40 改善命令 停止処分 許可取消

第
40 号
編集 発行
編集人:野々村 大雪
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2015.3.2 発行
改善命令?停止処分?許可取消?
処理業者の行政処分の分かれ目
許可取消だけが行政処分ではない!!
産業廃棄物に関する管轄権限を持つ都道府県または政令市は、ホームページ上にて産業廃棄物に関する行政処分の情報を公開しています。
公開されている行政処分情報には、改善命令、停止処分、許可取消の3つがあります。今号では、公開されている情報を基に、処理業者の行政
処分の分かれ目について分析します。
■行政処分の種類と事例
改善命令
停止処分
許可取消
行政区
業種
横浜市
収集運搬
富山県
最終処分場
福井県
処分
行政区
業種
東京都
収集運搬
三重県
収集運搬
広島県
最終処分場
■違反の程度によって処分が決まる
改善命令については、2014年の1年間に確認
できた事案は10件に限られ、情報を公開して
いる行政区は多くありません。10件のうち半
数を施設における廃棄物の過剰保管が占めて
います。改善命令は、産業廃棄物の保管基準
に違反があった場合に出され、比較的軽度な
違反を行った業者が対象となります。
停止処分についても公開している行政区は
少なく、16件が確認できるに止まりました。
過剰保管
許可品目外(木くず)の保管
保管基準違反(高さ)
停止日数
内容
マニフェストの虚偽報告
・マニフェストを交付せず引渡し
・無許可品目の受託
・えん堤が無い状態での保管
・過剰埋立
30日
90日
120日
行政区
業種
内容
千葉県
収集運搬
役員が道路交通法違反による懲役刑をう
けた
新潟県
山口県
■行政処分情報の公開は自治体の自由
行政処分情報の公開は、法律で定められて
いるわけではないため、行政の判断により公
開されていない場合もあります。
処理業者への行政処分は、許可取消が最も
重い処分となり、続いて停止処分、改善命令
となります。改善命令については業の許可に
関するものではないため、排出事業者が対象
となることもあります。
内容
収集運搬及び処分 木くず、廃プラスチックの不法焼却
収集運搬
廃プラ、金属くず等の不法投棄
停止処分は業に関するものと施設に関する
ものがあり、この処分を受けると処理業の全
部、又は、一部を行うことができなくなりま
す。マニフェストに関する違反や処理基準に
関する違反が該当し、最短で10日間、最長で
120日間の停止命令が出されていました。
最も重い処分である許可取消には、不法投
棄などの不適正処理や廃棄物処理法の定める
欠格要件に該当するなど、重大な違反を犯し
た場合が該当します。
2014年には、367件(同一業者の複数行政
区での許可取消を含む)が確認できました。
■委託した業者が行政処分を受けたら
万が一、処理を委託した業者が許可取消や
停止処分を受けてしまった場合には、次のよ
うな対応が必要となります。
・該当する業者への新たな委託を停止する
・新規委託先の選定
・再委託手続(処理途中の廃棄物について)
■適正な委託先を見極めるには
適正な委託先を見極めることも排出事業者
責任の一部です。環境省の通知では、都道府
県または政令市の出す許可は、適正処理を保
証するものではない旨が明記されており、業
者の選定の責任は排出事業者にあります。
行政処分情報を確認することは、不適切な
処理を行う可能性のある業者を避けるための
有効な手段であると言えます。
行政処分については、保管基準の違反やマ
ニフェストに関する違反など、排出事業者が
確認を行えばわかることも多いと言えます。
リスクを避けるためには、管理体制の見直し
や、委託先の施設を確認することが有効な手
段となります。
施設確認を行う際や、業者とのやり取りを
行う際には、過去に行政処分を受け合事があ
るか、確認するとよいでしょう。
(廃棄物から環境問題を考える) ユニバースクラブ会員専用 「Clubごみュニティ」 第40号 2015.3.2