印刷 2015 オープンとクローズ ライセンス

2015/5/1
知財ライセンスにおけるプロプラ
エタリーとオープン
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
1
知財ライセンス
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
2
1
2015/5/1
知財のライセンス
• 知的財産権に関する通常実施権の実施許諾を指す
• このとき実施許諾の対象となる知的財産は、特許、意匠、
商標やノウハウに至る。
• 特許権などでは権利になっていない段階の特許を受ける
権利の時点でもライセンス契約の対象となる。
• また実施許諾の条件は、独占的な通常実施権許諾(日本
法では専用実施権設定もある)か非独占の通常実施権許
諾かの大きな分類に加えて、対象技術、対象製品、対象
地域、期間、再実施権許諾権の有無、製造を許諾するの
か販売を許諾するのかなど極めて多様
• その組み合わせによって、権利を有し許諾する側(ライセ
ンサー)と実施権許諾を受ける側(ライセンシー)との関係
性が異なってくる
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
3
独占の補完としての知財ライセンス
• 知的財産権を用いて技術を独占するためのプロ
プラエタリ―な知財マネジメントとしてのライセン
ス契約
• 最初の譲受人の企業のみならず、多くの組織に
委ねられることで初めて「ビジネスが成り立つ」と
いった構造に対応するケース
• 自社の事業を強化するために、組織外部から知
財のライセンスを受け入れる場合
• 自社の知的財産権を資産としてとらえて、そこか
ら収益を得る目的で行われる知財権のライセン
ス。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
4
2
2015/5/1
異なるライセンス環境
• 大学技術移転などまだ研究途上の技術が対象で
ある場合、実施許諾を行ったからといっても、その
後の技術開発を継続しないと事業化ができないた
め、ライセンサーとライセンシーとの間で共同研究
開発が継続されることが多い。
• ライセンサーの自社事業が飽和してきてライセンス
による収入増を図る場合や、仲間づくりなどの戦略
的な組織間関係の確率を意図してライセンスを行
う、さらに他社から望まれてライセンスを行うケース。
• ライセンシーが正当な権利を有しないでライセン
サーの知財を実施していることが疑われる場合は、
権利侵害訴訟と背中合わせの交渉となるため、敵
対的交渉の色彩が強くなる。
知的財産経営
2015/4/31
渡部俊也
5
ロイヤリティーのバリエーション
契約一時金
ランニングロイ
ヤリティー
ランニングロイ
ヤリティー
契 試
約 作
時 時
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
量
産
時
6
3
2015/5/1
続き
ランニングロイヤ
リティーに充当
ランニング
ロイヤリ
ティー
例えば各年度のラ
ンニングロイヤリ
ティーの半分まで充
当できるなど
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
7
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
8
4
2015/5/1
日本企業の知財ライセンスの経験
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
9
日本企業の技術導入
• 1950年代から60年代にかけて盛んに米国技術の導入を進めた。
• 独自で技術開発を行うことに比べれば技術導入は事業化までの
スピードも速く確実であるが、一方で、ライセンサーは許諾する
実施範囲を細分して制限してくるため、ライセンシーにとっては
実施できる範囲が自由にならず、場合によっては狭く制限される
という問題がある。
• さらに同じ技術を保有するライセンサーはその時点ではマーケッ
トが異なるなどのすみ分けがあったとしても、潜在的には競合関
係になることが多く、ライバルから技術を導入している以上その
技術の優劣を逆転することは難しい。
• さらに技術導入に多く取り組むことに効率的な組織は、独創的な
技術の開発が生まれにくい風土を生みやすいなどの問題も生じ
る。
• 日本企業は米国からの技術導入でスタートしたが、その後多く
の企業が独自技術を育て世界市場における競争優位を獲得し
た。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
10
5
2015/5/1
• その結果、現在の日本企業が知財権のライセンス
を 受ける際は、自社技術の自由度を最大限確保
するためにライセンシーはできるだけライセンサー
への依存度を低減させようとする傾向が強い。
• 日本の製造業企業の技術構造は、相互依存性の
高い所謂インテグラル型が特徴であることが多く、
そこに新たな技術を「なじませる」ためには、既に
他社によって実施されている技術であっても自社
で研究開発をやり直すなどの手続きが踏まれるた
めと考えられる。
• そのような学習を行うことで、技術に対する理解が
進み、ライセンスを受ける必要がある技術項目は
減少していくことにつながる。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
11
いくつかのライセンス事例
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
12
6
2015/5/1
ライセンス収入
• 日立製作所の場合は、当初技術導入の支払
いが超過していた状態から、1985年に技術移
転収入が黒字となり、一時期は500億円を超
える特許等の技術収入があった。
• キヤノンでも1995年当時、特許権ライセンス
収入は100億程度であったものが2010年には
300億程度まで増大している。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
13
ブローバ社(Bulova)の事例
• ブローバ社はライセンスを求めるメーカーがあっても、
特許ライセンスのみを行うことはせず、資本提携を行
うことを条件として求めた。
• ライセンシーがライセンサーであるブローバ社と競合
するような機会主義的な行動をとることを懸念し、ライ
センシーと資本提携を行うことによって、その行動を
抑制しようとする意図からくるもの
• 他社はブローバと資本関係を持つことを嫌い、クオー
ツ時計の独自開発に走り、日本勢を中心にその事業
化に成功していく。
• より精度に優るクォーツ式時計の開発が進み、低価
格化による普及に伴って音叉時計は競争力を失い、
1976年には製造中止となる
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
14
7
2015/5/1
日本のクオーツ式時計の積極的なラ
イセンス
• 1979年にシチズンがアナログクオーツのムーブメ
ントの本格販売に乗り出すと、これがデファクト標
準になり同社に大きな収益をもたらした。
• これに触発されてセイコーも1983年にOEM販売を
開始することになる。
• しかし2社とも自社完成品事業はそのまま継続した。
これらのムーブメント事業は高収益事業に育った
が、クオーツ式時計の完成品自身はコモディティー
というイメージが広がることによって、自社完成品
のブランドの毀損を招いたとの批判もある。
• 榊原清則「イノベーションの収益化」有斐閣(2005)
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
15
ライセンス契約の戦略性
• 知財権のライセンス契約では、どの会社にどの
ような範囲の権利をライセンスするのかという許
諾条件を企業毎に設けることが可能であり、そ
のオプションの活用によっては、収入を得るとい
う以上に戦略的な意味合いが含まれる。
• ライセンスを行った相手とは何らか組織間関係
が形成されることから、何ら関係性のないライバ
ル企業と比べれば競争の度合いが減少する。
• このようなライセンスを複数企業と行うことによっ
て、企業を取り巻く競争状態に変化を与えること
ができる。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
16
8
2015/5/1
ライセンスの自社事業への影響
• 収入が得られる一方で、自社で活用している技
術をライセンスするということは、あえて競合をつ
くりだす可能性がある。
• 技術を移転する立場からすると、ライセンシーの
吸収能力(Absorptive capacity)が高ければ技術
の移転は容易になり、順調にロイヤリティーが得
られる可能性が高くなる一方、ライセンサーの市
場優位を脅かすような技術力を蓄積するかもし
れない
•
•
Cohen, W. M., and Levinthal, D. A. “Absorptive Capacity: A new Perspective on
Learning and Innovation,” Administrative Science Quarterly, Vol.35, pp.128152(1990).
真保智之「ライセンス契約の形態の選択」組織科学,44,49-59(2010)
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
17
クロスライセンス契約
• お互い必要な知財権を交換し、その不足分を金銭で
解決する。
• 他社の特許の存在によって、自社の特許のみによる
独占が不可能である場合、クロスライセンスが検討
される(プロプラエタリ―の次善の策)。
• しかし大企業ではこのようなクロスライセンスを、多く
の企業と締結することもある。
• その結果クロスライセンスを行った企業間では紛争
の芽が摘まれて、安定な組織間関係がもたらされる。
• 取引される知財は、その時点でお互いが必要として
いるものばかりではなく、将来自社の技術や事業の
発展を見越して、必要が将来生じるかもしれないとい
う見通しで取引されることもある。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
18
9
2015/5/1
知財ライセンス契約に見るオープン
• 研究開発コンソシアムなどでは、パイオニア発明の川
下の改良発明を束ねてオープンな領域を形成する
ケースが考えられる。
• 改良発明の取扱いを定める条項は知財ライセンス契
約で重要な条項
■アサインバック条項:ライセンシーの改良発明を譲渡
させる義務を負わせる
■グラントバック条項:ライセンシーに改良技術のライン
センスをさせる義務を負わせるもの
■互恵的グラントバック条項:ライセンシーが改良技術を
提供すると同時に、ライセンサーも改良技術を提供す
ることが約束する場合
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
19
知財ライセンスグラントバック条項
• ライセンサーの地位を利用してライセンシーの改良発明を
得ようとする行動は、競争を避けるために生み出された考
え方。
• グラントバック条項については、とくにパテントプールに関
して古くから問題になっていたとする記録が残されている。
• プール参加者は、彼らの改良発明特許をその特許プール
に提供することを求められていることが一般的で、米国の
1936年の硝子製造の工程と機械の特許600件の特許プー
ルに関するHartford–Empire社事件では、グラントバック条
項が独禁法違反であるかが争点となった 。
• 実際このパテントプールを後に分析した研究では、イノ
ベーション阻害的であったとする結果が得られている
(Lampe and Moser,2009) 。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
20
10
2015/5/1
グラントバック条項に関する既往の研究
• Cockburn (2007) グラントバック条項を付された
契約を締結した22%のライセンシーが契約に不
満足。逆に、すべてのグラントバック条項が場合
ライセンシーにとって望ましくないものではない。
• Keld Laursen, Maria Isabella Leone and Toke
Reichstein(2010) 対象技術がコア技術であるか
どうか、また同じマーケットで競合している関係
である場合には、グラントバック条項が加えられ
る頻度が高い。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
21
グラントバック条項に関する既往の研究
• Maria Isabella Leone1 and Toke Reichstein(2012)
技術に経験がない場合は、グラントバック条項
があっても、研究開発のインセンティブが減退す
ることはない
• Dusanee Kesavayuth(2008) は、ライセンサーが
不完全な技術をライセンスすることをためらうこ
とで将来のイノベーションを阻害する可能性を、
グラントバック条項は救済する効果がある
• Choi J. P. (2002) ライセンサーの研究開発投資の
インセンティブを大きく減じることはなく、独占禁
止法で規制することは適当でないとしている。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
22
11
2015/5/1
グラントバック条項の実際の運用
• 同一特許群に関して、ライセンサーが多数の
ライセンシーと締結しているケースがある
• IPプロバイダーが多数のライセンシーと締結
しているケースがある。
知的財産経営
2015/4/31
渡部俊也
23
Qualcomm 売上推移と構成
(2001年~2013年)
M$
ロイヤリティ
QCT部門
総売上
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
$772
$835
$985
$1,366
$1,929
$2,750
$3,106
$3,982
$3,950
$4,011
$5,734
$6,656
$7,878
$1,365
$1,591
$2,242
$3,111
$3,290
$4,330
$5,280
$6,720
$6,470
$6,980
$8,859
$12,141
$16,715
$2,680
$3,039
$3,847
$4,880
$5,673
$7,526
$8,871
$11,142
$10,416
$10,991
$14,957
$19,121
$24,866
QCT部門:
チップモジュールの販売
2015/4/31
$25,000
$20,000
$15,000
ロイヤリティ
QCT部門
$10,000
総売上
$5,000
$0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12
13
ロイヤリティ
10年間で10倍の成長
知的財産経営
渡部俊也
24
12
2015/5/1
競争の選択としての
知財ライセンス
• 知財のライセンスには、技術
独占の手段としてのライセン
スに加えて、競争の選択とし
てのライセンスの2つの側面を
有する。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
25
オープンな知財マネジメント
• オープンイノベーションのため、自社
に好都合なビジネスエコシステムを
知財を使って実現する
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
26
13
2015/5/1
内部資源
組織内で形成された
知的財産 権
知的財産権の組織外
での利用の許諾
内部利用
外部利用
知的財産権の組織
内への取り込み、
組織外での知的財産
権の発展と結合
外部資源
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
27
オープン・プロプラエタリー知財マネジメント
オープン:知財の開放、ラ
イセンス、プール、共有
例)新興国の
低コストを梃に
する市場拡大
ネットワーク外部性で連動して
いるシステム(市場など)
プロプラエタリー:権利行使
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
28
14
2015/5/1
知財のライセンスイン●
●顧客との共創
契約に基づくR&Dサービスの利用●
●クラウドソーシングの利用
インバウンド 仲介者の利用●
獲得(購入)
新事業アイデアの
外部提案コンペの利用●
外部からの
●公的資金に基づく
調達
R&Dコンソーシアムへの参加
大学からの資金獲得●
方向性
●非公式的な情報
ネットワーク
ジョイントベンチャー●
●標準化への参画
スピンオフ●
アウトバウンド
提供(売却)
●コーポレート・
ビジネス。インキュベーション
外部への
開示
●コモンズやNPO等への寄付
市場化前の製品の売却●
知財のライセンスアウト・開放●
有り
オープンイノベーション
の類型
出典:Dahlander and Gann, 2010,
“How open in innovation?”
Research Policy, 39. Chesbrough
and Brunswicker,
2013, ”Managing Open Innovation
in large firms.” Suevey Report,
Fraunhofer IAO.
翻訳は米山茂美(学習院大学教
授)
無し
金銭的やり取りの有無
拡大セミナー2015.3.27
Toshiya Watanabe
29
知財譲渡取引
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
30
15
2015/5/1
特許譲渡市場に関係する支援事業者
• 特許の販売を行なうブローカーや特許のオークション
などの特許取引の支援事業者が生まれている。
• 知財ブローカーとしては、Fairfield Resources, Fluid
Innovationなど10社を超える企業が活動をしている。
• 知財オークションではOcean Tomo,
FreePatentAuction.com、IPAuctions.comなど複数の
企業が活動している。
柳澤 智也「イノベーションのオープン化と新興する知財マーケット」特技懇
No258,92-105(2010)
知的財産経営
2015/4/31
渡部俊也
31
日本の特許譲渡取引
• 登録されている特許の譲渡件数は10000件を
超えてやや増加傾向を示している。
• これらの譲渡はほとんど仲介事業者経由で
はなく、当事者同士の取引によって行われて
いる。
14000
12000
10000
8000
6000
4000
2000
0
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
年度
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
32
16
2015/5/1
パテント・トロール
• パテント・トロール(Patent troll)とはインテルの特許ライセンスの責任
者だったピーター・デトキン(Peter Detkin)によって初めて使われた言
葉である。
• Patent extortionist, Patent parasite, Patent pirate,Patent speculator,日
本語だとパテント・マフィア、パテントゴロ等とも呼ばれてきた。
• 米国の報道に見られるパテント・トロール(patent troll)の行為とは“An
unusual company which invents little but litigates much.” といったところ。
• これらの企業は、自ら研究開発を行わなないし、また自らは特許を実
施しない代わりに、先述した特許オークションや廃業した企業、個人発
明家から特許権を入手し、これを用いた差止請求の威迫を背景に訴
訟をしかけて対価を要求する。
• もちろん相手が特許権を侵害しているのであれば、権利保有者が特
許侵害訴訟を起こして権利行使を試みることは法にかなった行為であ
り、その点に問題があるわけではない。
• パテント・トロールと言われる企業がベンチャーキャピタルから出資を
受けて株式市場に上場しているケースは複数ある。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
33
ジェローム・レメルソン
(Jerome Lemelson)
• レメルソンは大発明家であり、その保有した米
国特許はトーマス・エジソンに次ぐ500件を超
える。
• 同時に特許制度を最大限利用することで収入
を拡大する手法を開発したビジネスマンでも
あった。
• その方法の一つは特許の公開を遅らせ、その
存在を意図的に隠しつつ、特許の内容をより
現実の製品に合致するように変更したのちに、
権利化して訴えを起こすというものであった。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
34
17
2015/5/1
続き
• 1980年代のレメルソンのサブマリン特許は、1950年代
に出願されたもので、もともとは権利範囲が不明確な
ものであったという。これを米国特有の継続出願手続
きによって再出願することで内容を変更していたので
ある。
• そのため1950年に出願され最終的に特許が成立した
のが1988年になった。つまりは出願から成立までに38
年の年月が経過していることになる。
• これも米国に特許公開制度がなかったため、特許付
与されるまでの期間、その特許の存在は一切公開さ
れることがなかった。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
35
続き
• レメルソンは日本の自動車メーカーに対して1992年以
降に特許料の請求を行なった。
• この結果11社の自動車メーカーから輸出車1台につき
約1万円を支払うということで和解したと報じられている。
• このようなことが可能になったのは米国の特許保護期
間が日本のように「出願より20年」に限られていなかっ
たことがあり、米国特許法の不備をついたビジネスだっ
たと言える。
• このようなサブマリン特許としてはレメルソン特許以外
にも特許が登録されるまで28年かかったゴードン・グー
ルド(Gordon Gould)のレーザーの特許など、20年以上
潜伏していた特許はいくつか存在する。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
36
18
2015/5/1
フランスでは2011年の6
月に政府が100億ユー
ロの知財ファンドを設立
すると発表。
韓国 i-discovery
株主(非公表) サムスン等の大企業と
思われる ファンド規模 500億円規模
(政府資金)自国の大学等を含む組織
の外国特許をあつめて自国企業のた
めにサービスをする
中国
政府主導でi-discoveryと
同様の知財ファンドの計
画中。中国企業のために
特許を集め活用する構想
インド
環境関連技術の特許等を
購入し自国企業にライセ
ンスするファンド(TADF)の
構想を発表
2015/4/31
米国 インテレチュチュアルベン
チャーズ:ファンド規模 500億ドル
購入済み特許及び特許出願件数の
総数は30,000件超
2010年、2011年と訴訟提起
台湾ではITRIが同じく台湾企業
のための知財ファンド管理会社
を設立するという報道があった
(2011年10月)
最近の主要な知財ファンドの状況
知的財産経営
渡部俊也
韓国特許庁でも、中小企業や
個人発明家などが保有した特
許技術を自由に取引することが
できる、特許常設オークション
システムを整備し、2011年6月
よりオンラインサービスを開始
37
米国 知財オークション
Ocean Tomo, reePatentAuction.com、
IPAuctions.comなどが活動
中国 上海市知識産権交易中心(2009年の
オークションでは特許5件が落札され、総額
6536万元に達した)中国技術交易所(CTEX)で
は70以上の特許をオークションにかけて300
万元の取引を成立
米国、欧州の投資家グループ:1000万ドルの
資金調達をあつめ2012年中に取引所業務を
開始すると発表。創立会員はシカゴオプション
取引所(CBOE)、フィリップス、オーシャン・トモ、
ラトガース大学、ノースウェスタン大学、ユタ大
学。取引所はCBOE内に開設した。
2015/4/31
最近の主要な特許取引支援システムの状況
知的財産経営 渡部俊也
38
19
2015/5/1
職務発明改正
知的財産経営
2015/4/31
渡部俊也
39
職務発明の対価をめぐる最近の主な訴訟例
提訴
控訴
上告
判決日
被告
対象技術
特許
による利益
原告の
貢献度
企業の
評価額
請求額
認容額
オリンパス
光ディスクの
読み取り技術
5,000
万円
5%
21万円
第一審:
2億円
第二審:
5,200万円
228万
9,000円
(最高裁)
12億円
14%
238万円
第一審:
97,000万
第二審:
25,000万
3,489万円
(東京地裁)
16,300万円
(東京高裁)
1995
1999
2001
1999年4月16日
(東京地裁)
2001年5月22日
(東京高裁)
2003年4月22日
(最高裁)
1998
2002
-
2002年11月29日
(東京地裁)
204年1月29日
(東京高裁)
日立製作所
光ディスクの
読み取り技術
2001
2003
-
2004年1月30日
日亜化学
工業
青色発光ダイ
オード
1,209億円
50%
2万円
200億円
200億円
(東京地裁)
2002
2003
-
2003年8月29日
日立金属
窒素磁石
12,324万
8,637円
10%
103万円
9,000万円
1,128万円
(東京地裁)
2002
-
-
2004年2月24日
味の素
人口甘味料
80億円
2.5%
1,000
万円
20億円
18,935万円
(東京地裁)
2003
-
-
-
キヤノン
レーザービー
ムプリンター
-
-
86万円
10億円
地裁係争中
-
-
500万円
2億円
地裁係争中
-
-
-
10億円
2003
-
-
-
三菱電機
フラッシュ
メモリー
2004
ー
-
ー
東芝
フラッシュ
メモリー
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
-
40
20
2015/5/1
特許法35条
•
使用者、法人、国又は地方公共団体(以下「使用者等」という。)は、従業者、法人の役員、
国家公務員又は地方公務員(以下「従業者等」という。)がその性資上当該使用者等の業
務範囲に属し、かつ、その発明をするに至つた行為がその使用者等における従業者等の
現在又は過去の職務に属する発明(以下「職務発明」という。)について特許を受けたとき、
又は職務発明について特許を受ける権利を承継した者がその発明について特許を受けた
ときは、その特許権について通常実施権を有する。
•
2 従業者等がした発明については、その発明が職務発明である場合を除き、あらかじめ
使用者等に特許を受ける権利若しくは特許権を承継させ又は使用者等のため専用実施権
を設定することを定めた契約、勤務規則その他の定めの条項は、無効とする。
•
3 従業者等は、契約、勤務規則その他の定めにより、職務発明について使用者等に特許
を受ける権利若しくは特許権を承継させ、又は使用者等のため専用実施権を設定したとき
は、相当の対価の支払を受ける権利を有する。
•
4 契約、勤務規則その他の定めにおいて前項の対価について定める場合には、対価を決
定するための基準の策定に際して使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況、策
定された当該基準の開示の状況、対価の額の算定について行われる従業者等からの意見
の聴取の状況等を考慮して、その定めたところにより対価を支払うことが不合理と認められ
るものであつてはならない。
•
5 前項の対価についての定めがない場合又はその定めたところにより対価を支払うことが
同項の規定により不合理と認められる場合には、第三項の対価の額は、その発明により使
用者等が受けるべき利益の額、その発明に関連して使用者等が行う負担、貢献及び授業
者等の処遇その他の事情を考慮して定めなければならない。
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
41
2015/4/31
知的財産経営
渡部俊也
42
21