テキスト校正の基礎

テキスト校正の基礎
青木慎太朗
もくじ
1. テキスト校正の必要性
(音声ソフトを使った読書法)
2. 立命館大学の体制紹介
3. テキスト校正の課題
4. 質疑応答
電子データ入手の優先順位
出版元にデータをもらう
↓無理
著者にデータをもらう
↓無理
テキスト文字校正は最後の手段
著作権法の位置づけ
著作権
著作権法上の位置づけ
第2章 著作者の権利
第3節 権利の内容
第5款 著作権の制限
複製は「権利」ではない!
=著作権者の権利を制限するのみ
著作権法の具体例
点字による複製:できる(第37条)
録音図書:特定の施設で認められる
(第37条3項)
拡大図書:「弱視の児童又は生徒の学習
の用に供するため」なら可
(第33条の2)
データ:複製不可(条文なし)
データ化は違法?
条文に書いてないことはできない
↓
では、違法になるのか?→NO
↓
私的使用のための複製(第30条)
↓私的使用ゆえの問題も
データの共有が禁止される
→同じ本でも再度校正作業
新たな取り組み(1)
出版UD研究会
2005年~ 東京で開催
出版・デザイン・印刷関係者
+障害者+研究者が参加
取り組み:講演会(例:視覚障害者の読書)
ロービジョン疑似体験
成果:T-Timeにロービジョンモードが
標準搭載
新たな取り組み(2)
BRC(バリアフリー資料リソースセンター)
2005年設立のNPO法人
著者や出版社と利用者の橋渡し役
出版社から委託を受け、データを販売する。
今後の予定
利用者からのリクエストを受け、
データ入力や校正を行う。
→2009年のサービス開始を目指す。
今後の課題
著作権法
(視覚障害者の)読書権の確立
などなど
ただ、その前に…
こういう読書形態があることを知ってもらう必
要がある。
参考文献
青木慎太朗,2006,「大学における障害者支援ウエブサイトの可能性につ
いて――障害学生への情報保障とメディア活用・総説」『NIME研究報
告』14:17-27
青木慎太朗,2007,「大学における障害学生支援の現在――障害学生支
援研究と実践の整理・覚書」『NIME研究報告』33:13-25
青木慎太朗,2007,「視覚障害学生支援と著作権――視覚障害学生への
情報保障を手がかりとして」『NIME研究報告』33:37-51
青木慎太朗,2007,「障害学生支援の構図――立命館大学における視覚
障害学生支援を手がかりとしての考察」『Core Ethics』3:1-12
上記はいずれもウエブで全文公開中
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/g/as01.htm