第 2 回 4月センター試験本番レベル模試［地学基礎］講評地学基礎論理の展開を把握しよう。 Ⅰ．全体講評 Ⅱ．大問別分析今回の得点分布は，次のようになっている。平均第 1 問　地球の姿と活動点は 21.0 点であった。4 月時点で一通りの学習を終知識は表にまとめて整理しよう。えている受験者も多かったのではないだろうか。一 A では固体地球の層構造についての理解を確認方で，十分に演習を積み，知識を定着できている受した。地球表層について，硬さによる区分，密度に験者は少なかったものと思われる。よる区分を正しく理解しておこう。なお，地球全体「地学基礎」は「地学」に比べて学習項目が少なの化学組成で，酸素の割合が多い点は注意が必要でく，教科書をしっかりと理解することで十分に満点ある。を狙える科目である。一つ一つの知識を確実に身につけて，着実に得点を伸ばしていくようにしよう。問 5 5 各選択肢の選択率 ① 36.2% ⑤ 39.5% ④ （正答） 15.1% 2015 年のセンター試験において，各記述の正平均 42.0% 30 誤の組合せを選ばせる問題が多く出題された。今後も同様の出題が想定される。各記述を素早く判受 25 験者 20 数の割 15 合（％）10 断していく必要があり，正確な知識が要求される。 B では地層と地質構造，地球の歴史についての理解を確認した。地学基礎では地質図から走向や傾斜を読み取らせる問題は出題されないが，今回 5 0 ③ 3.8% ※注）無回答・マークミスは割愛したため，選択率の合計は 100％にならないことがある。以下同様。得点分布地学基礎 35 ② 5.2% のように断面図から堆積順や地質構造を考察させ 10 20 0 第1問第2問第3問 30 20 40 50 60 得点率（％） 70 80 大問別得点率（%） 40 60 80 90 100 100 る問題は出題が想定される。示準化石を正しく覚えていることが重要である。第 2 問　大気圏と火山災害大気圏の高度による温度変化を覚えよう。 A では大気圏の層構造についての理解を確認し 32.3 54.2 44.8 た。熱圏・中間圏・成層圏・対流圏の高度区分と各圏の特徴をまとめておこう。 1/2 第 2 回 4月センター試験本番レベル模試［地学基礎］講評 ◆これからの学習について。問 1 8 各選択肢の選択率 ④ （正答） 31.6% ① 18.5% 「地学基礎」の学習は教科書の通読から始めよう。地学基礎は学習内容が多岐にわたっている。これらについてどんなことを学ぶのか，どのような図表やグラフがあるのか，大体のイメージを最初に作って ② 31.2% ③ 18.4% おくことがその後の学習に役立つ。教科書を通読したら，今度はできるだけ丁寧に教科書を読んでいこう。大事なことは，各分野それぞれの論理の展開を把握することである。どのような問 1 は問われている内容を正確に理解してい観測や観察，実験がされ，そこからどのような考察れば，計算は平易である。落ち着いて対応しよがされているのかを理解しよう。そのために，図・う。表・グラフを正確に読む力をつけていこう。図やグ B では火山活動と火山災害について総合的な理ラフを正確に読むためには，それを自分でノートに解を確認した。解説にあるように，火山の形や特描いてみることが大切である。描くことで，見てい徴を表にまとめて整理しておこう。るだけではわからなかったポイントが見えてくるはずだ。また，教科書を読むときは用語を暗記しよう第 3 問　銀河系と銀河とするのでなく，その用語がどのように使われてい銀河系の構造を理解しよう。るのか，その論理の道筋を理解するようにしよう。銀河系の成り立ちについての理解を確認した。特に，星間物質や膨張宇宙についての理解を確認し ◆模試を活用しよう。た。地学基礎で扱う天文分野の内容は限られてい「地学基礎」にはセンター試験の過去問が 1 年分る。複雑な計算などもないので，着実に得点していしかなく，演習量が不足しがちである。そのため，きたい。模試を演習の一環として学習を進めていくことが重要となる。2 か月ごとに実施される東進のセンター問 1 13 各選択肢の選択率 ⑧ 12.1% 試験本番レベル模試は，全国統一高校生テストも含 ① 3.1% ② 3.0% ③ 26.3% ⑦ （正答） 36.3% め年 6 回で「地学基礎」の出題範囲をすべてカバーするため，学習の進み方と学習の不足点を判定できるとてもよい機会である。今後も模試の受験を継続し，着実に得点を伸ばしていこう。 ④ 11.0% ⑤ 4.1% ⑥ 3.8% Ⅲ．学習アドバイス ◆センター試験の地学基礎について。センター試験の出題範囲は教科書に限られており，発展項目からは出題されない。センター試験で高得点を得るためには，「教科書」→「問題演習」 →「教科書」という流れの学習方法を反復し，教科書を徹底理解することが大切である。 2/2