富士フイルムグル ープの CSRビジョン 持続可能な発展 富士フイルムグループを取り巻く市場環境は大きく変化しています。 現在を富士フイルムグループの「第二の創業期」と位置付け、この変化に臨んで一層、 お客様の 様の 満足と 足と信頼の 維持向上 企業と社会、地球環境の持続性を考えて企業活動に取り組んでいきます。 企業理念 富 士 フ イ ル ム グ ル ー プ の C S R ビ ジ ョ ン 新た 新たな 価値創造 創造 高い 製品品 品質 高 高い 環境品 境品質 わたしたちは、 先進・独自の技術をもって、最高品質の商品やサービスを提供する事により、 社会の文化・科学・技術・産業の発展、健康増進、環境保持に貢献し、 人々のクォリティ オブ ライフ のさらなる向上に寄与します。 オープン フェア クリア ビジョン オープン、フェア、クリアな企業風土と先進・独自の技術の下、 勇気ある挑戦により、新たな商品を開発し、 新たな価値を創造するリーディングカンパニーであり続ける。 富士 動 フイルム グル ープの企業活 富士フイルムグループ企業行動憲章 企業は、公正な競争を通じて利潤を追求すると同時に、広く社会にとって有用な存在でなければならない。そのため富士フ イルムグループは、次の7原則に基づき、国の内外を問わず、事業活動の展開にあたっては、人権を尊重し、すべての法律、 「社会にとって有用な存在であり続けるために」 国際ルールを遵守し、またその精神を尊重するとともに社会的良識をもって、持続的発展に向けて自主的に行動する。 富士写真フイルム㈱ ① 社会的に有用な財、サービスを安全性に十分配慮して開発、提供し、お客様の満足と信頼を獲得する。 ② 公正、透明、自由な競争ならびに適正な取引を行う。 ③ お客様、地域の方々、株主など社会の様々な方とのコミュニケーションを行い、企業情報を適切かつ公正に開示する。 ④ 環境問題への取り組みは企業の社会的存在と活動に必須の要件であることを認識し、自主的、積極的に行動する。 ⑤ 「良き企業市民」として地域の文化や慣習を正しく理解し敬意を払うと共に、地域発展への貢献をはじめ積極的に社会貢献 活動を行う。 ⑥ 社員一人ひとりの能力開発に努め、社員が安全で働きやすい環境を確保するとともに、社員の多様性、人格、個性を尊重する。 ⑦ 市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは決して関わりを持たず、また、これらから圧力を受けた 場合は毅然とした対応をとる。 執行役員 CSR推進管掌 内山 敬幸 「第二の創業期」にあたって 富士フイルムは、写真文化の発展とともに、企業活動を通 新たに制定したビジョンは、写真感光材料の範畴を大きく じて人々の生活を豊かにするために貢献したいと常に考え続 超えていくための、すべての従業員が自信と勇気をもって変 けてきました。しかし、ここ数年、カラーフィルムの需要の 革にチャレンジしていくことを目指す姿を表しています。 落ち込みなど、市場環境は激しく変化しています。この変化 企業の活動の一つひとつが、社会や地球環境に与える影響 を真正面から受け止め、2006年4月に新たな企業理念・ビ は大変大きいものです。大きく変革を求めるプロセスの中で、 ジョンを制定し、従来にも増してステークホルダーの皆様の 社会とともに成長していくために明確な目標を定め、従業員 ご期待に応える企業となることを目指しています。 一人ひとりが企業活動の意味を考えて行動していくことが最 新企業理念は、先進・独自技術によって新たな価値を創造 経営トップは、本憲章の精神の実現が自らの役割であることを認識し、率先垂範の上、社内・グループ企業に徹底するとと オープン、フェア、クリアな 企業風土による新たな価値創造を も重要であると考えています。 し、最高品質の商品・サービスを提供し続けることで、文 富士フイルムグループでは、7つの原則による「富士フイ もに、取引先に対して周知させる。また、社内外の声を常時把握し、実効ある社内体制の整備を行うとともに、高い倫理観の 化・科学・技術・産業の発展、更に世界中の人々の健康や地 ルムグループ企業行動憲章」を定め、企業活動の礎としてい 涵養に努める。 球環境の保持に貢献し、人々が物質面だけではなく精神面の ます。企業理念を実現するためには、“オープン、フェア、 豊かさを感じながら人生を過ごしていける持続可能な社会の クリアな企業風土”に基づいて、従業員一人ひとりがステー 実現に寄与するという信念を込めています。 クホルダーの皆様と共通した認識を持ち、日常業務を遂行す 本憲章に反するような事態が発生したときには、経営トップ自らが問題解決にあたる姿勢を内外に明らかにし、原因究明、 再発防止に努める。また、社会への迅速かつ的確な情報公開と説明責任を遂行し、自らを含めて厳正な処分を行う。 ることが必要です。私たちはこれからも新たな価値を創造し、 社会から信頼される企業であり続けたいと考えています。 16 FUJIFILM Group Sustainability Report 2006 FUJIFILM Group Sustainability Report 2006 17 ステークホルダー とのかかわり ■ 従業員 富士フイルムグループがCSRを推進して いく上で、従業員は中心的な役割を担う ステークホルダーです。創業以来、従業 員に根付いている「環境配慮・環境保全」 「お客様満足と信頼」 「顧客志向の精神」を 基礎力とし、より深化したCSRの意識の 醸成と浸透に努め、CSR活動を進めてい きます。 企業は、さまざまなステークホルダーと関わりなが ら活動を行っています。 <対話の手段> ・人事部の窓口や人事部面談 ・自己成長計画と育成面談 ・コンプライアンス相談窓口 ・セクハラホットライン ・労働組合と会社の定例会 ・社会・環境レポート読者意見交換会 ・ステークホルダー・ダイアログ CSRの基本は、企業が自らが抱える課題と社会が 抱える課題を同じ視点で捉え、社会との調和を図り ながら解決に努め、成長していくことであると考え ています。 16ページ (富士フイルムの考えるCSRとは? ) ■ お客様 ■ 将来世代 企業価値を正しくご理解いただくことを 常に意識し、国内、海外に向けたIR情報 のタイムリーな開示に努めています。 2006年は、富士フイルムの情報開示に おける基本方針姿勢や基準などを明文化 した「IR情報開示方針」を策定しました。 また、個人投資家の方々に向けたホーム ページも新たに開設しました。 お客様のご意見・ご要望を製品やサービ ス、そして企業活動へと反映する活動は、 メーカーとしての最重要課題です。顧客 志向を経営の基本とし、新規事業の創出、 環境配慮製品、製品による社会貢献、写 真文化を守る活動など、製品・サービス の創造を通じて、より価値ある社会の形 成に貢献していきます。 未来社会を担う将来世代に向けた教育活 動も、企業の社会的責任の一つであると 考えています。写真分野の技術を生かし た教育や環境教育には特に力を注いで進 めています。NGO・NPO、学校、業界 団体などと協力しながら、将来世代の豊 かな感性の醸成と健全な精神の育成のお 手伝いをしています。 <対話の手段> ・IR室(お問い合わせ窓口) ・投資家向け説明会や投資家訪問 ・株主総会 ・IR情報のウェブサイト <対話の手段> ・お客様コミュニケーションセンター (お問い合わせ窓口) ・技術サポートセンター ・修理サービスセンター ・ユーザビリティ評価会や製品開発のご相 談、ユーザーレポート作成など ・フォトコンテスト、写真展、写真教室 ・イベント、展示会、セミナーなど <対話の手段> ・学校の授業への講師派遣 ・学校で開催されるイベントへの参加 ・課外授業などでの工場見学 ・NGOと協働した環境教育活動 ■ コミュニティ(地域社会) ■ 調達先 企業活動、特に生産活動を行う事業所に おいては、地域共生と環境保全は、社会 的責任の重要な要素と考えています。継 続的な対話や情報開示の機会を設け、地 域社会とのコミュニケーションを推進し ています。より豊かな地域社会を目指し、 環境、地域美化、教育などの分野におい て、地域と密着した活動を進めています。 調達先は、富士フイルムグループが安全 で環境に配慮した製品を継続的に提供す るための重要なパートナーです。資源保 護・環境保全・法令遵守に則り、調達先 の皆様と相互理解のために継続的なコミ ュニケーションを図り、公平な調達活動 を行っています。 <対話の手段> ・各工場の窓口(お問い合わせ窓口) ・環境対話集会 ・工場見学 ・地域でのボランティア活動 ・地域での講演会や説明会 ・自治体(市役所や市長、自治会長など) との定期的な協議 <対話の手段> ・資材部(お問い合わせ窓口) ・環境・品質マネジメント部(お問い合わ せ窓口) ・調達先向けの説明会(グリーン調達、含 有化学物質管理) ・調達先との定期的な協議 ・資材調達のウェブサイト ・ステークホルダー・ダイアログ ■ NGO・NPO ■ お取引先 創立以来「環境保全は経営の根幹をなす」 という考えの基、1983年に日本で初め て自然保護をテーマにした「公益信託 富士 フイルム グリーン・ファンド」を設立し、 助成を継続しています。その他にも、環境 保全や教育活動に取り組むNGO・NPOへ の支援活動を継続的に行っています。 写真・印刷・医療など各分野で、販売店 へ製品を供給しています。また液晶ディ スプレイなどの分野では、材料をメーカ ーに供給しています。お取引先は、新し い価値創造を社会に提案していく上で、 重要なパートナーであり、協働と支援の 両面で製品開発を行っています。 <対話の手段> ・総務部(お問い合わせ窓口) ・CSR推進部(お問い合わせ窓口) ・公益信託 富士フイルム・グリーンファンド 事務局 ・ステークホルダー・ダイアログ <対話の手段> ・販売会社、営業・販売部門(お問い合わ せ窓口) ・お取引先との定期的な協議 ・製品、材料開発時のご相談や共同開発 ・各種展示会、イベント、学会への参加 ・ステークホルダー・ダイアログ 株主・投資家 業界団体 行 政 ■ 株主・投資家 ビジネス パートナー 従業員 お客様 (大学・医師など) 富士フイルムグループ お取引先 将来世代 市場 Market 調達先 コミュニティ 地域社会・国際社会 Society (地域社会) NGO・NPO 環境 Environment 18 FUJIFILM Group Sustainability Report 2006 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の か か わ り FUJIFILM Group Sustainability Report 2006 19 ステークホルダー・ダイアログ 2006年7月21、22日の2日間、国内の各分野で活躍されている7名の有識者をお招きし、富士フイル ム各部門及びグループ会社の参加者15名とのステークホルダー・ダイアログを開催しました。昨年の アライアンスを組んで関わっていかなければなりません。 ご参加いただいたステークホルダー 現状では打開できない問題を、どこにどう働きかけていけば良いのかを、アライアンスとい (50音順) う観点から考えることが必要ではないでしょうか。 ステークホルダー・ダイアログでいただいた課題も踏まえ、新たな成長戦略を積極的に進める富士フイ ルムグループにおいて、今後ますます重要となるテーマである「事業の成長と環境負荷の抑制」、「CSR 調達」、「人的多様性」について、活発な意見交換が行われました。ダイアログを通じて、富士フイルム グループの参加者全員が今回テーマとした課題の重要性と、更なる取り組みの必要性を再認識しました。 のアライアンスが必要ではないかという考え方に、参加者は共感を得ました。 <日頃からの信頼感が重要> http://eco.goo.ne.jp/business/event/fujifilm2006/(環境goo) ㈱大和総研 ス テ ー ク ホ ル ダ ー ・ ダ イ ア ロ グ 経営戦略研究所 主任研究員 河口 真理子 氏 安全であることと安心であることは違います。 企業が「CSR調達を行っています。この製品は安全です」と言っても、ステークホルダーか 発言内容などの詳細は下記URLをご参照ください。 Web → CSRの目的に合致した原材料などは、“多少高額であっても買いましょう”という購買者側 パブリック・リソース・センター らの信頼を得られなければ意味がありません。ステークホルダーが求めているのは証明書では 事務局長 なく、“この会社なら安心”という信頼感です。 岸本 幸子 氏 → ステークホルダーとの接し方も考慮すべき。そのためには、NGO/NPOとの協働も選択肢 の一つであるというご提案をいただきました。参加者はステークホルダーからの信頼を得る ために、さまざまな角度から施策を進めることが必要であることを認識しました。 松下電器産業㈱ 社会文化グループ グループマネージャー(理事) 小西 ゆかり 氏 ▼ 第3セッション 「人的多様性への取り組み」 経済産業省 貿易経済協力局 特殊関税等調査室長 富士フイルムグループの従業員構成や人事方針、これからの取り組み課題の説明の後、意見 藤井 敏彦 氏 交換が行われました。 → 人的多様性に取り組む目的・方針を明確にすること、女性の定着率を高め登用を進めるため には、男性の意識や働き方も変えていく必要があること、また、本気で障害者雇用を推進し ていくために、職場環境を変えていくことの重要性などについて提言をいただき、参加者は、 この課題への取り組みを更に前向きに進めることの必要性を再認識しました。 丸紅㈱ 広報部 副部長 CSR室長 本田 勉 氏 ㈱イースクエア 取締役副社長 本木 啓生 氏 キリンビール㈱ CSR・コミュニケーション本部 社会コミュニケーショングループ 社会環境室 室長 第1日 ステークホルダー・ダイアログをスタートするにあたって、ステー クホルダーの皆様に、富士フイルムグループ「第二の創業期」におけ → ステークホルダーとのコミュニケーションを充実させるためにも、 で開催している「環境フォーラム」などで、グループ内の情報の いては、12∼14ページをご覧ください) 。 共有化とベストプラクティスの水平展開など、グループとしての 第2日 今回のダイアログでは終日、熱心な意見交換が行われましたが、特 [ファシリテーター] 川北 秀人 氏 進研究所」を見学していただきました(富士フイルム先進研究所につ のCSRへの取り組みについてのご報告をしました。 山村 宜之 氏 IIHOE(人と組織と地球のための 国際研究所)代表 積極的に事例の開示を進めます。また、富士フイルムグループ内 事業概要、中期経営計画「VISION75(2006)」の概要、2006年度 フリップディスカッション形式で意見交換が進められました が、そのような取り組みが十分開示されていないとのご指摘がありました。 る、新規事業・新製品創出のエンジンの役割を担う「富士フイルム先 その後に、富士フイルムの執行役員 CSR推進管掌 内山 敬幸から、 アライアンスも強化していきます。 ▼ 第2セッション 「CSR調達への取り組み」 海外の原材料調達先について、階層ごとの調査事例が紹介されまし た。調査の階層が深くなればなるほど、調査対象が多岐にわたり、調 <まとめ> ダイアログのまとめとして、富士フイルムの各部門からの参加者は、「これからの自分 の重点項目」を発表しました。またステークホルダーの皆様からは、人類の持続可能な 発展、日本の社会をどうしたいのか、ステークホルダー・エンゲージメント、従業員の [富士フイルムグループからの出席者] 個性の“見える化”などの観点から、アドバイスをいただきました。また、富士フイル 執行役員 CSR推進管掌 内山 敬幸 ムに密着したステークホルダー・ダイアログの在り方についての提言もいただきました。 経営企画本部 第一部 担当課長 垂水 泰介 富士フイルムのCSR推進部長 山手 一容は、 「精神だけではなく仕組みをしっかり作り、 広報部 担当課長 吉澤 ちさと 従業員一人ひとりに浸透させていく」ことをコミットし、執行役員 CSR推進管掌 内山 人事部 担当課長 宮田 亮 敬幸は、「富士フイルムと、更には国家レベルの成長と環境負荷の調和を、現実の経営課 総務部 担当課長 船木 照夫 題として取り組んでいく」ことをコミットしました。 次のステップへの課題 フラットパネルディスプレイ材料事業部 担当課長 倉橋 功二 資材部 担当部長 長濱 和彰 に第2セッション「CSR調達への取り組み」では活発な意見交換が繰 査も困難を極めてきます。 り広げられました。ここでは、第2セッションでの意見交換の内容を → あらゆる階層にわたる調査が困難な状況下では、どの階層まで遡って ステークホルダー・ダイアログの閉会にあたり、今回のダイアログをリードしていた 調査を行った上で調達をするか、オーソライズされた正解はなく、そ だいた、ファシリテーターの川北 秀人氏から、次のステップに進む目標として、4つの れぞれの購買者が、遡って調査を行う階層と調達に関するルールを各 課題をいただきました。富士フイルムはこの課題の達成に向けて、更なるCSRの推進に 富士ゼロックス㈱ CSR部 グループ長 秋山 裕之 自で定め、そのルールを守っていくことで、CSR調達を進歩させてい 取り組んでいきます。 富士ゼロックス㈱ CSR部 グループ長 古瀬 裕昭 ① 人的多様性やCSR調達についての明確なコミットメント フジノン㈱ 品質・環境管理部長 藍原 和光 ② CSR調達や環境施策についての積極的なアライアンスの実施 CSR推進部長 山手 一容 ③ 男性の育児休暇取得者の紹介、家庭と仕事の両立を支援する制度の取得にインセンティブ CSR推進部 環境・品質マネジメント部長 末松 浩一 中心にご報告します。 ▼ 第1セッション 「事業の成長と環境負荷の抑制への取り組み」 急成長している液晶ディスプレイ用材料の生産と、それに伴う環境負荷 などをテーマの一つとしてダイアログを展開しました。ステークホルダー の方からは、大きな環境負荷削減を実現した他社事例の紹介がありました。 また、富士フイルムグループでは、GHG(Green House Gases : 地球温 20 暖化ガス)の削減やさまざまな省エネ施策を推進していることは分かった ダイアログでコメントする 執行役員 CSR推進管掌 内山 敬幸 FUJIFILM Group Sustainability Report 2006 くことができるということを認識しました。 購買者が自社単独で動いた方が良い場合と、同じ原材料を購買する他 社とアライアンスを組んで対応した方が有効な場合がある。 CSR調達を進める上で、自社だけの力ではできないことがあります。 R&D統括本部 先端コア技術研究所 副所長 五十嵐 明 神奈川工場 事務部長 服部 徹 富士フイルム労働組合 副中央執行委員長 高橋 早苗 を与えるなど、可視化されたボトムアップ策の実施( “見える化” ) ④ 階層別(コーポレート・カンパニー・ディビジョン)の重点目標の明確化 法律の改正などにあたっても、もっと企業が業界・業種の壁を越えた FUJIFILM Group Sustainability Report 2006 21 2005年度の 活動概要と自己評価 自己評価 課題の位置付け ★ 努力が必要 ○ グループ全体で推進 ★★ あと一歩で成果につながる ● 各部門で推進 2 0 0 5 年 度 の 活 動 概 要 と 自 己 評 価 ★★★ 成果を上げた 2005年度の活動概要 2005年度の活動(注力した取り組み) 2006年10月1日からの持株会社制への移行を受け、新たなグループ経営に移 自己評価 今後の重要課題 課題の 位置付け 行していきます。これに伴い、2005年度は、連結経営の一層の強化を進める活動 CSR経営 を各方面で展開しました。 「写真文化を守る」活動も創立以来続けています。( 8ページ )写真文化を 守ることは富士フイルムグループの使命であり、社会貢献にもつながると考えてい ます。製品・サービスによる貢献のみならず、写真分野の技術を活用した将来世代 への教育活動も継続して続けています。 フラットパネルディスプレイ用材料などの成長分野については、工場増設や生産 C S R 経 営 ・持株会社制への移行(グループ経営のガバナンス強化) ・本社部門・営業部門・グループ会社が、環境と品質のマネジ メントシステムを同時に取得 ・「社員行動規範」のグループでの一本化 ・各種マネジメントシステムの活用 ・CSRチェックシートを用いた現状分析 ・グループを含めた全従業員へのコンプライアンス教育 ★★★ ○ ・ステークホルダー・ダイアログで抽出した課題の推進 (事業の成長と環境負荷のバランス、CSR調達、人的多様性に ついてどのように進め、いかに積極的に取り組んでいくか) ・個人情報保護法への対応、情報セキュリティの推進 60ページ )の重点実施事項で掲げる「環境 ・コンプライアンス推進活動 ・個人情報管理、情報セキュリティの強化 ・コンプライアンス意識調査の実施 量増大などを受け、環境負荷への影響が懸念されますが、環境方針「富士フイルム グループ グリーン・ポリシー」( ・新しい企業理念、ビジョンの制定 P.24∼33 ・ステークホルダー・ダイアログの開催 お客様とのかかわり ・国内グループ会社窓口業務のお客様対応の強化 ・お客様への情報提供の強化と拡充 ・情報活用グループの発足(情報を活用する仕組みづくり) ・グループを含めた幅広い事業分野において、お客様対応 レベルの均質化 効率の向上」を目指し、天然ガスへの燃料転換を始めとした各施策を積極的に進め ました。また、事業内容の変化や法規制などの社会の動向を踏まえて、2006年 4月に重点実施事項を改訂しました。( 61ページ )成長分野の持続的発展と新 規事業育成のために、過去2年間で1兆円以上の多額の投資を実施するとともに、 ・ISO10002の自己適合宣言に向けた活動(国内BtoC分野) 環境施策のための投資も増加しています。 ・製品の安全管理 2006年は、市場や社会の変化に対応し、社会に必要とされる企業を目指し、 新しい企業理念、ビジョンを制定し( ★★ P.36∼42 ・製品を通じた社会貢献(医療機器、内視鏡など) 調達先とのかかわり ・輸入管理体制の強化 ○ ・ISO10002の自己適合宣言の達成(国内BtoC分野) ・製品の環境・安全情報の提供 、新たな富士フイルムがス 16ページ ) ・情報を活用する仕組みの運用と改善 タートしました。人々の暮らし、社会に新しい価値を提供するために、R&D の中核基地として2006年4月に「富士フイルム先進研究所」も開所しました。 ( ・電子購買システムSPIRITSの全事業所展開 12ページ ) CSR経営の面では、富士フイルムグループの全従業員に対するCSRの意識の浸 透を着実に進めました。コンプライアンスの社内教育の対象範囲の拡大、従業員意 識の継続的なモニタリング、コンプライアンス事例集も適宜改善を図っています。 環境マネジメントシステム(EMS)と品質マネジメントシステム(QMS)を統合 社 会 性 報 告 ・調達先説明会の実施(含有化学物質管理) 株主・投資家とのかかわり ・IR情報開示方針の策定 ・海外投資家向けのコミュニケーション強化 ュリティの強化や個人情報保護法への対応も2005年度に注力した活動として挙げ P.46∼47 従業員とのかかわり ・仕事と家庭の両立支援 ・高年齢化社会への対応(再雇用制度見直し、高度技能伝承) ジメントシステム)を取り入れる方向で全社的に進めています。調達面では、電子 「含有化学物質管理」も前年度に引き続き精力的に進めています。原料パルプの調 査や製品・建物に含まれるアスベスト調査の実施も2005年度の特徴的な取り組み と言えます。また、医療分野の製品開発を通じた社会貢献( 取り組みを進めています。( 62ページ )特に環境効率の向上に今後一層取り組 みます。各種法規制への対応は、2005年度も徹底した対応を進めました。地域と の環境対話集会、環境フォーラム( 見交換会( ・人事情報システムデータベース構築とグループへの拡大 ・将来世代に向けた環境教育 ・社会貢献の方針の検討 ★ P.53∼57 ・従業員のボランティアマインドの育成 環境 ・環境方針「富士フイルムグループ グリーン・ポリシー」重点 実施事項の改訂と推進 ・環境方針「富士フイルムグループ グリーン・ポリシー」で掲 げる目標の達成 環 境 報 告 ・各種法規制対応の徹底に向けた取り組み ・社内、グループ内の社会・環境レポート読者意見交換会の開催 ● ● ● ・本業を通じた社会貢献 ・海外グループ会社による社会貢献活動 ・各種法規制対応の徹底に向けた取り組み ★★★ ・社内、社外のステークホルダーとのコミュニケーション ○ ・地域との環境対話集会の開催 、社会・環境レポートの読者意 64ページ ) 、社内・グループ内での交流会など、社内外のステーク 96ページ ) ★★ 社会貢献活動 ・本業を通じた社会貢献 ○ ・グループ間の適切かつ効果的な人材活用と人材交流 P.48∼52 提供を各分野で進めました。 環境面では、グリーン・ポリシーに掲げる重点実施事項9項目において、着実な ・個人投資家向けのコミュニケーション強化 ・従業員一人ひとりのパワーアップと活性化の推進 40ページ )も注 ステークホルダーが必要とする情報の積極的な開示、タイムリーかつ分かりやすい ★★ ・「自己成長計画/育成面談制度」及び「選択受講型研修」の導入 (将来世代・地域社会・NGO/NPO) 力している取り組みのひとつです。製品情報、IR情報、製品の環境・安全情報など、 ・含有化学物質管理の徹底と運用 ・紙材料の調達基準の制定 ・個人投資家向けサイトの開設 購買システムSPIRITSを全事業所展開し、また、調達先の皆様とともに進める ・グループ全体で統一した視点で進める購買活動 ・原料パルプの調査を実施 したマネジメントシステム(IMS)認証取得の準備も進めました。また、情報セキ 社会性の面では、お客様からの信頼向上を目指し、ISO10002(苦情対応マネ ★★★ P.43∼45 ・国内、海外同時のタイムリーな情報提供 られます。 ・グループ共通のCSR調達方針の策定 P.58∼89 ・環境フォーラムを開催(グループ内の環境配慮技術の共有) ホルダーに向けたコミュニケーション活動を積極的に進めました。 22 FUJIFILM Group Sustainability Report 2006 FUJIFILM Group Sustainability Report 2006 23
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