INCONEL® alloy X-750

INCONEL® alloy X-750
化学成分 (%)
一般的性質
Ni(+Co)・・・・・・ 70.00 以上
Cr ・・・・・・・ 14.00 - 17.00
Fe ・・・・・・・・ 5.00 - 9.00
Ti ・・・・・・・・ 2.25 - 2.75
Al ・・・・・・・・ 0.40 - 1.00
Nb(+Ta)・・・・ 0.70 - 1.20
Mn
Si
S
Cu
C
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
1.00
0.50
0.01
0.50
0.08
以下
以下
以下
以下
以下
インコネル X-750 は、816℃までの耐食性、耐酸化性及び高クリ
ープ・ラプチャ強度を必要とする場合に適した時効硬化型の非磁
性の Ni-Cr 合金です。Al と Ti を加えて時効硬化するようになっ
ており、これらの元素は適当な熱処理によって Ni と結合し、
Ni3(Al,Ti)の金属間化合物を作って硬化します。当初ガスタービ
ンやジェットエンジン用に開発されましたが、種々の優れた特性
により他の用途にも広く使用されています。優れたリラクゼーシ
ョン特性のために約 650℃までの温度で使用されるバネ材として
も適しています。また、-250℃の低温でも良好な強度と延性を有
し、さらに十分に時効硬化した状態でも、塩素イオンによる応力
腐食割れに対し、高い抵抗力を示します。
物理的性質
密度(g/cm3) ・・・・・ 8.28
弾性係数(GPa)
ヤング率 ・・・・ 214
剛性率 ・・・・・・ 75.8
ポアソン比 ・・・・ 0.29
比熱(J/kg・℃) ・・・ 435
温度(℃)
溶融温度・・・・・・・・ 1,393 - 1,427
キュリー温度(℃)
熱間加工のまま・・・・・・・ -143
焼鈍・時効後・・・・・・・・・・ -125
透磁率(21℃、15.9kA/m)
熱間加工のまま・・・・・・ 1.0020
焼鈍・時効後・・・・・・・・・ 1.0035
用途例
ガス・タービン部品、バネ、ボルト、熱処理用部品、工具類
押出し用ダイス、原子力部品
-129
21
93
316
538
871
*1 熱膨張係数(10 /℃)
11.9
-
12.6
13.5
14.6
16.7
*1 熱伝導率(W/m・℃)
10.1
12.0
12.8
15.7
18.9
23.7
-
1.22
1.23
1.27
1.30
1.27
-6
*1 比電気抵抗(μΩ・m)
H
H
*1:溶体化処理(1,149℃/3 、空冷)+安定化処理(843℃/24 、空冷)+
時効処理(704℃/20H、空冷)
機械的性質
熱処理
引張強さ
(MPa)
0.2%耐力
(MPa)
伸び
(%)
硬さ
(HB)
1
2
3
4
1,167-1,422
1,108-1,334
1,098-1,294
1,098-1,363
824-1,128
794- 981
686- 932
725-1,040
25-15
30-15
30-15
30-20
313-400
300-390
302-363
300-400
熱処理 1:熱間加工+時効処理(704℃/20H、AC)
熱処理 2:熱間加工+焼鈍(982℃/1H、AC)+時効処理(732℃/8H+621℃まで
56℃/H で FC、計 18HAC)
熱処理 3:熱間加工+均一化処理(885℃/24H、AC)+時効処理(704℃/20H、AC)
熱処理 4:冷間圧延+焼鈍+時効処理(704℃/20H、AC)
耐食性
硫
酸
塩
酸
弗化水素酸
燐
酸
硝
酸
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
B
C
B
B
C
有 機 酸 ・・・・
アルカリ類 ・・・・
塩
類 ・・・・
海
水 ・・・・
応力腐食割れ ・・
A
A
A
B
A
A:良好
B:普通
C:不可
高温での性質 (538℃)
耐酸化性 ・・・・・・・・・・・・・・・・ A
耐浸炭性 ・・・・・・・・・・・・・・・・ A
高温強度と安定性 ・・・・・・・・ A
耐食性
インコネル X-750 は、酸化、還元の広い腐食条件下で使用する
のに適した合金です。
高温での耐食性、
耐酸化性にも優れており、
自動車用の高温腐食テストにおいて、
空気に90%Na2SO4 と10%NaCl
を混ぜた状態で、100H の暴露テストした結果、重量ロスは約5%
でした。興味ある特徴は、完全に析出硬化した状態で塩素イオン
による応力腐食割れに対して高い抵抗力を示すことです。析出硬
化した標準のU曲げ試験片を沸騰中の 42%塩化マグネシウムに 30
日間浸した結果、割れは認められませんでした。
溶接性
インコネル X-750 の溶接には TIG、プラズマアーク、電子ビ−
ム、抵抗溶接が適した方法です。TIG 溶接にはインコネル FM718
を使用します。ストレスラプチャーのテスト結果によると、継手
効率は室温でほぼ 100%で、
704∼816℃では 80%です。
この合金は、
溶接の前に焼鈍、または溶体化処理する必要があります。析出硬
化した状態でも溶接は可能ですが、母材割れの危険があるため溶
着部または熱影響部は析出硬化処理したり析出硬化温度範囲で使
用することをさける必要があります。もし、析出硬化した状態で
溶接し、析出硬化温度範囲で使用する場合は、その溶接物を焼鈍
または溶体化処理して、再析出硬化処理する必要があります。い
ずれの場合でも組立てや溶接をする時に応力発生を最小とするよ
うに注意すべきです。
製造品目
厚板、薄板、帯、丸棒、線材、管、異型棒、鍛造品
該当規格
A:良好
B:普通
C:不可
*INCONEL はスペシャルメタル社の登録商標です。 又当社は、スペシャルメタル社
UNS N07750
ASTM : B-637
ASME : SB-637
SAE : AMS5542,5582,5583,5598,5667,5668,5669,5670,5671
5698,5699,5747
JIS : G-4901, G-4902 (NCF750)
の日本における総代理店です。 本データは、スペシャルメタル社の資料にもとづい
て作製されたものです。掲載したデータは、
参考資料であり、
規格ではありません。
詳細なデータについては、当社にお問合せください。
http://www.dsml.co.jp
本
社
大阪支店
Rev.4
〒108-0075 東京都港区港南 1-6-35 (大同品川ビル) 名古屋支店 〒461-0005 名古屋市東区東桜1-1-10(アーバンネット名古屋ビル)
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