歯科医師研修プログラム - 長野赤十字病院

平成28年度
長野赤十字病院単独型歯科医師研修プログラム
臨床研修プログラムの名称
長野赤十字病院単独型歯科医師研修プログラム
研修管理委員会の名称
長野赤十字病院歯科医師臨床研修管理委員会
研修歯科医師定員
1名
研修期間
1年
1年研修後1年継続研修が可能(定員 1 名)で、1年目で研修
した基本能力を頻度高く実践し、さらに「口腔外科基本コース」
として、口腔外科治療の知識、態度・技能を習得するとともに、
高頻度の口腔外科疾患を中心に全身管理に必要な医学的知識
の習得に努める。
参加施設の概要
施設名
所在地
長野赤十字病院
〒380-8582
長野県長野市若里5丁目22-1
TEL 026-226-4131
FAX 026-228-8439
臨床研修施設長
病院長
吉岡
二郎
研修責任者
臨床研修管理委員長
プログラム責任者
歯科口腔外科部長
歯科口腔外科副部長
清水
五島
武
秀樹
事務部門の責任者
事務部長
久保田
指導体制
(指導医講習会受講済指導医)
清水
五島
篤
武
秀樹
2016(平成 28)年度歯科臨床研修医
募集要項
病院名
長野赤十字病院
病院長
吉岡 二郎
研修責任者
臨床研修管理委員長 歯科口腔外科部長
プログラム責任者
出願手続
清水
武
歯科口腔外科副部長 五島 秀樹
下記を受付期間内に担当係あて送付(マッチングに参加すること)
○応募用紙(写真貼付)
(ホームページよりダウンロード)
○卒業(見込)証明書 ○成績証明書
受付期間:2015(平成 27)年 7 月 1 日~7 月 31 日(消印有効)
選考方法
書類審査、面接
採用試験日
2015(平成 27)年 8 月(日程は調整のうえ決定する)
応募資格
2015(平成 27)年度歯科医師国家試験合格見込者
プログラム名・定員
長野赤十字病院単独型歯科医師研修プログラム(定員 1 名)
研修開始時期
2016(平成 28)年 4 月(研修期間 1 年間)
身分及び処遇
臨時医師(常勤)
給与(月額)
: 240,100 円
諸手当:賞与、通勤手当等日本赤十字社職員給与要綱により支給
宿舎:なし(住居手当(上限 28,500 円)支給)
研修医室:あり
アルバイトは原則禁止
勤務時間
午前 8 時 30 分より午後 5 時 00 分まで
時間外勤務・当直
原則なし
学術研究会等参加
可(演題がある場合、旅費等支給あり)
社会保険
健康保険、厚生年金、労働保険等に加入
健康管理
年 2 回の健康診断 各種予防接種(職員と同等)
歯科医師賠償責任保険
病院で加入しているが、個人加入も必須
休日
土曜・日曜・祝日
年末年始休暇(12 月 29 日~1 月 3 日)
、創立記念日(5 月 1 日)
有給休暇
初年度 15 日
特別休暇
職員と同等 夏季特別休暇(3 日間)、忌引き等
申込・問合せ先
〒380-8582 長野市若里 5 丁目 22 番 1 号
長野赤十字病院 医師業務支援課 臨床研修係
TEL
: 026-226-4131 内線 2358
E-mail : [email protected]
プログラムの特色
当院は 34 診療科、680 床を有する長野県北信地域の基幹病院で、近隣
医療機関との連携を充分とりながら口腔外科疾患の診療および有病者、
特殊な配慮が必要な患者の歯科診療を行っている。
当科における年間初診患者は約 4,000 名、入院患者も約 300 名である
ことにより多くの症例が経験できる。また医科においては全ての診療科
がそろっていることにより、医科各科と協力し、麻酔の研修や病棟での
口腔ケア、全身管理などの研修も可能である。
研修理念
日本赤十字社の病院として赤十字精神(人道、博愛、公平、奉仕)を
具視し得る良い医師(倫理観のある温かい人間性を持ち、患者の立場で
診療できる医師)の育成を目的とする。
研修目標
歯科医師として基本的に必要な知識・技能および態度の習得を目標とする。
卒前に習得した事項を基本として、全ての歯科医師にとって必要な基本
的知識、技術、判断力を身につける。そのために前半は「基本習熟コース」
を研修、実践し、後半は「基本習得コース」を研修する。本コースでは基
本的な歯科医療技術を習得するとともに、同じ職場の歯科医師はもとより
看護師、歯科衛生士など多くの医療を行う仲間、他の医療機関の人々との
連携などについても研修する。
研修期間中は研修管理委員会と指導歯科医がプログラムの管理を行い定
期的に研修の進捗状況を確認する。
1.歯科医師臨床研修 「基本習熟コース」(1年次)
[一般目標]
個々の歯科医師が患者の立場に立った歯科医療を実践できるようになる
ために、基本的な歯科診療に必要な臨床能力を身につける。
(1)医療面接
[一般目標]
患者中心の歯科医療を実施するため、患者、家族との信頼関係を構築し、
診断、治療に必要な情報が得られるような医療面接についての知識、態度、
技能を身につけ実践する。
[行動目標]
① 医療面接におけるコミュニケーションの意義を理解し、コミュニケーシ
ョン・スキルを実践する。
② 患者の病歴(主訴、現病歴、既往歴、家族歴)を的確に聴取する。
③ 病歴を正確に記録する。
④ 患者の心理、社会的背景に配慮する。
⑤ 患者、家族に必要な情報を十分に提供する。
⑥ 患者の自己決定を尊重する。(インフォームドコンセントの構築)
⑦ 患者のプライバシーを守る。
⑧ 患者の心身における QOL に配慮する。
⑨ 患者教育と治療への動機付けを行う。
(2)総合診療計画
[一般目標]
効果的で効率の良い歯科診療を行うために、総合治療計画の立案に必要
な能力を身につける。
[行動目標]
① 適切で十分な医療情報を収集し、基本的な診査(基本的な検査を含む)
を実践する。
② 基本的な診査の所見を判断する。
③ 得られた情報を基に判断し、適切と思われる治療法および別の選択肢を
提示する。
④ 十分な説明による患者の自己決定を確認する。
⑤ 一口腔単位の治療計画を作成する。
(3)予防・治療基本技術
[一般目標]
歯科疾患と機能障害を予防、治療、管理するために必要な技術を身につ
ける。
[行動目標]
① 基本的な予防法の手技を実施する。
② 基本的な治療法の手技を実施する。
③ 医療記録を適切に作成する。
④ 処方箋、技工指示書を作成する。
⑤ 指導医の指導のもとに、紹介状および返信を作成する。
⑥ 医療記録を適切に管理する。
(4)応急処置
[一般目標]
一般的な歯科疾患に対処するため、応急処置を要する症例に必要な臨床
能力を身につける。
[行動目標]
経験すべき症例
① 歯痛
② 歯牙、口腔粘膜の外傷
③ 歯性炎症
④ 修復物、補綴物の脱離
⑤ 補綴物の破損
⑥ 不適合補綴物
⑦ 口腔内止血処置
(5)高頻度治療
[一般目標]
一般的な歯科疾患に対処するため、高頻度に遭遇する症例に対して必要
な臨床能力を身につける。
[行動目標]
経験すべき症例
① う蝕、歯髄疾患
② 歯周疾患
③ 単純抜歯
④ 歯牙欠損
⑤ 顎関節症
⑥ 麻酔(伝達、浸潤麻酔)
⑦ スケーリング
(6)医療管理、地域医療
[一般目標]
歯科医師としての社会的役割を果たすために、必要な医療管理について
の知識、能力を身につける。
[行動目標]
① 医療保険について学び、保険診療を実践する。
② チーム医療を実践する。
③ 地域医療に参画する。
④ 地元研修会に参加する。
2.歯科医師臨床研修 「基本習得コース」(1年次)
[一般目標]
生涯にわたる研修を行うため、より広範囲の歯科医療について知識、態
度、技能を習得する態度を養う。
(1)救急処置
[一般目標]
歯科診療を安全に行うため、必要な救急処置に関する知識、態度、技能
を習得する。
[行動目標]
① バイタルサインを観察し、異常を評価する。
② 服用薬剤の歯科診療に関する副作用を説明する。
③ 全身疾患の歯科診療上のリスクを説明する。
④ 歯科診療時の全身的合併症への対処法を説明する。
⑤ 一次救命処置を実践する。
⑥ 二次救命処置の対処法を説明する。
(2)医療安全、感染予防
[一般目標]
円滑な歯科診療を実施するために、必要な医療安全、感染予防に関する
知識、態度、技能を習得する。
[行動目標]
① 医療安全対策を説明する。
② アクシデント、インシデントを説明する。
③ 医療過誤について説明する。
④ 院内感染対策を説明する。
⑤ 院内感染対策を実践する。
(3)経過評価管理
[一般目標]
自分の行った治療の経過を観察評価するために、診断および治療へのフ
ィードバックに必要な知識、態度、技能を習得する。
[行動目標]
① リコールシステムの重要性を説明する。
② 治療の結果を評価する。
③ 予後を推測する。
(4)予防、治療基本技術
[一般目標]
生涯研修のために必要な専門的知識や高度先進的な技術を理解する。
[行動目標]
① 専門分野の情報を収集する。
② 専門的な分野を体験する。
③ POS(Problem Oriented System)に基づいた医療を説明する。
④ EBM(Evidence Based Medicine)に基づいた医療を説明する。
(5)医療管理
[一般目標]
適切な歯科診療を行うために、必要となるよう広範囲な歯科医師の社会
的役割を理解する。
[行動目標]
① 歯科医療機関の経営管理を説明する。
② 常に、必要に応じて医療情報を収集する。
③ 適切な放射線管理を実践する。
④ 医療廃棄物を適切に処理する。
(6)地域医療
[一般目標]
歯科診療を適切に行うために、地域医療について知識、態度、技能を習
得する。
[行動目標]
① 地域歯科保健活動を説明する。
② 歯科訪問診療を説明する。
③ 歯科訪問診療を体験する。
④ 医療連携を説明する。
研修スケジュール
1. 期間割と研修歯科医配置予定
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
オリエンテーション
}
「基本習熟コース」
}
「基本習得コース」
2. 週間予定
月
火
水
木
金
〈午前〉
外来
病棟
外来
病棟
外来
研修協力施設
施設名:いいだ歯科医院
研修実施責任者(指導歯科医):飯田
研修の内容:
期間:2週間
〈午後〉
外来
手術室
外来 症例検討会
外来
手術室
就一
初期研修修了の判定
研修医の自己評価および指導医による評価を参考にし、研修管理委員会
が報告に基づいて総括的な評価を行い、研修修了証を交付する。
歯科研修評価表
歯科医師臨床研修「基本習得コース」(1 年次)(研修医氏名
(評価
A:よくできる
B:できる
)
C:もう少し努力必要
D:できない
E:実施せず)
1)救急処置
項目
自己評価
指導医評価
バイタルサインを確認し、異常を評価する。
ABCDE
ABCDE
一次救命処置を実践する。
ABCDE
ABCDE
自己評価
指導医評価
ABCDE
ABCDE
自己評価
指導医評価
治療の結果を評価する。
ABCDE
ABCDE
予後を推測する。
ABCDE
ABCDE
自己評価
指導医評価
専門分野の情報を収集する。
ABCDE
ABCDE
専門的な分野を体験する。
ABCDE
ABCDE
自己評価
指導医評価
常に、必要に応じて医療情報を収集する。
ABCDE
ABCDE
適切な放射線管理を実施する。
ABCDE
ABCDE
医療廃棄物を適切に処理する。
ABCDE
ABCDE
自己評価
指導医評価
ABCDE
ABCDE
2)医療安全、感染予防
項目
院内感染対策を実践する。
3)経過評価管理
項目
4)予防、治療基本技術
項目
5)医療管理
項目
6)地域医療
項目
歯科訪問診療を体験する。
歯科医師臨床研修「基本習熟コース」(1 年次)
1)医療面接
項目
自己評価
指導医評価
ABCDE
ABCDE
ABCDE
ABCDE
病歴を正確に記録する。
ABCDE
ABCDE
患者の心理、社会背景に配慮する。
ABCDE
ABCDE
患者、家族に必要な情報を十分に提供する。
ABCDE
ABCDE
ABCDE
ABCDE
患者のプライバシーを守る。
ABCDE
ABCDE
患者の心身におけるQOLに配慮する。
ABCDE
ABCDE
患者教育と治療への動機づけを行う。
ABCDE
ABCDE
自己評価
指導医評価
ABCDE
ABCDE
ABCDE
ABCDE
ABCDE
ABCDE
十分な説明による患者の自己決定を確認する。
ABCDE
ABCDE
一口腔単位の治療計画を作成する。
ABCDE
ABCDE
自己評価
指導医評価
基本的な予防法の手技を実施する。
ABCDE
ABCDE
基本的な治療法の手技を実施する。
ABCDE
ABCDE
医療記録を適切に作成する。
ABCDE
ABCDE
処方箋、技工指示書を作成する。
ABCDE
ABCDE
指導医の指導のもとに、紹介状および返信を作成する。
ABCDE
ABCDE
医療記録を適切に管理する。
ABCDE
ABCDE
医療面接におけるコミュニケーションの意義を理解
し、コミュニケーションスキルを実践する。
患者の病歴(主訴、現病歴、既往歴、家族歴)を的確
に聴取する。
患者の自己決定権を尊重する。
(インフォームド・コン
セントの構築)
2)総合診療計画
項目
適切で十分な医療情報を収集し、基本的な診査(基本
的な検査を含む)を実践する。
基本的な診査の所見を判断する。
得られた情報を基に判断し、適切と思われる治療法お
よび別の選択肢を提示する。
3)予防・治療基本技術
項目
4)応急処置
項目
自己評価
指導医評価
歯痛処置
ABCDE
ABCDE
歯牙、口腔粘膜の外傷処置
ABCDE
ABCDE
歯性炎症処置
ABCDE
ABCDE
修復物、補綴物の脱離の処置
ABCDE
ABCDE
補綴物の破損処置
ABCDE
ABCDE
不適合補綴物処置
ABCDE
ABCDE
口腔内止血処置
ABCDE
ABCDE
自己評価
指導医評価
う蝕、歯髄疾患処置
ABCDE
ABCDE
歯周疾患処置
ABCDE
ABCDE
単純抜歯
ABCDE
ABCDE
歯牙欠損治療
ABCDE
ABCDE
顎関節症治療
ABCDE
ABCDE
麻酔(伝達、浸潤麻酔)
ABCDE
ABCDE
スケーリング
ABCDE
ABCDE
自己評価
指導医評価
医療保険について学び、保険診療を実践する。
ABCDE
ABCDE
チーム医療を実践する。
ABCDE
ABCDE
地域医療に参画する。
ABCDE
ABCDE
地元研修会に参加する。
ABCDE
ABCDE
5)高頻度治療
項目
6)医療管理、地域医療
項目
プログラム修了後のコース
◎プログラム修了後1年間の継続研修が可能(定員 1 名)
歯科医師臨床研修 「口腔外科基本コース」(2年次)
[一般目標]
より広範囲の歯科医療についての診療能力(知識、態度、技能)を習得
し、口腔外科の基礎を習得する態度を身につける。
[行動目標]
1)高頻度の口腔外科疾患について学び、基本的な診断、治療能力を身に
つける。
経験すべき疾患、症例
① 高齢者、有病者の歯科治療
② 埋伏歯抜歯
③ 口腔内消炎手術
④ 口腔外消炎手術
⑤ 創傷処理、縫合
⑥ 歯牙脱臼
⑦ 小帯形成術
⑧ 歯槽骨形成術
⑨ 歯根嚢胞
⑩ 粘液嚢胞
⑪ 静脈穿刺
⑫ 各種画像診断
2)入院患者管理
入院患者管理に必要な知識、態度、技能を習得する。
指導医の指導下に以下の項目について学ぶ。
① 入院予約、入院手続き
② 患者、家族とのコミュニケーション
③ 患者、家族への説明
④ チーム医療の実践
⑤ 入院診療録の記載
⑥ 臨床検査の指示と評価
⑦ 入院診療計画書、退院療養計画書の作成
⑧ 麻酔依頼書の作成
⑨ 退院時サマリーの作成
⑩ 関連各科との連携
3)全身麻酔管理
麻酔指導医の下で術前診察、麻酔導入、術中管理、覚醒、術後回診ま
での麻酔診療を行う。