ソーレー強制レイリー散乱法によるソーレー係数と交差拡散係数測定法の

D1 ソーレー強制レイリー散乱法によるソーレー係数と交差拡散係数測定法の開発
Development of Soret Forced Rayleigh Scattering Techniques to
Measure Soret Coefficient and Cross Diffusion Coefficient
研究の目的
Objectives
方法と範囲
Method and
Ranges
最近の発表
Recent
Publications
液体内のマイクロ・ナノスケール(Micro-Nano Scale)現象の理解や
最適化のためには,物質拡散(Mass Diffusion)やソーレー効果(Soret
Effect)の定量的な評価が重要となる.このような系の例として,
フィルムの塗布乾燥による成膜過程などがある.物質拡散は濃度
勾配を駆動力とする輸送現象であるが,ソーレー効果は温度勾配
(Temperature Gradient)を駆動力(Driving Force)とする現象である
(Fig. 1).また 3 成分(Ternary)以上からなる多成分系では,他の成
分の濃度勾配を駆動力とする交差拡散(Cross Diffusion)が生じる
ため,2 成分系での現象からは予測困難な複雑な現象が起きる場
合もある.これらの現象への理論的アプローチは未確立であり,
実験による評価が求められている.本研究ではソーレー強制レイ
リー散乱(Soret forced Rayleigh scattering: SFRS)法と呼ばれる独自
の手法を用い,殆ど測定例のない 3 成分系のソーレー係数および
交差拡散係数の測定法を開発することを目的とする.
SFRS 法では,加熱用レーザー(Heating Laser)を試料内部で 2 光束
干渉(Two-Beam Interference)させ,試料に周期的な温度分布
(Temperature Distribution)を形成してソーレー効果を起こす.これ
により生じる濃度分布(Concentration Distribution)形成の様子と,
加
熱終了後の減衰の様子を観察用レーザー(Probing Laser)の回折光
(Diffracted Light)強度の時間変化から観察することで物質輸送現
象を評価する.SFRS は既に高い再現性と正確さで有機溶媒系 2
成分溶液の相互拡散係数とソーレー係数を測定できる段階にあ
る.現在は 3 成分溶液測定のために 2 波長(Two-wavelength)観察
用レーザーによる装置構築(Fig. 2)及び実験的検討を行っている.





S. Iwaasa et al., 10th Asian Thermophys. Prop. Conf., Jeju (2013).
岩浅ほか,第 51 回日本伝熱シンポジウム, (2014).
松浦ほか,熱工学コンファレンス 2014, (2014).
松浦ほか,第 35 回熱物性シンポジウム, (2014).
H. Matsuura et al., 19th Symp. on Thermophys. Prop., Boulder, (2015) (to be presented).
Fig. 1 Mass diffusion and Soret effect.
Fig. 2 Experimental apparatus.
(松浦,長坂)
(Matsuura, Nagasaka)