3章 なぜ政府が必要なのか

3章 なぜ政府が必要なのか
渡辺真世
3章 目次
1 市場の「失敗」を補う政府
2高所得層から低所得層への所得再分配
3経済を安定化するという役割
1 市場の「失敗」を補う政府
政府
企業
競争政策
独占禁止法
独占
カルテル
市場の失敗
①外部効果
②公共財
③情報の不完全性
④費用逓減
① 外部効果
• 自分のとった行動が市場メカニズムを通さず
に他者に影響を与える効果
公害
→政府は工場に生産量や汚水量を抑制
してもらう
+ 学校教育 予防接種 健康診断
→政府は財政的な支援を行う
-
② 公共財
• 独り占めできず多くの人々が同時に利用でき
るモノやサービス
ex)図書館 道路 空港
市場メカニズムに任せておくと供給が滞る
→政府が税金を使って公共財を供給する
③ 情報の不完全性
• 取引されるモノやサービスの内容や特徴に関
する情報が不十分であるとき
• 情報の非対称性がおこる場合
ex)医療保険の運営を民間会社に任せると
逆選択の問題が発生する
→政府が医療保険の仕組みをつくるべき
④ 費用逓減
• 生産するほど製品一単位あたりの費用が低く
なる
→費用逓減産業の場合、競争を制限し独占・
寡占を促したほうが価格低下
ex)電力会社 ガス会社
※技術革新により費用逓減産業は時代によっ
て変わる
ex)電信電話産業
→規制緩和の必要性
2 高所得層から低所得層への
所得再分配
• 功績原理:社会に貢献した分だけ報酬が得ら
れるという約束
市場
公平
性
効率
性
→政府が税金を使って所得再分配を行う
公平性の追求
ベンサム
• 功利主義
社会全体の幸福の
最大化
所得再分配の必要
なし
ロールズ
最も所得の低い人
の幸せによって社
会全体の幸せの度
合いが決定
所得再分配が望ま
れる
3 経済を安定化するという役割
なぜ価格は簡単に調整されないのか??
→メニュー・コスト仮説
ケインズ登場以前:セイの法則
経済全体の活動水準は総供給が決定
価格による需給調整メカニズムが機能
ケインズ経済学:有効需要の原理
経済活動の水準を決定するのは総需要
価格はなかなか動かない
景気対策
失業対策
①公共事業による雇用機会創出
②減税・金利引き下げ
☆価格調整メカニズムに頼りきるのではなく
政府が総需要の大きさを調節し経済の安定化
を図る