[研究目的]

4.小児膠原病における白血球および血小板
産生アラキドン酸代謝物の役割
を ぎ
雄平
澄雄
崎崎
宮浜
研究協力者
共同研究者
1はじめとすう5−lip碑y genase代謝物およびPG
〔研究目的〕
E2,PGD2,PGF2αの重要なソースであり5),
.膠原病,とりわ・けSLEでは,T−cell,B−cell
’血小板は12−HETE(121ipoxy genaもe代謝物)
の機能異常がある ことがよく知られている。SLE
およびトマンボキサンA2(TXA2)の主なソース
の活動期には免疫グロブリンの産生は著明に増加
1である』6)。今回我々は,主に好中球と血小板由来
しており,IgG分泌細胞数と疾患の活動性の間
のAA代謝物をRadio immuno assay(RIA)およ
には強い相関があるといわれる1)。B−cel1機能は,
びRadio metric assay(RMA)を使用して測定す
T−cellの調節をうけるので,B−cellの機能充’
’進には当然丁一cel1の異常も考えられる%近年1』
・る;とにより,SLE,JRAにおけるAA代謝物
1の役割の評価を試みることを目的とした。
T,B−cell機能を調節する因子のひとつとし七,
〔方 法〕
アラキドン酸(AA)代謝物が注目されてきた。
AA cyclooxy genase代謝物のうちプロスタグラ
対象:
SLE2名(うち1名ステロイド使用中),JRA
の機能を抑制し,サプレッサーT−cell機能を充, 3名(うち2名アスピリン;ASA使用中)。コン
ンディンE2(PGE2),PGD2はヘルパーT−cell
ト・一ルとして,健康成人より採取した静脈血を
進させることが報告されている融。また,AA li−
poxi genase代謝物のひとつ・イコトリエンB4
:もちいた。
(LTB4)、もサプレッサーT−cell機能を充進させ
好中球および血小板の分離(図1):
るといわれている1%AA代謝の二つの代謝系(h−
3,8%クエン酸Na加静脈血(1:9)を室温で
poxygenaseおよびcyclooxygenase)共に多く
・10分間(700r.p,m.)遠沈し,.上清(platelet riCh
の強力な生理活性物質を産生するが,これら活性
:pla5mal FRP)より350μ」を分取,,血小板塑里副
物質は,時には相反し,ある場合には協力的に働
1定,コラーゲンによる凝集能め検査のために使用
きながら,生体防御機構の調節に何らかの役割を
iした。残りのPRPは77mMEDTAを9:1と
はたしている.ことはまちがいないと思われる。し.
1なるように加えたのち4℃へ冷却し,1700×Gで
かし,SLE等免疫異常をきたす疾患においては,
i30分間遠沈した。遠沈後の上清(platelet poor
.ステ目イド,および非ステ・イド系抗炎症剤を使
iPlas皿al PPP)は6keto−PGF、α測定用の検体と
用する事が多く,これらの薬剤の2次的な影響も
:して一20℃で凍結保存した。血小板pelletはED
、考慮する必要があるため,詳細なメカニズムの解
I TA加tris−buffered saline(pH7.4)で洗浄し,
1再度1700×G30分間遠沈し上清をすて,洗浄血小
明はすすんでいない。
ところで,生体のほとんどの細胞・臓器はAA
1板とし,12−HETE産生能測定のため一70℃で凍
・代謝系を有するが,そのうち好中球はLTB・を
1結保存した。
PRP分取後の下層(血球層)には6%Dextran
…salineを1:5になるように加えてゆっくりと撹
*佐賀医科大学小児科学教室
・一
5一
P鮒0,5×107/m1・凹E凹
[
tokeb且OOd (blood=5。8器sOd量㎝c旦trote/9=1〕
↓
じ ぴドロ ロヒア ゆハめドユサ ロヒドロロのヱのワ
14C−orGchldonlcocld(0,25りC1)
supern。t痴(PR誤sed鞭nt
Cq−10nOphore(10−5凹》
→臨1幡 謡6驚de脚{5謬L》
・A23187
1
}冒守、糊松, 1
而x qm』stond
for I hour
ot rO㎝ t㎝e悶ture
↓ tokes叩ernOtGπt
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↓
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trqnsfer medium
↓ 1(40s㏄)
こ ロヒほずロリロヒレゆヨ ロロ サユぜひらユドロじヨ
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extroct twlce 一:th・3ml ethylocet(】te
peHe【 dl§器rd■重鵬nt馴轡旦n
evoPorqte under N2 streom
I
OPPly on TLC
(ch10rOfOrm3methqnohAA/90:5;D
唖
図2 Radiometrioassay(RMA}法による
図1好中球及び血小板の分離法
白血球産生プロスタグランディンD2,
E2,F%およびロイコトリエンB4の測
定
搾した・室温で20∼30分間静置したのち,白血球・
含有層(buffycoat)をとり遠沈し上清を捨て,赤
血球を破壊,とりのぞく目的で0.2%Nαcl(51
cpmを測定し産生量をもとめた。測定は必ず正
m⑰)を加えて40秒間振藍,すぐに0,16%Naclを
常コント・一ルと同時におこない,正常人の産生
加えた。再び200x Gで10分間遠沈し上清を捨て,
を100%として産生量を表現した。
沈澱した好中球に6誠の30mMHEPES加・・ン
血小板産生12−HETEのRMA(図3):
クス(pH7.4)液を加え,あらかじめ比重1.077
一70℃に保存された洗浄血小板を0.5×109/mΩ
に調節したフィコールハイパーク3m旦へ重層,200
になるように25mM trisbuffer(pH7.4)にsus−
・x Gで30分間遠沈し,沈澱した好中球を分取した。
一旦2㎜旦のPBSにsuspensio耳し計数後0.5×107
pensionし,5秒間3回sonicateしたのち,105
×Gで60分間遠沈した・上清(cytoso1)0.9mΩに
/戯になるようにminimal essential medium(ME
14C一(】rOchldOn盛c ocld (O,125りCI/5”1》
[
M)に再度suspensionして実験にもちいた。
10−reducedformglutothione(o、lmD
好中球産生PGsおよびLTB4のRMA
cytosol(0,9mD .
i
監ncubot ion ot 37。C
for5min
(図2);
1m旦のMEM中・に0.5x107の好中球をsuspen−
reGct童on wos stoPped by odd重ng
13μl of IN HCl
sionしたものを,5%CO2+95%air中137℃で
↓
培養し,14c−AA(o.25μCi)を加えると同時に
extrocted with 2,5ml ethylocetote
Caionophore A23/87(10』5M)で15分間刺激し
↓ t脚1ce
たQ刺激後の上清を試験管に移し,IN HClでpH
↓T(res。lve四1thO・15mlmethonoD
evoPorote under N2 streom
を3.0とし,酢酸エチルで2度抽出した。抽出液
OPPlyonTLC
so lvent .
l
(ch且OrOfOrm=methonO1=AA/90=52D
は一旦N2ガス下に乾固し少量のメタノールで溶
解したのち,シリカゲル・プレート上に標準品と
rodloqutogrqphy
共に展開し(solventl chlorofom:MeOH:AA/
90:5:1),標準品に一致したradioactiveなパ
図3 Radiometricas$ay(RMA)法による
血小板産生12−HETEの測定
ンドをシンチレーションバイアル中にけずりとり,
d−
6一
0。1m旦の10mM還元型グルタチオンおよび14C−
0.1醜,Assay buffer O.1m£を加えて,2時問イ
AA (o.125μci)を加えて37℃で5分間インキュ
ンキュベーションし,遊離の沮一TXB2をチャコ
ベーションしたのち13μ旦のINHCLを加えて
ールで吸着分離し上清を声ウントした。
反応を停止,酢酸エチルで2度抽出した。一旦N2
ガス下に乾固したのち,少量のメタノールで溶解
6keto−PGF1¢のRIA=
既述の方法に準じた、わ。・測定サンプルはPPP
し標準品といっしょにシリカゲル・プレート上に
O.5mΩより酢酸エチルで抽出し,最終的にAssay
展開した(solvent;chloroforml methanol:酢酸/
bUfferに溶解した。Assay systemはTXB2とほ
90:5:1)。標準品に一致したradioactiveなパン
ぼ同様であるが,抗6keto−PGRα(10.000cpm)
ド(14C−12HETE)をけずりとり,cpmをカウ
を使用しだ。
ントしcytosolの蛋白量で補正し,産生量とした
薬品:
(蛋白量の測庫にはLowry法を使用した)。
溶媒とその他の薬品は市販の特級品を用い,
血小板凝集能測定:
3H−TXB2はNew England Nucleaτより,3H−
測定には京都第一科学製血小板凝集計(PA
6keto−PGFIαおよび14C−Arachido皿icacidは
3210)をもちいたQ250超のPRPに,凝集惹起
物質として50倍希釈コラーゲン液50μ皿を加えた。
Amershamより購入した。抗6keto−PGF1αウ
サギ血清および抗TXB,ウサギ血清はDr.Tai
血小板凝集能は,最大凝集(%)と最大凝集まで
より恵与された。
の時間(min)とで検討した。凝集後のPRPはた
〔結.果〕
だちに一20℃へ冷却し,TXB2RIA用の検体と・
したo
好中球産生PGsおよびLTB4:
TXB2のRIA=
コント・一ルの産生量を100%ヶして比較した。
既述の方法に従っておこなったD。簡単に述べ
SLE患児では,図4に示すごとく,PGD2, P
ると,検体(PRP)をpH3.0へ酸性化し,酢酸
、エチルで2度抽出したのち一旦乾固し,Assay
GE2,PGF2α共にステロイド治療中患児で117,
b㎡fer(0.9%Nac1およびq4%bovinerglobu−
児で85,35,81%と低値を示した。JRA患児に
1in含有50mMsodium phosphate’buffer,pH7.4)
おいてアスピリン(acetyl salitylic acid;ASA〉投
に溶解して測定サンプルとした。サソプルもしく
与児はPGD2,PGE2,PGF亟共コント・一ル
139,171%と高値を示し,逆にステロイド非投与
は標準液0.1m旦に,抗TXB2ウサギ血清0.1m旦
よりも低値を示し,ASA非投与児ではPGE2が
(最終希釈1120。000x),3H−丁琴B2(10・000cpm)
1168%と高値を示した以外はコント目一ルと差が
図4 RMA法によ’る一白血球産生
㎜
PGD2。E2,F%
o )
σ●●
ωF
も召
O
舅>
oっ
一
一一
一
㊤ユ
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舅︾
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」37一
いO
−
は使用していない。
筐
●
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︵k︶ m ポ
㎜
一
■O ●
テロイド,及び非ステロイド系抗炎症剤
一
アスピリンの投与中。open circleはス
一
〇
している。SLEのclosed circleはプ
レドニンを,JRAのclosed circleは
● 一〇
こないコントロールを100%として表現
︵駅︶ −.N∩
測定はコントロールの検体とペァでお
なかった。
LTB4に関しては,図5に示すごとく,SLE
でステロイド使用,非使用にかかわらずコントロ
ールの35%および34.8%と極めて低い値を示した。
.JRAにおいてもASA投与者で32%,24%と低値
ールと差がなかった。
%とした時SLEで91%(ステロイド投与)・およ
oα
一一
”“
卿O
図6に示すごとく,産生量はコントロールを100
1
”、
血小板産生12−HE1’E=
ざ一
であった。ただし,ASA非投与児ではコントロ
(
駅
)
一
ロ
一
び82%(ステ巨イド非投与)とやや低値を,JRA、、
はASA投与児で72%および39%と低値を示した。
●o
血小板凝集能:
コラーゲン50倍希釈液による最大凝集率を図7
Aに示した。コントロールは1例をのぞいて100
%の凝集を示したが,SLEでは軽度の凝集抑制
がみとめられたQ JRAではASA使用児で著明
な抑制をみとめたが,ASA非使用児では抑制を
みとめなかった。
ω ‘」
「一 フコ
「『1 コ》
図5’ MAによる白血球産生LTB4
0pen,closed circleは図4と同じ。
最大凝集までの時間に関してもほぽ同様の結果
を得た(図7B)。
200
血小板産生TXB2:
図8に示すごとく,コントロール群の16.41土
9.47ng/m旦・PRP・pl105に比べて,SLEでは
0.58ng/m旦・PRP・pl105ときわめて低値を,
限界以下であったQ
PPP中6ke量←一PGF1α濃度:
図9に示すごとく,コントロール群では,1,15
U﹄■]=−製
JRAにおいてもASAの使用の有無にかかわら
ず低値を示し,特にASA投与中の患児では検量
(
膿︶
ステ巨イドの非使用・使用にかかわらず,1.49,
m
±0,08ng/m旦・PPPであったが,SLEでは0.88
および0。87㎎ノm旦とやや低値を示し,JRAでは
ASA使用児は0,71および1.44n副mΩ,ASA非
使用児では0,80㎎/m犯であった。
ては,白血球PGD2,PGE2,PGF2αの産生は
共に低値であり,治療中の患児では逆に高値を示
した。ステ・イドがphospho lipase A2の阻害物
一38一
ωF
ステロイド治療をしていないSLE患児におい
劣︶
〔考 案〕
図6 RMAによる血小板産生12−HETE
Open,closed circleは図4と同じ。
O●
OΩδ
﹂召
テ目イド潰療中の患児で高値を示した理由は明確
ωF
質を誘導する作用を有することを考慮すると,ス
O
ω
∩OZ、﹃
ω
3
名
ZO一﹂,くO国匡O㊤く
o
5
o
︵¢一∈︶]=一﹂ .
(A)最大凝集率(%) (B)最大凝集までの
(
ビ
時間を示す。Open,clos♀d circleは図4と同じ。 )
㈱
O●
図7 Col Iagen50倍希釈液による血小板の凝集 LoD
8 ω L
(B) …l F… 召
ない。JRAの3例のうち2例は,cyclooxygenase
の特異的阻害剤であるASAを服用中であり,こ
の2例に関しては,PGD2,PGE2PGF2α共に
でないが,PGD2,PGE2は共にヘルパーT−ce11
機能を抑制し,サプレッサーT−ceII機能を活
性化するとの報告があり3,1疾患の活性期にPG
ではなく,薬剤として,かなりの大量を長期間服
E2PGD2産生そのものの産生低下がおこり,回
用しても好中球内の酵素活性を完全に抑制できな
復期には産生が増加するとの可能性も否定はでき
いことカミ明らカ・となったo
産生は低下していた。しかしながら,完全な抑制
O
δ一﹂o氏18皇o
10
Nρ。×↑
O
●
O
8
冊
し召
C。1、ag,n刺激後のPRP中TXB2をRIA獺」定・ 図9
ω岳
OOZ↓
﹂召
ω岳
OOZ↓
図8 血小板産生TXB2
●
0●
O
O
QりO
20
㎜
︵・っ葦§一.f。︻\g︶
︵ ∩匡広 Hε 一.O\Oα ︶
・注o
PPP中6keto−PGF1αの濃度をRIAで測定
Open,closed circleは図4と同じ。
0pen,closedcircleは図4と同じ。
一39一
SLEでは,ステロイド治療,非治療にかかわ
ていた。TXA2のコラーゲン凝集における重要
らず,LTB、産生は極端に低い値を示した。前述r
性をうらづけるものであるQ
のごとくLTB4はサプレッサーT7cell機能を充
進させて抗体産生に対しては抑制する方向に働く
と考えられており4〉,LTB4の産生低下がB−cell’
の機能の充進に関与し.ている可能性はおおいに考
§ 文 献
1)Blase,R.M。,Grayson,」.and Steinberg,
A.L,l Increased Immunoglobulin−Secret‡ng ce−
えられる。JRAにおいてもASA投与児でLTB4
11s in the b1Qod of』patients with active Syste−
の産生は低下していた。ASAは5−lip6xygenase
mic lupus6rythematosus.Amer,」.Med。,69:
を抑制することはなく,通常はcyclooxyg6nas6
345−350, 1980.
を抑制するために,相対的に1ipoxygenaseの活
性を上昇させると考えられており,LTB4の産生
低下はASAの効果とは考えにくく,病態そのも
のに関連していると考えるのが妥当と思われるが,
この点に関しては更に症例をふやして検討する必
2)4elinek,D,F.,Thompson,P,A。and Li.
2)Jelinek,D.F.,Thompson,P,A,and Li,
psky,P.E.l Regulation of human B−cell Ac−
tivation by pros七aglandin E2.J,Clin。Invesfl
75=1339−1349, 1985.
3) Rocklin,R.E.,Thistle,L and Audera−
要がある。
C、:Decreased se草sitivity of atopic血ononu−
12−HETEは主に血小板で産生され,白血球お’
clear cells to prostaglan〔1in E2 (PGE2)and
よび血管内皮細胞に対する強力な化学遊走惹起物
prostεしglandin D2(PGD2).J.Immuno1.,135:
質であることが知られている⑳。即ち,血管炎の
発症と進行に関与した炎症のメディヰーターであ
り,TXA2と共に血管炎発症の機構に重要な役
2033−2039,1985,
4) Atlum,D。and Goo(1win,」.S.:Control
of polyclonal immunoglobulin production fr一一
〇m hum&n lymphocytes by Leukotrienes:Le−
割をはたしている可能性があるため,SLEでは
ukotriene B4induces cell from resting Human
その動向が注目される。ところがコントロールに
OKT(一)T−cells,J.Clin.Invest,,74:1444−1450,
比べて,非ステロイド投与児でも産生の増加は認
められなかった。病気の活動性のみならず,時期
にも依存することが考えられ,経過をおっての検
討が必要であると思われた。血小板産生TXB2に
1984.
5)HafstrOm,L,Palmblad,」.and et al:
Leukotriene B4−A・stereospecific stimemulation
for release of lysosomal enzymes from neu−
trophils,FEBs letters,130:146−148,1981.
関しても同様であり,SLEでは低値を示した。
6)Chang,W.C.,Nakao,J,and et a1:Ef−
PPP中の6keto−PGF1αに関しても,SLEで
fects of re(1uce(191utathione onr he 12−1ipoxyg−
はコントロールに比しやや低い値を示しているが,
enase pathwαys in rat platelets.Biochen.J.,
TXB2の産生低下の方がより著明であった。血
栓および血管炎の発生にはTXA、/PG12比の上
昇が関与するとする所謂“陰陽セオリー”とは一
202:221−376,1982.
7)浜崎雄平,市丸智浩,他:川崎病(MCLS)に
対するアセチルサリチル酸治療の再検討;とくにアラ
キドン酸代謝面より(実験の部).小児学会誌(acce.
致しない9)。しかしながら,本研究でも示された
pted).
ごとく,血小板cyclooxygenaseは白血球に比し
8) Nakao,J.,Ooyama,H。εlnd e七al:Ca1.
て容易に抑制され,病歴上は明確ではなかったが,
cium dependency of aortic sエnooth muscle ce−
何らかの抗炎症剤の服用による一過性の影響も完
11migration induced by12−L−hydroxy−5,8,10,
14−eicosa tetra enoic acid.Atherosclerosis.46:
全には否定できない。
イ
血小板凝集は,SLEでステ・イド治療の有無
にかかわらず軽度抑制,ASA治療中のJRAで
は著明な抑制をうけ,TXB2の産生量と平行し
309−319,1983.
9)Moncada,S.and Vane,」.R.:Pharma−
cology and endogenons rQles of prostaglandin
endoperoxides,thromboxane A2and prostacy−
clin』PharmacoL Rev.,30=293−331,1979.
_40_》