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ガススプリング作動原理・特性
作動原理
図3に示すように、ロッドに外力Foを作用させた時、
ピストンがB室の任意の位置でつり合い、静止して
いるとします。
この時の圧縮気体(圧縮ガス)のガス圧力をPとす
ると、このガス圧力はフリーピストンを介してB室
のオイル圧力もPとなります。
このガス圧力Pによって、
B1室側では F1=Ap×P
B2室側では F2=(Ap−Ar)×P
の力が作用し、力のつり合いにより
F=F1−F2=Ap×P−(Ap−Ar)×P=Ar×Pとなります。
ここでAr×Pはガス反力Fで図3においては上方向
に作用し、外力がガス反力より大きくなった場合、
ピストンは図3において下方向(ロッド圧縮方向)に
移動します。
このときB1室内のオイルはピストンに設けられた
オリフィスを通ってB2室内に流出します。同時に
ロッド侵入体積分の流体の補給場としてフリーピス
トンはA室内のガスをさらに圧縮しつつ下方向に移
動します。反対に、外力がガス反力より小になる
か、または外力を除去すればピストンはガス反力に
より上方向(ロッド伸長方向)に移動し、前述と逆
の状態になります。このようにロッドの圧縮、伸長
の過程にはB1室とB2室とのオイルの交互移動が伴う
ため、ピストンに設けたオイル通路穴(オリフィ
ス)により速度制御や緩衝効果を得ることができま
す。
特性
(1) 基本特性
図1の基本構造をもつ代表的なガススプリングの基本
特性は図4に示すとおりです。ガススプリングは内機
部品がもつ種々の摺動抵抗によりヒステリシス曲線
を描きます。そして、その摺動抵抗の大きさは、伸
びる時も縮む時もほぼ同じ値になります。いま、そ
れぞれの摺動抵抗力をfとすると、縮み方向のガスス
プリングの荷重Fuおよび伸び方向のガススプリング
の荷重F1は、
Fu=F+f
F1=F−f
したがってガス反力をFとすると、
となります。
その他の特性
(1) 速度制御
ピストンに設けられたオリフィスの大きさを変えた
り図5のようにチェックバルブを設けることによっ
て、ガススプリングが伸び、ピストンが油の層に
入った時、伸び速度を制御することができます(ス
トローク最大長付近)。さらにフリーピストン入り
ガススプリングの場合は、全伸び行程にわたって速
度制御ができます。
(2) 非線形バネ特性
ピストンとチューブ底面との間にコイルスプリング
を入れることによって、最小長近辺の反力を高くす
ることができます。