東大和病院 後期臨床研修プログラム(PDF:307kbytes) - 社会医療法人

東大和病院 後期臨床研修プログラム
2015年度
015年度
社会医療法人財団大和会
東大和病院
目
次
循
環
器
科 ......................................................................... 1
神
経
内
科………………………………...............................4
整
形
外
科……………………………………………………..9
東大和病院 後期臨床研修プログラム
循
環
器
科
指導責任者
桑田雅雄(心臓血管センター副センター長)
日本循環器学会認定専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、
日本内科学会認定医
香川昇(循環器科科長)
日本循環器学会認定専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、
日本内科学会認定医
1.研修プログラムの概要
(1)
)プログラムの概要
当科のプログラムは、広範囲な内科学的見識を基に、循環器疾患の診療を行う専門的
臨床技能の修得、ならびに EBM に基づいた科学的判断能力の啓発を到達目標とし、日
本循環器学会専門医の取得を目安としている。
循環器専門医としての臨床技能を修得するために、3 年間の研修を行う。
(2)
)診療内容
循環器科が対象とする疾患は、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患、弁膜症、大動
脈疾患、末梢血管疾患、成人先天性心疾患、下肢静脈疾患、不整脈などの手術の必要と
する疾患、心不全、心筋症、肺動脈疾患などの内科的治療が主体となる疾患、すべての
循環器疾患の診療を行っている。
当院では、循環器科は心臓血管外科とともに心臓血管センターとして、診療を行って
いる。病棟は、心臓血管センター以外に ICU・CCU と HCU が単独のユニットで機能
している。
2.研修目標
(1)
)一般目標
1 年次は、内科全般の診療能力の向上をはかるとともに、循環器に必要とする関連領
域(心臓血管外科)の研修を行なうことも可能である。また、この期間に内科認定医の
取得を目標とする。(現在当院は日本内科学会認定教育関連施設である。
)
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東大和病院 後期臨床研修プログラム
2 年次以降は 1 年次で修得した循環器の専門的な知識、技術をさらに高め、単独で
すべての検査および治療を行えることを目標とする。3 年間を通じて以下を目標とする。
①入院患者の診療を通じ、診断にいたるプロセスに必要な、身体所見の診察法と病態
生理を学ぶ。
②循環器診療に必須な以下の検査法、治療法を修得する。
レントゲン、CT、MRI、心電図、心エコー検査、トレッドミル運動負荷試験、
ホルター心電図、Swan-Ganz カテーテル、心臓カテーテル、冠動脈インターベン
ション、カテーテルアブレーション、ペースメーカー移植術。
③循環器領域の専門学会への発表および専門学術誌への投稿。
(2)
)行動目標
①患者や医療スタッフとのコミュニケーションがとれ、診療を円滑に行うことができ
る。
②循環器診療に関する、疾患について理解できる。
③身体所見をとり、必要な検査の計画を立てることができる。
④検査所見の結果、治療の計画をたて、関係する事項に対してのマネージメントがで
きる。
3.研修スケジュール
①毎日朝と夕方に 1 日 2 回の心臓血管外科、循環器科合同カンファレンスおよび病棟
の合同回診を行っている。
②毎週土曜日は、午後 3 時から病棟スタッフ症例検討会を行っている。
③月曜日・火曜日・木曜日・金曜日・土曜日はカテーテル検査、カテーテル治療日に
なっている。
4.診療実績:
(2013
年の実績)
(
・心臓カテーテル検査 567 例
・冠動脈インターベンション
208 例
・血管内治療(ステント留置術など)
104 例
・EVT 104 例
・ペースメーカー
41 例
・シャント PTA 16 例
5.診療機器
・カルテ:電子カルテ
・CT:64 列マルチスライス
東芝社製
・MRI:1.5T シーメンス社製
・シネアンギオ装置:シーメンス社製
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東大和病院 後期臨床研修プログラム
6.研修期間
3 年間
7.定員
1名
3
東大和病院 後期臨床研修プログラム
神
経
内
科
研修施設:東大和病院(日本神経学会准教育施設)
指導責任者:角田尚幸(副院長・神経内科科長、日本神経学会指導医)
協力医名:大高弘稔(院長・脳神経外科専門医)
高野誠(脳卒中脳神経センター長・脳神経外科専門医)
1.研修プログラム概要
1.研修プログラム概要
(1)プログラムの概要
)プログラムの概要
脳神経・脳卒中センターはベッド数 50 床、内 12 床の SCU を有します。神経内科と
脳神経外科が協力して運営し、24 時間体制で脳卒中急性期の治療を行っています。セン
ターの年間入院患者数は約 1200 名、内 600 名が脳血管障害、他の半数は血管障害以外
の神経疾患や神経症状を呈した症例です。当院の神経内科診療の特徴は、脳血管障害急
性期の症例を多数経験できること、神経疾患の初期診断やプライマリーケアを行う機会
が豊富にあることです。また、脳卒中センターには約 20 名のリハビリスタッフが常駐し
ており、急性期のリハビリを学ぶことができます。また、当院では地域に密着した認知
症診療を行っています。神経内科が中心となり看護師・リハビリ・ケースワーカーとチ
ームを組み、認知症の診断から生活のサポートまで幅広い活動を行っています。教育に
関しては、神経学的診察から診断に到る過程の手技・思考方法に重点を置き、どのよう
な場面でも単独で迅速な診断・処置ができる神経内科医を育てることを目標とします。
さらに、神経生理学的検査を身につけること、脳神経外科とのカンファレンスを利用し
て画像診断を学べるようにします。当院では神経難病の長期管理は多くありませんが、
在宅診療所を併設しているので、研修医の希望があれば、一定期間在宅診療に携わり経
験を積むことができます。また病理学・遺伝学の実際の臨床経験は当院ではできません。
この方面の知識習得・臨床経験を積むため、近隣の他病院との連携を今後相談する予定
です。
2.研修目標
後期研修では以下の内容を身につけ、研修終了後には神経内科専門医取得可能となる。
①神経学的症候や病態の意味を正しく理解し、適切な神経学的所見をとることが出来
る。
②神経生理、神経放射線、神経超音波、神経病理、神経遺伝学をはじめ、各種神経学
的検査結果の意味・解釈や治療の内容を理解出来る。検査、治療、手技は自ら施行し、
適切な判断を下すことが出来る。
③適切な確定診断を行い、治療計画を立案し適切な診療録を作製できる。疾患につい
ては主治医として十分な診療経験を有している。
④診断・治療方針の決定困難な症例や神経内科救急をはじめ迅速な対応が必要な症例な
どにおいて、自科の専門医、他科の医師に適切にコンサルトを行い、適切な対応がで
きる。
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東大和病院 後期臨床研修プログラム
⑤コメディカルと協調、協力する重要性を認識し、適切なチーム医療を実践できる。
⑥患者から学ぶ姿勢を持ち、患者と患者の周囲の者に対するメンタルケアの大切さを
知り、実践できる。
⑦神経学的障害をもった患者の介護・管理上の要点を理解し、在宅医療を含めた社会
復帰の計画を立案し、必要な書類を記載出来る。
⑧神経内科救急疾患における診察の仕方、処置の仕方について学び、実践できる。
⑨医療安全、倫理、個人情報保護の概念、医療経済について必要な知識を有する。
⑩カリキュラムの修得度を定期的に自己評価するとともに、指導医の評価も受けつつ、
自己研鑽を積み重ねる。
⑪自施設における習得が不十分な内容は、教育講演、生涯教育講演、ハンズオンセミ
ナーなどに積極的に出席し、学習する。
3.週間予定表
3.週間予定表
月曜日
火曜日
水曜日
木曜日
金曜日
外来
病棟回診
抄読会
外来
超音波検査
午前
病棟回診
自律神経
検査
午後
生理検査
総回診
病棟回診
専門外来
病棟回診
病棟回診
症例検討会
放射線検査
生理検査
新入院症例
読影会
病棟回診
カンファレ
ンス
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東大和病院 後期臨床研修プログラム
神経内科専門医を目指す後期研修の 3 年間 (例)
1 年目
指導医・上級医による指導をうけながら、主治医として外来・入院診療の
研鑽を積む。神経内科症例検討会を通じて神経内科の考え方や知識を学び、
必要な診断方法や治療方針を習得していく。また、主治医ではなくとも、カ
ンファレンスや総回診を通じて幅広い疾患に対する理解と経験を深める。検
査業務については、指導の下に適切に施行出来るようにする。救急外来では、
神経内科救急に対する処置について研鑚を積む。外来では、退院後の患者の
治療継続を行い、疾患の縦断像を把握出来るよう努める。指導医や上級医の
指導の下、各種書類を適切に記載する。医療安全・医療倫理の講演会には積
極的に出席する。
2 年目
引き続き、指導医・上級医による指導をうけながら、主治医として外来・
入院診療の研鑽を積む。神経内科症例検討会を通じて神経内科の考え方や知
識を深め、診断方法や治療方針を習熟していく。カンファレンスや総回診を
通じて幅広い疾患に対する理解と経験をさらに深める。基本的な疾患では適
宜指導医・上級医に相談しながら一人で診療可能なレベル到達を目指す。検
査業務についても基本的な内容は一人で施行出来ることを目標とする。救急
外来では、神経内科救急に対する経験を深める。積極的に外来業務を行い、
疾患の幅広い知識を身につけるとともに、引き続き疾患の縦断像を把握出来
るよう努める。指導医や上級医の指導の下、各種書類を適切に記載する。医
療安全・医療倫理の講演会には積極的に出席する。
3 年目
主治医として外来・入院患者を受け持ちながら各種検査を行うとともに、
臨床研修医の上級医としての指導も行なう。教育関連病院との連携を通じて
在宅の状況を把握出来るように努め、全人的な診療の中での神経内科診療の
習得を目指す。神経学会の定めるミニマムリクアイアメントを適切に達成出
来るよう、指導医と相談し、不足する研修内容は関連病院、学会ハンズオン
セミナー、各種学習会などを通じて習得出来るよう研鑽に励む。
なお、希望がある場合、院内の脳神経外科・神経小児科、あるいは、准教育
施設である関連病院(別掲)での研修も選択できる。
<検査業務>
脳波・電気生理、頚部超音波検査、高次脳機能検査、自律神経検査、その他希望に応じ
て神経放射線検査、嚥下造影など。
<カンファレンス>
新入院症例提示、症例検討会、放射線読影会、総回診、リハビリテーション・放射線カ
ンファレンス、CPC、抄読会、連携病院との検討会など。
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東大和病院 後期臨床研修プログラム
4.診療実績:
(平成 25 年 1 月 1 日~平成 25 年 12 月 31 日の 1 年間)
診療実績:
神経内科疾患の統計
初診外来患者数
445 人/年 最新外来患者数
4216 人/年
50 床 新規入院患者数
261 人/年
入院ベッド数
平均在院日数
16.1 日
入院患者の内訳
脳血管障害
104 人
うち発症 7 日以内の急性期
102 人
神経変性疾患
7人
パーキンソン病
5人
他のパーキンソニズム(PSP、CBD など)
2人
不随意運動疾患(舞踏病、振戦など)
3人
認知症性疾患
10 人
アルツハイマー病
7人
血管性認知症
3人
その他
2人
免疫関連性中枢神経疾患(MS、脊髄炎、ベーチェット病など)
9人
末梢神経疾患(GBS、CIDP、CMT など)
2人
筋疾患(禁煙、皮膚筋炎、ジストロフィーなど)
2人
神経感染症(脳炎、髄膜炎)、脳症
5人
てんかん(原発性、症候性)
16 人
腫瘍
4人
中毒性神経疾患
5人
内科疾患、代謝性疾患に伴う神経障害
4人
その他
108 人
臨床検査実施件数
CT
656 件
MRI
369 件
PET
6件
30 件
脳血管撮影
頭頚部欠陥超音波検査
197 件
脳波
85 件
神経伝導検査
24 件
針筋電図
9件
誘発筋電図
1件
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東大和病院 後期臨床研修プログラム
5.研修期間
3 年間
6.定員
1名
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東大和病院 後期臨床研修プログラム
整
形
外
科
指導責任者:星 亨(副院長・整形外科科長)
日本整形外科学会専門医・リウマチ認定医・スポーツ認定医・認定脊椎
脊髄病医
1.研修プログラム概要
整形外科の後期研修カリキュラムは、救急医療、慢性疾患、基本手技、医療記録に別れ
ており到達目標を設定している。外傷学の基礎と臨床を修得し、救命救急処置が可能とな
り、各種整形外科疾患の診断と治療の概略を把握することを目標とする。
2.研修目標
[救急医療]
(1)
)一般目標
運動器救急疾患・外傷に対応できる基本的診療能力を修得する。
(2)
)行動目標
①多発外傷における重要臓器損傷とその症状を述べることができる。
②骨折に伴う全身的・局所的症状を述べることができる。
③神経・血管・筋腱損傷の症状を述べることができる。
④脊髄損傷の症状を述べることができる。
⑤多発外傷の重症度を判断できる。
⑥多発外傷において優先検査順位を判断できる。
⑦開放骨折を診断でき、その重症度を判断できる。
⑧神経・血管・筋腱の損傷を診断できる。
⑨神経学的観察によって麻痺の高位を判断できる。
⑩骨・関節感染症の急性期の症状を述べることができる。
[慢性疾患]
(1)
)一般目標
適正な診断を行うために必要な運動器慢性疾患の重要性と特殊性について理解・修得す
る。
(2)
)行動目標
①変性疾患を列挙してその自然経過、病態を理解する。
②関節リウマチ、変形性関節症、脊椎変性疾患、骨粗鬆症、腫瘍の X 線、MRI、造影
像の解釈ができる。
③上記疾患の検査、鑑別診断、初期治療方針を立てることができる。
④腰痛、関節痛、歩行障害、四肢のしびれの症状、病態を理解できる。
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東大和病院 後期臨床研修プログラム
⑤神経ブロック、硬膜外ブロックを指導医のもとで行うことができる。
⑥関節造影、脊髄造影を指導医のもとで行うことができる。
⑦理学療法の処方が理解できる。
⑧後療法の重要性を理解し適切に処方できる。
⑨一本杖、コルセットの処方が適切にできる。
⑩病歴聴取に際して患者の社会的背景や QOL について配慮できる。
⑪リハビリテーション・在宅医療・社会復帰などの諸問題を他の専門家、コメディカ
ル、社会福祉士と検討できる。
[基本手技]
(1)
)一般目標
運動器疾患の正確な診断と安全な治療を行うためにその基本的手技を修得する。
(2)
)行動目標
①主な身体計測(ROM、MMT、四肢長、四肢周囲径)ができる。
②疾患に適切な X 線写真の撮影部位と方向を指示できる(身体部位の正式な名称が
いえる)。
③骨・関節の身体所見がとれ、評価できる。
④神経学的所見がとれ、評価できる。
⑤一般的な外傷の診断、応急処置ができる。
ⅰ)成人の四肢の骨折、脱臼
ⅱ)小児の外傷、骨折
肘内障、若木骨折、骨端離開、上腕骨顆上骨折など
ⅲ)靱帯損傷(膝、足関節)
ⅳ)神経・血管・筋腱損傷
ⅴ)脊椎・脊髄外傷の治療上の基本的知識の修得
ⅵ)開放骨折の治療原則の理解
⑥免荷療法、理学療法の指示ができる。
⑦清潔操作を理解し、創処置、関節穿刺・注入、小手術、直達牽引ができる。
⑧手術の必要性、概要、侵襲性について患者に説明し、うまくコミュニケーション
をとることができる。
[医療記録]
(1)
)一般目標
運動器疾患の正確な診断と安全な治療を行うためにその基本的手技を修得する。
(2)
)行動目標
①運動器疾患について正確に病歴が記載できる。
主訴、現病歴、家族歴、職業歴、スポーツ歴、外傷歴、アレルギー、内服歴、治
療歴
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東大和病院 後期臨床研修プログラム
②運動器疾患の身体所見が記載できる。
脚長、筋萎縮、変形(脊椎、関節、先天異常)、ROM、MMT、反射、感覚、歩容、
ADL
③検査結果の記載ができる。
画像(X 線像、MRI、CT、シンチグラム、ミエログラム)
、血液生化学、尿、関
節液、病理組織
④症状、経過の記載ができる。
⑤検査、治療行為に対する インフォームド・コンセントの内容を記載できる。
⑥紹介状、依頼状を適切に書くことができる。
⑦リハビリテーション、義肢、装具の処方、記録ができる。
⑧診断書の種類と内容が理解できる。
3.研修方法・スケジュール
3.研修方法・スケジュール
【教育スタッフ(
】
(括弧内は専門分野)
教育スタッフ(指導医)
指導医)
星
亨
科長
(外傷学、骨・関節感染症、骨延長、難治性骨折の治療)
工藤文孝
医長
(手外科専門医、外傷一般)
山岸賢一郎
医長
(脊椎脊髄外科、外傷一般)
【週間予定表】
勤務時間は東大和病院研修医規定に準ずるが、教育関連行事には必ず出席し、その他は整
形外科研修プログラムに従う。研修医は指導医の下に当直を行なう。
午前
月
外来・病棟研修
火
外来・病棟研修
リハビリカンファ
レンス・手術研修
外来・病棟研修
手術研修
外来研修
水
木
金
土
午後
手術
救急外来
術後検討会、抄読会
外来研修・脊髄造影研修
手術研修
外来研修・脊髄造影研修
手術研修
手術研修
【指導体制】
指導医師のもとでマンツ-マンの指導を受ける。
外来では各診察医に陪席し診察手順、診断、治療を研修する。
病棟では平均 5〜10 床を受け持つ。整形外科の分野別に専門医の指導を受ける。
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東大和病院 後期臨床研修プログラム
4.診療実績:
(平成 24 年度)
4.診療実績:
総手術件数:682 件(外傷など救急医療 480 件、慢性疾患 202 件)
脊椎手術 56 件、骨折に対する観血的整復固定術 234 件、手外科疾患 131 件
人工骨頭置換術 47 件、人工関節手術 20 件、鏡視下手術 11 件など
5.研修期間
5.研修期間
3 年間
6.定員
6.定員
1名
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