排出事業者に対する行政処分の全体像

第
41 号
編集 発行
編集人:野々村 大雪
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2015.4.1 発行
行政処分にはどのようなものがある?
排出事業者に対する行政処分の全体像
廃棄物処理法上の違反が無い場合でも行政処分の対象に!!
前号のClubごみュニティでは、処理業者の行政処分
について、改善命令・停止処分・許可取消の三つの段
階から分析を行いました。一方で、この行政処分の対
象となるのは処理業者だけではありません。
廃棄物処理法で定められる行政処分の対象に排出事
業者が含まれるのはもちろんのこと、環境省からの通
知「行政処分の指針について」にも、排出事業者に対
する行政処分の考え方が含まれています。
この通知は、産業廃棄物に関する報告徴収や立入検
査、措置命令などの行政処分の全般について、迅速に
かつ厳正に行うことを、都道府県または政令市に対し
て求めている厳しい内容です。
今号では排出事業者に対する行政処分について、廃
掃法と通知を基にまとめます。
参照する通知: 平成25年3月29日 環廃産発第1303299号
行政処分の指針について(通知)
https://www.env.go.jp/hourei/add/k040.pdf
■行政処分全般に対する考え方
◇迅速に
・違反行為を把握した場合は速やかに行政処分を行う
・特に不法投棄の場合は措置命令、告発、許可取消を速やかに行う
◇厳正に
・行政指導に留めず緊急の場合、必要な場合には躊躇なく行政処分を行う
・刑事処分を理由に行政処分を留保しない
・詳細な事実関係が不明であること理由に行政処分を留保しない
(違反行為の事実を行政庁として客観的に認定すれば行政処分を行うことができる)
◇廃棄物該当性は総合判断説に基づいた判断をする
(廃棄物ではないとして法の規制を免れようとする事案への対処)
・「占有者の意思」のみでは廃棄物でないとの判断はできない
・事業者間の有償取引の実績をもってただちに有価物とは判断できない
・自ら利用する場合、その用途において客観的に利用価値があるかを含めて判断される
■排出事業者に対する行政処分の概要
法で定められる行政処分
・・・通知における内容の要約
■報告徴収・・・廃棄物の処理に関して必要な報告を求めることができる(法第18条第1項)
・排出事業者が廃棄物でないと主張しているものであっても、総合判断説に照らし合わせ廃棄物と判
断される場合は報告徴収の対象となる
■立入検査・・・事務所、事業場等に立入検査を行うことができる(法第19条)
・検査の対象となるのは帳簿類と廃棄物等があり、必要な限度で写真撮影を行うこともできる
・行政が立入検査を行うことができる事務所、事業場等は都道府県の区域内に限られない
■改善命令・・・処理基準違反が行われた場合、処理方法の変更等の措置を命ずることができる(法第19条の3)
・排出事業者については保管基準の違反、その他の処理基準違反が行われた場合が対象になる
・決められた期限内に改善に着手しない場合には改善命令違反となる
・改善命令違反となった場合は告発が行われる
■措置命令・・・不適正処理が行われ、かつ、生活環境保全上の支障がある場合、以下の排出事業者に対し
措置を命ずることができる
①委託基準違反、または、管理票に関する違反が確認できた排出事業者(法第19条の5)
②次の条件のいずれにも該当する排出事業者(法第19条の6)
ア. 処分業者のみでは支障の除去を行うことができない
イ. 廃棄物の処理委託に関して適正な対価を負担していない
ウ. 不適正処理が行われることを知っていた、または、知ることができた
イ.⇒ 一般的な処理費用の半値程度、または、それ以下の料金で委託を行っている排出事業者
ウ. ⇒委託を行っている業者が改善命令や立入検査を受けている等、不適正処理が行われる可能性
が認められるにもかかわらず、現場確認などの措置を行わなかった排出事業者
排出事業者が注意をしなければならないのは、明らかな違反を行っていなくとも措置命令の対象になり得るという点です。処理に関して適正な
対価を負担していない場合、不適正処理が行われることを知っていた、または、知ることができた場合等があります。対策としては、複数業者か
ら見積もりを取っておく、委託先の施設確認を行う等が挙げられます。委託を行う処理業者が改善命令や停止命令を受けていないか、また、過去
に受けた実績がないか等を確認することが望ましいと言えます。
(廃棄物から環境問題を考える) ユニバースクラブ会員専用 「Clubごみュニティ」 第41号 2015.4.1