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カラダのチェック法&症状別トレーニ
ング法
Part.1 「チェック法・動的トレーニング&ストレッチ
法総論」
NPO日本スポーツアロマトレーナー協会
TOTAL-Conditioning
スポーツアロマフォーラム2009
夏 Lab.
野口克彦
(体育学修士,CSCS,NSCA-CPT)
トレーナー・セラピストの使命
トレーナー・セラピストの使命とは!?
クライアント・アスリートの
身体の痛みを取り除くこと!?
クライアント・アスリートの
身体の機能を向上させること!!
TOTAL-Conditioning Lab.
身体機能を向上させるためには・・・
クライアント・アスリートの身体の状態を
見極め
適切な対処(トレーニング)を施すことが重要
である。
TOTAL-Conditioning Lab.
身体機能を向上させるために
TOTAL-Conditioning Lab.
身体機能を向上させるために何が必要
か!?
身体機能を向上させるために必要なトレーニ
ング
=機能的トレーニング(ファンクショナルト
レーニング)
「ファンクション(機能)の獲得こそがトレーニングの
目的であり、ファンクショナルトレーニングは、そのた
めに意図されたトレーニングである。」(Boyle,2004)
TOTAL-Conditioning Lab.
機能的トレーニングとは(ファンクショナルトレーニン
グとは)
「特定の筋のみを強化する単関節運動はとても機能的とはいえない。
それに対し、多くの筋群を動作パターンに統合していく多関節運動
は機能的である。」(Gambetta and Gray,2002)
「ファンクショナルトレーニングのプログラムには、コントロール
できる範囲の不安定な環境を導入し、選手が選手自身のバランスを
取り戻すために反応しなければならないような環境が必要であ
る。」 (Gambetta and Gray,2002)
「ファンクショナルトレーニングでは自体重を負荷として用い、か
つ競技で必要とされる体勢で行う。」(Boyle,2004)
「Grayは屈曲、伸展、内転、外転といった古くから用いられていた
動きの定義ではなく、キネティックチェーンという新しい概念をも
とに筋機能を理解するよう奨励した。」(Boyle,2004)
→ 立位,多関節運動を基本とする。
TOTAL-Conditioning Lab.
機能的トレーニングのパラドックス
立位以外のポジションでのトレーニング、単関節運動
によるトレーニングは機能的トレーニングではないの
か!?
「特定の筋群を単独で(分離,アイソレーションした状態で)強化する
ことが身体機能を獲得する(向上させる)上で重要な場合もある。」
(Boyle,2004)
例えば・・・
①股関節外転筋群,股関節外旋筋群→骨盤の安定性
②肩甲骨周囲筋群→肩甲骨の安定性
③体幹部深層筋群→脊柱の安定性
これらの筋群をアイソレーションした状態で強化する
ことは身体機能を向上させる上で必要不可欠な要素で
TOTAL-Conditioning
ある。Lab.
機能的トレーニングのパラドックス
・骨盤の安定性低下は腰痛や膝関節の障害を引き起こす原因にな
り得る。
・肩甲骨の安定性低下は肩関節の障害を引き起こす原因になり得
る。
・脊柱の安定性低下は腰痛を引き起こす原因の一つである。
脊柱,骨盤,肩甲骨の可動性,安定性を高める
ことは身体機能を向上させる上で最も重要であ
り、基盤となる要素である。
TOTAL-Conditioning Lab.
フィジカルチェックのポイント
TOTAL-Conditioning Lab.
フィジカルチェックに必要なマインド



包括的視点を持つ
多角的視点を持つ
逆転的視点を持つ
↓
身体連鎖,代償動作を考慮するということ
Ex:
・膝蓋靱帯炎←大腿直筋短縮←腸骨前方変位
・胸郭柔軟性(回旋可動域)低下→回旋型腰痛症
・膝関節の痛み⇔股関節可動性の低下
TOTAL-Conditioning Lab.
局所的対処と包括的対処
膝蓋靱帯炎
主たる原因(局所的評価)
包括的対処
→大腿直筋の短縮
局所的対処
・大腿直筋短縮の緩和
・ハムストリングスの筋力強化
・・・etc.
一時的改善
再発(?)
包括的評価:腸骨前方変位
→骨盤交差症候群(下位交叉症候群)
・腸腰筋短縮の緩和
・大腿直筋短縮の緩和
・脊柱起立筋短縮の緩和
・腹筋群の筋力強化
・殿筋群・ハムストリングスの筋力強化
根本的改善(?)
TOTAL-Conditioning Lab.
フィジカルチェックにおけるパラドックス
包括的視点
個別性
逆転的視点
個々に異なる機能低下
個々に異なるアライメント(不良)
多角的視点
フィジカルチェックはクライアント個々の特性を見極めるものであるが・
得られた結果が、クライアントの身体の状態を評価する上で混乱を与えることも
TOTAL-Conditioning Lab.
フィジカルチェックにおけるパラドックス
チェック
例)
関節弛緩性が高い場合・・・
・股関節外旋、内旋過多
結果
評価
Solution
人間に共通する機能低下
に着目したアプローチ
TOTAL-Conditioning Lab.
フィジカルチェックにおけるパラドックス
個別性
共通性
個々に異なる機能低下
個々に異なるアライメント(不良)
人間に共通する機能低下
人間に共通するアライメント(不良)
・非効率な側面がある。
・結果が不明瞭になる場合がある。
・・・etc.
・効率的である。
・個別性を見失いがちとなる。
・・・etc.
共通性に着目したアプローチから
如何に個別性を捉えるかが重要!
TOTAL-Conditioning Lab.
機能低下の共通性に着目したアプローチ
個別性
身長・体重
性別
ライフスタイル
スポーツ経験
・・・etc.
全ての人間に共通する要素 = 重力
TOTAL-Conditioning Lab.
機能低下の共通性に着目したアプローチ
全ての人間に共通する要素 = 重力
機能低下の共通性
抗重力対応を担う一関節筋,
体幹部深層筋の機能低下
TOTAL-Conditioning Lab.
一関節筋と二・多関節筋
【一関節筋】
【二・多関節筋】
単関節性抗重力筋
多関節性推進筋
身体の安定に関わる
身体の推進に関わる
TOTAL-Conditioning Lab.
一関節筋

体幹:
腸腰筋(大腰筋は多関節筋であるが機能的には一関節筋と同様であるとされ
る)
etc.

上半身:
棘上筋,棘下筋,小円筋,三角筋,肩甲下筋,大円筋
広背筋,烏口腕筋,大胸筋,小胸筋,菱形筋,肩甲挙筋
前鋸筋
etc.

下半身:
梨状筋,小殿筋,中殿筋,大殿筋,内閉鎖筋,外閉鎖筋
上双子筋,下双子筋
etc.
TOTAL-Conditioning Lab.
インナーユニット&アウターユニット

インナーユニット:腹横筋,多裂筋,横隔膜,骨盤底
筋群

アウターユニット
・後方を斜めに走る系:
広背筋、大殿筋、介在部の胸背筋膜
・下深部を縦に走る系:
脊柱起立筋、胸背筋膜の深層、仙結節靱帯、大腿二頭筋
・下前部を斜めに走る系:
外腹斜筋、内腹斜筋、対側の内転筋、介在部の前腹部の筋
膜
・外側の系:
中殿筋、小殿筋、対側の内転筋
TOTAL-Conditioning Lab.
着目すべき下半身の一関節筋
骨盤を安定させるために機能する一関節筋
中殿筋・小殿筋
腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)
TOTAL-Conditioning Lab.
梨状筋
着目すべき上半身の一関節筋
肩甲骨を安定させるために機能する一関節筋
菱形筋
前鋸筋
TOTAL-Conditioning Lab.
肩甲挙筋
着目すべき体幹部深層筋
脊柱を局所的に安定させるために機能する体幹部深層筋
多裂筋(腰部多裂筋)
腹横筋
TOTAL-Conditioning Lab.
共通性に着目したフィジカルチェックの実
際1
・脚長差(股関節外、内旋)
・Tテスト/ダイナミックTテスト
TOTAL-Conditioning Lab.
脚長差から分かること
Long:
・腸骨前方変位
・股関節内旋過多
Short:
・腸骨後方変位
・股関節外旋過多
・中殿筋機能低下
TOTAL-Conditioning Lab.
Tテスト/ダイナミックTテストから分かるこ
と
Tテスト陰性:
・中殿筋機能低下
Tテスト陽性/ダイナミックTテスト陰性:
・骨盤アライメント不良
・大殿筋機能低下
・股関節外旋筋群機能低下
TOTAL-Conditioning Lab.
ダイナミックTテストから分かること
KITO(Knee In Toe Out)リスク:
・膝蓋骨亜脱臼・脱臼
・内側側副靱帯損傷
・膝蓋腱内側部炎
・外側半月板損傷
・シンスプリント
・アキレス腱内側部炎
・外反捻挫
etc.
KOTI(Knee Out Toe In)リスク
・腸脛靱帯炎
・外側側副靱帯損傷
・膝蓋腱外側部炎
・内側半月板損傷
・アキレス腱外側部炎
・内反捻挫
etc.
TOTAL-Conditioning Lab.
共通性に着目したフィジカルチェックの実
際2
・肩甲骨アライメントチェック
・肩甲上腕リズムチェック
TOTAL-Conditioning Lab.
肩甲骨アライメントチェックから分かるこ
と
上方変位:
・肩甲挙筋短縮
・広背筋弱化
・下部僧帽筋弱化
・肩甲上腕リズム不良
下方変位:
・上部僧帽筋弱化(頭部対側傾斜)
・菱形筋弱化(頭部左回旋)
・肩甲上腕リズム不良
TOTAL-Conditioning Lab.
肩甲上腕リズムチェックから分かること
肩甲上腕リズム不良リスク:
・インピンジメント症候群
・肩関節周囲炎(いわゆる「五十肩」)
etc.
TOTAL-Conditioning Lab.
共通性に着目したフィジカルチェックの実
際3
(クラウス-ウェーバーテスト)
TOTAL-Conditioning Lab.
クラウス-ウェバーテストから分かること
・TEST1:体幹部の筋群および股関節屈筋群の静的筋力
・TEST2:体幹部の筋群および股関節屈筋群の動的筋力,脊柱の可動
性
・TEST3:腹筋群および股関節屈筋群の動的筋力,脊柱の可動性
・TEST4:上背部筋群の静的筋力
・TEST5:下背部筋群の静的筋力
・TEST6:腰背部の柔軟性,脊柱の可動性
脊柱の可動性,安定性
脊柱の可動性,安定性の低下リスク:腰痛症
TOTAL-Conditioning Lab.
身体機能を向上させるためのポイ
ント
TOTAL-Conditioning Lab.
スイングドア理論
アライメント不良
正常なアライメント
アライメント不良
過緊張
過緊張
痛み(?)
痛み(?)
TOTAL-Conditioning Lab.
スイングドア理論
アプローチ
収縮力低下
過緊張
アプローチ
TOTAL-Conditioning Lab.
スイングドア理論
アライメント不良
正常なアライメント
アライメント再不良化
(一時的なアライメントの改善)
収縮力低下
痛み(?)
痛み(?)
過緊張
過緊張している
筋に対するマッ
サージ,スト
レッチング
TOTAL-Conditioning Lab.
スイングドア理論
ダイナミックアライメントの改善
↑
コンディショニングエクササイズ
↑
収縮力低下
過緊張
↓
リラクゼーション&ストレッチング
↓
スタティックアライメントの改善
アライメントの正常化
スポーツ障害の予防・改善
不定愁訴の予防・改善
TOTAL-Conditioning Lab.
スタティックフレキシビリティ(静的柔軟
性)
どちらが障害・傷害リスクが低いか?
静的柔軟性高い
静的柔軟性低い
TOTAL-Conditioning Lab.
ダイナミックレキシビリティ(動的柔軟
性)
どちらが障害・傷害リスクが低いか?
動的柔軟性高い
動的柔軟性低い
TOTAL-Conditioning Lab.
静的柔軟性と動的柔軟性の関係
どちらが障害・傷害リスクが低いか?
静的柔軟性>動的柔軟性
静的柔軟性≧動的柔軟性
TOTAL-Conditioning Lab.
機能的トレーニングのプログレッション
1:両側性と片側性を考慮して段階的にトレーニングを発展させる。
・両側性エクササイズ:例)スパイン・ヒップリフト
・片側性(一側性)エクササイズ:例)スパイン・シングルレッ
グ・ヒップリフト
2:人間の発育、発達に則して段階的にトレーニングを発展させる。
例)仰臥位→腹臥位→側臥位→四肢位→座位→立位
3:運動様式を考慮して段階的にトレーニングを発展させる。
・OKC(オープンキネティックチェーン):例)リバース・バック・ハイパーエ
クステンション
・CKC(クローズドキネティックチェーン):例)スパイン・ヒップリフト
4:「分離」と「統合」という考え方に基づき段階的にトレーニングを
発展させる。
・分離エクササイズ:例)ヒップ・アブダクション
・統合エクササイズ:例)シングルレッグ・デッドリフト
TOTAL-Conditioning Lab.
下半身のアプローチ
タティックアライメント(静的アライメント)の改
↓
重力関与の少ない状態(仰臥位)にて
股関節に関係する一関節筋を緩める(伸張する)。
イナミックアライメント(動的アライメント)の改
↓
OKC,CKC両側面から股関節に関係する
筋の動員パターンを改善する
OKC(Open Kinetic Chain)CKC(Closed Kinetic Chain)
荷重下
非荷重下
TOTAL-Conditioning Lab.
上半身のアプローチ
タティックアライメント(静的アライメント)の改
↓
重力関与の少ない状態(仰臥位)にて
肩甲帯に関係する一関節筋を緩める
イナミックアライメント(動的アライメント)の改
↓
重力関与の少ない状態(仰臥位)におけるエクササイズ
↓
立位(座位)でのエクササイズ
TOTAL-Conditioning Lab.
体幹部のアプローチ
インナーユニットの機能改善
↓
重力関与の少ない状態(仰臥位)におけるエクササイズ
↓
立位(座位)でのエクササイズ
ンナーユニットとアウターユニットの連動性,協調性改
↓
重力関与の少ない状態(仰臥位)におけるエクササイズ
↓
立位(座位)でのエクササイズ
TOTAL-Conditioning Lab.
参考文献

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

Laura Presswoodら:中殿筋-応用解剖学、機能障害、評価および漸
進的な筋力の向上.日本ストレングス&コンディショニング協会機
関誌,Vol.2,No.2,2009
Rudi Meirら:コリジョンスポーツにおけるプレハビリテーションプ
ログラムの作成 イングランド・ラグビーユニオンプレミアリーグに
おけるモデル,日本ストレングス&コンディショニング協会機関誌,
Vol.16,No.4,2009
マイケル・ボイル(中村千秋 監訳):写真でわかるファンクショナ
ルトレーニング,大修館書店,2007
青木隆明,林典雄:運動療法のための機能解剖学的触診技術-下
肢・体幹.メジカルビュー社,2006
川野哲英:ファンクショナルエクササイズ.ブックハウス・エイチ
ディ,2004
丹羽滋郎ら:メディカルストレッチング-筋学からみた関節疾患の
運動療法.金原出版,2008
山下謙智 編著:多関節運動学入門.ナップ,2007
TOTAL-Conditioning Lab.