斉 藤 淑 恵 歯科衛生士

専門職に就き
人の役に立ちたい。
その思いがカタチとなる
診療時間は九時半∼十二時半、十三時
半 ∼ 十 八 時 半。 全 体 朝 礼 後、 各 歯 科 衛
生士の個室にて、その日の予約確認やカル
テ、必要な器材を準備。万全な体制を整
﹁診療開始前に、朝の勉強会として、月
え、 斉 藤さんは 笑 顔で患 者さんを 迎える。
曜日は歯科医師による症例発表を、木曜
日は歯科衛生士同士でコミュニケーション力
を 高めるための学 習を 実 施。また金 曜日
のみ、 診 療 後に夜の勉 強 会を 行い、 医 療
斉藤淑恵
さん
食事を美味しく、
また疾病予防にもつながる
日頃からのデンタルケア。
患者さんに寄り添い話を聞き、
医師と共に最適な治療プランを考え実施する。
それが歯科衛生士に求められる役割。
歯科衛生士
Choice is yours
Yoshie Saitou :
Dental Hygienist
め、 歯 科 医 師と 共に患 者さんのお口の中
●医療法人 満月会 大月デンタルケア 勤務
東京歯科衛生専門学校︵2013 年卒︶
まざまな事例や症例を学ぶ良い機会です﹂。
の細菌の検査結果に応じた投薬後の歯石
業 界の情 報の共 有 などをしています。さ
昼休みの時間も、各曜日により、歯科
衛生士同士でミーティングや症例発表など、
﹁小学校二年生から八十代の方まで幅広
担当する患者さんの数は約十名という。
学生時代の斉藤さんは、将来専門的な
仕 事に 就 きたいと 考えていた。 多 彩 な 専
チベーションも高まる。
にお 願いし たい﹂ な どの 言 葉 をいた だ く
し ました ﹂﹁ 娘のクリーニングも 斉 藤さん
門職の中で歯科衛生士を選んだのは、幼
担 当 制を 導 入している同 院。 患 者さん
からの ﹁ あ りがと う ﹂﹁ 口の中がスッキリ
い頃から歯科医院に通い、目にしていた細
く来院されている方だと結婚や出産といっ
担 当 制で患 者さんを 診ることは、 生 涯
にわたるお付き合いになることであり、長
患 者さんのためは もちろん、 斉 藤さん
自 身のスキルアップのためにも、 勉 強 会は
かい器材に興味を抱いたことがきっかけと
す﹂。
それを少しでも解消できればと思っていま
い・ 痛い﹄ と 感 じている と 思 うので すが、
﹁お 子さんの 多 くは、﹃ 歯 医 者さんは 怖
変 化することをもっと 知ってほしいですし、
﹁ライフステージの 変 化 と と もにお 口 も
や、施術内容も変えていくという。
たライフステージの変 化に合わせて、 説 明
士の役割とも思っています﹂。
それを 伝えていくこと も 私たち 歯 科 衛 生
大 切さを 伝えることも 歯 科 衛 生 士に求め
られることだと知りました﹂。
などにその経験は十分に活かされている。
今、患者さんとコミュニケーションを取る
ときや口 腔の健 康の大 切さを 説 明する際
口腔ケアを通して
患者さんの
健康に貢献したい
間内に ﹁三〇〇人セミナー﹂ という課題が
大月デンタルケアでは入職後、歯科衛生
士 として 患 者さんと 接 するまでの三カ月
で、専門的な知識と技術を習得。
﹁ 相 互 実 習のレポートは、 口 腔 内の 観 察
質 問に対してスムーズに対 応できるように
してデビューできます。患者さんと一対一で
設け られている。 来 院された三〇 〇 名の
ることもありましたね︵苦笑︶﹂。
なる当院独自の研修です﹂。
患者さん一人ひとりに声をかけ、虫歯や歯
途中でくじけそうになった彼女を救った
のは、 同じ目 標を 持つ仲 間の存 在。お互
内 容を 記 入し 提 出します。 学びの多い毎
いに励 まし 合い、 切 磋 琢 磨し ながら 乗 り
さんの年代によって
実践するうちに患者
理解しやすいように伝える方法がわかって
日でしたが要領の悪い私は、誰にでもわか
越えることができたとも。
きた。さらに、 伝えるだけでなく、 相 手
﹁これを達成することで、歯科衛生士と
﹁学生時代の仲間は、今も叱咤激励して
周 病 予 防に関する説 明を 行うというもの。
くれる大切な存在。一緒にいる時間を多く
すプレゼンテーション力が身についたとも。
の関心ごとを聞き出す質問力や人前で話
らアドバイスを頂き、修了まで時間がかか
持ち絆を深めておくといいですよ﹂。
を受けてもらうための工夫も怠らない。
その他に、 歯 科 衛 生 士による患 者さん
向けのセミナーの実施など、安心して治療
彼女の学びと成長は、今後もまだまだ
続いていく。
うに、少しでも貢献したいと思います﹂。
いつまでも健康で美味しく食事ができるよ
第で 実 現できること。 多 くの 患 者さんが、
﹁虫歯や歯周病の予防は、デンタルケア次
るサポートをしていきたいという 斉 藤さん。
日本歯科医師会が推進する ﹁八〇二〇
運 動 ﹂ など、 患 者さんの生 活を 豊かにす
施設などに足を運び、幅広いライフステー
﹁患者さんの歯のケアだけではなく、歯の
し合いながら制作に取り組んだ。
にするなど、仲間とともにアイディアを出
やすい紙 芝 居や、 言 葉で伝わ りやすく歌
するための指導を行った。絵でみて理解し
者 施 設では 噛むことの大 切さ、 歯を 維 持
か、 歯の磨き 方 などの指 導を 行い、 高 齢
施。 幼 稚 園では 虫 歯はど うしてできるの
ジの 歯 科 保 健 指 導 を 行 う 外 部 実 習 を 実
市の 健 診 実 習、 幼 稚 園、 特 別 養 護 老 人
向き 合い会 話をした り、 また歯に関する
三 年の 十一月 までは、ほ とんど 臨 地 実
習。実際の歯科医院に加え、大学病院や
る業務記録の書き方について何度も先生か
の記録・ 問題点の抽出、指導計画、実施
として学 生 同 士が患 者 役になる相 互 実 習
健指導﹂﹁歯科診療補助﹂ と、基礎学習
士の三大 業 務 ﹁ 歯 科 予 防 処 置 ﹂﹁ 歯 科 保
実習が中心となる一・二年次は、歯科衛生
勉 強に 明け 暮れていた。 座 学 と 学 内での
斉 藤さんが通った東 京 歯 科 衛 生 専 門 学
校での三年 間は、とにかく忙しく、 毎日
学びの中で口腔の大切さを
伝える難しさを知る
に加え、 歯 周 内 科 治 療 も 担 当しているた
現在、勤務先の大月デンタルケア内の成
人予防フロアで、主に予防処置や保健指導
と、さらに知識や技術を身に付けたいとモ
いう。
欠かせないものとなっているようだ。
かけ方には気を配っています﹂。
学生時代に作っていた健康指導用の「媒体
ファイル」は、現在の業務内容に似ているた
め、時々復習を兼ねて読み返しているそう。
また、多種ある器材をまとめた「器材ノート」
も欠かせないもの。口腔内の細菌を顕微鏡で
判別。菌の種類を見極め、それをベースに治
療法を組み立てていく。
いので、一人ひとりに合わせた対応や声の
サポート時に役に立つ「器材ノート」
。とくに
患者さんに対してわかりやすく説明するために
として勤務している今の方が、勉強をして
さんへの説明などで必要となる、様々な情報
が詰まった「媒体ファイル」と、歯科医師の
いるかもしれませんね﹂。
除去やクリーニングも手がけている。一日に
﹁ある意味、学生時代よりも歯科衛生士
ンスを勧める。予防処置やクリーニングなど
は、各歯科衛生士専用の個室で実施。患者
有意義に活用しているという。
患者さんに本日の診療内容を説明。口腔内
の検査をし、状態を確認した上でメインテナ