新建・寺子屋(モダニズムの研究)217 報告 木造モダニズムの発見―2

新建・寺子屋(モダニズムの研究)217 報告
2015. 3.25
近代建築を多角的に検討/モダニズム建築文献再読;
木造モダニズムの発見―2
話:三沢浩
未完原稿『日本独自の木造モダニズム発見―レーモンドから前川、吉村そして丹下―』 第 3 回
■ 寺子屋 217 は 4 人の参加で開催されました。
● 近代建築の日本における黎明期、多くの建築家
が形式としての近代建築と思想としてのモダニズムを
どのように結びつけるのかを探っていました。まだ「建
築」という概念そのものが不確定な中、西洋モダニズ
ム建築の直輸入を目指すことは、どうしても通り抜け
ないといけない過程だったのかもしれません。しかし、
それとは異なる道を探った人たちもいました。
● 気候風土の独自性を起点にしながらも、合理的な
環境との応答というモダニズム理念を導入しようとした
ことは、藤井厚二の重要性を指示しています。そして、
F・L・ライトや A・レーモンドは日本の中にモダニズム
を探すべきだと示唆しました。そうした時代背景の中
から、日本の「木造モダニズム」は多様な形を生み出
していきます。そして、木造モダニズムは、形としての
モダニズムではなく、環境応答の合理性を追求する
重要な場面として成長していったのではないのでしょ
うか。
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新建・寺子屋 217
20150325
近代建築を多角的に検討/モダニズム建築文献再読;
木造モダニズムの発見―2
話・三沢浩
未完原稿『日本独自の木造モダニズム発見―レーモン
ドから前川、吉村そして丹下―』 第3回
1.今回は第6章と第7章
1)藤井厚二の木造モダニズムと「聴竹居」
2)第7章は第2次大戦前のモダニズムと近代建築
3)次回第8章では戦後の最盛期、軸組工法にふれる
4)第9章はレーモンドの木造モダニズムと現実
5)戦後のいくつかの小住宅の重要性について
2.まず藤井厚二の実検住宅について
1)異端の建築家で実検住宅を5回も
2)自ら住んで、風向き、日当たり、通風を研究した
3)洋風と和風を組み合わせ、それにモダニズムを加え
た
3.『日本の住宅』『聴竹居図案集』などの著作について
1)『日本の住宅』(1928/岩波書店)は実検住宅の集
大成
2)1/3が気候統計、気温、雨量、風力グラフ
3)「何れの国でもその国を代表するものは住宅建築」
4.戦前のモダニズムと近代建築について比較論
1)土浦亀城とF・L・ライトのこと
2)松隈洋のいう日本のモダニズムの両義性とは
3)前川國男と土浦亀城の「自邸」を比較する
4)前衛と後衛、抽象と具象などのように
5.逓信省は郵政省と電電公社に分かれた
1)逓信建築の木造の時代について
2)1930 年代前後から 1960 年代にかけての状況
3)郵便局の木造時代、全国に及んだ理由
4)吉田鉄郎の逓信建築とモダニズムの徹底
次回 <寺子屋 218> ■近代建築を多角的に検討■モダニズム建築に関する著作再読
木造モダニズムの発見‐03 『日本独自の木造モダニズム発見』 第 8 章第 9 章 話:三沢浩
2015 年 4 月22 日 (定例は第 3 水曜日ですが今回は第4水曜日です)
PM7:15~
場所:新宿区水道町 2-8 長島ビル2階(江戸川橋駅神楽坂駅徒歩5分)
会費:400 円問合:大崎元 (有)建築工房匠屋 03-3716-1743 3716-8459(fax) [email protected]