新建・寺子屋(モダニズムの研究)220 報告 木造モダニズムの発見―5

新建・寺子屋(モダニズムの研究)220 報告
近代建築を多角的に検討/モダニズム建築文献再読;
2015. 5.20
木造モダニズムの発見―5
話:三沢浩
未完原稿『日本独自の木造モダニズム発見―レーモンドから前川、吉村そして丹下―』 第 5 回
●寺子屋 220 は 4 人の出席で開催されました。
●成城にあった丹下健三の木造の自邸を到達点とする木
造モダニズムの系譜を見ていくと、白い箱とは軌を異にし
て、木造を構法でなく構造として目に見える形にしようとし
た痕跡を感じました。梁を主にした伝統的な軸組構法とは
異なり、柱が垂直方向を貫きます。柱が階ごとに仕口分断
されず上から下まで一本の軸になること、それは構法だけ
でなく、「構造」として科学的分析に耐えうるものにすべきで
あるという「近代」概念の体現を目指したのかもしれません。
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木造モダニズムの発見―5
2015. 5.20 話:三沢浩
未完原稿『日本独自の木造モダニズム発見―レーモンド
から前川、吉村そして丹下―』 第 5 回
1.前回(第4回)に残した部分
1)そのほかの木造住宅には何があったか
2)丹下健三の「自邸」が木造住宅のまとめ
3)第9章はレーモンドの木造モダニズムと現実
2.そのほかの木造住宅とは
1)谷口吉郎の四角な木造近代建築(『新建築臨時増刊
昭和住宅史』p92「谷口邸」)
2)池辺陽の「立体最小限住宅 No.3」(『新建築臨時増
刊 昭和住宅史』p121「植松邸」)
3)清家清の小住宅(『新建築臨時増刊 昭和住宅史』
p138「清家邸(1950)」、p126「森邸(1951)」)
4)清家の育てた弟子、篠原一男、山田雅子、宮坂修吉
たち
3.丹下健三の「自邸」のもつ意味(『新建築臨時増刊 昭
和住宅史』p134)
1)和風の切妻、徹底した軸組構法であることをやめた
2)1階ピロティ、2階南面総ガラス障子、畳部屋が続く
3)日本の伝統構法と徹底したモデュール
4)第2次大戦後の木造モダニズムの最終章
5)これ以後、若手も新しい住宅の形をつくっていった
4.第9章のA.レーモンドの木造モダニズム
1)「フラット・ルーフの家(1950)」という名の小住宅
2)「ベーシック・ハウス」は「グラント・ハイツ」にあった
3)そのミニマム・ハウスの次が「自邸」のシザーズ・トラス
4)日本の軸組構法をマスターするためのプロセスだっ
た
5.レーモンド・スタイルとは何であったか
1)伝統的建築や民家にレーモンドは「近代建築」原理
を見た
2)耐震性能を高める努力があった
3)「木造ドミノ」の存在を「夏の家」実現で見破った
4)それを超えるヒントを「聖ポール教会」の鋏状トラスで
知った
5)それが第2次大戦後のレーモンド・スタイルの出現に
用いられた
次回 <寺子屋 221> ■近代建築を多角的に検討■モダニズム建築に関する著作再読
木造モダニズムの発見‐06 『日本独自の木造モダニズム発見』 第 10 章 話:三沢浩
2015 年 6 月 17 日 (定例第 3 水曜日)
PM7:15~
場所:新宿区水道町 2-8 長島ビル2階(江戸川橋駅神楽坂駅徒歩5分)
会費:400 円問合:大崎元 (有)建築工房匠屋 03-3716-1743 3716-8459(fax) [email protected]