をもとに視覚障害者もまち遊び
現在の視覚障害者への外出支援
共生のまちづくりが推進される中で、たと
えば、IT技術によって情報バリアが小さ
くなれば、コミュニケーション手段の限定
されていた高齢者・障害者等の経済活
動も豊かになる。また、利便性の高い中
心市街地のユニバーサルデザイン化が
進めば、高齢者、障害者等が中心部の
商店街を訪れるようになり、商店街の賑
わいにも一役買うであろう。
総務省:共生のまちづくり懇談会最終報告書
~『地域の福祉力』を高めよう!~ H.14.3
安全の確保
移動そのものの補助
認知度・普及率-高
街中にどんな物があるか
目的地が何処にあるか
普及率・利用率-低
現行の触地図の問題点
●複雑・・・理解しづらい、覚えきれない
●設置型・・・設置位置がわからない、ある事に気付かない
忘れてしまうと地図まで戻らなければならない
●情報量・・・細かくすると触知出来ない
触知しやすい大きさだと情報量が少ない
●設置数・・・そもそも数が少ない
限られた場所にしかない
●弱視への対応・・・点字のみの表記や字が小さい場合が多い
(視覚障害者の内、点字利用者は1割以下)
本研究で提案する視覚障害者外出支援
視覚障害者(高齢者)へむけて
外出時に役立つ地域情報を提供
オリエンテーション支援として
触地図と音声情報
様々な人がまちへアクセス
地域の賑わい
今は、この辺りにいるのか・・・
このお店はどんなお店なのかな?
○番は△△です。四川料理
のお店で、お勧めは・・・
携帯型触地図
地域の全体像を把握
歩きながらの利用可
音声情報(ICレコーダー)
触地図の不足情報を補い、より多くの情報を提供
触地図の詳細
ICレコーダによる音声情報の内容
黒い表記部は凸凹で(立体コピー)
商店等を記号で表記
音声情報に対応した
番号を点字・墨字で
表記
大きくみやすい墨字
●地域全体・最寄の駅からのアクセス情報
「中華街はJR石川町駅北口の改札を出て、左
側に出ると西陽門があり・・・」
●観光スポットの情報
「関帝廟とは、今から1800年ほど前の後漢
から三国時代・・・」
●地図上の記号、数字に対応
「マル22、横浜大飯店。上海料理。1980円で
食べ放題があります。1階は・・・」
●トイレ情報
等
触地図・音声情報の効果
①2次元的把握の補助および促し
『地域の全体像がわかる』『安心感がある』
『位置関係がわかることがうれしい』
→地域の2次元的把握を補助・喜びや安心感を提供
②情報伝達ツールとしての役割
『地図をみながら他の人と行きたい場所の相談が出来る』
『「こういうのがあるんだ」とかコミュニケーションが出来る』
『私たちが行ったお店を友達に教えてあげることが出来る』
『迷ったときにも地図を使って説明してもらいやすい』
→視覚障害者同士、視覚障害者と晴眼者のコュニケーションツールとして
役立ち、情報を共有することで喜びを演出
③自主的な行動へのきっかけ
『「こっちを先にまわった方が近いね」って言える事は大きい』
『視覚障害者同士でまた出掛けたい』
『自由に情報を手に入れることが出来るので楽しめる』
→主体的な歩行・積極的な外出の一助
④介助される事による負担の軽減
『(介助の)晴眼者の人達に申し訳ないって思うけど、そういうことが軽減できる』
『今まではいわれる通りに…一緒にまわれる喜びって言うか』
→同伴者と対等な立場で歩行
『デートの時など、介助はあまり頼みたくない』
→視覚障害者の自由やプライバシーをある程度確保
今後の課題
●より使いやすい形態へ改善-触地図の表記内容や表記方法・音声情報の内容・携帯性
●運営主体-本システムを誰が運営していくのが好ましいのか?(自治体・商店街・企業・NPO・・・)
●普及方法