実態調査 2010年度「メンテナンス実態調査」速報! 日本プラントメンテナンス協会 若槻 茂 日本プラントメンテナンス協会 (JIPM) では、会員各位の多大なご協力のもと、1992 年を起点として、 「設備ユーザー におけるメンテナンス実態」 の経年変化をみることに重点をおいた調査を続行している。 本稿執筆時点では、報告書作成に至るまとめを行っている。そこで、本稿では 2010 年度 「メンテナンス実態調査」の 速報として、特徴的なところをピックアップして述べることとしたい。 なお、調査時点では当然のことながら東日本大震災の影響は考慮されていない。今後は、「危機管理ベースド」の設 備管理に全体の意識が変わってくる可能性もあるであろう。しかし、この調査結果に見える設備ユーザーの課題は、 「危 機管理ベースド」 の設備管理として再構築を考える際にも、非常に重要な手がかりとなるものと考える。 1 母集団について 「設備保全が難しくなっているか?」 2 という実感について 本年度調査の会員設備ユーザーの有効回答事 業所数は、295 であった (図表̶1) 。 業種的な割合は、装置産業・加工組立産業で、 約半分ずつである。 また、現在 TPM を実施している割合は、約 7 割であった。同図表で 「TPM あり」 としているの は、TPM を実施しているという意味である。 まず、 「保全が難しくなってきているか」 とい う実感について、全体に難しくなってきている と実感されている (図表̶2) 。 同図表は、全体、大業種分類 (装置・加工・そ の他) と TPM あり・なし、および回答母数が比 較的大きい細業種分類を示している。 難しくなっていないという回答でも、ほとん どが 「変化なし」 であり、保全が容易になってき 図表̶1 2010 年度メンテナンス実態調査の回答母集団 図表̶2 保全は難しくなっているか? 数 全体 業種別 装置 加工 その他 TPM−全体 TPMあり TPM−装置 TPM−加工 TPM−その他 高温・高圧 大型ライン ロボット多用 ライン別 成型、加工 複数の専用装置 労働集約系 製造承認 その他 16 295 148 131 12 208 101 99 6 81 15 14 92 40 20 6 27 100.0% 50.2% (構成比%) 全体(n=291) 38.9 61.1 44.4% 装置型(n=148) 62.8 37.2 4.1% 加工組立型(n=128) 61.7 38.3 70.5% その他(n=11) 34.2% TPMあり (n=205) 33.6% 2.0% 27.5% 非鉄金属(n=18) 金属製品(n=19) 31.2% 一般機械(n=10) 13.6% 輸送用機械(n=18) 6.8% 輸送用機械部品(n=48) 2.0% 9.2% Plant Engineer May 2011 50.0 50.0 21.3 78.7 鉄鋼(n=14) 4.7% 43.5 56.5 化学(n=47) 5.1% 36.5 63.5 TPMなし (n=85) 食品(n=34) 54.5 45.5 28.6 71.4 27.7 72.3 47.3 52.7 60.0 40.0 16.6 83.4 68.8 31.2 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 難しくなっている 難しくなっていない 実態調査 図表̶3 保全業務量の変化 図表̶6 計画業務で困難になった項目 構成比(%) 構成比(%) 57.9% 全体(n=290) 55.1% 装置(n=147) 36.7% 62.5% 加工(n=128) その他(n=11) 33.8% 28.1% 27.3% 0% 72.7% 20% 40% 増加傾向 60% 全体(n=290) 8.2% 装置(n=147) 9.4% 加工(n=128) 0.0% 80% 変わらない 8.3% 100% その他(n=11) 20% 保全予算 減少傾向 20.0% 40.0% 0% 40% 保全計画 保全評価 80% 危機管理 法的対応 100% 47.6% 装置(n=147) 15.0% 加工(n=128) その他(n=11) 0% 51.7% 25.0% 41.4% 27.3% 32.4% 全体(n=290) 20.5% 79.5% 33.3% 装置(n=147) 20.6% 79.4% 加工(n=128) 18.8% 81.2% 33.6% 63.6% 20% 40% 短縮傾向 60% 9.1% 80% その他(n=11) 100% 35.3% 0% 64.7% 20% 長時間傾向 変わらない 40% 60% 困難性変化なし 図表̶5 保全の困難性増加:計画業務 80% 装置(n=147) 加工(n=128) その他(n=11) 0% 24.8% 図表̶8 実務業務で困難になった項目 構成比(%) 75.2% 22.4% 100% 困難になった 構成比(%) 全体(n=290) その他 構成比(%) 構成比(%) 20.0% 0.0% 30.0% 10.0% 0.0% 60% 図表̶7 保全の困難性増加:実務業務 図表̶4 保全総時間の変化 全体(n=290) 1.7% 13.5% 10.5% 0.8% 14.3% 27.8% 33.1% 15.6% 18.5% 19.1% 17.9% 27.2% 1.3% 13.8% 16.0% 17.0% 22.0% 29.9% 全体(n=290) 15.8% 14.6% 装置(n=147) 15.7% 13.7% 加工(n=128) 16.1% その他(n=11) 18.2% 14.1% 13.4% 10.4% 10.1% 8.9% 7.2% 4.7% 0.7% 77.6% 26.5% 73.5% 33.3% 20% 66.7% 40% 困難性変化なし 60% 80% 15.1% 12.7% 9.3% 13.7% 7.8% 6.4%4.4% 0.5% 15.7% 16.1% 11.3% 11.3% 7.0% 8.6% 8.1% 5.4% 1.1% 100% 困難になった 18.2% 9.1% 0.0% 0% ているという回答は非常に少ない。 保全の業務量の変化としては、全体に増加傾 向にある (図表̶3) 。 保全に要する総時間は、それほど変わらない が、増加傾向にはありそうだ (図表̶4) 。 (1) どの業務で保全が困難になっているか? ① 保全の計画業務系 保全計画から予算立案、保全の評価などの計 画業務系で保全が難しくなっているかという意 識としては、7 割以上が困難になっていると回 答している (図表̶5) 。 その中のどの業務が難しくなっているかは、 平均的にどの業務も難しくなっているようだ (図 表̶6) 。 ② 保全の実務業務系 保全の実施における業務では、約 8 割が難し くなっていると感じている (図表̶7) 。 20% 予防保全 予備品管理 小修理(チョコ停) その他 40% 27.3% 18.2% 0.0% 60% 設備改善(改良保全含む) 設備診断 日常点検 80% 9.1% 0.0% 100% 定修・専門修理(工事含む) データ管理・分析 整備 図表̶9 他部門との意思疎通 構成比(%) 全体(n=290)3.7% 20.5% 75.8% 装置(n=147)3.5% 20.6% 75.9% 加工(n=128)4.4% 18.8% 76.9% 0.0% その他(n=11) 0% 64.7% 35.3% 20% 意思疎通向上 40% 60% 困難性変化なし 80% 100% 困難になった 実務においても、平均的にどの業務も難しく なっているようだ (図表̶8) 。 ③ 他部門との意思疎通は問題ないか? 他部門との意思疎通について聞いた回答では、 約 75%が難しくなったと感じている (図表̶9) 。 どの部門との意思疎通が図りにくいかについ Plant Engineer May 2011 17 実態調査 図表̶10 意思疎通が困難になった他部門 構成比(%) (2) 設備の老朽化と個人能力のバ ラツキが問題:困難性増加要因 保全が難しくなっていると回答 全体(n=290) 16.6% 15.3% 装置(n=147) 16.4% 14.4% 加工(n=128) 17.0% その他(n=11) 13.3% 15.9% 18.2% 0% 14.8% 20% 9.7% 16.4% 17.0% 18.2% 10.9% 10.6% 9.4% 7.5% 0.8% 14.0% 14.4% 11.9% 7.4% 9.1% 8.5% 1.1% 11.9% 18.2% 9.1% 0.0% 40% 8.2% 6.7% 0.5% 27.3% 0.0% 60% 80% 9.1% 0.0% 100% 工事・検査(外注) 環境安全 全社組織(監査等) 設計・制作・エンジ 安全・保安 工事・施工(自社) 品質管理・検査 製造・運転 その他 「設備状況の変化」 と関係する 94.2% の低下が、すべての背景にあるこ とを、ここで認識しておきたい。 全体 (n=173) 装置 (n=93) 91.9% 90.3% 93.7% 100.0% 86.5% 80.0% 94.1% 100.0% 93.9% 「技術状況の変化」 と関係する 81.3% 75.3% 「予算の変化」 と関係する 88.6% 75.7% 70.0% 82.4% 100.0% 100.0% 87.9% 78.6% 68.8% 「生産状況の変化」 と関係する 67.6% 70.0% 91.1% 100.0% 82.4% 93.3% 87.9% 61.9% 62.4% 「法的対応の変化」 と関係する 0.0% 96.2% 70.3% 60.0% 52.9% 66.7% 60.6% 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0 % % % % % % % % % % % ては、平均的にどの部門とも難しくなっている ようだ (図表̶10) 。しかし、上位から 「工事・検 査」 「全社組織」 「安全・保安」 が並んでいる。 今後、 「危機管理ベースド」 で設備管理を考え ていかなくてはならないとすれば、組織および 文化的な壁をいかに打ち破っていくかについて、 非常に重要な改善点を示唆しているといえる。 18 困難性増加要因の中で、とくに 2 つの点が大きな要因となってい る (図表̶12) 。 行 設備の老朽化と人の基本的な力 98.2% 91.4% 97.5% 100.0% 91.9% 100.0% 88.2% 100.0% 100.0% が比較的大きい細業種分類の回答 結果を示す。 経験不足 「設備の変化」 :設備老朽化の進 該当率(%) 「人の変化」 と関係する の変化との関係を聞いた。 図表̶11 に、全体および母数 「人の変化」 :能力のバラツキ・ 図表̶11 保全の困難性増加を取り巻く環境変化 96.8% 100.0% 100.0% 97.3% 100.0% 94.1% 100.0% 100.0% した対象に、 「人」 「設備状況」 「技術 状況」 「予算」 「生産状況」 「法的対応」 設備保全の課題として 3 認識されているもの 加工組立 (n=79) 上記のような困難を背景に、現 在の事業場の保全業務全体におけ その他 (n=3) る課題について、図表̶13 のよう 化学 な回答例から該当するものを選択 (n=37) 回答してもらっている (2007 年度 鉄鋼 (n=10) より) 。 食品 今年度からこれに加えて、 「早急 (n=17) に対処する必要があると思われる 輸送用機械 (n=15) 課題」 と 「中長期的な観点からみて、 輸送用 もっとも重要を思われる課題」 につ 機械部品 (n=33) いて一つだけ回答してもらう設問 を加えた。 その結果が、図表̶14 のとおりである。 前項で見たように、人材と設備高経年化が保 全困難性増大の最も大きな背景となっており、 課題としても、これらが早急課題および中長期 課題と一致している。 その意味では、局所的な技術ではなく、保 全のマネジメントや保全評価など全体最適の Plant Engineer May 2011 実態調査 図表̶12 とくに顕著な保全困難性増加要因 図表̶13 設備保全の課題回答例 課題の回答例 保全の困難性要因−「設備状況の変化」 60.1% 6 全体(n=173) 73.0% 73.0% 化学(n=37) 食品(n=17) 輸送用機械(n=15) 輸送用機械部品(n=33) 0% 27.0% 80.0% 80.0% 鉄鋼(n=10) 困難性要因 39.9% 20.0% 35.3% 35.3% 技能者も さることながら、 現場の基本的な 力の低下 64.7% 40.0% 40.0% 60.0% 51.5% 51.5% 20% 48.5% 40% 60% 設備の老朽化 80% 100% それ以外 保全の困難性要因−「人の変化」 保全の困難性要因−「 人の変化」 設備の 設備の 老朽化が 老朽化が 最大の要因 最大の要因 全体(n=173) 全体(n=173) 41.7% 41.7% 28.0% 28.0% 化学(n=37) 化学(n=37) 40.5% 40.5% 29.7% 29.7% 鉄鋼(n=10) 鉄鋼(n=10) 40.0% 40.0% 食品(n=17) 食品(n=17) 輸送用機械(n=15) 輸送用機械(n=15) 輸送用機械部品(n=33) 輸送用機械部品(n=33) 29.4% 29.4% 33.3% 33.3% 20.0% 20.0% 29.4% 29.4% 39.4% 39.4% 29.7% 40.0% 41.2% 20.0% 20.0% 46.7% 24.2% 24.2% 0% 20% 40% 0%20%40%60%80%100% 30.4% 60% 36.4% 80% 100% 業務平準化 (バラツキ、 経験低下など) 業務平準化( バラツキ、 経験低下など)専門技能者減少 専門技能者減少 それ以外 それ以外 順位 図表̶14 設備保全の課題:早急 対応と中長期的対応 1 全体 ( n = 281) 装置 (n = 148) 加工 (n = 131) 1. 保全の評価(経営指標と保全指標の関係など) 2. 保全のマネジメント(計画−実行−評価のサイクル) 3. 保全データの活用・分析 4. 外注管理 (保全品質、能力水準、契約など) 5. 人材育成・確保(技術・技能) 6. 高経年設備対応 7. 高度化設備 (自動化・ロボット化) 対応 8. 設備設計との連携 (シンプル化・スリム化設備など) 9. スピード生産対応 10. 変種・変量、多品種少量生産対応 11. センシング・制御技術 12. 故障の再発・未然防止技術 13. 寿命予測・延長技術 14.「見える化」 技術 15. 設備診断・分析技術 16. ヒューマンエラー対策 17. 事故・災害の事後想定、危機管理 18. 設備および作業の変更管理 19. コンプライアンス (危険物保管含む) 20. その他 化学 (n = 37) 鉄鋼 (n = 10) 食品 (n = 34) 輸送用機械 (n = 18) 輸送用機械部品 (n = 50) 人材育成・確保 人材育成・確保 人材育成・確保 人材育成・確保 人材育成・確保 人材育成・確保 人材育成・確保 人材育成・確保 (技術・技能) ( 技術・技能) ( 技術・技能) ( 技術・技能) ( 技術・技能) ( 技術・技能) ( 技術・技能) (技術・技能) 早急対応課題 ︵ベスト5 ︶ 2 故障の再発・未 故障の再発・未 故障の再発・未 然防止技術 然防止技術 然防止技術 故障の再発・未 故障の再発・未 故障の再発・未 高経年設備対応 高経年設備対応 然防止技術 然防止技術 然防止技術 3 高経年設備対応 高経年設備対応 高経年設備対応 高経年設備対応 高経年設備対応 高経年設備対応 故障の再発・未 故障の再発・未 然防止技術 然防止技術 保全のマネジメ ン ト (PDCA サ イクル) 保全の評価 (経 営指標と保全指 標の関係など) 事故・災害の事 後想定、危機管 理 保全のマネジメ ント (PDCA サイ クル) 輸送用機械 (n = 18) 輸送用機械部品 (n = 50) 保全のマネジメ 4 ント (PDCA サイ クル) 保全の評価( 経 5 営指標と保全指 標の関係など) 順位 全体 (n = 281) 保全のマネジメ ント (PDCA サイ クル) 保全の評価( 経 営指標と保全指 標の関係など) 保全のマネジメ ント (PDCA サイ クル) 保全の評価 (経 営指標と保全指 標の関係など) 保全のマネジメ ント (PDCA サイ クル) 保全の評価( 経 営指標と保全指 標の関係など) 装置 (n = 148 ) 加工 (n = 131) 化学 (n = 37) 保全のマネジメ 設備診断・分析 ント (PDCA サイ 技術 クル) 事故・災害の事 ヒューマンエラー 後想定、危機管 対策 理 鉄鋼 (n = 10) 食品 (n = 34) 中長期課題 ︵ベスト5︶ 1 人材育成・確保 人材育成・確保 人材育成・確保 (技術・技能) (技術・技能) (技術・技能) 人材育成・確保 人材育成・確保 人材育成・確保 人材育成・確保 人材育成・確保 (技術・技能) (技術・技能) (技術・技能) ( 技術・技能) (技術・技能) 2 高経年設備対応 高経年設備対応 高経年設備対応 高経年設備対応 高経年設備対応 保全の評価 (経 故障の再発・未 故障の再発・未 営指標と保全指 然防止技術 然防止技術 標の関係など) 保全のマネジメ 保全のマネジメ 保全のマネジメ 4 ント (PDCA サイ ント (PDCA サイ ント (PDCA サイ クル) クル) クル) 保全の評価 (経 寿命予測・延長 設備診断・分析 5 営指標と保全指 技術 技術 標の関係など) 3 PDCA サイクルが課題と考えてられていることも うなずける。しかし、故障の再発防止が依然と して課題上位にあることは、人と設備の高経年 時代にあって、故障の意味がこれまでと変化し てきているのかもしれない。この点の分析が急 務となるであろう。 保全の評価 (経 営指標と保全指 標の関係など) 保全のマネジメ ント (PDCA サイ クル) 保 全 の 評 価( 経 営指標と保全指 標の関係など) 保全のマネジメ ント (PDCA サイ クル) 保全データの活 高経年設備対応 高経年設備対応 用・分析 高経年設備対応 保全の評価 (経 保 全 の 評 価( 経 設備設計との連 営指標と保全指 営指標と保全指 携 標の関係など) 標の関係など) 設備診断・分析 故障の再発・未 寿命予測・延長 故障の再発・未 保全データの活 技術 然防止技術 技術 然防止技術 用・分析 図表̶15 技術的区分と保全費管理 構成比(%) 全体(272) 11.8 51.5 装置型産業(140) 13.6 その他(8) 12.5 TPM実施なし (80) 4 設備保全費と技術 0% 36.8 25.7 60.7 加工組立型産業(122) 9.8 41.0 49.2 37.5 50.0 37.0 53.1 TPM実施(192) 9.9 36.3 47.5 16.3 20% 技術的区分で予算立案 保全予算の立案および実績管理において、保 全の技術的な区分と結びついているかについて 寿命予測・延長 故障の再発・未 技術 然防止技術 40% 60% 技術的区分で予実管理 80% 100% 技術区分なし 聞いた。 Plant Engineer May 2011 19 実態調査 図表̶16 保全費の決定基準 図表̶17 設備診断・検査費用の総保全費における割合 (%) 68.1 10.9 11.1 全体(n=171) 前期保全 実績 装置(n=87) 10.2 加工(n=79) 58.5 21.5 その他(n=4) 中長期保全 計画 10.3 11.7 食品(n=17) 化学(n=26) 36.5 8.7 9.2 非鉄金属(n=12) 件名別 積上げ 金属製品(n=10) 15.5 輸送用機械(n=11) 生産量対 一定比率 0 23 売上対 一定比率 9.9 輸送用機械部品(n=34) 25.9 5 10 20 構成比(%) 全体(n=195) 17.9 装置(n=106) 11.7 加工(n=85) 製造原価対 一定比率 33.3 66.7 30 40 50 60 70 80 (%) 全体(282) 装置型産業(146) 加工組立型産業(125) その他(9) TPM実施(202) TPM実施なし (80) 0% 【診断技術】 1. 回転機械の監視診断 2. 静止機械の監視診断 3. 省エネ診断 4. 製品品質診断 5. 構造物の監視診断 6. 非破壊検査技術と保全 7. ロボット・自動化機械の診断技術 8. オンラインモニタリング 9. 潤滑診断 10. その他 【解析技術】 1. 疲労損傷 2. 材料劣化 3. 故障解析 4. 作業効率に関する解析 5. リスク解析 6. その他 【保安技術】 1. 施設レイアウト 2. 基礎・耐震設計 3. 防爆・静電気対策 4. 安全装置・遮断装置 5. 高圧ガス設備と保全全般 6. その他 33.3 58.3 45.5 54.5 17.1 60.0 22.9 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 増加傾向 問 13 望まれる技術研究に関する質問です。貴社 1 社では解決できず、複数社が集まって JIPM などの団体を通じ て研究を望まれる分野について、該当する回答例の番号にいくつでも○をつけて下さい。 (お答えはいくつでも) 【保全技術】 1. 配管外面腐食対策 2. 配管内面腐食対策 3. 電動機駆動系の保全 4. 発電送電系の保全 5. プロセス計装制御系の保全 6. 自動機械・ロボットの保全 7. 整備補修技術(バランシング、芯だし、 アライメントなど) 8. トライボロジー(潤滑管理など) 9. その他 13.3 80.0 輸送用機械(n=11)0.0 輸送用機械部品(n=35) 10.0 60.0 30.0 金属製品(n=12) 8.3 20 19.0 57.1 23.8 非鉄金属(n=15) 6.7 10 20.0 64.7 15.3 化学(n=30) 基準なし 18.5 62.3 20.8 食品(n=21) 7.8 18.5 63.6 その他(n=3)0.0 0 25 図表̶18 設備診断・検査費用の増減傾向 17 保全活動 実績評価 変化なし 減少傾向 図表̶19 問 13 の設問 【組立技術】 1. 鋳造 (ダイキャスト、 金型、 高低加圧など) 2. 溶接(融接、溶接法、接着など) 3. 塑性(圧延、曲げなど) 4. 切断(熱、ガスなど) 5. 切削・研削(削り、穴あけ、研磨など) 6. 表面処理(皮膜、表面硬化など) 7. 砥粒加工(円筒、内面、歯車、ねじなど) 8. 組立(整列、締結、供給など) 9. 計測(寸法、形状など) 10. その他 【製造技術】 1. 段取り 2. からくり 3. 良品条件(不良ゼロ、故障ゼロ) 4. 効率化 5. 型・治具 6. その他 【保全管理】 1. 最適保全費・更新管理 2. 保全工事管理 3. グローバル化と保全標準化 4. 保全の環境改善効果 【生産リスク管理】 5. 保全の情報管理システム 1. 労働安全 6. 自律型知能技術(SMART 技術など) 2. 機械安全(本質安全・機能安全) 7. 設備総点検管理(経済的にも最適な保 3. 製品品質安全 全技術の選択) 4. 変更管理 8. その他 5. 環境影響 6. その他 その結果、装置型産業では 6 割が予実管理に 至るまで技術的区分と結びつけているが、加工 組立型産業では 5 割弱が技術区分なく管理して いる (図表̶15) 。 なお、TPM を実施しているか否かにおける差 は、ほとんど見られない。 20 15 また、保全費の総額を決定する基準のうち、 重視している事項を 3 点あげてもらった (図表̶ 16) 。 どの業種でも、前期保全実績の勘案が該当上 位であるが、他の項目では装置と加工で違いが みられる。装置では、中長期計画や件名積上げ Plant Engineer May 2011 実態調査 図表̶20 望まれる研究テーマ:全体 を重視、加工では対生産量や売上げの比率が重 視されている。 「計画保全」 の考え方に違いがあ るようだ。 また、今回初めて、 「設備診断および検査にか かる費用」 について設問を加えている。 これは、ここ数年における本調査で、設備高 経年対応が設備保全の課題上位に入っているこ とを受けてのことである。 設備診断・検査費用の総保全費 (保全費と維持 更新投資の合計) における割合は、図表̶17 の ような結果となった。 また、設備診断・検査費用の増減傾向は、図 表̶18 のようになった。 5 設備ユーザーの研究テーマのニーズ調査項目 さて、2010 年度の 「メンテナンス実態調査」 で は、新たに次の調査項目を加えている。 【保全技術】 【診断技術】 【解析技術】 【保安技術】 【保全管理】 【組立技術】 【製造技術】 【生産リスク】 の 8 つのカテゴリーについて、1 社では解決で きず、複数社が集まって JIPM などの団体を通 じた研究を望まれる技術分野を聞いた (図表̶ 19) 。 該当する項目を複数で回答してもらったため、 ここでは各母数に対する該当率を 「ヒット率」 と して表示する。 以下に、ヒット率が高い項目を記すが、この 回答の背景としてすでに上記に示したように 「設 備老朽化」 と 「人材の基本力の低下」 があることを 再確認させていただきたい。 JIPM としては、3.の設備保全の課題としてあ げられている事項と合わせて、今後の研究活動 の進め方に資するものと考えている。 (1) 大業種ごとの上位 10 テーマ ① 全体 (図表̶20) ② 装置産業 (図表̶21) ③ 加工組立産業 (図表̶22) No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 カテゴリ 解析技術 製造技術 生産リスク 保安技術 生産リスク 保全管理 保全管理 製造技術 診断技術 組立技術 テーマ 故障解析 良品条件 機械安全 安全装置・遮断装置 労働安全 設備総点検管理 最適保全費・更新管理 効率化 回転機械監視診断 溶接 ヒット率 68.0 63.5 60.5 58.3 50.7 49.5 49.1 44.3 40.8 38.9 図表̶21 望まれる研究テーマ:装置産業 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 カテゴリ 解析技術 保全管理 生産リスク 製造技術 製造技術 診断技術 保全管理 組立技術 組立技術 生産リスク テーマ 故障解析 最適保全費・更新管理 機械安全 良品条件 効率化 非破壊検査技術と保全 設備総点検管理 溶接 表面処理 労働安全 ヒット率 63.5 59.0 58.4 51.6 51.6 47.5 46.7 46.0 46.0 45.5 図表̶22 望まれる研究テーマ:加工組立産業 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 カテゴリ 製造技術 保安技術 解析技術 生産リスク 保全管理 生産リスク 保全技術 組立技術 診断技術 製造技術 テーマ ヒット率 76.2 良品条件 74.4 安全装置・遮断装置 72.9 故障解析 61.5 機械安全 55.5 設備総点検管理 53.1 労働安全 50.0 自動機械・ロボットの保全 47.8 切削・研削 46.2 ロボット・自動化機械診断技術 42.9 からくり 外部情報に関する関心度および 6 事業場の外部対応 2010 年度の 「メンテナンス実態調査」 では、さ らに、外部情報取得および外部への情報発信の 意識について聞く調査項目を加えた。 (1) 外部情報に対する姿勢 (関心度) 外部情報の取得に対しては、基本的に関心度 が高い結果となっている (図表̶24) 。 (2) 代表的な業種における上位テーマ 図表̶23 に、いくつかの代表的な細分類業種 で望まれる研究テーマを示す。 (2) 外部情報が得られる機会に対する姿勢 (関心 度) Plant Engineer May 2011 21 実態調査 業種別−化学ベスト 10(n = 47) ヒット率 1【保全技術】 配管外面腐食対策 63.8% 2【診断技術】 回転機械の監視診断 53.2% 2【診断技術】 非破壊検査技術と保全 42.9% 3【診断技術】 非破壊検査技術と保全 51.1% 3【解析技術】 故障解析 42.9% 4【保安技術】 高圧ガス設備と保全全般 51.1% 4【解析技術】 疲労損傷 42.9% 5【保全管理】 最適保全費・更新管理 51.1% 6【解析技術】 故障解析 46.8% 1【生産リスク管理】機械安全(本質安全・機能安全) 50.0% 5【保全管理】 7【生産リスク管理】機械安全(本質安全・機能安全) 44.7% 8【解析技術】 材料劣化 42.6% 9【生産リスク管理】変更管理 42.6% 10【保全技術】 配管内面腐食対策 40.4% 設備総点検管理 (経済的にも最適な保全技術の選択) 6【診断技術】 オンラインモニタリング 7【診断技術】 回転機械の監視診断 35.7% 35.7% 8【生産リスク管理】環境影響 35.7% 9【保全管理】 28.6% 最適保全費・更新管理 10【生産リスク管理】労働安全 業種別−輸送用機械ベスト 10(n = 18) ヒット率 42.9% 28.6% 業種別−輸送用機械部品ベスト 10(n = 50) ヒット率 1【解析技術】 故障解析 66.7% 1【解析技術】 故障解析 2【製造技術】 良品条件 (不良ゼロ、故障ゼロ) 61.1% 2【製造技術】 良品条件(不良ゼロ、故障ゼロ) 58.0% 3【診断技術】 ロボット・自動化機械の診断技術 61.1% 3【保全技術】 自動機械・ロボットの保全 50.0% 55.6% 4【保安技術】 安全装置・遮断装置 44.0% 設備総点検管理 4【保全管理】 (経済的にも最適な保全技術の選択) 5【保安技術】 安全装置・遮断装置 5【製造技術】 50.0% 66.0% からくり 44.0% 設備総点検管理 42.0% 6【生産リスク管理】機械安全(本質安全・機能安全) 50.0% 6【保全管理】 7【保全管理】 保全の情報管理システム 44.4% 7【診断技術】 8【保全技術】 自動機械・ロボットの保全 44.4% 8【生産リスク管理】機械安全(本質安全・機能安全) 40.0% 44.4% 9【生産リスク管理】労働安全 9【生産リスク管理】労働安全 切削・研削 10【組立技術】 33.3% (削り、穴あけ、研磨など) 10【組立技術】 外部情報でどの事項に関心が高いかを機会別 に聞いた。 図表̶24 外部情報取得に対する姿勢 全体 77.5 14.2 装置型産業 19.2 加工組立型産業 9.2 その他 9.1 7.5 73.3 8.5 72.7 14.1 TPM実施なし 14.5 0% 8.3 82.3 TPM実施 10% 7.3 74.7 30% 40% 1. 積極的 10.8 50% 60% 2. 必要に応じて 70% 80% 90% 100% 3. 消極的 図表̶25 展示会等で収集したい情報 全体 装置型産業 加工組立型産業 その他 39.5 36.8 41.7 37.5 62.8 69.2 53.9 20.9 30.1 10.4 38.7 61.8 TPM実施なし 41.7 65.3 22.6 33.0 25.0 12.5 75.0 TPM実施 27.5 21.5 19.4 26.9 29.2 42.1 24.3 5.0 36.8 5.3 30.4 4.3 25.0 12.5 37.5 31.2 40.3 ロボット・自動化機械の診断技術 40.0% 38.0% 切削・研削 36.0% (削り、穴あけ、研磨など) ① 展示会等で収集したい情報 (図表̶25) ② 大会・発表会等で収集したい情報 (図表̶ 26) ③ 工場見学会等で収集したい情報 (図表̶27) ④ 企業・団体等との交流で収集したい情報 (図 表̶28) ⑤ Web 等で収集したい情報 (図表̶29) 外部情報に積極的でない回答は少なかったの だが、その理由を聞いた (図表̶30) 。 「余裕がない」 との回答が多いが、 「情報活用が できる人材の不足」 もかなり該当している。 図表̶26 大会・発表会等で収集したい情報 33.3 33.7 (経済的にも最適な保全技術の選択) (3) 外部情報取得に消極的な理由 18.2 78.6 20% 図表̶23 望まれる研究テーマ: 代表的な細分類業種 業種別−鉄鋼ベスト 10(n = 14) ヒット率 31.2 5.9 38.9 2.8 全体 34.2 装置型産業 37.6 61.2 60.0 69.2 加工組立型産業 29.9 その他 37.5 75.0 TPM実施 33.7 56.7 TPM実施なし 35.6 50.4 54.1 66.7 24.6 4.6 21.8 22.6 4.5 13.7 50.0 72.6 18.1 25.0 64.7 47.9 25.0 18.7 16.4 27.4 3.4 25.0 22.5 4.8 30.1 4.1 1. 生産技術 2. 専門保全検査技術 3. 設備改善・からくり改善 1. 生産改革・システム 2. 検査・診断技術 3. 情報管理技術 4. ロボット・センサ技術 4. 情報管理・活用 5. 環境改善活動 6. 関心が薄い 5. プロアクティブ 6. 環境改善技術 7. 関心が薄い 8. その他 7. その他 22 Plant Engineer May 2011 実態調査 図表̶27 見学会等で収集したい情報 全体 50.6 25.3 20.3 装置型産業 53.0 25.4 23.1 20.1 加工組立型産業 48.7 24.8 17.1 37.5 その他 TPM実施 TPM実施なし 58.5 30.1 全体 67.6 73.9 4.5 装置型産業 74.2 2.6 72.6 50.0 50.0 3.7 69.7 34.0 23.9 加工組立型産業 59.6 その他 62.5 1. TPM活動 2. 日常安全活動 3. 危機管理活動 4. 環境改善活動 5. 異業種保全活動 6. 人材育成・教育施設 7. 関心が薄い 8. その他 56.8 29.6 装置型産業 21.1 41.1 加工組立型産業 その他 12.5 TPM実施 12.4 19.5 60.9 31.8 12.5 23.4 62.5 10.1 53.6 TPM実施なし 23.9 21.2 26.0 40.6 4.5 35.7 50.0 75.0 38.8 18.3 64.8 43.7 1. モノづくり全般 17.0 25.0 37.5 25.0 36.9 30.4 26.6 19.0 22.3 26.8 35.2 34.4 16.9 TPM実施なし 75.3 21.9 10.0 35.7 25.0 26.8 33.5 9.5 39.4 36.6 11.3 2. 専門保全技術 3. 保全専門会社 4. 保全設備・機器 5. 保全関連情報システム 6. 法規・法律 8. 生産、保全教育 9. メンタルヘルス 10. 専門誌等情報源媒体 11. 情報交流機会 12. その他 図表̶31 外部へ発信したい情報 9.5 4.4 全体 4.0 13.1 4.7 12.8 加工組立型産業 6.7 その他 10.0 0.0 TPM実施 4.7 TPM実施なし 2.5 3.7 3.7 11.1 13.5 12.3 8.3 3.6 2. 人材交流、実務的技術交換 3. 技能的人材教育情報 4. メンタル福利教育 5. 保全関連法規・基準対応情報 6. 関心が薄い 65.2 装置型産業 60.0 30.0 加工組立型産業 72.7 45.5 その他 21.7 8.7 13.0 8.7 26.1 50.0 TPM実施 64.3 TPM実施なし 66.7 30.0 10.0 27.3 9.1 9.1 0.0 50.0 28.6 14.3 7.1 7.1 21.4 11.1 22.2 33.3 11.1 1. 余裕がない 2. 組織的理解がない 3. 情報活用ができる人材不足 4. 一部の社内専門家が担当 5. 自社・グループ内情報で充足 6. 取引先・協力先情報で充足 加工組立型産業 61.1 66.7 6.2 57.5 52.0 17.0 9.4 14.0 30.2 22.0 2. 大会・発表会 3. 見学受入れ 4. 交流会 5. 個別企業等交流 6. 自社ホームページ 7. 関連団体等ホームページ 8. 専門誌等執筆 60.0 TPM実施 58.1 9. その他 0.0 1. 余裕がない 20.0 6.8 15.6 56.3 4. メリットがない 10. 外部発信は消極的 6.0 12.0 62.0 その他 TPM実施なし 1. 展示会 4.1 1. 保全技術 全体 装置型産業 80.0 5.2 37.0 9.6 7.5 30.0 6.0 63.3 20.0 17.1 46.6 7. その他 全体 60.6 14.2 4.2 10.0 6.7 5.0 25.0 4.9 15.8 9.3 図表̶32 外部への情報発信に消極的な理由 62.8 12.7 2.8 16.2 25.0 53.6 8.0 7. 保全標準・基準 装置型産業 1.4 13.4 5.6 8.3 5.3 17.5 6.1 37.5 25.0 7.8 31.3 10.9 50.0 37.5 7.6 57.0 14.9 21.9 25.8 6.3 47.0 図表̶30 外部情報に消極的な理由 32.8 27.7 51.6 21.2 64.5 図表̶29 Web 等で収集したい情報 全体 18.4 TPM実施 2.7 78.1 50.7 28.8 3.4 34.2 50.0 18.6 24.5 24.7 27.4 41.8 29.9 25.0 37.5 72.0 38.7 25.3 図表̶28 交流によって収集したい情報 2. 組織的理解がない 30.0 20.0 14.9 20.0 32.4 21.9 8.0 25.0 8.1 6.3 3. 情報管理における手続き 5. その他 面腐食研究会など) で議論されるように、すでに ことは言 ひるがえって、外部へ自らの情報を 「発信」 す 「1社だけで乗り切れる時代ではない」 うまでもない。 ることに対する関心度は、6 割以上が消極的で ことに今後、 「危機管理ベースド」 の設備管理 ある (図表̶31) 。 (5) 外部への情報発信に消極的な理由 を考えていくとすれば、そうした閉鎖的な意識 外部への情報発信に消極的な理由としては、 がもっとも大きな障壁となっていくことであろ う。 「余裕がない」 と 「メリットがない」 が多い (図表̶ その意味でも、 『GIVE & TAKE』 の原則が建て 32) 。 「情報発信」 について慎重な時代であることは、 前ではなく、真に生かされるべき時代となって いると認識したい。 予測できたことではある。 しかし、 たとえば JIPM の 「設備総点検研究」 (外 (4) 外部への情報 「発信」 に対する姿勢 (関心度) Plant Engineer May 2011 23 実態調査 図表̶33 設備重要度設定と保全方式 図表̶34 機器別管理基準 構成比(%) 全体(273) 18.7 装置型(141) 45.1 22.0 加工組立型(120) 49.6 15.0 その他(10) 50.0 15.2 食品(34) 32.9 20.6 化学(42) 5.6 54.8 金属製品(18) 5.6 一般機械(10)0.0 輸送用機械(18) 輸送用機械部品(44) 0% 11.9 78.6 0.0 72.2 33.3 20.0 0.0 20% 1 40% 重要設備を部位単位 部位また 部位 は補機名 重要度 圧縮機 本体 80% その他 / / / ローター TBM 内容 定期修理・整備 周期 S 重要度設定せず (総合オーバー ホール) 内容 周期 ・ローターク リーニング 2Y 日常点検、 Co - Mo 活動 内容 資料 No. 周期 2Y TBM ・軸振れ測定 ・腐食検査 ・スケール付 着状況検査 ・羽 根 車 カ ラーチェック 2Y CBM ・動バランス 測定 ∼ S 100% 軸受 定期検査・診断 ・総合検査 S 38.6 60% [制定] 年 月 日 保全 方式 (部位) 22.2 5.6 0.0 3 全設備を部位単位 S 22.2 2 50.0 47.7 重要度 No.1 圧縮機 4.8 7.1 70.0 22.2 33C360 38.9 22.2 10.0 13.6 No. 23.5 11.8 14.3 非鉄金属(18) 40.5 44.1 Tag No. 機器名称 25.3 4.6 11.4 28.6 鉄鋼(14) 40.0 20.0 20.1 TPM実施なし (79) 38.3 5.8 20.0 機器別管理基準「様式−1」 22.0 6.4 40.8 20.0 TPM実施あり (194) 29.7 6.6 ・表 面 状 態、カ ラーチェック TBM ・隙間測定、 メ 2Y ・振動値(オン 1 /直 ライン) ・振動値(オン 1 /直 ライン) 保全方式は、どのように設定されていますか。それぞれぞれの設定状況について、次の該当する記 号に○印をつけて下さい。 「○」 :ほぼ全ての設備に適用 「△」:一部の設備に適用 「×」:適用している設備はない 保全方式の設定状況 重要設備 それ以外の設備 1. 部位 (部品) ごとに保全方式が設定されている ○ △ × ○ △ × 2. 修理・整備方式 (TBM、CBM、BDM など) の内容と周期が設定されている ○ △ × ○ △ × 3. 検査方式 (運転中の検査として定期診断・オンライン診断・運転による点検 および停止時の検査など) の内容と周期が設定されている ○ △ × ○ △ × 4. 日常点検の内容と周期が設定されている ○ △ × ○ △ × 5. その他 ( ) ○ △ × ○ △ × 7 重要度設定と保全方式の設定 本稿の最後に、重要度設定と保全方式の設定 についての回答をみていきたい。 (1) 設備重要度設定 設備の重要度設定と保全方式の設定について、 該当するものを以下の項目から回答してもらっ た。 1.全ての設備に対し、部位単位で影響度を 算出し、保全方式を決定している 2.リスクアセスメント等により重要設備を選 定し、重要設備に対し部位単位で保全方式 を設定している 3.とくに重要度は設定せず、保全方式を決 めている 4.その他 24 この結果を、図表̶33 に示す。 ここで注目したいのは、 「重要度設定をしな い」 という回答の率である。加工組立:約 38%、 TPM 実施なし:約 40%、金属製品:約 39%、 一般機械:約 70%、輸送用機械部品:約 39% といったところが目立つ。 (2) 機器別管理基準に基づく 「保全方式」 の設定 実態調査の問 6 で保全方式の設定について聞 いているが、 (1) の重要度設定に続き、上記枠内 のような設問を設けている。 調査票では明らかにしていないが、この設問 の意図は 「機器別管理基準」 における保全方式の 設定という視点から見て、どのような状況にあ るかを聞いているものである。 参考までに、 「機器別管理基準」 の例を示して おく (図表̶34) 。 Plant Engineer May 2011 実態調査 図表̶35 重要設備に対する保全方式 重要設備に対する保全方式(全体)n=259 部位・部品ごとに保全方式設定 40.5 修理・整備方式の内容と周期を設定 11.2 8.1 38.6 45.2 日常点検の内容と周期を設定 40.5 14.3 76.2 0% 20% 40% ほぼ全ての設備 一般設備に対する保全方式(全体)n=250 構成比(%) 48.3 53.3 検査方式の内容と周期を設定 図表̶36 一般設備に対する保全方式 21.9 60% 80% 一部の設備 1.9 100% 構成比(%) 部位・部品ごとに保全方式設定 9.2 修理・整備方式の内容と周期を設定 部位・部品ごとに保全方式設定 41.9 修理・整備方式の内容と周期を設定 日常点検の内容と周期を設定 検査方式の内容と周期を設定 20% 日常点検の内容と周期を設定 20% 40% ほぼ全ての設備 10.9 1.5 23.5 60% 80% 一部の設備 重要設備に対する保全方式(加工)n=111 41.4 100% 検査方式の内容と周期を設定 修理・整備方式の内容と周期を設定 22.7 34.6 20% 40% ほぼ全ての設備 80% 一部の設備 14.6 60% 40% 80% 一部の設備 100% 適用なし 構成比(%) 11.7 19.7 1.7 60% 50.8 20% 一般設備に対する保全方式(加工)n=107 12.6 18.2 78.6 0% 30.8 58.5 構成比(%) 44.5 日常点検の内容と周期を設定 18.9 58.3 検査方式の内容と周期を設定 10.8 ほぼ全ての設備 41.4 37.3 100% 適用なし 38.6 51.5 日常点検の内容と周期を設定 適用なし 45.9 46.8 修理・整備方式の内容と周期を設定 一部の設備 構成比(%) 部位・部品ごとに保全方式設定 9.8 0% 部位・部品ごとに保全方式設定 80% 5.1 38.0 75.0 0% 60% 40% 一般設備に対する保全方式(装置)n=132 10.3 34.6 51.1 11.2 47.4 41.4 0% 構成比(%) 47.8 60.3 32.4 55.2 ほぼ全ての設備 重要設備に対する保全方式(装置)n=136 22.8 58.4 18.8 検査方式の内容と周期を設定 12.4 適用なし 37.6 53.2 100% 部位・部品ごとに保全方式設定 9.3 修理・整備方式の内容と周期を設定 15.0 検査方式の内容と周期を設定 14.7 33.9 51.4 20% 6.5 42.6 50.9 0% 重要設備に対する保全方式(その他)n=10 26.2 58.9 日常点検の内容と周期を設定 適用なし 34.6 56.1 40% ほぼ全ての設備 60% 一部の設備 80% 100% 適用なし 構成比(%) 部位・部品ごとに保全方式設定 修理・整備方式の内容と周期を設定 20.0 40.0 日常点検の内容と周期を設定 20.0 80.0 20% 40% ほぼ全ての設備 一部の設備 構成比(%) 部位・部品ごとに保全方式設定 0.0 20.0 10.0 10.0 60% 一般設備に対する保全方式(その他)n=9 10.0 50.0 60.0 検査方式の内容と周期を設定 0% 10.0 70.0 80% 100% 適用なし 66.7 33.3 修理・整備方式の内容と周期を設定 11.1 44.4 検査方式の内容と周期を設定 11.1 44.4 日常点検の内容と周期を設定 0% 40% ほぼ全ての設備 「機器別管理基準」 とは、保全計画対象の全設 備について、管理単位の機器ごとに (たとえば No.1 ポンプなどの単位) で 「機器単位ごとの設備 管理基準」 が作成されるべきもので、機器を構成 する 「部位 (部品) または補機」 ごとに 「部位ごとの 保全方式」 「定期検査・診断の内容と周期」 「定期 修理・整備の内容と周期」 「日常点検の内容と周 期」 などが記載され、機器ごとの保全内容が一覧 できるものである。 ① 重要設備における保全方式の設定 重要設備に対して、上記の視点から見た 「保全 方式」 設定状況は図表̶35 のとおりであった。 言うまでもないが、保全とは修理だけではな いし、交換だけでもない。検査や点検も当然含 むものである。 また、人と設備の高経年化が保全の困難性を 上昇させていることは前に述べた。 その意味で、重要設備に対するこの状況が適 44.4 44.4 33.3 20% 44.4 60% 一部の設備 22.2 80% 100% 適用なし 切かどうか、一意の解が導けるものではないが、 一考に値することは間違いない。 ② 一般設備における保全方式の設定 上記と同様に、重要設備ではない一般設備に ついての保全方式設定状況を示す (図表̶36) 。 本稿では、2010 年度 「メンテナンス実態調査」 の中で特徴的な部分にしぼって紹介したが、 「保 全体制」 「保全部門の人員体制」 「設備保全に関わ る費用」 「保全に関わる外注の実態」 「保全情報管 理システムの利用実態」 「環境対策への取組み状 況」 「TPM 活動の状況」 などについても調査結果 をまとめている。 2010 年度 「メンテナンス実態調査」 報告書は、 CD − ROM として実費頒布に応じている。 問合わせ・申込みは、JIPM ホームページ (http://www.jipm.or.jp/) で受け付けている。 Plant Engineer May 2011 25
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