第 16 回 重度認知症の人への創作活動(その 1)

上城 憲司
文,原作:
(西九州大学リハビリテーション学部)
大島 美沙
絵:
(社会福祉法人 筑陽会 ぱっそ)
第 16 回 重度認知症の人への創作活動(その 1)
これまで 3 回,軽度認知症の人への料理活動を取
で考えた工夫点は,
「筆使いはうまいこと」
「はみ出
り上げました。今回から,重度認知症の人への活動
したところを切って,別の用紙に貼ること」
でした。
(創作活動)をテーマにしたいと思います。活動の難
実際に塗ってもらう(本人は筆を持っているので書
易度を設定するときに考えることは,①1 人ででき
いている)と,数字は塗り絵のようにはみ出してし
るか(またはしたいか),②他患と共同であればでき
まいましたが,漢字ははみ出さずしっかりと書けて
るか(またはしたいか),③スタッフの支援があれば
いました。これは予想外でした。
できるか(またはしたいか)です。今回は,③にな
支援の手間はかかりますが,ちょっとした工夫で
ります。
見栄えの良いカレンダーが完成しそうです。実は,
4 コマでは,塗り絵をするとはみ出して,枠内に
完成後のためにもう一工夫,必要であったのです
収めることができない人を例に挙げています。ここ
が,それは次回お話いたします。
できないで片づけるのはまだ早い
通所リハビリテーション
塗れなくなってきたなぁ。
……
何か,工夫して
作れるものない
かなぁ。
そういえば,こないだの
習字はよかったなぁ。
よし,カレンダーを作ろ。
これ,筆でなぞって
もらっていいですか?
はみ出したところはカットして,
別の台紙に貼り付けよう。
はっ,はい。
これ,貼って
もらって
いいですか?
カレンダーを
作ってたんだー
臨床作業療法 Vol.11 No.6 2015
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