No.301 2月号 - 熊本農業者政治連盟

雪の日の絶景(撮影:谷津由利子様) 第2回「未来に伝えたい農業・農村の風景」フォトコンテストで、入選された方の作品の中の1点です。
今月の表紙
農協改革に関する政府・
与 党 及 び JA グ ル ー プ
の情勢について
特 集
農政連情報
平成27年
■県へ農業政策・予算を要請
■ 2015 年「国際土壌年」の幕開け
■佐賀県知事選挙、与党候補敗れる
■政府の「地方創生」について
■全青協リーダー育成会議
■宮崎県、山口県で高病原性鳥インフ
ルエンザが相次ぎ発生
■日本食(和食)の発信
■各連合会からのお知らせ
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No.301
発 行/熊本県農業者政治連盟
熊本市中央区南千反畑町2-3 電話 096-328-1284 編集責任者 山本 浩二 平成9年7月4日第三種郵便物許可
発行日/平成 27 年 1 月 15 日・毎月1回 15 日発行 定価/1部 50 円(但し、会員の購読料は会費の中に含む)
あ ぜ み ち
昨年末実施された衆議院の解散総選挙
は 与 党 の 大 勝 と い う 結 果 に な っ た。 会 見
で 安 倍 首 相 は「 ア ベ ノ ミ ク ス の 推 進 に 国
民の信任を得られたとして、農業、医療、
エネルギーといった分野で大胆な規制改
革 を 断 行 し、 成 長 戦 略 を 力 強 く 進 め て い
く」(日本農業新聞)と語っている。
こ の た め、 農 業 問 題 で は 環 太 平 洋 連 携
協 定( T P P ) の 早 期 妥 結 に 向 け た 交 渉
が 加 速 す る 怖 れ が 強 ま り、 ま た 今 期 の 通
常国会に提出される農協法改正がより厳
しい内容になるのではと危機感が持たれ
ている。
農産物等の市場開放や農協法の改正は、
農 村・ 地 方 を 一 層 疲 弊 さ せ、 地 域 の 一 体
性を弱体化させる危険がある。これらは、
安倍政権が重要政策に掲げる地方創生と
の整合性からも大きな疑問がある。
規制改革(緩和)が行き過ぎた社会は、
自 由 度 は 高 い が 弱 肉 強 食 の 世 界 で あ る。
持続性のある安定した社会や経済を実現
す る に は、 む し ろ 規 制 が 必 要 な こ と も 少
なくないのではないか。
著名な民間人で構成された政府の各種
会 議 で の 諮 問 結 果 で は な く、 各 地 方 か ら
選 出 さ れ た 議 員 の 意 見・ 議 論 が 政 策 に 反
映されるようであって欲しい。
農協改革に関する政府・与党及び
JAグループの情勢について
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農 協 改 革( 特 に 中 央 会 制 度 改 革 )を
じている」と述べ、政府主導により、
の方向性と合っているか、疑問に感
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進めていく意欲を示しました。
【インナー会議での確認事項】
①1 月 日の 週 か ら 、自 民 党の
全 議 員 が 参 加 で き る「 農 協 改
革 等 法 案 検 討 プ ロ ジェ ク ト
チ ー ム( P T)」の 会 合 を 開 催
する。
②PTで は 、あ ら た め て J A グ
ル ープ 等 か ら 意 見 を 聴 取 す
る。
③政府やJAグループとも調整
し な が ら 、2月 前 半 に 農 協 法
(1) 安倍総理は、選挙後に行われた
1.衆議院選挙について
3
.
農
協改革に関する今後の情勢につ
改正骨子案の策定を目指す。
(1) 月 日の衆議院解散および
月 日の会見で、「農業・医療・エ
いて
月 2 日 公 示・ 日 投 開 票 に よ る 衆
ネルギーの分野で 大 胆 な 規 制 改 革 (1) 年明けから、農協改革(特にJA
(
3
)
このような中、農協改革の焦点と
議 院 選 挙 実 施 に 伴 い、自 民 党 農 林
を 断 行 し 、成 長 戦 略 を 力 強 く 進 め
全 中 に よ る 監 査 制 度 )に 関 す る 報
なって い る J A 全 中 に よ る 監 査 制
幹 部の 会 合(インナー会 議 )に よ り
る 」と 述 べ、農 協 改 革 を 進 め て いく
道 が 過 熱 す る 中 、西 川 農 林 水 産 大
度 に 関 し て 、与 党 議 員 向 け に 作 成
す す め ら れてい た 農 協 改 革の 議 論
ことを改めて強調しました。
臣 は 、1月9日の 閣 議 後 会 見 で「 単
さ れ た 農 林 水 産 省 資 料 におい て 、
は中断されました。
位JAがJA全中による監査を受
JA全中による監査が公認会計士
け る 義 務 付 け を な くし 、金 融 庁 指
各党は、選挙にあたっての公約づ (2) また、西川農林水産大臣は、 月
監 査 に 比べて「 独 立 性 」や「 信 頼 性 」
く り を 行い、その 中 で 農 協 改 革 は 、
日の 閣 議 後 会 見 で 、年 明 けの 通
導の 下 、公 認 会 計 士 に よ る 監 査 を
で劣ると疑わせるような書き振り
一つの大きな事項として扱われ、自
常国会に提出する予定の農協改革
導 入 す る こ と が 望 ま し い 」との 考
となっていることが判明し、今後の
民 党 で は 最 後 まで 調 整 事 項 と し て
関 連の 農 協 法 改 正 案 につい て 、「 早
え方を示すとともに、「この方針を
与 党 議 論 に お い て 、結 論 あ り き で
残 り 、左 記の 内 容 で 整 理 さ れ ま し
け れ ば 2 月 に も 提 出 し た い 」との
基 に 与 党 や J A グ ループとの 協 議
公認会計士監査に誘導される懸念
た。
意向を表明しました。
を重ね、着地点を探していきたい」
があります。
との意向も示しました。
【自民党重点政策集2014】
た だ 、「 与 党 や J A グ ループとの
法案調整の作業は、相当難航する」
農協改革(中央会制度など)等に
(4)J A グ ループで は 、この よ う な 政
と も 発 言 し 、法 案 提 出 が ず れ 込 む (2)一方 、西 川 農 林 水 産 大 臣 に よ る 会
つ い て は 、 年6 月 に 与 党 で 取
府・与 党・農 林 水 産 省 の 動 き に 対
可能性もあるとの見方を示しまし
見 が 行 わ れ た 同 日 、自 民 党 で は 農
りまとめた「農協・農業委員会等
し、
JAグループ自己改革内容の与
た。
林 幹 部 に よ る 会 合(インナー会 議 )
に 関 す る 改 革の 推 進 につ い て 」
党国会議員への周知・理解促進を図
が衆議院選挙後初めて開催され、
に基づき、議論を深め、着実に推
る と と も に 、1 月 か ら 始 ま る 通 常
(3) 一方 、有 村 規 制 改 革 担 当 大 臣 は 、
次の 事 項 につ い ての 確 認 が な さ れ
進します。
国 会 に 提 出 予 定の 農 協 改 革 関 連の
ました。
月 日の 閣 議 後 会 見 に お い て 、
農 協 法 改 正 案 に J A グ ループの 自
「 J A グ ル ープ が 月 に 公 表 し た
己 改 革 内 容 が 反 映 さ れ る よ う 、与
自己改革内容が、規制改革実施計画
党国会議員等に対し積極的に働き
かけていくこととしています。
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(2) 結果として、自民党が単独で過
半 数( 2 3 8 議 席 )を 上 回 る な ど 、
衆 議 院 選 挙 は 、与 党 が 大 勝 す る 結
果となりました。
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2.衆議院選挙後の政府発言について
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No.301 みどりの風 2015.1.15(2)
なお、新規要望として、土地利用型複
合経営システムモデル事業と第 回全
日 本 ホ ル ス タイ ン 共 進 会への 支 援 が 加
えられました。
蒲島郁夫知事は、「稼げる農業を掲げ
て い る 中 で 農 家の 努 力 に よ り 、生 産 農
業 所 得 が 全 国4位 と なった こ と は 大 変
うれしい。要望は本県農業にとって非常
に重要であるので実現できるよう取り
組みたい。」と応えました。
2015年「国際土壌
年」
の幕開け
今 年 は2013年 に 国 連 が 定 めた
「国
際土壌年」
の幕開けの年です。
世界の人々
が土壌再生と食料増産の鍵はなにかを考
え、
共有し、
行動するスタートの年です。
地球温暖化の問題に隠れて
これまで、
いま し た が 、
土壌劣化が深刻化する中、
国連 はこれ を 機に、
風や水による浸食、
塩類集積や砂漠化、
汚染など
「土壌の 危
機」
に対する国際的協力体制を後押しし
たい考えです。
農
増え続ける人口に対し農業生産は、
地の 劣 化による 生産 性の低下に直面し
ていることから、
国連は、「土壌は重要で
ありながら忘れられた資源」
と各国に保
全を訴えています。
資源・食料問題研究代表の柴田昭夫氏
は
「当たり前のように思っていた輸入食
料 は世界 情 勢 と異 常 気 象によ り あ ら た
めて不 足 と 認 識 さ れ る だ ろ う。
」
と忠告
しています。(日本農業新聞)
食料の輸入にたよらず
国土を保全し、
自給率を高めることは、
世界の食料不足
に貢献することにもつながります。
そう
した 観 点 から も、
TPP交渉における農
産物の輸入増加に対して、
断固とした態
度が必要です。
昨年 月TPP交渉をめぐり日
特に、
米首脳が会談した際、
オバマ大統領が主
食用米の輸入拡大を求めていたもよう
で す。
安倍首相は拒否しましたが、
最大
限の注視が必要です。
(3)No.301 みどりの風 2015.1.15
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▲梅田会長から要望書を受け取
る蒲島知事
~主な農業予算要望事項~
①水田新産地形成事業
②くまもと土地利用型農業競争力強
化支援事業
③担い手育成緊急支援事業
④露地野菜生産拡大対策事業
⑤優良乳用牛導入支援事業
⑥ 熊 本 産 カン キ ツ 連 年 安 定 生 産 出 荷
実証事業
⑦肉用子牛価格安定事業
⑧阿蘇あか牛草原再生事業
⑨ 農 家 経 営 維 持 改 善のた めの 金 融 支
援事業
⑩くまもと稼げる園芸産地育成対策
事業
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県へ農業政策・予算を要請
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JA熊 本 中 央 会 、各 連 合 会 、農 政 連 等
の県下農業 団体は、 月 日 県庁に
おいて
「 平 成 年 度 県 農 業 政 策・予 算に
関する要 望 書 」を、県 知 事 及 び県 議 会 議
長、自民党県連に提出しました。
地域社会を実現するため、
次の要望事項
へ特段のご配慮をお願いしたい」と述べ
ました。
(1)農業・農村振興対策
① 持 続 可 能 な 農 業・農 村 像の 実 現 に
向けた政策の確立について
②水田農業に関す る 支 援 対 策等 につ
いて
③担い手、農地対策について
④食の安全・安心確保について
⑤農業者の営農生 活の 基 盤 と なる 健
康増進活動について
⑥農業委員会および県農業会議の活
動予算の確保・充実について
等のほか、輸出拡大や6次産業化への支
援を要請しました。
(2)作物別対策
①水田営農対策について
②畜産・酪農対策について
③園芸・特産生産対策について
④果樹対策について
⑤園芸・果樹共通対策について
(燃油高騰対策、鳥獣被害防止対策)
(3)金融、課税対策
①農業金融について
②課税対策について
(食料品・農畜産物等に対する軽減
税率の導入)
(4)県予算額に対する要望
農 業 予 算 額 につ い て は 、総 額 億 8
900万円( 事業)を要望しました。
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12
梅 田 穰 J A 熊 本 中 央 会 会 長 は 、各 団
体 を 代 表 し て「 早 期 妥 結 を 目 指 し て 協
議が続いているTPP交渉において、重
要5品目の聖域を確保するとした国会
決 議 が 実 現 さ れ る こ と 、次 期 国 会 で 審
議 予 定の 農 業・農 協 改 革 にあって は 、J
Aグ ループに よ る 自 己 改 革 を 十 分 に 尊
重 す る こ と を 国へ強 く 働 き か け て 欲 し
い。」「本県が引き続き、全国有数の食料
供給基地としての役割を果たすととも
に、農業者が希望と意欲を持って営農に
取 り 組 み、活 力 あ る 地 域 農 業 と 豊 か な
▲蒲島知事に要請する梅田会長
12
27
を消滅させてはならない。時間の猶予は
がっているのではないでしょうか。
ない」と述べました。
金 銭 的 、物 欲 的 な 満 足 を 否 定 は し な
いが、環境や人とのつながりを大切にし
し か し一方 で は 、首 相 は「 大 胆 な 規 制
(1)政府の動き
改 革 な くし て 成 長 戦 略の成 功 なし 」と、 た 、シ ンプ ル で も 満 ち 足 り た 幸 せ を 望
農 業 や 雇 用 な どの 分 野 を 例 示 し て「 岩
む人が増えていると様々なところで取
昨 年 5 月 に 、民 間 の 有 識 者 ら で つ
く る「 日 本 創 生 会 議( 座 長 = 増 田 寛 也
盤の よ う に 固 い 規 制 に 、こ れ か ら も 果
り上げられています。
元 総 務 相 )」が 公 表 し た 人 口 推 計 は 、
敢
に
挑
戦
し
て
い
く
」
と
強
調
し
て
い
ま
す
。
図 司 直 也 法 政 大 学 准 教 授 は「 農 山 村
「2040年 に は 、全 国の 約 半 数の 市 区
その 突 破 口 が 国 家 戦 略 特 区 であ り 、特
に 移 住 し たい と 考 え る 若 者 は 確 実 に 増
町 村 で 、子 供 を 産 む 中 心 世 代の 女 性 が
区 制 度の 拡 充 は 今 後 も 進 め ていく と 述
え て い る 。移 住 者 は 地 域 に 根 差 し た 資
半 減 し 、消 滅の 危 機 に 直 面 す る 。」と い
べていま す。こ う し た一方 的 な 改 革 断 行
源 や 農 家の 技 や 知 恵 を 、時 代 に 合 せ て
う衝撃的なものでした。
が
は
た
し
て
持
続
的
な
地
方
創
生
に
つ
な
が
磨 き 、経 済 活 動 に 変 え る 仕 組 み を 作 ろ
るのでしょうか。
う と し て い る。」と 語って いま す。( 農 業
こ れ ま で も 人 口 減 少 な ど 、地 方の 衰
退 が 問 題 視 さ れ て いま し た が 、この 提
臨 時 国 会の 終 盤 で は 地 方 創 生の 関 連
新聞)
言 で 地 方 自 治 体 や 政 府 で一気 に 深 刻 な
2法 案 が 成 立 し ま し た。創 生 法 は 、人 口 (3)
継続的な取り組み
問題として浮上しました。
減少に歯止めをかけ、出産や育児をしや
人 口 減 少 を 伴 う 農 山 村・地 方の 衰 退
昨 年9月の 第2次 安 倍 改 造 内 閣 で 安 倍
す い 環 境 づく り や 地 方 での 雇 用 創 出 を
は 、戦 後の 経 済 復 興 と 密 接 につ な が る
首 相 は 新 た に 地 方 創 生 担 当 を 設 置( 担
進めることを基本理念としています。
長い年月があります。経済が発展し、豊
当 相 = 石 破 茂 氏 )し 、会 見 で「 元 気 で 豊
(
2
)
田
園
回
帰
の
流
れ
か な 文 化 と 教 育 が 普 及 す る 中 で 、人 は
か な 地 方の 創 生 」に 最 重 要 課 題 と し て
都市へと向かい、都市も多くの労働力を
全 国 町 村 会(928町 村 長 )は 月 に
全力を挙げるとしました。
農 業・農 村 政 策 提 言 を ま と め 、「 田 園 回
必要としました。
帰の 流 れ を 加 速 し 、独 自 政 策 を 後 押 し
政 府 は 直 ち に 、人 口 減 少 対 策の 司 令
これから、都市から地方へと人の流れ
塔 と な る「 ま ち・ひ と・し ご と 創 生 本 部
す
る
交
付
金
の
創
設
」
を
求
め
ま
し
た
。
を 変 え 地 方の 創 生 に 向 け た 、政 府 や 地
( 本 部 長 = 安 倍 首 相 )」を 立 ち 上 げ、「 地
方自治体の様々な施策が実施されるで
提 言の と り ま と め を 支 援 し た 、明 治
方創生」
へ、政府一体となって①若い世代
大 学 農 学 部の 小 田 切 徳 美 教 授 は「 子 育
しょうが、それには息の長い取り組みが
の就労・結婚・子育ての 希 望の 実 現 ② 東
て世代が確実に農村に向かっている。田
必要となるのではないでしょうか。人々
京一極 集 中の 歯 止 めな ど に 取 り 組 む こ
園
回
帰
す
る
人
を
受
け
入
れ
る
た
め
地
方
は
の
意 識 が 経 済 成 長 だ け で は な く 、環 境
ととしました。
汗 と 努 力 、知 恵 を 出 し て 自 ら を 磨 い て
や生活の豊かさをふくめた金銭に換算
欲 し い。」と エ ー ル を 送って いま す。( 日
できない価値に向き始めています。
9月の臨時国会では、安倍首相は、今
国 会 を「 地 方 創 生 国 会 」と 位 置 付 け、人
本農業新聞)
JAは、公的な自治体組織でもなく、
口 減 少 や 超 高 齢 化 といった 地 方の 抱 え
かといって民間の営利企業でもない、協
若い 人 た ち に 土 に 根 差 し た 暮 ら し を
る課題に取り組む方針をあらためて強
し て 、少 し で も 食 と エ ネ ル ギ ー を 自 前
同 組 合の 理 念 に 基 づく 助 け あいの 組 織
調しました。伝統あるふるさとを守り、 で確保したい人が増加しているといい
です。地域活性化に取り組む現場におい
美 し い 日 本 を 支 え て い るの は 、中 山 間
ま す。グ ローバ ル 化 が 加 速 す る 世 界 で 、 て 、持 続 的 で 安 定 し た 役 割 を 発 揮 し て
地 等の 地 方の 住 民 だ と し て「 ふ る さ と
人 々の 間 に 静 か に 価 値 観 の 転 換 が 広
行けると考えます。
佐賀県知事選挙、 政府の「地方創生」に
ついて
与党候補敗れる
前 知 事の 国 政 転 身 に 伴 う 佐 賀 県
知事選挙が 日投開票され、無所属
新人の元総務省過疎対策室長・山口
祥 義 氏 が、同 県 武 雄 市の 前 市 長・樋
渡啓祐氏(自民・公明推薦)ら3名を
破り初当選しました。
樋 渡 氏 は 、政 府 が 進 め る 農 協 改 革 に
理 解 を 示 し 、政 府 与 党 か ら 全 面 的 に 支
援 を 受 け ま し た。
一方 山 口 氏 は 、告 示 直
前に出馬を表明しましたが知名度に劣
ると見られました。
政 府 が 推 す 候 補 者 が 勝 利 す れ ば 、農
協 改 革 が一方 的 に 進 め ら れ る と 危 機 感
を もった 佐 賀 県の J A グープの 政 治 団
体「県農政協議会」は山口氏を推薦し支
援しました。
今 回の 知 事 選の 結 果 は 、規 制 改 革 を
断行して成長戦略を推し進めるとする
政府に対し、地方の現場が上からの一方
的押し付けだと反発したものと考えら
れます。
先の衆議院選挙は、農業・農協の改革
やTPP交 渉 等 地 方の 生 活 に 直 結 す る
問 題 が 選 挙の 争 点 になってい た と は 言
えません。
当 選 し た 山 口 氏 が 会 見 で 、農 協 改 革
は「必要だと思うが、国からの上から目
線 で お ろ すの で は な く 、地 域 主 体の 自
己 改 革 で な い と う ま く い か な い 」と 語
りました。
11
11
No.301 みどりの風 2015.1.15(4)
宮 崎 県、山 口 県 で 高 病
原性鳥インフルエンザ
が相次ぎ発生
29
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16
13
全青協リーダー
育成会議
昨年末、韓国では家きんの鳥インフル
エ ン ザ が 猛 威 を ふ る い、
一方 、日 本 国 内
で は 野 鳥の 鳥インフルエン ザ が 相 次い
で確認されたため、家きんへの感染が危
惧されていました。
そして、 月 日宮崎県は、高病原性
鳥 イ ンフ ル エ ン ザ が 、同 県 延 岡 市 北 川
町 で 確 認 さ れ た と 発 表 し ま し た 。県 は
発 生 養 鶏 場の 約4000羽の 鶏 を 殺 処
分、埋却を 日に完了し、鶏舎の清掃と
消毒など、発生農場の防疫措置、搬出制
限や移動制限を設置し感染拡大の防止
に全力を挙げました。
宮崎大学の産業動物防疫リサーチセ
ンターの末吉益男教授は、
2011年の
発 生(8市 町 で 例 、102万 羽 を 殺 処
分)と同じ高いリスクがあると、防疫の
再徹底を呼び掛けました。
同教授は、「生産者からJA延岡技術
員 に 連 絡 。死 亡 羽 数 は 少 な かった が 、検
査、そして家畜保健衛生所に通報した。
早 期 発 見 ~ 早 期 通 報 が あっての 初 動 防
疫だ。爆発的に広がらないうちに発見、
報告したのが大きかった。宮崎は経験か
ら 危 機 感 を もって お り、定 期 的 な 演 習 、
研修が生かされた。」と話しました。(日
本農業新聞)
と こ ろ が 今 度 は 、時 期 も 場 所 も 離 れ
て 日に宮崎市高岡町で今シーズン2
例目となる高病原性 鳥インフルエン ザ
が 発 生 し た と 宮 崎 県 が 発 表 し ま し た。
当 該 養 鶏 場の 規 模(4万2000羽 )が
大きいことや周辺に他の養鶏場も多い
こ と か ら 、関 係 者の 間 にさ ら に 強 い 緊
張が走りました。
宮崎県は直ちに当該養鶏場にて
4万2000羽を殺処分、埋却するとと
も に 、鶏の 移 動 制 限 区 域 と 搬 出 制 限 区
域 を 設 定 、消 毒 ポ イ ン ト ヶ所 の 設 置
等、感染拡大に警戒を強めています。
月 日 今 シ ー ズ ン3 例 目 と な る 高
病原性鳥インフルが、今度は山口県長門
市の 養 鶏 場 で 発 生 し ま し た 。山 口 県 で
は、発生養鶏場の3万7000羽を殺処
分するとともに宮崎県と同じ措置をと
り、まん延防止に万全を期しています。
農水省は、宮崎県、山口県の3事例は地
理 的 に 離 れて い て 疫 学 的 関 連 性 は な い
とみています。感染が広がっているので
は な く 、渡 り 鳥 が 持 ち 込 ん だ ウイ ル ス
が 各 地 に 存 在 し 、ネ ズ ミ や 野 鳥 な ど 何
らかの理由で農場に侵入したと想定し
ていま す。「 どこの 都 道 府 県 で も 発 生 す
る リ スク は 依 然 と し て 高 い 状 態 」と し
て 、あ ら た め て 防 疫 体 制 や 早 期 通 報 を
求めています。
昨 年4月 に 鳥インフルの 封 じ 込 め を
経 験 し て い る 熊 本 県 は 、1 例 目 が 発 生
し た 月 日 直 ち に 県 内への 感 染 拡 大
を 防 止 す る 対 策 会 議 を 設 置・開 催 し ま
し た 。県 内 養 鶏 農 家 に 異 常の 有 無の 確
認 と 消 毒 や 防 鳥 ネット な どの 管 理 徹 底
を 呼 び か け る な ど 、防 疫 対 策 を 強 化 し
ました。
日本食(和食)の発信
「和 食」
が、
ユネスコ無形
平成年 年に
文 化 遺 産に登録されるな ど、
和食への世
界の関心がたかまっています。
今 年5 月 か ら は 、
イタ リ ア・ミ ラノで 食
な ど をテーマ にし た 国 際 博 覧 会
(万博)
が開かれます。
そのミラノ万博の日本館
は4170平 方 メー ト ル と 参 加 国 に 割
り 当て ら れ る 敷 地で は 最 大 規 模 と なっ
ています。
和食の良さを世界に発信する
絶好の機会です。
(約150)
には、「良質
参加各国・地域
で健康に良く、
持続的な食料を全人類に
確保することは可能か」
展示を通じて解
決策を提案するよう求められています。
展示の 主題 を
「共存する多様
日本は、
性」
と し ていま す。
自然と調和する多様
な 農 林 水 産 業 が 食 を め ぐる 課 題 解 決 に
貢献するとしています。
技 術、
イノベーションと
米国は、「科学、
自由貿易を通じた持続可能性」
を展示内
容に反映させるようです。
自 由貿 易 が 食
料 供 給の 持 続 可 能 性 につ な が る という
ものです。(日本農業新聞)
国際 的
TPP交渉にみられるような、
アグリ ビ ジネスや巨大資 本による 農 産
物の 市 場 拡 大 という 姿 勢 が 色濃 く 出て
いるのではないでしょうか。
伝統的な日本の食生活が栄養バラン
ス や 健 康 面で 優 れてい るの は 、
味噌、
醤
油、
酢等の発酵食の使用によるものだと
言われています。
先人の知恵を未来に残
していきたいものです。
(5)No.301 みどりの風 2015.1.15
30
16
全国農協青年組織協議会(JA全
青協)とJA全中は1月8~9日、
J
A 青 年 組 織 リ ー ダー 育 成 会 議 を 東
京で開催。
全 国 か ら 県 組 織の リ ー ダー ら 約
人 が 参 加 。本 県 か ら は 、善 積 智 晃
県 青 協 委 員 長 ほ か2 名 が 参 加 し ま
した。
岡 山 大 学の 小 松 泰 信 教 授 は 、講 演の
中で青年組織を次代のJA経営者をつ
く り 上 げ る 場 と 位 置 付 け、ま ず 信 頼 さ
れ る 農 業 経 営 者 を 目 指 し て 欲 しい と 語
り ま し た 。そのた め に は 、「 個 人 や 地 域
の 強 み を 見 つ け、それ を さ ら に 強 化 す
る必要がある。その上で、個人で取り組
む意義と限界を冷静に認識すべきだ」と
し 、グ ループ力 、ネット ワーク 力の 向 上
を目指そうと呼び掛けました。
ま た 、東 北 芸 術 工 科 大 学の 岡 崎 エ ミ
准 教 授 が 地 方 創 生 が い わ れ る 中「 変 化
に 対 応 で き る 地 域 が 生 き 残 る 」と し 学
校、母親などJA以外とのつながりを持
つことも大切だと語りました。
全青協の黒田栄
継会長はポリシー
ブック(政策集)を
作る意義とそれに
基づく行動の重要
性を指摘しまし
た。
▲グループで話し合う青年
部員ら(日本農業新聞)
12
12
50
10
25
【ヘルシー賞】お茶プレッソ( 名)
【チャーハン賞】熊本県産こだわり炒
飯セット(300名)
【 優 雅 の 賞 】 く ま も と 格 付 認 証 茶「 湧
雅のここち」(270名)
【エコDE賞】オリジナルエコバッグ
(200名)
▲厳正に行われた抽選会
…… JA経済連 ……
29
…… JA中央会 ……
13
「2014くまもとの新米
キャンペーン」抽選会
くまもと売れる米づくり推進本部
は、 月 日 ~ 月 日 に 開 催 し た
「2014くまもとの新米キャンペー
ン」の抽選会を行いました。
北は北海道から南は沖縄ま
で、 全 国 の 都 道 府 県 か ら
万 1 7 1 0 通 の 応 募 が あ り、
抽選の結果、818名の当選者
が決定しました。キャンペーン
は、日頃ご愛顧頂いている消費
者の皆様への感謝の意を込める
とともに、米の食味ランキング
で特Aを獲得した「森のくまさ
ん」をはじめとする「くまもと
のお米」の消費拡大とPR、卸・
小 売 業 者 の 活 性 化 を 図 る た め、
熊本県内外米穀卸とくまもと売
れる米づくり推進本部が一体と
なって実施しました。
プレゼントの内容は次の通り
です。
【ハッピー賞】ペアで行く関西
旅行( 組)
【ラッキー賞】スチームオーブ
ン機能付きウォーターオーブン
( 名)
【デリシャス賞】IH炊飯器
( 名)
【快適賞】除湿機( 名)
11
10
23
31
第 回「 ご は ん・ お 米 と わ た
し 」 作 文・ 図 画 コ ン ク ー ル 表
彰式
図小学校2年)が最高賞の熊本県知事
賞を受賞しました。
おいしい御飯は全て愛から生まれる
ものだと朗読した藤木さんは「大家族
の我が家は、御飯を食べる時はニコニ
コ笑顔で幸せになる」と話し、図画で
「じぃちゃんと稲刈りした思い出」
を描いた江島さんは、自分の作品を
「200点満点の花丸です」と評しま
した。
同中央会の梅田穰会長は「このコン
クールを機会に、食べ物の大切さや農
業の役割を見直して、家族や友達への
感謝の心を大切にしてください」とお
米を通して、多くのことを学び、成長
してほしいと話しました。
江島さんの作品
10
2
~熊本県知事賞に藤木さん、江島さん~
JA熊本中央会は 月 日、熊本市
で「ごはん・お米とわたし」作文・図
画コンクールの表彰式を行いました。
県内の小・中学校から、作文の部に
1530点、図画の部に2365点の
応募がありました。作文の部で藤木み
ゆさん(御船町立御船小学校6年)、
図画の部で江島岳流さん(熊本市立画
12
熊 本 県 知 事 賞 を 受 賞 し た 藤 木 さ ん( 右 )
と江島さん
1
10
10
39
14
No.301 みどりの風 2015.1.15(6)
▲
▲
5年
JA共済連会長賞・銅賞
藤川 尚士 さん
菊池市立隈府小学校
2年
JA共済連会長賞・銅賞
宮﨑 翔太 さん
玉名市立玉水小学校
3年
JA共済連会長賞・銅賞
岩﨑 映美 さん
菊池市立菊池南中学校
2年
JA共済連会長賞・佳作
髙木 美那 さん
菊池市立泗水中学校
3年
JA共済連会長賞・金賞
松江心々咲 さん
宇城市立豊川小学校
6年
JA共済連会長賞・佳作
大崎 桃子 さん
宇城市立豊福小学校
5年
農林水産大臣賞
柿原 匠詠 さん
熊本市立飽田東小学校
5年
JA共済連会長賞・金賞
矢野 星樹 さん
合志市立西合志南中学校
3年
JA共済連会長賞・佳作
長田 大知 さん
熊本市立池上小学校
3年
JA共済連会長賞・佳作
海﨑 海生 さん
熊本市立天明中学校
1年
…… JA共済連 ……
益城町立益城中央小学校
JA共済 全国小中学生 書道・
守住 唯 さん
交通安全ポスターコンクール全
「ロコモティブシンドローム」になら
ない よ う に す る た め に は、若いう ち か
ら の 予 防 が と て も 大 切 で す。ま ず は、
自 分の 身 体 と 向 き 合い、生 活 習 慣の 見
直しを行いましょう。そして、将来も元
気 で 過 ご せ る よ う に、健 康 寿 命100
歳 を 目 指 して、でき る ところか ら 少 し
ずつ取り組んでいきましょう。
10
国大会の入賞者決定♪
15
益城中央小5年 守住唯
さ ん( 書 道:半 紙 の 部 )
と飽田東小5年柿原匠
詠 さ ん( 交 通 安 全 ポ ス
タ ー の 部 ) が「 農 林 水
産大臣賞」を受賞!
【予防方法】
…… JA厚生連 ……
○食事
・骨 や 筋 肉 を 作 る た め に は、食 事の
「ロコモティブシンドローム」
管理が大切です。タンパク質、
糖質、
について
脂質、ビタミン、ミネラルといった
「 ロ コ モ ティブ シ ン ド ロ ー ム 」と は、
五大 栄 養 素 を バランスよ く 摂 取 し
ましょう。
日 本 語 で 運 動 器 症 候 群 と いいま す。骨
○運動
や 筋 肉、関 節 な どの 働 き が 弱 く な るこ
と が 原 因で、転 倒 や 骨 折 をし や すく な
・骨 や 筋 肉 を 強 く す る た め に は、運
り、将 来 自 立 し た 生活 が 行え な く な る
動 が 必 要 で す。も し、運 動 を す る
時 間 が ない 場 合 は、な るべく 階 段
危険性が高い状態のことです。通称「ロ
を 使 う な ど、日 常 生 活の 中 で こ ま
コモ」といわれています。
「ロコモ」は
長寿国である日本で発祥した用語です。
めに体を動かしましょう。まずは、
今までよりも 分多く身体を動か
すことを意識してみると良いです。
○体重管理
・肥 満 にな る と、膝 や 腰の 負 担 が 大
きくなります。
また、
過度なダイエッ
ト に よ り や せ す ぎ る と、骨 や 筋 肉
の量が減ってしまいます。
【7つのチェックポイント】
「ロコモ」の可能性を確認する方法と
して、次の7つのチェックポイントがあ
ります。
(1)片足立ちで靴下がはけない
(2)家の中でよくつまずいたり滑った
りする
(3)階段を上るのに手すりが必要であ
る。
(4)横断歩道を青信号で渡りきれない
(5) 分くらい続けて歩けない
(6)2㎏ 程 度(1Lの 牛 乳パック2個
程度)の買い物をして持ち帰るの
が困難である
(7)家のやや重い仕事(掃除機の使用
や布団の上げ下ろしなど)が困難
である
以 上の 中 で、1つ で も 当 て は ま る 項
目 が あ れ ば「 ロコモ 」の 可 能 性 が 高い
といわれています。
(7)No.301 みどりの風 2015.1.15
熊本県から出展された作品
の中から下記の皆さんが入賞
されました。受賞された皆さん
おめでとうございます。中でも
大 賞 に 当 た る「 農 林 水 産 大 臣
賞」を受賞された守住さんと柿
原 さ ん は、 2 月 6 日( 金 ) に
東京で開催される表彰式にご
家 族 と 一 緒 に ご 出 席 さ れ ま す。
今年もたくさんの応募ありが
と う ご ざ い ま し た。( 熊 本 県 大
会応募総数32,809作品)
JA共済は今後も頑張るこ
どもたちを応援していきます。
農林水産大臣賞
交通安全ポスター
学年
条幅の部
学校名
書道
氏名
半紙の部
賞
コンクール
18日
「弁当の日」は
毎月
JAグループ熊本
①県産・国産品の素材を購入します
②自分で作って持参します
基本的
ルール
役職員自らが
「みんなのよい食プロジェクト」の一環として、食への理解促進と自給率向上(目標
50%)、米の消費拡大等を役職員全員で取り組みましょう。
※なお、18日が休日の場合は、翌営業日実施となります。
14481050112
JA 熊本中央会
あとがき
霧さめが降るなかで、二人の少年が
もう何時間もメンコ遊びを続けてい
る。一方が相手のメンコを取り尽くす
寸前で失敗する。今度は攻守変わって
逆に相手が取り尽くす寸前まできて失
敗する。さっきからその繰り返しであ
る。とっくに取られてしまった数人の
村の子らがじっと二人を見守ってい
る。やがて、夕暮れて薄暗くなりみん
なは遊びをやめて家路を急ぐ。
春になり中学を卒業した彼らは都会
に働きに出ていき、再び村へは帰って
こなかった。小さい山村では、働く機
会も少なく、まだ進学する者などまわ
りにはほとんどいなかった。
年ぐらい昔のことだが、ぼんやり
と覚えていて健ちゃん、邦ちゃん、幸
(Eメール)
[email protected]
(電 話)096ー328ー1284
(FAX)096ー326ー5807
連絡先 熊本県農業者政治連盟
題、写真などお寄せ下さい。
●盟友の皆様のご意見や周辺地域の話
生まれ育った場所で働き、家庭を築
くことは昔も今も少ない。
ときどき思い出す。
ちゃんとか不思議に名前やおもかげを
50
No.301 みどりの風 2015.1.15(8)