PowerPoint プレゼンテーション

アレルギー性鼻炎と検査
鼻汁好酸球を中心に
アレルギー性鼻炎について
•アレルギー性鼻炎は日本国民の5人に1人は罹っていると言われる「現代病」です。
•くしゃみ、鼻漏(鼻水)、鼻閉(鼻詰まり)が3主徴です。また、アレルギー性結膜炎を合併し、目のかゆみが
伴うこともあります。
•診断は、3主徴、鼻汁好酸球染色が陽性、原因抗原の判明で行ないます。
•鼻かぜや副鼻腔炎でも同じ症状がみられるので鑑別が必要です。
•鼻汁中好酸球はアレルギー性鼻炎の約9割の患者さんに認められるため、他の疾患との鑑別に役立ちます。
アレルギー性鼻炎、類似症状の分類
通年性アレル
ギー性鼻炎
アレルギー性
鼻炎
季節性アレル
ギー性鼻炎
好酸球増多性
鼻炎
鼻過敏症
※
ハウスダスト
アレルギー
※
花粉症
ハウスダスト・
ダニ・ペット
スギ・カモガ
ヤ・ハルガヤ
※以前は、特に小児では「通年性アレルギーでハウスダストが原因」
のアレルギーがほとんどでしたが、最近は、花粉症との合併やペット
アレルギーが原因のアレルギーが増加している傾向があります。
血管運動性
鼻炎
アレルギー性鼻炎診断の流れと検査
問診
診断の流れ
原因アレルギー診断の手がかりをつかむ
•現病歴、既往歴、治療歴
•通年性、季節性、生活環境
問診
視診 鼻腔内の粘膜が腫れてないかなどを診る
•鼻鏡検査、内視鏡検査
視診
鼻汁好酸球検査
•鼻汁をスライドに塗り染色、顕微鏡で好酸球の有無を確認
鼻汁好酸球検査
原因抗原の検査
•皮膚反応検査(皮内テスト、スクラッチテスト)
•特異的IgE検査
原因抗原の検査
誘発試験
•アレルゲンを吸着させたディスクを鼻粘膜上にのせて症状が誘発
されるか調べる
誘発検査など
アレルギー性鼻炎診のメカニズム
鼻水
鼻腺
くしゃみ
副交感
神経
誘発
抗原と抗体がくっつくと刺激となり肥満細胞が活性化され
細胞内から化学伝達物質が放出し、症状が引き起こされる
刺激
三叉
神経
鼻詰
まり
化学物質
(ヒスタミン、
ロイコトリエンなど)
ヒスタミン
血管
ロイコトリ
エン
直接作用
抗原
IgE抗体
肥満細胞
アレルギー性鼻炎診断の検査内容について
鼻汁好酸
球検査
皮膚反応
特異的IgE
誘発試験
検査内容
特徴
その他
好酸球数により(-)~(3+)
まで判定する
アレルギー性鼻炎を診断する最重要検査
アレルギーの約90%は陽性
抗アレルギー剤の投与により減少するた
め、薬剤の効果判定の指標としても有用
採取法は下記参
照
スクラッチテストが主に使わ
れる
原因物質(アレルゲン)を皮
膚に塗布して反応をみる
その場で、結果が視覚的にみることができ
るアレルゲンが限られている
感作されたアレルゲンに対す
る抗体(IgE抗体)をつくってい
るかどうか調べる
アレルギー疾患の免疫検査法の代表
将来発症するかもしれないアレルゲンを予
測することができる
検査結果がでるまで時間がかかる
下甲介(鼻の中)にハウスダ
ストなどの成分を染み込ませ
た紙切れを置いて局所の反
応を観察する
皮膚テストまたは血清 IgE 抗体検査で多種
類の陽性抗原がある場合には、原因抗原
の確認のために行う
免疫療法を行う際の抗原の確定、薬物療
法の効果判定にも有用
検査で「陽性」と
出ていても発症
抗原でない場合
があるため、総
合的な判断が必
要となる
耳鼻科的操作の
熟練を要するた
め一般的には行
われていない
好酸球について
•白血球のひとつですが、アレルギー疾患で増加することが知られています。
•アレルギーでは末梢血の増加のみならず局所でも増加します。
•特にアレルギー性鼻炎では、血中より鼻粘膜で増加します。
•アレルギー性鼻炎と同様の原理で喀痰中の好酸球を調べることは、気管支喘息などのアレルギー
性疾患の指標になります。
鼻汁好酸球の採取方法
食品包装用ラップや薬包紙など水分を吸収しないようなものを用いて鼻をかみます
鼻汁の数カ所を綿棒で採取してスライドガラスの上に薄く引き伸ばすように塗ります
そのまま自然乾燥(スライドを提出下さい)
好中球
染色して顕微鏡にて好酸球数を数え(-)~(3+)まで判定します
好酸球
リンパ球
鼻汁中の好酸球は、発作直後にはまだ出現せずに、3~4時間でピークとなり、
その後減少します。できれば、お昼くらいの検査をおすすめします。
Hansel染色での好酸球(→)
参照文献:検査と技術 2003 Vol.31No.10 「アレルギー性鼻炎」、検査と技術 2005 Vol.33no.11 「コラム 鼻汁の好酸球検査」、疾患解説 for
GP2015/2/6 「花粉症」、日医雑誌 第125巻・第9号 「アレルギーをブロックする①通年性アレルギーの治療」
(株)クリニカルパソロジーラボラトリー