経静脈栄養剤投与中の高血糖重篤化を回避

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プレアボイドニュース 2 号
2015 年 2 月 26 日
愛媛大学医学部附属病院
薬剤部
薬品情報管理室
経静脈栄養 剤 投 与中 の高血 糖 重 篤 化 を回 避
プ レ ア ボ イ ド と は 薬 学 的 ケ ア か ら 患 者 の 不 利 益( 副 作 用 、相 互 作 用 、治 療 効 果
不十分など)を回避あるいは軽減した事例を意味します。
今回は経静脈栄養剤治療中に血糖測定を定期的に行うことにより血糖高値が
早期に分かり、インスリン注射を追加することによって、高血糖が重篤化して
起こるケトアシドーシス等の急性合併症を回避できた事例を紹介します。
事 例 : 中 心 静 脈 栄 養 (;TPN)投 与 中 に高 血 糖 が分 かり、
インスリン R 注 を追 加 してケトアシドーシスを 回 避
患 者 : 80 代 男 性 ・ 糖 尿 病 ( 食 事 療 法 )
臨床経過
TPN 投 与 日 数
中心静脈栄養
1
2
4
5
6
7
8
日目
日目
日目
日目
日目
日目
日目
・・・
日目
1号
2号
297
297
232
・・・
129
静 脈 血 グルコース
(mg/dL)
簡易型血糖測定
※ (mg/dL)
13
3号
256
246
病棟薬
剤師:
インスリン
追加を
提案
担当医:
明日の
R注
採血で
開始
判断
高血糖症状には口渇・多飲・多尿・体重減少を初期症状と
し 、 血 糖 値 250mg/dL を 超 え て く る と 個 人 差 は あ り ま す が 、
全身倦怠感、意識障害、昏睡といったケトアシドーシス
症状を発症し、重症化すると死亡に至ることがあります。
高齢者は口渇症状や全身倦怠感等の症状が分かりにくいので
ご注意ください。
※簡 易 型 血 糖 測 定 :末 梢 の毛 細 血 管 (動 脈 血 )を測 るため静 脈 血 より若 干 高 値 になります。