炭素鋼の熱処理

機械工作1
~熱処理について~
1
熱処理とは、
◎熱処理・・・・炭素鋼を加熱・冷却することにより、
その目的に合わせて性質を改良・
向上させてやること。
◎特に、熱処理では、この冷やし方が大切で、
下記の4種類に分類することができます。
①焼なまし
②焼ならし
③焼入れ
④焼戻し
(軟化)
(強化)
(硬化)
(靱化・・・粘くすること)
◎焼なまし・焼ならし・焼入れでは,必ず越さなければなら
ない温度 “A1変態点” (727℃) があります。
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①焼なまし・・・
加工硬化した材料の内部ひずみを除去して軟
化させたり、展延性を向上させる。
完全焼なまし・・・ 加工硬化した炭素鋼を軟化させるだけでなく、加
工によって生じる組織の変化などを完全に解消さ
せる。
加熱
温
度
〔℃〕
オーステ
ナイト
温
度
〔℃〕
徐冷
完全焼なまし温度
Acm
A3
A1線
A1
パーライト
時間
パーライト
C%
3
②焼ならし・・・
加工によって乱れた鋼の組織
を標準組織に直したり、製品
の内部応力を除いたりする。
焼ならし材の組織
温
度
〔℃〕
加熱
オーステ
ナイト
温
度
〔℃〕
空冷
焼ならし温度
Acm
A3
A1線
A1
パーライト
時間
微細
パーライト
C%
4
③焼入れ・・・
材料の硬さを増したり、
標準組織でない中間組織を得る。
焼入れ材の組織
温 加熱
度
〔℃〕
オーステ
ナイト
急冷
(油冷)
急冷
(水冷)
A1線
温
度
〔℃〕
焼入れ温度
Acm
A3
A1
パーライト
時間
マルテン
サイト
マルテンサイト
+微細
パーライト
C%
5
④焼戻し・・・
焼入れした鋼は、内部応力の
ため硬くてもろいので、粘り強
さを回復させる。
温
度
〔℃〕
オーステ
ナイト
焼戻し材の組織
再加熱
A1線
加熱
600℃
急冷
ソルバイト
400℃
トルースタイト
パーライト
時間
マルテンサイト
6