河川堤防の浸透に対する強化対策の設計では、不飽和 な堤体の飽和透水係数の設定が大変重要です。 新しく開発した「打ち込み式現場透水試験」は、ボー リング機械を用いずに、ミニラム(写真-1)によって透 水試験器具を打撃貫入し、任意の深度に透水区間を設置 することができます。また水位一定に保つことができる 送水システムによって、不飽和な堤体の任意の深度にお いて、注水法による透水試験ができます。透水係数の算 定は、(E-19 法)の式が適用できます。 写真-1 動的貫入試験装置(ミニラム) (透水試験器具を打撃貫入中) 図-1 透水試験器具(特許出願中) 特願 2015-34106 号 (E-19 法の算定式を地下水位との 関係から使い分ける) 図-2 透水区間の設置方法(特許出願中) 「打ち込み式現場透水試験」の試験方法は、図-2 及び 3 に示すとおりです。 「打ち込み式現場透水試験」は、従来のボーリング機械 による「単孔式現場透水試験」の方法に比べ、試験コス トで約 50%、時間コストで約 1/4 に縮減が可能です。 START ミニラム貫入ロッドによる先行貫入 ミニラムを用いて試験深度まで透水試験器具を 打撃貫入 専用の引き上げ器具により透水試験器具の外管 を引き上げ、ストレーナ区間を出す(設置) min ストレーナ区間を高圧洗浄機でフラッシング CO2ガスを注入(土中の空気を水に溶けやすい CO2に交換)) 水位測定のための細径の水位計を設置 min 水位計と送水システムを接続 透水試験開始 ・清水を注入.送水システムにより、ストレ ーナ上端に水位を固定(制御). ・水位固定状態を保ちながら注水量一定 になる状況を計測. 不飽和土の飽和透水係数の算定式(E-19 法) 注水量が一定と 見なせるか No Yes 測定終了 データアウトプット(透水係数算出) END 図-3 打ち込み式現場透水試験方法 0.6 6.0E-04 0.5 5.0E-04 0.4 4.0E-04 0.3 積算流量(m3) 水位(m) ●利用方法 ① 不飽和土の現場透水試験(注水法) ② 透水区間の設置方法は、水位観測井としても利用可能 (地すべり調査など) ③ 細径ベーラーを使えば採水が可能(土壌汚染調査) ●適用深度及び対象土質:打撃貫入可能な深度及び地層 (実績: 最大深度 10m、対象土質:緩い砂) 一定水位h=0.38m 0.2 一定流量Q=1.85×10-5 m3/s k=8.1×10-2 cm/sec 3.0E-04 2.0E-04 0.1 1.0E-04 0 0.0E+00 0 1000 2000 3000 経過時間(s) 問合せ(販売)窓口 0 4000 1000 図-4 打ち込み式現場透水試験実施例 復建調査設計株式会社 2000 経過時間(s) 地盤環境部 西田、上熊 〒732-0052 広島市東区光町二丁目 10 番 11 号 TEL (082)506-1833(直通) FAX(082)286-5215 3000 4000
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