九州・沖縄犯罪被害者連絡会(みどりの風) 第 3 回 犯罪被害シンポジウム 基調講演(骨子) 神戸大学名誉教授 経済学博士 二木雄策 【事件】 平成 5 年 1 月 12 日、大学生の娘が横断歩道を横断中に、信号無視の車にはねられた。 同 1 月 16 日、亡くなった。 【自分の内的なもの】 自分の内的なもの・・・自分の心をどう整理するか ・自分の考えと家内の考えが両立すればよいが、対立してしまう ・夫婦間の問題が発生しやらなくてもよい夫婦げんかが起きてしまった ・男と女では脳が違うのが原因かもしれない ・多くの男性が、 「妻の方が正しかったのではないか」といっている。 【対外的な問題】 【刑事裁判】 ・刑事事件では、被害者は無関係 ・検察と加害者の問題であった ・公判の期日など検察に聞いて毎回傍聴に行った ・加害者だけに弁明の機会があるのはおかしい ・被害者はせいぜい上申書を出すくらい 【民事】 ・まず保険会社の担当が来た ・続いて弁護士が来た。「加害者を連れて来い」・・・無理にまとめる話 ではない。 ・調停・・・それでも加害者は出てこない。調停は対峙しない形。 ・裁判・・・本人訴訟になった(訴状など書き方がある) 【損害賠償に関して】 ・損害賠償には 3 つの種類がある。積極損害・慰謝料・逸失利益(消極 損害) ・積極損害は現に発生した費用・・金額が明確 ・慰謝料には金額の基準はなく気持ちの問題 ・逸失利益には計算のルールが二通りある(東京方式と大阪方式)・・お かしいことに気付いた ・男女間の差が大きい(中卒男子>大卒女子) ・・男女で基準を変えるの はおかしい ・法定利率が 5%に決められているのは実質利率が低い場合被害者に大き な損失となる 【賠償金は誰が払うの?】 ・加害者は賠償金を払っていない ・保険に加入している人全員で払っている。つまり国民全体で加害者に 代わって支払っている。 ・そのような社会であるということを理解しなければならない。 【最後に】 ・遺族としての気持ちを言い表すのに哲学者九鬼周造のことばを紹介す る・・・ 「忘れねばこそ思ひ出さず候」
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