PowerPoint プレゼンテーション

2005年度 国家予算の分析
社会保障費を中心に
日医総研ワーキングペーパーから
一般歳出の日米比較
一般会計においては社会保障関係費が増加を続け、
2005年度には24.8%を占めるに至った。この為、
社会保障費については「過大・不必要な伸びを具体的に
厳しく抑制しなければならない」などとされているが、
米国では、社会保障金、メディケア・メディケイド・児童福祉
だけに歳出の43.0%を割いている。
国民の税負担
一般会計と特別会計との連結予算
2005年度の国家予算は 82.2兆円、
と言われているが、国家予算には
他に 31の特別会計がある。
国家予算の全体像を把握する為には、
両会計を連結し、繰入繰出の重複
控除を行う必要がある。
そうして検討した結果、2005年度
当初予算ベースでは、
---------------------------歳入は 273.6兆円(連結歳入額)、
歳出は 240.1兆円(連結歳出額)、
---------------------------となった。
連結社会保障費
連結社会保障費のうち増加が続いているのは
年金給付であり、医療給付費は毎年の制度変更
により、過去3年間、殆ど抑制されている。
国の連結歳出総額
特に問題視されるべきは人件費・経費、補助金・委託費等だが、
厳しいコスト削減の成果は何ら認められない。
社会保障費に関する業務効率化の現状
社会保険庁の職員給与・手当てなどは
圧縮されつつあるが、経費の増加は
これを上回り、 「業務取扱費」は
年々増加している。
厚生労働省本省関連
経費では、年々超過
勤務手当てが増加して
いる。
社会保険庁関連コスト
各法人のディスクローズ資料によれば、2003年度、少なくとも
500億円以上の補助金・施設整備費が流れており、また、
少なくとも役員36人が天下っている。
第一に、日本では、社会保障費負担の増大が問題視
されている。しかし、米国でも国家予算の少なくない部分を
社会保障費に割いているし、諸外国に比べると日本の
租税負担率は低い。
社会保障関係費が高いことが本当に問題で、これ以上の
国民負担はできないのか。この点を整理して議論を
再スタートしなければ、どんな制度設計をしても国民の
合意は得られない。
第二に、社会保障関係費とひと括りにされているが、
予算上の動きは分野によって大きく異なる。年金給付費は
年々増加しているが、医療給付費は少なくとも過去3年間
ほとんど頭打ちである。
福祉関連予算も、「三位一体の改革」で地方の自主性を
重んじるといえば聞こえは良いが、地方に移譲され、
現場の政策に大きな地域格差が生じている。
第三に、国民に給付されるべきコストについては厳しい
予算編成がなされているが、官僚およびその周辺
(補助金、委託費の受領先)にかかわる予算については、
まだまだ甘い。
国家公務員給与など判り易い費目は削減されているが、
日常業務に掛かる経費については削減されていない。
こういった費用の中には天下り組織から更に外部へ
「丸投げ」されているものもある。
国の予算は基本的に単年度消化主義だが、中期或いは
長期の費用対効果を検討し公表すること、補助金を
付けている所には天下りしないこと、逆に天下りするので
あれば補助金を付けないこと、と検討すべきである。