平成26年度 都立あきる野学園学校経営報告 1 今年度の取組目標と自己評価 (1)教育活動への取組と自己評価 今年度は、学校評価等から明確になった課題解決を図り、学校経営計画を実現するために、 「授業づくり」 、 「生 活づくり」 、 「人づくり」を柱として学校経営を行った。一人一人の児童・生徒が社会の中で「人としてよりよく 生きること、学ぶこと」を大切にし、一人一人の人権が尊重され、意欲的で主体的に育つよう「一人一人の子供 を大切にした学校づくり」を基盤に、充実した教育活動を目指した。また、児童・生徒が豊かな地域生活を送れ るように、常に支援し続ける学校として学校経営を進めた。今年度の重点取組として、次の点を挙げた。 ○キャリア教育の充実(公開研究会の開催) ○人権教育の推進 ○学部間指導の継続性 ○学校介護職員、教育支援員との連携による授業力の向上 ○地域・家庭と連携を強化した進路指導の充実 教育活動の課題をより迅速に把握し、解決を図るために、学校評価プロジェクトチームにより中間評価や評価 時期を早めての集計、まとめを実施した。外部アンケート等をもとに、主幹教諭会議を中心に改善策を検討して きた。以下4点のねらいのもと、学校評価を進めた。 (1) (2) (3) (4) 学校経営計画に基づくアンケート調査の実施および集計と分析をすること 平成 25 年度の重点目標における各部署での進行状況を把握すること 平成 26 年度の重点目標と方策について教職員への理解を推進すること 学校運営連絡協議会および評価委員会での資料を作成すること 「授業づくり」では、研究課題を『キャリア教育を踏まえた教育課程づくり』として授業研究を中心とし研究 を展開した。外部講師の指導・助言のもと授業改善に取り組み、学校全体の専門性の向上を図ってきた。その成 果を2月の公開内研究会において発表した。また、研修内容の改善を通じ、より授業改善につながる研修を実施 した。また、学校介護職員、教育支援員との連携も円滑に進んでおり、専門家の指導・助言を通じ、指導の改善 が図られた。これらの取り組みにより専門性の向上、授業改善が進んだ。専門性に対する保護者の評価も向上し ている。学部間の指導の継続性は、一定の成果があるが、課題も残った。 「生活づくり」では、研修等を通じ、教職員の人権意識が向上し、児童・生徒の人権に配慮した指導が展開され ている。東京都の喫緊の課題である体罰においても、課題はなかった。人権に対する保護者の評価も高い。進路 指導においては、家庭・地域関係機関と密接な連携をとり、生徒の実態に応じた進路先を決定することができ、 企業就労を希望する生徒の希望もほぼ実現できた。また、地域との連携をさらに推進するため、保育園・幼稚園・ 小学校等の支援要請にも積極的に応えた。児童・生徒の地域活動支援のため、あきるのクラブや放課後子供教室 事業への協力を推進し、地域のニーズに応えてきた。 「人づくり」では、豊かな人間性を備え、児童・生徒の人権を大切にし、児童・生徒・保護者や地域に信頼さ れる教師集団づくりを目指し、各部門、学部毎に、研究テーマを設定し年間を通してチームとして研究活動を推 進させた。また、OJTや若手教員育成研修の充実、中堅教員の学校経営支援センター主催のセミナーへの参加、 主任教諭会議の開催を通じての参画意識の向上など、人材育成を図った。 (2)今年度の重点目標と方策の評価 (A:目標値の 90%以上 B:70%以上 C:70%以下) 項目 目標内容 当初目標 評価 授 業 づ く り ・自作教材を活用した学習指導案の作成と校内授業公開の実施 ・専門性のある授業への保護者の満足度 ・小・中・高の継続性のある指導の展開 ・1・2・3年次研修、10年経験者研修の公開授業 ・公開研究会の開催 ・キャリア教育に対する保護者満足度 ・医療的ケア及び重度重複障害のある児童・生徒の健康についての研修会 ・発達障害・行動障害等についての研修会 ・高等部作業班の生産品店舗販売体験(イオンモール等) ・個別指導計画作成への保護者の参画 ・学校評価への保護者の参画 ・研究テーマに基づいた研究会の開催 ・学部別授業参観日及び参観週間の設定 ・学校公開日の設定(6月・11月) ・肢体不自由教育部門高等部教育課程の類型化の実施準備 各教職員年1回以上 学校評価 80%以上 学校評価 75%以上 年 3回 2月 学校評価80%以上 年4回 年6回 年3回 100% 80% 年10回 各学期1回 年2回 年度内達成 B A A A A A A A B A B B A A A 生 活 づ く り 相 談 支 援 ・ 地 域 支 援 ・人権尊重教育に関する研修会の実施(4月・夏季休業中) ・児童・生徒の人権に配慮した指導 ・摂食指導に関する研修会の実施(5月・6月・10月) ・福生警察署を招いての不審者対応訓練、秋川消防署を招いての防災訓練 ・医療的ケアを中心としたインシデントの減少 ・進路指導研修会の開催(8月) ・進路便りの発行 ・地域別進路懇談会の開催 ・進路関係諸機関との懇談会の開催 ・進路講演会の実施 ・企業就労を進路先とする生徒の輩出 ・養育懇談会並びに理解推進、交流教育連絡会の推進 ・ボランティア講座(初級・中級)及び本人講座(あきる野カレッジ)の実施 ・障害者のためのプール開放 ・学校体育施設の開放 ・学校文化施設の開放(あきるのクラブ他) ・放課後子供教室推進事業の実施 ・あきるのクラブ、夏祭り等への教職員の参加協力 ・特別支援教育推進に向けた関係諸機関との連絡会への参加 ・特別支援教育コーディネーターの保育園・小学校・中学校等訪問 ・小・中学部児童・生徒のうち副籍制度活用者 ・ホームページの更新 ・学校便りの発行 ・光熱水費等の削減、電気使用量の縮減 ・センター執行率 ・個人情報紛失防止及びクリーンデスク点検 年2回 学校評価満足度80% 年3回 年3回 年10回以下 年1回 年11回 年6回 年3回 年1回 40%以上 年10回以上 年8回以上 年9回 年35回 年80回 年25日以上 全教職員1回以上 年6回 年25校(園)以上 60名以上 月1回以上 年12回 前年度比5%減 55%以上 月1回 A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A B 2 学校運営連絡協議会評価委員会より提案を受けて 評価委員会での協議を経て、今後、本校として取り組むべき課題を整理し、次の4点を次年度の重点とした。 課題① 保護者との連携<説明の充実(理解啓発)> 学校では、より充実した教育活動のため、課題を把握し改善に取り組んでいる。今年度も、重点取組を中心に、 多様な改善策に取り組んでいる。しかし、学校の取り組みが児童・生徒にとって効果的であっても、保護者の理 解が不十分ならば、その効果は限られたものになってしまう。学校評価で評価が他と比較し、低い項目について は、 学校の取り組みが保護者に十分理解されていないことも要因の一つと考えられる。 保護者会の改善等を図り、 保護者の学校の取り組みへの理解を深めることが必要である。 課題② 専門性の向上への取り組み <ニーズに応じた多様な研修の実施> 指導の専門性については、保護者から数値的には一定の評価を受けているが、依然、指導方法等に関する要望 は見られる。これは、一定の評価をしつつも、 「より高い専門性」へのニーズがある表れである。授業づくりは、 学校の指導の基本となるものである。一方、教員もより高い専門性を身につけたいという要求がある。また、特 別支援学校の教員として障害のある方々への人権意識や福祉の動向の理解なども、専門性の向上へ必要な要素と なる。研修の見直しを行い、より専門性を高めるために授業づくりだけでなく多様な視点での研修を実施する。 課題③ チーム力の向上<教員・専門家等の連携・引き継ぎの充実> 指導の継続性や一貫性は、児童・生徒にとっては重要な課題である。教員間で連携を取り、情報共有しながら指 導に当たることは、不可欠である。特に、学部が変わる際には、学部間の引継ぎは、特に重要である。今年度、 引継ぎ会、ケース会の充実など、指導の継続性に取り組んできた。保護者・教員も成果を感じつつも、不十分さ も感じている。今後もより効果的に指導の継続のため、教員の連携を深めていく必要がある。また、保護者が学 部により、指導が変化することを十分理解できるようにしなければならない。そのために、教員間も相互理解が 不可欠である。現在、学校は教員だけでなく、多様な職種がおり、連携により指導が展開されている。それぞれ と情報共有し連携の中でチームとして児童・生徒の指導に当たりその効果を高める必要がある。 課題④ 広報活動の充実 <ホームページの充実> 本校では、学校だより、ホームページ、学部便り等で、教育活動の広報を実施している。広報活動は、学校へ の理解を深める重要な活動である。この広報活動に対して、保護者の評価は、評価項目の中では高いものではな い。また、外部連携機関からもホームページについての要望が上がっている。学校への理解を深めるためにも、 広報活動の充実を図る必要がある。
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