総合臨床基礎実習

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総合臨床基礎実習
コアカリキュラムを熟知しまし
ょう
総合臨床基礎実習の注意事項
○本項では,支台歯形成を行った際に必要とされる暫間被覆冠(テンポラリークラウン)の作製方法を学ぶ.
○暫間被覆冠(テンポラリークラウン)の作製には,直接法,間接法など幾つかの方法があるが,ここではチ
ェアサイドにおいて口腔内で直接作製するタイプの暫間被覆冠を作製する.
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暫間被覆冠(テンポラリークラウンの作製)
1.目的
本項では,診療室のチェアサイドで行う暫間被覆冠の作製方法について学ぶ.
2.使用する器具,材料(※臨床では用いるが,本実習では使用しないものも含む)
・ポリカーボネートクラウン(既製冠,前歯部および小臼歯部の場合のみ)
・常温重合レジン(ユニファーストⅡ or Ⅲ/A2 or A3)(粉末,液)
・ラバーカップ(2個)
・小筆(ベンダブラシ・レギュラー/ディスポーザブルの簡易ナイロン筆)
・硬化促進用のお湯
暫間被覆冠
(テンポラリークラウン)
の作製(Making
of Temporary
Crown)
暫間被覆冠
(テンポラリークラウン)
の作製(Making
of Temporary
Crown)
・鉛筆(マージンライン描記用)
[目 的]
[目 的]
・マイクロモーター用ストレートハンドピース
支台歯形成を行った歯には,
歯髄の保護
(生活歯の場合)
,支台歯の保護
(汚染防止を含む)
,
支台歯形成を行った歯には,
歯髄の保護
(生活歯の場合)
,支台歯の保護
(汚染防止を含む)
,
・カーバイドバー
咬合関係など機能の保持,
審美性の確保
(主に前歯部)
などを目的として暫間被覆冠を作製し,
咬合関係など機能の保持,
審美性の確保
(主に前歯部)
などを目的として暫間被覆冠を作製し,
装着(仮着)
装着(仮着)
する. する.
・カーボランダムポイント
ここでは,
診療室のチェアサイドで行う暫間被覆冠の作製方法について学ぶ.
ここでは,
診療室のチェアサイドで行う暫間被覆冠の作製方法について学ぶ.
・ビッグシリコーンポイント(茶,白)
[器具
・材料]
[器具・
材料]
・バフ(フェルトホイール)とルージュ(研摩材)
・ユニファストⅡ粉末(A3)
・ユニファストⅡ粉末(A3)
・液 ・液
・仮着用セメント(テンポラリーパック,ハイボンドテンポラリーセメント,など)
・小筆(ベンダブラシ/レギュラー)
・小筆(ベンダブラシ/レギュラー)
・セメントスパチュラ
・ラバーカップ
・ラバーカップ
・ポリカーボネートクラウン(右上1番)
・ポリカーボネートクラウン(右上1番)
・カーバイド・バー
・カーバイド・バー
3.作製手順 ・カーボランダムポイント
・カーボランダムポイント
1)既成冠の選択
1)既成冠の選択
(1)既製冠の選択
既製品のポリカーボネートクラウンの中から,歯冠幅径と切縁形態の適当なものを選択する.
既製品のポリカーボネートクラウンの中から,歯冠幅径と切縁形態の適当なものを選択する.
既製品のポリカーボネートクラウンの中から,歯冠幅径と切縁形態の適当なものを選択する.
反対側の同名歯の歯冠幅径と支台歯
反対側の同名歯の歯冠幅径と,
反対側の同名歯の歯冠幅径と,
部分の両隣在歯とのスペースを参考
支台歯部分の両隣在歯とのスペ
支台歯部分の両隣在歯とのスペ
にして適当な既製冠を選択する.
ースを参考にして適当な既成冠
ースを参考にして適当な既成冠
を選択する.
を選択する.
:前歯部の既製冠の種類について
・部位にもよるが,サイズは,S,
M, L, XL, 2XL がある
cf)前歯部既成冠の種類について
cf)前歯部既成冠の種類について
・サイズは,
S,
M,
L,XL,2XLなどの種類がある.
・サイズは,
S,
M,
L,
XL,2XLなどの種類がある.
・歯冠幅径と切縁形態(歯種)で選択し,歯頚部は常温重合レジンを盛り付けて形態修正を行うので大きくて
・歯冠幅径と切縁形態で選択する(歯頚部は即時重合レジンで修正するので,大きくても
・歯冠幅径と切縁形態で選択する(歯頚部は即時重合レジンで修正するので,大きくても
も構わない
かまわない)
かまわない)
・前歯部,小臼歯部は上下顎とも既製品があるが,大臼歯部は既製品がない.そのため,大臼歯の場合は常温
・前歯部,小臼歯部は上下顎とも製品があるが,大臼歯部は無いためレジンで自作(カー
・前歯部,小臼歯部は上下顎とも製品があるが,大臼歯部は無いためレジンで自作(カー
ビング)する必要がある.
重合レジンを ビング)する必要がある.
状にして支台歯に圧接した上で,カービングにより歯冠形態を作製するなどの対応をとる.
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(2)既製冠の修正
選択したポリカーボネートクラウンを,支台歯に試適する.ほとんどの場合,支台歯とポリカーボネートク
ラウンの辺縁の形態が合わずに浮き上がるので,良く見比べオーバーしている部分を鉛筆でマークするなどし
2)既製冠(ポリカーボネートクラウン)の修正
2)既製冠(ポリカーボネートクラウン)の修正
て,できる限りぴったりと合うようにポリカーボネートクラウンの辺縁をカーバイドバーやカーボランダムポ
選択したポリカーボネートクラウンを支台歯形成した歯に試適してみる.もし,歯頚部お
イントで少しずつ削合していく.内面で支台歯が当たって入らない場合も同様に削合調整していく.最終的に
選択したポリカーボネートクラウンを支台歯形成した歯に試適してみる.もし,歯頚部お
よび内面が当たって入りにくければ,その部分を削除して支台歯に入るように修正する.
よび内面が当たって入りにくければ,その部分を削除して支台歯に入るように修正する.
歯冠高径とマージン部がほど良い状態で支台歯を被覆できるようになるまで調整する.この工程は,上手に製
次に,辺縁部を少しずつポイントで削除して,歯冠高径がほどよい状態で,マージン部
次に,辺縁部を少しずつポイントで削除して,歯冠高径がほどよい状態で,マージン部
におおよそ沿った形で入るように調整する(ここを効率よく,かつ丁寧に仕上げるのが上手
作するための重要なステップである.
におおよそ沿った形で入るように調整する(ここを効率よく,かつ丁寧に仕上げるのが上手
に行うコツです)
に行うコツです)
辺縁部よりオーバーしている
部分を削除する
辺縁部よりオーバーしている
支台歯の辺縁部よりオーバーし
部分を削除する
ている部分を削合する
この柄は操作時に把持する部分
この柄は,
操作時の把持部分
として使用するので残しておく
として使用するので残しておく
この柄は,操作時の把持部分
として使用するので残しておく
3)支台歯への分離剤の塗布
(3)支台歯へのレジン分離剤の塗布
3)支台歯への分離剤の塗布
硬化途中のユニファストは,支台歯にこびり付きやすいので,あらかじめワセリン(もしく
硬化途中の常温重合レジンは支台歯に付着しやすいので,あらかじめワセリンやココアバターなどをレジン
硬化途中のユニファストは,支台歯にこびり付きやすいので,あらかじめワセリン(もしく
はココアバターなど)を塗布しておく.ワッテで小綿球を作製し,支台歯に薄く塗る.
分離剤として支台歯に薄く一層塗布しておく.ワッテで小綿球を作り支台歯に塗る.塗りすぎるとレジンの精
はココアバターなど)を塗布しておく.ワッテで小綿球を作製し,支台歯に薄く塗る.
細な圧接を妨げるので注意すること.
4)既製冠の支台歯への圧接
4)既製冠の支台歯への圧接
ポリカーボネートクラウンの内面に,気泡が入らないように注意してユニファストを筆積み
(4)既製冠の支台歯への圧接
する(手早く ポリカーボネートクラウンの内面に,気泡が入らないように注意してユニファ
やること)
.レジンがまだ十分な流動性を持っている時(筆積みした表面のモノストを筆積み
する(手早くやること).レジンがまだ十分な流動性を持っている時(筆積みした表面のモノ
マーがやや飛んで,少しテカりが鈍くなった頃がベスト)に支台歯に圧接する.切縁の長さ
まず,ポリカーボネートクラウンの内面にモノマーを塗布する.その後,気泡が入らないように注意して常
マーがやや飛んで,少しテカりが鈍くなった頃がベスト)に支台歯に圧接する.切縁の長さ
など,全体の調和が取れるように注意すること.
温重合レジンを筆積みする.最初に盛ったレジンと最後に盛ったレジンの稠度が変わらないように手早く盛り
など,全体の調和が取れるように注意すること.
付ける.レジンがまだ十分な流動性が残っているうちに支台歯にしっかりと圧接する.筆積みしたレジンの表
面のモノマーが揮発し,少しつやが無くなりかけた頃合いがちょうどよい.切縁の位置などを参考にして,最
初に既製冠のマージン部を調整して試適した状態と同じ位置にくるように注意すること.
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ポリカーボネートクラウンの
ポリカーボネートクラウンの
ポリカーボネートクラウンの
支台歯に圧接する
内面に,気泡が入らないよ
支台歯に圧接する
支台歯に圧接する
内面に,気泡が入らないよ
内面に,気泡が入らないよ
うに注意して手早くユニファ
ポリカーボネートクラウンの
表面のつやが引いたら,位置
うに注意して手早くユニファ
うに注意して手早くユニファ
内面に気泡が入らないように
がずれないように注意しなが
ストを筆積みする
注意して,手早く常温重合レ
ら支台歯に圧接する
ストを筆積みする
ストを筆積みする
ポリカーボネートクラウンの
ポリカーボネートクラウンの
ジンを筆積みする
支台歯に圧接する 支台歯に圧接する
内面に,気泡が入らないよ
内面に,気泡が入らないよ
・レジンが完全に硬化する前の,まだ弾性が残っている段階で数回出し入れして取れなくなる
・レジンが完全に硬化する前の,まだ弾性が残っている段階で数回出し入れして取れなくなる
・レジンが完全に硬化する前の,まだ弾性が残っている段階で数回出し入れして取れなくなる
うに注意して手早くユニファ
・鼓形空 のを防ぐ(完全に硬化するまで放置すると,重合収縮により締め付けられて取れなくなる)
など,隣在歯のアンダーカットに入り込んで外れなくならないよう,レジンが完全硬化する前の,
うに注意して手早くユニファ
.
のを防ぐ(完全に硬化するまで放置すると,重合収縮により締め付けられて取れなくなる)
.
のを防ぐ(完全に硬化するまで放置すると,重合収縮により締め付けられて取れなくなる)
.
ストを筆積みする
ストを筆積みする
まだ弾性が残っている段階で数回出し入れして,外れなくなるのを防ぐ
・【注意!】隣在歯との間のアンダーカットに入り込んで取れなくなる可能性のある場合は,余
・
【注意!】隣在歯との間のアンダーカッ
トに入り込んで取れなくなる可能性のある場合は,余
・出し入れの際は,余剰レジンが内面に折れ曲がって入り込まないように注意する.
・【注意!】隣在歯との間のアンダーカットに入り込んで取れなくなる可能性のある場合は,余
・レジンが完全に硬化する前の,まだ弾性が残っている段階で数回出し入れして取れなくなる
・レジンが完全に硬化する前の,まだ弾性が残っている段階で数回出し入れして取れなくなる
剰レジンを探針などである程度取り除いておくか,早めに支台歯から撤去する.
剰レジンを探針などである程度取り除いておくか,早めに支台歯から撤去する.
剰レジンを探針などである程度取り除いておくか,早めに支台歯から撤去する.
のを防ぐ(完全に硬化するまで放置すると,重合収縮により締め付けられて取れなくなる)
.
・アンダーカットに入り込んだ量が多い場合は,マージン部の変形を招かない範囲で余剰レジンを探針で取り
のを防ぐ(完全に硬化するまで放置すると,重合収縮により締め付けられて取れなくなる)
.
5)内面および辺縁の適合の確認
除いておくか,早めに支台歯から撤去すなどの配慮をする.
5)内面および辺縁の適合の確認
5)内面および辺縁の適合の確認
・
【注意!】隣在歯との間のアンダーカッ
トに入り込んで取れなくなる可能性のある場合は,余
・
【注意!】隣在歯との間のアンダーカッ
トに入り込んで取れなくなる可能性のある場合は,余
剰レジンを探針などである程度取り除いておくか,早めに支台歯から撤去する.
剰レジンを探針などである程度取り除いておくか,早めに支台歯から撤去する.
取り外した仮封冠は,内面と辺縁マージン部をチェックし,マージンラインが明瞭に出ている
取り外した仮封冠は,内面と辺縁マージン部をチェックし,マージンラインが明瞭に出ている
取り外した仮封冠は,内面と辺縁マージン部をチェックし,マージンラインが明瞭に出ている
(5)内面および辺縁の適合の確認
ことを確認する.
ことを確認する.
ことを確認する.
5)内面および辺縁の適合の確認
5)内面および辺縁の適合の確認
取り外した暫間被覆冠は,内面に荒れがないこと,辺縁部のマージンラインが明瞭に出ていることを確認す
る 取り外した仮封冠は,内面と辺縁マージン部をチェックし,マージンラインが明瞭に出ている
取り外した仮封冠は,内面と辺縁マージン部をチェックし,マージンラインが明瞭に出ている
ことを確認する. ことを確認する.
マージン部を十分に乾燥
支台歯のマージン部を
マージン部を十分に乾燥
マージン部を十分に乾燥
十分に乾燥した後,ワ
仮封冠のマージン部にもモノマーを
した後,ワセリンを薄く塗
レジンがマージン部を
レジンがマージン部を
暫間被覆冠のマージン部にもモノマーを
仮封冠のマージン部にもモノマーを
した後,ワセリンを薄く塗
レジンがマージン部を
セリンを薄く塗布して
仮封冠のマージン部にもモノマーを
した後,ワセリンを薄く塗
レジンがマージン部を
十分に覆っていない
塗布した後,手早く再度圧接する.
布して筆積みで少量のレジ
十分に覆っていない
塗布した上で,浮き上がらないように十
筆積みで少量のレジン
塗布した後,手早く再度圧接する.
布して筆積みで少量のレジ
十分に覆っていない
塗布した後,手早く再度圧接する.
布して筆積みで少量のレジ分に注意しながら,手早く再度圧接する
十分に覆っていない
を素早く盛る
その際,浮き上がらないように注意.
ンを盛る
その際,浮き上がらないように注意.
ンを盛る
その際,浮き上がらないように注意.
ンを盛る
6)マージン部の調整
マージン部を十分に乾燥
マージン部を十分に乾燥
6)マージン部の調整
(6)マージン部の調整
仮封冠のマージン部にもモノマーを
した後,ワセリンを薄く塗
レジンがマージン部を
仮封冠のマージン部にもモノマーを
した後,ワセリンを薄く塗
レジンがマージン部を
カーバイドバーやカーボランダムポイントを使用して,辺縁マージン部の余剰レジンを削合する.余剰部分
カーボランダムポイントやカーバイドバーなどを用いて,マージン辺縁部の余剰レジンを削除
塗布した後,手早く再度圧接する.
布して筆積みで少量のレジ
十分に覆っていない
塗布した後,手早く再度圧接する.
布して筆積みで少量のレジ
十分に覆っていない
カーボランダムポイントやカーバイドバーなどを用いて,マージン辺縁部の余剰レジンを削除
する.
ンを盛る
その際,浮き上がらないように注意.
ンを盛る その際,浮き上がらないように注意.
の形態修正が終わったら,暫間被覆冠を支台歯に試適し,マージン部の適合を確認する.
する.
①余剰レジンがマージン部を越えて歯肉ポケットに入り込んでいる場合
①余剰レジンがマージン部を越えて歯肉ポケットに入り込んでいる場合
①余剰レジンがマージン部を越えて歯肉ポケットに入り込んでいる場合
②
② ②
①
① ①
余剰レジン
余剰レジン
オーバーマージンに
オーバーマージンに
なっている
オーバーマージンに
なっている
なっている
マージンを尖った鉛
マージンラインをとがった
筆の先端でなぞる
マージンラインをとがった
鉛筆の先端でなぞる
鉛筆の先端でなぞる
②余剰レジンがマージン部まででとどまっている場合
②余剰レジンがマージン部まででとどまっている場合
①→②の順番で削合
①,②,
の順で削除する
①,
②,
の順で削除する
する
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余剰レジン
余剰レジン
余剰レジン
①,
②,
の順で削除する
①,
②,
の順で削除する
マージンラインをとがった ①,②,
マージンラインをとがった
の順で削除する
マージンラインをとがった
鉛筆の先端でなぞる
鉛筆の先端でなぞる
鉛筆の先端でなぞる
オーバーマージンに
オーバーマージンに
オーバーマージンに
なっている
なっている
なっている
②余剰レジンがマージン部まででとどまっている場合
②余剰レジンがマージン部まででとどまっている場合
②余剰レジンがマージン部まででとどまっている場合
②余剰レジンがマージン部まででとどまっている場合
マージンがちょうどまで
マージンちょうどまで
になっている
マージンちょうどまで
マージンちょうどまで
になっている
になっている
になっている
マージン部を鉛筆の芯の
ラインのように削合する
ラインのように削除する
ラインのように削除する
マージン部を鉛筆の芯の ラインのように削除する
腹でなぞる
マージン部を鉛筆の芯の
マージン部を鉛筆の芯の
腹の部分でなぞる
腹の部分でなぞる
腹の部分でなぞる
(7)隣接面の調整(※本実習では省略)
7)咬合調整
7)咬合調整
隣接面に
間がある場合には,常温重合レジンを添加して,支台歯に圧接する.アンダーカットに入り込ん
7)咬合調整
で完全硬化してしまわないように注意する.隣在歯の隣接面が印記された圧痕部の最深部を鉛筆でマークした
8)研磨(※省略)
余剰部分の形態修正が終わった仮封冠を支台歯に試適し,咬合紙を咬ませた上で患者に前
余剰部分の形態修正が終わった仮封冠を支台歯に試適し,咬合紙を咬ませた上で患者に前
後,適切な形態にトリミングする.
余剰部分の形態修正が終わった仮封冠を支台歯に試適し,咬合紙を咬ませた上で患者に前
(8)
方運動,側方運動を行わせて,咬合調整を行う.調整が不充分で早期接触,咬頭干渉等が
方運動,側方運動を行わせて,咬合調整を行う.調整が不充分で早期接触,咬頭干渉等が
調整の終了した仮封冠は,十分な研磨を行う.
方運動,側方運動を行わせて,咬合調整を行う.調整が不充分で早期接触,咬頭干渉等が
あると,仮封冠の脱離,破折や支台歯の過重負荷による疼痛などを起こすので注意する.
あると,仮封冠の脱離,破折や支台歯の過重負荷による疼痛などを起こすので注意する.
合調整
あると,仮封冠の脱離,破折や支台歯の過重負荷による疼痛などを起こすので注意する.
合紙を介在して患者に中心 合位でタッピングをさせ,
合高径の確認をし,必要であれば調整を行う.
例:ビッグシリコンポイント(茶)
→ ビッグシリコンポイント(白)
→ バフ+ルージュ
①前方運動時(アンテリアガイダンス)の咬合調整
①前方運動時(アンテリアガイダンス)の咬合調整
・次に,前方運動と左右の側方運動を行わせて,偏心運動時の
合調整を行う.
①前方運動時(アンテリアガイダンス)の咬合調整
②左右側方運動時の咬合調整
②左右側方運動時の咬合調整
9)仮着(※省略)
②左右側方運動時の咬合調整
(9)研摩(※本実習では省略)
完成した仮封冠を支台歯に装着する.仮着には専用のセメントを用い外れやすいこと,
・ 合調整が終わったら,研摩を行う.
仮封冠そのものは破折しやすいこと,外れた場合の誤嚥に注意することなどを患者に説明する.
・研磨完了時に適切な 合接触になるように心掛け,磨きすぎないように注意する.
・研摩には,レジン研摩用のポイントを使用する(よくある金属研摩用の茶色や青色のシリコーンポイントと
仮着材の例:
は異なるので注意)
テンポラリーパック(非ユージノール系仮着材)
ハイボンドテンポラリーセメント(軟性)
,ハイボンドテンポラリーセメント(硬性)
(10)仮着(※本実習では省略)
・完成した暫間被覆冠は,仮着用セメントを用いて支台歯に装着(仮着)する.
10)仮封冠の撤去(※参考)
・患者には,脱離しやすいこと,暫間被覆冠自体が材質の強度が十分ではないので破折しやすいこと,それら
の際の誤嚥に注意することなどを説明する.
次回来院時に仮封冠を外す際は,クラウンリムーバーをマージン部に引っかけて叩くことに
・本院の外来で用いられる仮着材には,保持力の弱い方から順に,テンポラリーパック,ハイボンドテンポラ
より撤去する方法がよく用いられる.ただしこの場合は,せっかくていねいに調整したマージ
ン部を破損する可能性が高く,また,辺縁歯肉を損傷して出血を生じる場合も多い.その場
リーセメント(軟性), ハイボンドテンポラリーセメント(硬性)がある.
合,プライヤーを利用した下記の方法で行う場合もある.
(11)暫間被覆冠の撤去(※本実習では省略)
・次回の来院時に暫間被覆冠を外す際,よく用いられるのはクラウンリムーバーをマージン部に引っ掛けて叩
くことにより撤去する方法である.ただし,この場合,せっかくていねいに調整した暫間被覆冠のマージ
ン部を破損する可能性が高く,さらに,辺縁歯肉を損傷して出血を生じる場合も少なくない.これらを避
ける方法として,下記のようにプライヤーを用いた方法で行う場合もある.
仮着してある暫間被覆冠をホウのプ
ライヤーもしくはリムーバルプライ
ヤーを使用して把持し,締め付けた
りわずかに揺すったりすることによ
り仮着材の崩壊を促して,いっきに
引き抜く.
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