平成 27年 5月 13日 脳神経科学 (第3話) 体性感覚 ・ (ものが)触れるということ ・ (ものに)触れるということ 体性感覚 接触、圧、振動、温度、痛み 運動感覚、位置感覚、内臓感覚 (皮膚感覚) (深部感覚) 皮膚の主な受容器 表皮 真皮 振動/ 皮膚の細かい変位 振動(高頻度) 皮膚全体の引っ張り刺激 温度、痛覚 局所的な圧変化 運動感覚、位置感覚の受容器 (深部の機械受容器) 筋紡錘 感覚神経 腱受容器(ゴルジの腱器官) 関節受容器 (ルフィニ小体) (パッチーニ小体) (自由終末) McCloskey の実験(1983) 皮膚に与えられた2点を識別 皮膚に与えられた2点を識別 2点の識別能力は マイスナー小体の間隔(密度) による 受容野 興 奮 の 伝 わ る 方 向 1本の求心線維が刺激を受容でき る空間的広がり 受容野の大きさ (小) (大) (大) (小) (小) 皮膚感覚受容器の性質 受容野 分布 適刺激 マイスナー小体 小 浅 早い 振動/ 皮膚の細かい変位 メルケル触盤 小 浅 遅い 圧/ 局所的な圧変化 パッチーニ小体 大 深 早い 振動(高頻度) ルフィニ小体 大 深 遅い 圧/ 皮膚全体の引っ張り刺激など 自由終末 小 浅 遅い 温度、痛覚 それぞれの受容器は、ある種の刺激を感知するのに適した性質をもつ。 刺激の情報は、活動電位の発火パターンに 変換される 刺激の 順応が遅い 刺激 (弱) 強さ・持続時間 を伝える (slow adapt) ニューロン 刺激 (強) 順応が早い (fast adapt) ニューロン 活動電位 刺激 刺激の 開始と終了 を伝える 皮膚感覚受容器の性質 受容野 分布 Adaptation 適刺激 マイスナー小体 小 浅 早い 振動/ 皮膚の細かい変位 メルケル触盤 小 浅 遅い 圧/ 局所的な圧変化 パッチーニ小体 大 深 早い 振動(高頻度) ルフィニ小体 大 深 遅い 圧/ 皮膚全体の引っ張り刺激など 自由終末 小 浅 遅い 温度、痛覚 それぞれの受容器は、ある種の刺激を感知するのに適した性質をもつ。 体性感覚の伝導路 大脳皮質 体性感覚野 大脳皮質 視床 視床(後腹側核) 内側毛体 後索核 延髄 延髄 後索 脊髄 振動, 圧, 接触 筋肉, 関節 温度,痛覚 脊髄 後根神経節 脊髄の分節構造 頚髄 身体の各部位に与えら れた刺激は、脊髄の各 分節に入力する。 胸髄 腰髄 仙髄 脊髄神経 デルマトーム (皮膚分節) 脊髄の1つの分節に 感覚神経が入力する 皮膚の領域 体性感覚の伝導路 大脳皮質 体性感覚野 大脳皮質 視床 視床(後腹側核) 内側毛体 後索核 延髄 延髄 後索 脊髄 振動, 圧, 接触 筋肉, 関節 温度,痛覚 脊髄 後根神経節 体性感覚の伝導路 (2つの経路) 1.温度感覚・痛覚: 脊髄で交差して、刺激と反対側の脊髄・延髄 を上行する。 2.振動・圧・接触・筋肉、関節の感覚: 刺激と同側の脊髄を上行し、延髄 で交差 刺激と反対側の視床(後腹側核)・大脳皮質 (体性感覚野)へ 体表への刺激は、大脳皮質の体性感覚野に伝わる。 第一次体性感覚野における体部位的再現 (somatotopic representation) 様々な動物のsomatotopic representation ウサギ ネコ サル ヒト どうして 指先がしびれるの? 机の角に肘を ぶつけると ④指先がしびれる ③興奮は、体性感覚野 の指先の領域に届く。 感覚 ①机の角に肘を ぶつけると ②指先の痛み、しびれを伝える 神経(肘を通っている)が興奮 する。 Phantom Limbs (幻肢) 無いはずの手や足が 痛い,痒い という感覚 人差し指 小指 親指 腕がなくなると、腕からの入力がなくなる。 顔に反応する領域が広がる。 Phantom Limbs 感覚は、脳で創られる 野口英世 正常の人の指先を刺激すると、 体性感覚野の5か所が興奮する 正常の人 指先癒着の人 (手術前) (興奮する領域が狭い) (興奮する領域が広い) 指先癒着の人 (手術後) (興奮する領域が 拡がっている) (手足を)使わないと、 関連する脳の領域は小さくなる (手足を)使うと、 関連する脳の領域は大きくなる 脳は、 大人になっても、使うことによって変化する。 可塑性(柔軟性)がある。 体性感覚 ・ 受容器、受容野 ・ 受容器電位、 活動電位 ・ 伝導路 ・ 体部位的再現 (Somatotopic representation) ・ 幻肢 ・ 体性感覚野の階層構造 ・ Active touch ・ Body image
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