地球環境研究総合推進費S-3(脱温暖化2050研究プロジェクト) 平成19年度成果(S-3-1全体概要) 課題名 課題代表者名 S-3 脱温暖化社会に向けた中長期的政策オプションの多面的かつ総合的な評 価・予測・立案手法の確立に関する総合研究プロジェクト 1. 温暖化対策評価のための長期シナリオ研究 甲 斐 沼 美 紀 子( 独 立 行 政 法 人 国 立 環 境 研 究 所・地 球 環 境 研 究 セ ン タ ー 温 暖 化 対 策 評価研究室) 研究体制 (1)中長期温暖化対策シナリオの構築に関する研究 ・中長期温暖化対策主要モデルの構築(独立行政法人国立環境研究所) ・脱温暖化社会構築に向けた森林経営に関する研究(森林総合研究所) ・中長期温暖化対策サブモデルの構築(京都大学) ・エネルギー供給サイドの脱温暖化シナリオ分析(社団法人日本エネルギー学会) ・アジアを中心とした各国への環境経済モデルの適用(みずほ情報総研(株)) ・世界エネルギー供給モデルによるシナリオ分析((株)ジェイ・ケイ・エル) (2)産業構造変化要因に関する研究 ・ 2050年 脱 温 暖 化 社 会 に 向 け た 産 業 構 造 お よ び 貿 易 構 造 の 分 析 ( 財 団 法 人 地 球 環 境 戦 略 研 究 機 関 ) ・産業社会ビジョンのレビューと環境ガバナンスに関する検討(文教大学) ・欧米の主要産業に関する長期見通しに関する検討(神戸大学) 研究概要 1.はじめに(研究背景等) 温 暖 化 に よ る 深 刻 な 影 響 を 避 け る た め 、大 気 の 温 度 上 昇 を 産 業 革 命 以 前 か ら 比 べ て 2度 以 下 に 抑 え る こ と を 目 標 に し た 場 合 、 2050年 の 世 界 全 体 の 温 室 効 果 ガ ス 排 出 量 を 1990年 レ ベ ル か ら 約 50% 削 減 す る 必 要 に 迫 ら れ る 可 能 性 が あ る 。 先 進 国 で あ る 日 本 は そ れ 以 上 、 た と え ば 60か ら 80% 削 減 を 求 め られたとき、温室効果ガスをほとんど出さない脱温暖化社会像を描く必要がある。そこで、長期に わ た る 継 続 し た 取 り 組 み の 方 向 性 を で き る だ け 早 く 提 示 す る こ と が 求 め ら れ て い る 。 2050年 頃 に は 現在の社会インフラのかなりが変更されるであろう。今から長期の方向性を打ち出しておけば、都 市、交通、産業などでエネルギーに依存している現状の社会インフラを変更するための制度変革、 技術開発、ライフスタイルチェンジなどに関する具体的な政策を提案することができる。 2.研究目的 今後、半世紀の間に社会は変化する。変化の幅は大きく、場合によっては低炭素社会の実現は不 可能かもしれないし、可能でも、社会変化に対応した何らかの準備が必要であろう。人々が必要と するサービスレベルを維持・向上しつつ低炭素社会を実現するためには、今後当然見込まれる産業 構造転換や国土インフラ投資を早期から低炭素化の方向にむけて粛々と進めていかねばならない。 その上に、省エネルギー・低炭素エネルギー技術開発と投資、利用を加速する必要がある。政府が 強いリーダーシップを持って、早期の目標共有、社会・技術イノベーションに向けた総合施策の確 立 、削 減 ポ テ ン シ ャ ル を 現 実 の も の と す る た め の 強 力 な 普 及 ・促 進 策 の 実 施 、長 期 計 画 に も と づ く 確 実な政府投資の実施と民間投資の誘導を推進してゆくことが必要である。 本 研 究 は 、 2050年 日 本 に お い て 、 主 要 な 温 室 効 果 ガ ス で あ る CO 2 を 1990年 に 比 べ て 70% 削 減 す る よ うな低炭素社会を実現させることが可能かどうか叙述的・定量的に検討することを目的とする。 3.研究の方法と結果 (1)中長期温暖化対策シナリオの構築に関する研究 1)中長期温暖化対策モデルの構築に関する研究 平 成 18年 度 ま で は 、 2050年 に 向 け た 温 室 効 果 ガ ス 排 出 量 を 1990年 に 比 べ て 60か ら 80% 削 減 す る シ ナ リ オ を 叙 述 的 ・ 定 量 的 に 示 す た め 、 1)バ ッ ク キ ャ ス テ ィ ン グ の 手 法 に 基 づ い た 研 究 の 枠 組 み の 構 築 、 2) 2つ の 対 照 的 な 叙 述 シ ナ リ オ の 例 示 、 3) 社 会 経 済 像 を 様 々 な 角 度 か ら 分 析 す る 各 種 モ デ ル 群 の 開 発 、 4) 2050年 CO 2 排 出 量 70% 削 減 シ ナ リ オ の 例 示 、 5) 日 本 脱 温 暖 化 研 究 の 取 組 を 日 本 お よ び 世 界 に 紹 介 し 、広 く 連 携 を 呼 び か け 日 英 共 同 研 究 プ ロ ジ ェ ク ト の 立 ち 上 げ と 第 1回 ワ ー ク シ ョ ッ プ の 開 - 1 - 地球環境研究総合推進費S-3(脱温暖化2050研究プロジェクト) 平成19年度成果(S-3-1全体概要) 催 、 5) 滋 賀 県 シ ナ リ オ 等 、 地 域 発 の ビ ジ ョ ン の 例 示 を 行 っ た 。 本年度は、以下の研究活動を行った。 ① 2007年 2月 に 報 告 し た 、 2050年 の 日 本 の CO 2 排 出 量 を 1990年 に 比 べ て 70% 削 減 す る よ う な 低 炭 素 社 会を実現する戦略を具体的に示すため、複数の対策と政策を組み合わせた方策(例えば、高断熱住 宅 や 太 陽 エ ネ ル ギ ー を 利 用 す る 快 適 な 家 創 り を 目 的 と す る 関 連 活 動 の ま と ま り ) を 12個 に ま と め 、 目指すべき姿、目指すべき社会像を実現するための障害と施策、それらを組み合わせた実現戦略を 叙 述 的 、ま た 可 能 な 限 り 定 量 的 に 記 述 し た( 図 1、表 1)。そ の 成 果 を 2008年 5月 22日 に 記 者 発 表 し た 。 ② モデル構築の手法をアジアの国々(例:中国、インド、タイ)など世界の国に移転し、低炭素と 持 続 可 能 な 開 発 を 両 立 さ せ る シ ナ リ オ 構 築 に 貢 献 し た 。 2008年 12月 に バ リ で 行 わ れ た COP13/CMP3に て 「 低 炭 素 ア ジ ア ( Low Carbon Asia) 」 と 題 す る サ イ ド イ ベ ン ト ( 12月 8日 ) を 開 催 し 、 日 本 、 イ ンド、中国、タイ、インドネシアの低炭素社会シナリオについてその実現戦略を報告・議論した。 ③ 日 英 低 炭 素 社 会 研 究 プ ロ ジ ェ ク ト の 活 動 を 発 展 さ せ た 。2007年 6月 に ロ ン ド ン で 第 2回 国 際 ワ ー ク シ ョ ッ プ を 行 い 、 そ の 成 果 を COP13/CMP3で 報 告 し た 。 ま た 、 2008年 2月 に 東 京 に て 第 3回 国 際 ワ ー ク シ ョ ッ プ を 行 い 、 そ こ で 行 わ れ た 議 論 を Call for Actionお よ び Executive Summaryと し て ま と め 、 2008年 3月 に 千 葉 で 行 わ れ た G20( グ レ ン イ ー グ ル ス 対 話 ) で 日 英 環 境 大 臣 か ら 紹 介 さ れ た 。 ④ 研 究 で 示 し た 滋 賀 ビ ジ ョ ン・シ ナ リ オ は ,パ ブ リ ッ ク コ メ ン ト 聴 取 や 滋 賀 県 議 会 で の 議 論 を 経 て 、 2008年 3月 17日 に 行 政 計 画 と し て 決 定 ・ 公 表 さ れ た 。 <シナリオB> 24 ● ● 10 ● ● □ ● ● ● ● 4 ● 24 ● 13 産業 42 21 4 24 16 ● ● ● ● 14 民生 28 38 ● ● ● ● 16 65 17 9 ● ● ● ● ● ● ● ● 41 52 77 36 エネ CCS 転換 77 ● ● ● ● ● 5 28 ● ● ● ● ● 23 17 ● ● ● ● ● 77 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● +) 34 40 35 23 運輸 62 エネ 転換 40 40 230 :方策が間接的に削減に寄与する部門(削減量には勘定せず) □:削減量を活動量変化に計上した部門 図1 ※ 図中の数字はCO 2削減量(MtC) 低 炭 素 社 会 に 向 け た 12の 方 策 に よ る CO 2 削 減 効 果 - 2 - 82 34 +) 230 ●:方策が直接的に削減に寄与する部門 63 5 35 7 24 13 14 13 21 エネルギー効率改善 需要削減 ● 40 エネ需要部門 ● 活動量 変化 炭素強度改善 1 21 炭素強度改善 エネ転換 部門 ● 2050年 CO2排出量 需要削減 全ての内数 運輸 2050年 CO2排出量 エネルギー効率改善 エネ需要部門 70%削減 炭素強度改善 炭素強度改善 エネ転換部門 2000年CO 2000年CO 2排出量 2排出量 2000年CO 1990年CO 2排出量 2排出量 ⑫ 低炭素社会の担い手づくり 主にエネ転換 95 - 81 ⑪ 「見える化」で賢い選択 ⑩ 次世代エネルギー供給 ⑨ 太陽と風の地産地消 主に運輸 44 - 45 ⑧ カーボンミニマム系統電力 36 民生 60 □ ⑦ 歩いて暮らせる街づくり 9 7 ● ⑥ 滑らかで無駄のないロジスティクス 38 ⑤ 人と地球に責任を持つ産業・ビジネス 90 主に産業で 30 - 35 (+ α) 活動量 6 変化 産業 35 ④ 森林と共生できる暮らし 10 13 ③ 安心でおいしい旬産旬消型農業 6 21 6 1 24 ② トップランナー機器をレンタルする暮らし ① 快適さを逃さない住まいとオフィス 主に民生で 56 - 48 <シナリオA> 地球環境研究総合推進費S-3(脱温暖化2050研究プロジェクト) 平成19年度成果(S-3-1全体概要) 表1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 低 炭 素 社 会 に 向 け た 12の 方 策 方策の名称 説明 快適さを逃さない住まい 建物の構造を工夫することで光を とオフィス 取 り 込 み 暖 房・冷 房 の 熱 を 逃 が さ な い建築物の設計・普及 トップランナー機器をレ レンタルなどで高効率機器の初期 ンタルする暮らし 費用負担を軽減しモノ離れしたサ ービス提供を推進 安心でおいしい旬産旬消 露地で栽培された農産物など旬の 型農業 ものを食べる生活をサポートする ことで農業経営が低炭素化 森林と共生できる暮らし 建 築 物 や 家 具・建 具 な ど へ の 木 材 積 極 的 利 用 、吸 収 源 確 保 、長 期 林 業 政 策で林業ビジネス進展 人と地球に責任を持つ産 消 費 者 の 欲 し い 低 炭 素 型 製 品・サ ー 業・ビジネス ビ ス の 開 発・販 売 で 持 続 可 能 な 企 業 経営を行う 滑らかで無駄のないロジ SCM * 1 で 無 駄 な 生 産 や 在 庫 を 削 減 スティックス し 、産 業 で 作 ら れ た サ ー ビ ス を 効 率 的に届ける 歩いて暮らせる街づくり 商 業 施 設 や 仕 事 場 に 徒 歩・自 転 車 ・ 公共交通機関で行きやすい街づく り カーボンミニマム系統電 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 、原 子 力 、CCS * 2 力 併設火力発電所からの低炭素な電 気を、電力系統を介して供給 太陽と風の地産地消 太 陽 エ ネ ル ギ ー 、風 力 、地 熱 、バ イ オマスなどの地域エネルギーを最 大限に活用 次世代エネルギー供給 水 素・バ イ オ 燃 料 に 関 す る 研 究 開 発 の推進と供給体制の確立 「見える化」で賢い選択 CO 2 排 出 量 な ど を「 見 え る 化 」し て 、 消費者の経済合理的な低炭素商品 選択をサポートする 低炭素社会の担い手づく 低炭素社会を設計する・実現させ り る・支える人づくり CO 2 削 減 量 民生分野 56~ 48 産業分野 30~ 35 運輸分野 44~ 45 エネルギー 転換分野 95~ 81 横断分野 ( 右 欄 の 数 値 は シ ナ リ オ Aお よ び Bに 12の 方 策 を 適 用 さ せ た と き の CO 2 排 出 削 減 可 能 量 、 単 位 は MtC) * 1 SCM( Supply Chain Management) : 材 料 の 供 給 者 、 製 造 者 、 卸 売 、 小 売 、 顧 客 を 結 ぶ 供 給 連 鎖 管理 * 2 CCS( Carbon dioxide Capture and Storage) : 二 酸 化 炭 素 隔 離 貯 留 (2)産業構造変化要因に関する研究 日本における産業化とガバナンスのありかたにかかる理論的検討として、エコロジカル・モダナ イゼーション論における調整の方法に関して、いかなる調整方法が社会的に安定的なリスクの受容 体制に結びつくか、さらに環境制約に対していかなる調整方法が求められるか、その要件を示すと ともに、日本におけるエコロジカル・モダナイゼーションの過程の適用可能性について検討した。 その結果、欧州型市民社会とは異なる日本型の社会的調整方法に基づく低炭素型の社会モデルの構 築の用件として、「開かれた対話」をもとにリスク対処の作業の場の設定、政治化も形骸化もされ な い 対 話 の 維 持 、 信 頼 ・ 安 心 状 況 の 社 会 的 醸 成 、 の 3点 が 抽 出 さ れ た 。 また、低炭素化対策の貿易構造への影響予測に関しては、低炭素社会に向けた取り組みが日本の 経済システム全体に大きな影響を与えるに留まらず、国際競争力への影響など貿易構造にも変化を も た ら す こ と か ら 、 こ の 両 者 を 一 体 に 分 析 す る ツ ー ル と し て 、 GTAP-Eを ベ ー ス に 、 生 産 関 数 に お け - 3 - 地球環境研究総合推進費S-3(脱温暖化2050研究プロジェクト) 平成19年度成果(S-3-1全体概要) る代替弾性値の見直し、およびエネルギー効率改善を反映したモデルを開発した。このモデルを用 い て 、 日 本 の み が 炭 素 税 を 導 入 す る シ ナ リ オ ( Experiment 1) と 、 日 本 以 外 の 国 が 一 律 で 二 酸 化 炭 素 1ト ン 当 た り 15ド ル の 炭 素 税 を 導 入 す る シ ナ リ オ ( Experiment 2) の 2通 り の 低 炭 素 政 策 シ ナ リ オ について、貿易構造および日本の産業構造に関するシミュレーションを行った。貿易構造に関して は 、 表 1に 示 す よ う に 、炭 素 税 導 入 に よ る 鉄 鋼 製 品 の 輸 出 減 お よ び サ ー ビ ス の 輸 出 増 、あ る い は エ ネ ルギー資源を含む鉱業製品の輸入減など理論的予想と一致する結果となった。 表1 低炭素政策による日本の貿易構造への影響 輸出(日本) 名目輸出額ベース 輸入(日本) 2001 BL2020 Exp.1-2020 Exp.2-2020 名目輸入額ベース 農林水産物 0.3% 1.3% 1.3% 1.3% 農林水産物 鉱業製品 0.0% 0.1% 0.1% 0.1% BL2020 Exp.1-2020 Exp.2-2020 4.0% 2.6% 2.6% 2.6% 鉱業製品 11.9% 6.2% 4.0% 4.0% 17.8% 16.4% 16.7% 16.7% 1.1% 0.8% 0.8% 0.8% 44.7% 52.2% 53.7% 53.7% 軽工業製品 2.7% 2.7% 2.7% 2.7% 軽工業製品 鉄鋼 3.7% 4.4% 4.0% 4.1% 鉄鋼 79.7% 72.5% 72.2% 72.2% その他工業製品 2001 その他工業製品 建設 0.9% 1.1% 1.1% 1.1% 建設 1.1% 1.7% 1.7% 1.7% 交通 7.6% 12.1% 12.4% 12.4% 交通 5.9% 5.3% 5.6% 5.6% その他サービス 合計 5.1% 5.8% 6.2% 6.1% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 2001 BL2020 その他サービス 合計 輸出(日本) 実質輸出額ベース Exp.2-2020 2.7% 8.7% 8.1% 8.2% 鉱業製品 5.1% 9.4% 18.1% 12.6% 11.5% 2.1% 2.5% 59.5% 建設 交通 鉄鋼 その他工業製品 その他サービス 合計 14.9% 14.9% 14.9% 100.0% 100.0% 100.0% 2001 BL2020 輸入(日本) Exp.1-2020 農林水産物 軽工業製品 13.6% 100.0% 実質輸入額ベース Exp.1-2020 Exp.2-2020 農林水産物 2.9% 2.0% 2.0% 2.0% 16.5% 鉱業製品 5.3% 3.0% 2.0% 2.0% 10.8% 10.9% 軽工業製品 12.9% 12.7% 12.7% 12.7% 2.0% 2.1% 2.2% 1.9% 2.0% 2.0% 50.9% 45.2% 46.2% 59.4% 61.4% 62.2% 62.2% 0.4% 0.5% 0.4% 0.5% 建設 0.4% 0.6% 0.6% 0.6% 4.6% 4.3% 3.5% 3.6% 交通 4.5% 4.7% 4.9% 4.9% 13.0% 12.2% 11.9% 12.1% 12.6% 13.7% 13.6% 13.6% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 鉄鋼 その他工業製品 その他サービス 合計 ま た 日 本 の 産 業 構 造 に 関 し て は 、表 2に 示 す よ う に 、実 質 出 荷 額 ベ ー ス で 見 た 場 合 に 一 般 サ ー ビ ス 業が若干増えるものの、炭素税導入による影響は極めて小さいという結果となった。 - 4 - 地球環境研究総合推進費S-3(脱温暖化2050研究プロジェクト) 平成19年度成果(S-3-1全体概要) 表2 低炭素政策による日本の産業構造への影響 産業構造(日本) 名目出荷額ベース 農林水産業 鉱業 軽工業 製鉄業 その他工業 建設業 交通 その他サービス 合計 2001 1.4% 0.2% 6.2% 2.1% 25.3% 8.7% 5.6% 50.6% 100.0% BL2020 1.0% 0.1% 4.7% 1.8% 23.6% 11.8% 5.2% 51.8% 100.0% Exp.1-2020 1.0% 0.2% 4.7% 1.8% 23.2% 12.0% 5.3% 51.8% 100.0% Exp.2-2020 1.0% 0.2% 4.7% 1.8% 23.2% 12.0% 5.3% 51.9% 100.0% 産業構造(日本) 実質出荷額ベース 農林水産業 鉱業 軽工業 製鉄業 その他工業 建設業 交通 その他サービス 合計 2001 1.4% 0.2% 6.2% 2.1% 25.3% 8.7% 5.6% 50.6% 100.0% BL2020 1.3% 0.2% 5.3% 2.0% 22.5% 11.4% 5.5% 51.7% 100.0% Exp.1-2020 1.3% 0.2% 5.3% 2.0% 22.1% 11.6% 5.4% 52.2% 100.0% Exp.2-2020 1.3% 0.2% 5.3% 2.0% 22.1% 11.6% 5.4% 52.2% 100.0% 産 業 構 造 分 析 に つ い て は 、産 業 構 造 の 変 革 に 関 す る 国 際 シ ン ポ ジ ウ ム 、お よ び 政 策 対 話 を 実 施 し 、 低炭素社会における産業のあり方に関して、対話型合意の方法論を模索する。また、シンポジウム 参加者に対する日本の産業構造変革に関するアンケート調査を実施し、主要業種の低炭素社会に関 する見解について分析するとともに、低炭素社会における産業のあり方に関して対話型合意形成の 方法論について検討した。 4.考察 (1)中長期温暖化対策シナリオの構築に関する研究 本 研 究 の 基 礎 に あ る 対 策 モ デ ル 研 究 は 、 2050年 に 70% 削 減 す る と い う 目 標 達 成 の た め に 、 2050年 からさかのぼって、今そしてこれから何をしてゆかねばならないかを検討するバックキャスティン グ の 手 法 を 使 っ て い る 。 こ の 対 策 モ デ ル か ら 、 ど の 分 野 で ど の よ う な エ ネ ル ギ ー 利 用 ( あ る い は CO 2 排 出 )に し な け れ ば な ら な い か が 、描 か れ る 。こ れ ら の 結 果 を も と に 、 そ の よ う な 姿 を 実 現 す る た め にはどのような行動、技術選択、社会改革をなさねばならないか、そしてそのためにどのような政 策・手段をとることが考えられるかを「方策」という形で描いた。将来の技術進歩などを考えると、 対策は遅いほうが経済的に有利であるとされる場合があるが、必要な社会インフラの形成には時間 がかかり、一気に実現しようとすると資源、資金、労働力の制約が生じかえって経済的に不利にな る。気候変化への対応は、明解な目標に向かって、順序立てた整合性ある政策展開が必要であり、 効果的である。また、気候変化への対応は、これまでの資源・エネルギー依存型技術社会から、少 ない資源・エネルギーで効用を高める社会への大きな転換のきっかけであり、われわれがさらにそ の先に目指すべき持続可能社会への第一歩である。また、日本は世界で先端を行く高齢化社会とし て新たな国づくりのときである。低炭素社会形成は、変革を要求するこれらの状況を十分に踏まえ て、それらとの相乗的効果をもたらす形で進めねばならない。 (2)産業構造変化要因に関する研究 欧 州 と の 対 比 で 日 本 に お け る エ コ ロ ジ カ ル・モ ダ ナ イ ゼ ー シ ョ ン 流 の 調 整 の 実 現 を 期 待 す る に は 、 - 5 - 地球環境研究総合推進費S-3(脱温暖化2050研究プロジェクト) 平成19年度成果(S-3-1全体概要) 「市民(企業をも含む)」の不在、「個人化」による集合的対応の困難さを乗り越える結束、対話 機会の未整備、情報の仲介者の未成熟、情報の偏在、決定のための基準づくりの遅れなど克服する 必要がある。しかし、脱温暖化型の社会モデルの構築を、「政府・企業・市民という社会の主要ア クターがおのおのの持ち味を十分発揮してスクラムを組んだ協力社会を築き、社会全体の弾力性や 創造性を高めていく」と捕らえるならば、欧州型市民社会とは異なる形で日本の強みを活かした社 会的調整の方法を構築する道があるであろう。貿易構造予測に関しては、大規模な産業構造変化な どの劇的変化のモデル化が難しい一般均衡モデルの特性に対し何らかの追加的改良が必要であるこ と、およびすべての産業セクターに一律のエネルギー効率改善が仮定されている点など、今後改善 が望ましい。 5.本研究により得られた成果 (1)科学的意義 ・ 2050年 の 日 本 の CO 2 排 出 量 を 1990年 に 比 べ て 70% 削 減 す る よ う な 低 炭 素 社 会 を 実 現 す る 戦 略 を 、複 数 の 対 策 と 政 策 を 組 み 合 わ せ た 方 策( 例 え ば 、高 断 熱 住 宅 や 太 陽 エ ネ ル ギ ー を 利 用 す る 快 適 な 家 創 り を 目 的 と す る 関 連 活 動 の ま と ま り )と し て 12個 に ま と め 、目 指 す べ き 姿 、目 指 す べ き 社 会 像 を 実 現 す る た め の 障 害 と 施 策 、そ れ ら を 組 み 合 わ せ た 実 現 戦 略 を 叙 述 的 、ま た 可 能 な 限 り 定 量 的 に記述することで、具体的に示すことができた。 ・ 日 本 に お け る 産 業 化 と ガ バ ナ ン ス の あ り か た と し て 、社 会 的 調 整 プ ロ セ ス に 着 目 す る こ と で 、欧 州型市民社会とは異なった日本独自の社会的調整メカニズムに基づく脱温暖化型社会モデルの 構 築 が 可 能 で あ る こ と が 分 か っ た 。貿 易 構 造 分 析 に 関 し て は 、GTAP-Eモ デ ル を ベ ー ス と し て 貿 易 お よ び 産 業 構 造 を 考 慮 し た 低 炭 素 シ ナ リ オ 作 成 に 適 し た 分 析 ツ ー ル を 開 発 し た 。予 備 的 検 討 と し て 行 っ た 2つ の 低 炭 素 シ ナ リ オ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 結 果 か ら 、 エ ネ ル ギ ー 改 善 効 率 予 測 の 精 緻 化 など、今後改良が必要な点が同定された。 (2)地球環境政策への貢献 ・ 中 央 環 境 審 議 会 地 球 環 境 部 会 に お い て 、2007年 9月 21日 か ら 12月 7日 ま で 行 わ れ た「 低 炭 素 社 会 づ く り に 向 け て 」の 報 告 書 、第 三 次 環 境 基 本 計 画( 平 成 18年 4月 7日 閣 議 決 定 )に お い て 、超 長 期 ビ ジ ョ ン を 示 す こ と が 明 示 さ れ た こ と を 受 け 、 平 成 18年 6月 、 総 合 環 境 政 策 局 長 の 下 、 有 識 者 に よ る 超 長 期 ビ ジ ョ ン 検 討 会 及 び 超 長 期 ビ ジ ョ ン 検 討 ア ド バ イ ザ リ ー・グ ル ー プ を 設 置 し 、検 討 さ れ た「超長期ビジョンの検討について」の報告書など各所で本研究が引用されている。 ・ モ デ ル 構 築 の 手 法 を ア ジ ア の 国 々( 例 : 中 国 、イ ン ド 、タ イ )な ど 世 界 の 国 に 移 転 し 、脱 温 暖 化 と 持 続 可 能 な 開 発 を 両 立 さ せ る シ ナ リ オ 構 築 に 貢 献 し た 。 2008年 12月 に バ リ で 行 わ れ た COP13/CMP3に て 「 低 炭 素 ア ジ ア ( Low Carbon Asia) 」 と 題 す る サ イ ド イ ベ ン ト ( 12月 8日 ) を 開 催 し 、日 本 、イ ン ド 、中 国 、タ イ 、イ ン ド ネ シ ア の 低 炭 素 社 会 シ ナ リ オ に つ い て そ の 実 現 戦 略 と ともに報告・議論した。 ・ 日 英 低 炭 素 社 会 研 究 プ ロ ジ ェ ク ト の 活 動 を 発 展 さ せ た 。2007年 6月 に ロ ン ド ン で 第 2回 国 際 ワ ー ク シ ョ ッ プ を 行 い 、そ の 成 果 を COP13/CMP3で 報 告 し た 。ま た 、2008年 2月 に 東 京 に て 第 3回 国 際 ワ ー ク シ ョ ッ プ を 行 い 、 そ こ で 行 わ れ た 議 論 を Call for Actionお よ び Executive Summaryと し て ま と め 、 2008年 3月 に 千 葉 で 行 わ れ た G20( グ レ ン イ ー グ ル ス 対 話 ) で 日 英 環 境 大 臣 か ら 紹 介 さ れ た 。 ・ 研 究 で 示 し た 滋 賀 ビ ジ ョ ン・シ ナ リ オ は 、パ ブ リ ッ ク コ メ ン ト 聴 取 や 滋 賀 県 議 会 で の 議 論 を 経 て 、 2008年 3月 17日 に 行 政 計 画 と し て 決 定 ・ 公 表 さ れ た 。 ・ 政 府 に よ り 2008年 2月 に 設 立 さ れ た「 地 球 温 暖 化 問 題 に 関 す る 懇 談 会 」( 通 称 低 炭 素 社 会 懇 談 会 ) に て 、7月 に 行 わ れ る G8洞 爺 湖 サ ミ ッ ト に 向 け た 提 言 作 り に 貢 献 す る 予 定 で あ る 。そ の 成 果 の 1つ と し て 、2008年 6月 9日 に 公 表 さ れ た 福 田 ビ ジ ョ ン「『 低 炭 素 社 会 ・ 日 本 』」を 目 指 し て 」が 表 明 された。 ・ 年 間 100件 ほ ど の 講 演 を 行 い 、 直 接 に ス テ ー ク ホ ル ダ ー に 研 究 の 中 身 を 伝 え る と と も に 、 雑 誌 、 新聞、テレビなどのメディアに広く紹介された。 6.研究者略歴 テーマ代表者:甲斐沼美紀子 1950年 生 ま れ 、 京 都 大 学 工 学 部 卒 業 、 工 学 博 士 、 現 在 、 独 立 行 政 法 人 国 立 環 境 研 究 所 地球環境研究センター温暖化対策評価研究室室長 - 6 - 地球環境研究総合推進費S-3(脱温暖化2050研究プロジェクト) 平成19年度成果(S-3-1全体概要) 主要参画研究者 (1) 甲斐沼美紀子(同上) 増井利彦 1970年 生 ま れ 、大 阪 大 学 工 学 部 卒 業 、工 学 博 士 、現 在 独 立 行 政 法 人 国 立 環 境 研 究 所 社 会 環 境システム研究領域統合評価研究室室長 藤野純一 1972年 生 ま れ 、東 京 大 学 工 学 部 卒 業 、工 学 博 士 、現 在 独 立 行 政 法 人 国 立 環 境 研 究 所 地 球 環 境研究センター温暖化対策評価研究室主任研究員 花岡達也 1973年 生 ま れ 、東 京 大 学 工 学 部 卒 業 、工 学 博 士 、現 在 独 立 行 政 法 人 国 立 環 境 研 究 所 地 球 環 境研究センター温暖化対策評価研究室研究員 松岡譲 1950年 生 ま れ 、 京 都 大 学 工 学 部 卒 業 、 工 学 博 士 、 現 在 京 都 大 学 大 学 院 地 球 環 境 学 堂 教 授 河瀬玲奈 1977年 生 ま れ 、 京 都 大 学 工 学 部 卒 業 、 現 在 京 都 大 学 大 学 院 地 球 環 境 学 堂 助 教 島田幸司 1961年 生 ま れ 、 京 都 大 学 工 学 部 卒 業 、 工 学 博 士 、 現 在 立 命 館 大 学 経 済 学 部 教 授 日比野剛 1965年 生 ま れ 、東 京 理 科 大 学 卒 業 、理 学 修 士 、現 在 み ず ほ 情 報 総 研 株 式 会 社 シ ニ ア マ ネ ジ ャー 榎原友樹 1977年 生 ま れ 、 Reading( レ デ ィ ン グ ) 大 学 卒 業 、 理 学 修 士 、 現 在 み ず ほ 情 報 総 研 株 式 会 社チーフコンサルタント 板橋重幸 1947年 生 ま れ 、 慶 応 義 塾 大 学 工 学 部 卒 業 、 現 社 団 法 人 日 本 エ ネ ル ギ ー 学 会 専 務 理 事 長田紘一 1942年 生 ま れ 、 成 蹊 大 学 工 学 部 卒 業 、 現 在 株 式 会 社 ジ ェ イ ・ ケ イ ・ エ ル 代 表 取 締 役 外崎真理雄 1955年 生 ま れ 、 東 京 大 学 農 学 部 卒 業 、 農 学 博 士 、 現 在 独 立 行 政 法 人 森 林 総 合 研 究 所 木 材 特性研究領域長 久保山裕史 1966年 生 ま れ 、 東 京 大 学 農 学 部 卒 業 、 農 学 博 士 、 現 在 独 立 行 政 法 人 森 林 総 合 研 究 所 林 業 経営・政策研究領域林業システム研究室主任研究員 (2) 小嶋公史 1969年 生 ま れ 、 ヨ ー ク 大 学 大 学 院 環 境 学 専 攻 卒 業 、 Ph.D.、 現 在 財 団 法 人 地 球 環 境 戦 略 研 究機関 バイオ燃料プロジェクトサブマネージャー 木村ひとみ 1977年 生 ま れ 、 Temple大 学 Beasley School of Law修 了 、 LL.M.、 現 在 財 団 法 人 地 球 環 境 戦 略研究機関 気候政策プロジェクト研究員 藤井 美文 1950年 生 ま れ 、早 稲 田 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 卒 業 、工 学 修 士 、現 在 文 教 大 学 大 学 院 国 際協力学研究科教授 石川雅紀 1954年 生 ま れ 、 東 京 大 学 工 学 系 大 学 院 化 学 工 学 専 攻 博 士 課 程 単 位 習 得 退 学 、 工 学 博 士 、 現在神戸大学大学院経済学研究科教授 山田修嗣 1968年 生 ま れ 、中 央 大 学 大 学 院 文 学 研 究 科 社 会 学 専 攻 博 士 後 期 課 程 満 期 退 学 、現 在 文 教大学国際学部助教授 7.成果発表状況 (1)査読付き論文 1 ) K. Shimada, Y. Tanaka, K. Gomi, Y. Matsuoka, “ Developing a long-term local society design - 7 - 地球環境研究総合推進費S-3(脱温暖化2050研究プロジェクト) 平成19年度成果(S-3-1全体概要) methodology towards a low-carbon economy: An application to Shiga Prefecture in Japan” , Energy Policy, 35(9), 4688-4703, 2007 2 ) K. Gomi, K. Shimada, Y. Matsuoka, M. Naito, “ Scenario study for a regional low-carbon society” , Sustainability Science, 2(1), 121-131, 2007 3)五味 馨、島田幸司、松岡 譲:「地方自治体における統合環境負荷推計ルーツ開発と滋賀県 へ の 適 用 」 、 環 境 シ ス テ ム 論 文 集 、 35、 255-264、 2007 4)山下隆久、金森有子、松岡 譲:「人口・世帯構成と環境負荷発生量の係わりについて」、環 境 シ ス テ ム 論 文 集 、 35、 315-326、 2007 5 )藤 原 健 史 、松 岡 譲 、金 森 有 子:「 消 費 支 出 構 造 を 考 慮 し た 家 庭 ご み 発 生 量 推 計 モ デ ル の 開 発 」、 環 境 シ ス テ ム 論 文 集 、 35、 471-480、 2007 6)太田 宏、蟹江憲史、河瀬玲奈:「各国の低炭素社会への中長期目標シナリオと国際政治的考 察 」 、 地 球 環 境 、 12(2)、 123-134、 2007 7)榎原友樹、藤野純一、日比野 剛、松岡 譲:「低炭素社会検討の前提となる社会経済ビジョ ン の 構 築 」 、 地 球 環 境 、 12(2)、 145-151、 2007 8)藤野純一、日比野 剛、榎原友樹、松岡 譲、増井利彦、甲斐沼美紀子:「低炭素社会のシナ リ オ と そ の 実 現 の 可 能 性 」 、 地 球 環 境 、 12(2)、 153-160、 2007 9)増井利彦、松岡 譲、日比野 剛:「バックキャスティングによる脱温暖化社会実現の対策経 路 」 、 地 球 環 境 、 12(2)、 161-169、 2007 10)藤野純一、日比野剛、榎原友樹、芦名秀一:「低炭素社会に向けたエネルギー選択に関する 考 察 」 、 地 球 環 境 、 12(2)、 171-178、 2007 1 1 ) S. Ashina, J. Fujino, “ Simulation analysis of CO 2 reduction scenarios in Japan’ s electricity sector using multi-regional optimal generation planning model” , Proceedings of the 9th IAEE European Conference, 1-8. 2007 1 2 ) 芦 名 秀 一 、 藤 野 純 一 : 「 多 地 域 最 適 電 源 計 画 モ デ ル を 用 い た わ が 国 電 力 部 門 に お け る CO 2 削 減 シ ナ リ オ の 検 討 」 、 エ ネ ル ギ ー ・ 資 源 学 会 論 文 誌 、 29(1)、 1-7, 2008 1 3 ) Matsuoka, Y., J. Fujino, M. Kainuma (2008): National implications of a 50% global reduction of GHGs and its feasibility in Japan, Sustainability Science, 2008 (3), 135-143. 14)山田修嗣、藤井美文、石川雅紀:「日本産業社会の脱温暖化モデル構築に向けた調整様式と 政 治 的 イ ニ シ ア テ ィ ブ 」 、 地 球 環 境 、 12( 2) 、 219-226、 2007 <査 読 付 論 文 に 準 ず る 成 果 発 表 > ( 社 会 科 学 系 の 課 題 の み 記 載 可 ) ( 1 ) S. Nishioka, et al., “ The Japan-UK Joint Research Project on a Sustainable Low-Carbon Society; Call for Action & Executive Summary of the Third Workshop” , 2008 ( 2 ) 山 田 修 嗣 ・ 石 川 雅 紀 ・ 藤 井 美 文 ,2007,「 現 代 産 業 社 会 の 「 調 整 」 様 式 に も と づ く 環 境 管 理 モ デ ル 分 析 」 ,國 民 經 濟 雜 誌 , Vol.196, No.3,pp. 1-16,神 戸 大 学 - 8 -
© Copyright 2024 ExpyDoc