廃棄物処理実務の - 会社法務Web

環境課題における解決の糸口
特集
環整第43号(昭和46年10月16日)/環整第45号(昭和46年10月25日)/東京高判(平成16年
6月3日)
。
又は他人に売却すること︵有償で
はじめに
企業というと、製造や販売等と
いった事業活動の内容に目がいき
譲渡すること︶ができないために
不 要 物 と は、占 有 者︵
﹁所有者﹂
で は あ り ま せ ん ︶が 自 ら 利 用 し、
が ち で す。し か し な が ら、そ の 事
不要になったものをいい、これら
︵安定性と有害性︶
﹂
、
﹁②排出の状
業活動には必ず廃棄物が伴います。
ず、
﹁廃棄物処理法﹂を遵守するこ
況︵計画性︶
﹂
、
﹁③通常の取扱い形
に該当するか否かは﹁①物の性状
とは、いわば事業活動を行う者の
態︵市場性︶
﹂
、
﹁④取引価値の有無
企業は廃棄物の処理から逃れられ
宿命であるというわけです。
い ま す ︶は、そ の よ う な 責 任 を 果
一方、
﹁難解な法令﹂として有名
な 廃 棄 物 処 理 法︵ 以 下﹁ 法 ﹂と い
ととされています。
﹁総合判断説﹂
案して判断しなければならないこ
︵客観的主観性︶
﹂等を総合的に勘
︵経済合理性︶
﹂
、
﹁⑤占有者の意思
た そ う と す る 企 業 の﹁ 悩 み の 種 ﹂
といい、最高裁判所も支持してい
なお定義を踏まえ、固形状でも
液状でもない気体状のものや放射
になっているようで、筆者のもと
ま す。そ こ で、過 去 に 寄 せ ら れ た
性物質及びこれによって汚染され
る考え方です。
疑 義 の う ち、
﹁廃棄物を排出する
たものは廃棄物から除外されます。
にも連日のように同法令の解釈や
企 業︵ = 事 業 者 ︶の 処 理 責 任 ﹂に
ただし放射性物質及びこれによっ
運用について疑義が寄せられてい
関するものを中心にQ &A方式で
て汚染されたもののうち事故由来
え事故由来放射性物質により汚染
であって、次のもの以外は、
︵たと
放射性物質により汚染されたもの
紹介し、簡単に解説します。
廃棄物の定義
されたものであっても︶廃棄物か
ら除外されず、法の適用を受ける
﹁原子炉等規制法﹂や﹁放射線障
廃棄物とは、どういうものをい
うのですか?
A 法で﹁汚物又は不要物であっ
て固形状又は液状のもの︵放射性
害防止法﹂等の他の法令の規定
ので注意してください。
物質及びこれによって汚染された
に基づき廃棄されるもの
事業系一般廃棄物
ものを除く︶
﹂と定義されています。
ありませんが、事業活動と何らか
の関連において生じるというだけ
でなく、廃棄物の発生工程が事業
勤務時間中に従業員が事務所で
昼食を取り、不要になったプラス
れる対策地域内廃棄物と指定廃
法﹂の規定に基づき処理が行わ
﹁放射性物質汚染対処特別措置
・蛍光管・消火器等が不要になっ
ていた什器類・事務用具や乾電池
以上の考え方は、事務所・店舗
や施設・工場・作業場で使用され
﹁廃プラスチック類﹂になります。
一般廃棄物でなく、産業廃棄物の
接 不 可 避 な 関 係 に あ る こ と か ら、
の弁当・飲料容器は事業活動と密
って不要になったプラスチック製
なかったというわけです。したが
り、それゆえ廃棄物も発生してい
が取られることはなかったのであ
れば、勤務時間中に事務所で昼食
もそも事業活動が行われていなけ
必 要 と さ れ て い ま す。つ ま り、そ
れていることから、これら以外の
に携帯廃棄物を除く︶
﹂と 定 義 さ
される二〇種類、航行廃棄物並び
と輸入された廃棄物︵法令で規定
のうち法令で規定される二〇種類
︵以下
﹁事業系廃棄物﹂
といいます︶
一方の産業廃棄物は⋮というと、
﹁事業活動に伴って生じた廃棄物
廃棄物﹂と定義されています。
法においては﹁産業廃棄物以外の
ま す ︶を 想 像 す る と 思 い ま す が、
物︵ 以 下﹁ 家 庭 系 廃 棄 物 ﹂と い い
での日常生活に伴って生じた廃棄
A あります。一般廃棄物という
と、多 く は﹁ ご み ﹂す な わ ち 家 庭
のがあるのですか?
事業活動に伴って生じた廃棄物
であっても、一般廃棄物になるも
チック製の弁当・飲料容器があり
た場合についても同様です。
ないでしょうか?
おうと思っているのですが、問題
と考え、一般廃棄物として取り扱
ライベートで排出したものである︶
ビスや町内会によるイベント運営
て、地方公共団体による行政サー
義 の も の ﹂を い い ま す。し た が っ
どまらず、公共的事業をも含む広
に営利を目的とする企業活動にと
なお事業活動とは﹁①反復継続
して行われるもの﹂であり、
﹁②単
ん。
規定されている用語ではありませ
般廃棄物も家庭系廃棄物も法令で
と が あ り ま す。た だ し、事 業 系 一
に﹁ 事 業 系 一 般 廃 棄 物 ﹂と い う こ
を、家庭系廃棄物と区別するため
なります。そのような一般廃棄物
なお産業廃棄物の処理責任が事
業者にあることはよく知られてい
事業系廃棄物は全て一般廃棄物に
A 問 題 で す。ポ イ ン ト は、ど こ
までの廃棄物が﹁事業活動に伴っ
等も事業活動です。
生じたものではない︵従業員がプ
て生じた⋮﹂範囲に含まれるのか
︿参考2参照﹀
業活動から必ず生じる必要までは
に あ り ま す。こ の 点 に つ い て、事
事業活動の範囲
︿参考1参照﹀
棄物
ます。これらは事業活動に伴って
者による事業の範囲にあることが
Q3
龍野浩一
QA
〈参考2〉
Q1
公益社団法人大阪府産業廃棄物協会
事務局次長
&
Q2
廃棄物処理実務の
法第2条第1項/環整第45号(昭和46年10月25日)/環計第37号(昭和52年3月26日)/環廃産第
142号(平成14年3月8日)/環廃産第407号(平成14年7月18日)/環廃産発第050725002号(平
成17年7月25日)/環廃対発第060605004号(平成18年6月5日)/環廃産発第070622005号(平
成19年7月5日)/環廃企発第111228002号・環水大総発第111228002号(平成23年12月28日)
/環廃企発第120319001号・環廃対発第120319001号・環廃産発第120319001号(平成24年
3月19日)/環廃産発第1303299号(平成25年3月29日)/環廃対発第1306281号・環廃産発第
1306281号(平成25年6月28日)/事務連絡(平成24年4月27日)/最高裁二小決(平成11年3月
10日)/さいたま地判(平成19年8月29日)/東京高判(平成20年2月20日)
。
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会社法務A2Z 2015.5
会社法務A2Z 2015.5
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知っておきたい
〈参考1〉