1月のほけんだより

2月のほけんだより
知っておこう!
くもぎ保育園 H27.2.1
アレルギー
最近は,さまざまなアレルギーのある子どもたちが増えています。その原因や症状はさまざまで,
完治するのはなかなか難しいものですが,適切な対応をすることで症状は緩和されます。医師と
相談のうえ,お子さんに合わせた対応を考えていきましょう。
アレルギーのメカニズム
人間の体には,異物なもの(アレルゲン)が入った
とき,それに対抗する物質(抗体)を作って追い出
そうとする働きが生まれます。これは細菌などか
ら体を守るために必要な反応ですが,過剰になる
と,害のない物質まで攻撃してしまいます。これ
がアレルギー反応です。
原因物質(アレルゲン)別対応
食 物(卵,牛乳,大豆,小麦,青魚,そばなど)
原 因
卵,牛乳など高たんぱくなもののアレルギーの
場合,乳幼児の腸粘膜が未発達なため,たんぱ
く質が大きな分子のまま吸収されてしまうこ
とが大きな原因。
症 状
アトピー性皮膚炎,じんましん,下痢,ぜんそ
くなど。まれにアナフィラキシーショック。
対 応
病院で検査を行ったうえで,医師の診断のも
と,個々に合わせた対応を行う。腸管の成熟に
したがって免疫ができると,徐々に軽減してく
るなど,アレルギーの状態には変化があるの
で,こまめに検査・診断することがたいせつ。
ダニ・ハウスダスト
動 物
原 因
動物の毛やふけ,ふんが乾いて粉になっ
たものが空気中に飛散し,それを吸引す
ることによって起こる。
症 状
ぜんそく,アレルギー性鼻炎,アレルギ
ー性結膜炎。
対 応
症状の出る動物
に接触しない。
飼育小屋に近づ
くだけで症状が
出ることがある
ので注意。
花 粉
原 因
ダニの死がいやふん,ハウスダストを吸い込ん
でしまうことで,アレルギー症状が出る。
原 因
スギ,イネ科植物,ブタクサなどの花粉
を吸引することによって起こる。
症 状
ぜんそく,アレルギー
性鼻炎,アレルギー性
結膜炎。
症 状
アレルギー性皮膚炎,
ぜんそく,アレルギー
性鼻炎,アレルギー性
結膜炎。
対 応
できればフローリング
の床にし,こまめに掃
除・洗濯をして,抗原
の量を減らす。
対 応
外から帰ったら衣服に
ついた花粉を払い,手
や顔を洗う。ひどいと
きは医師に相談して,
薬の使用も。
アレルギー症状別対応
アトピー性皮膚炎
食物,ダニ,ハウス
ダストなど。
皮膚が乾燥し,慢性的に湿しんが出ている状
態になり,かゆみも強い。ひじ,ひざの裏,
首,耳の付け根に多く現れる。
皮膚の乾燥を防ぎ,清潔に保つこと。湿しん
をひっかき,その傷口から細菌が入って悪化
することが多いので,ステロイド軟こうや抗
アレルギー剤の服用でかゆみを抑える。ま
た,ストレスを除き,あそびなどに集中でき
る環境を整えることもだいじ。
気管支ぜんそく
食物,ダニ,ハウスダスト,動物の毛などによ
るアレルギー症状としてぜんそく発作が起き,
繰り返すうちに気道が過敏になり,冷気など少
しの刺激でも発作を起こすようになる。
アレルギーによって気道に炎症が起こり,呼吸
が苦しくなる。ぜーぜーという呼吸音が聞こ
え,たんを伴う湿ったせきが出る。
アレルギー性鼻炎
花粉やハウスダストなどのアレルゲン
が鼻の粘膜を刺激して起こる。
くしゃみ,ひどい鼻水,症状が強いと熱
が出ることも。
抗アレルギーやステロ
イドの点鼻薬など,抗
アレルギー剤の内服で
症状を抑える。
アレルギー性結膜炎
花粉やハウスダストなどのアレルゲン
が目の粘膜を刺激して起こる。
目が充血するとともに,猛烈なかゆみが
あり,目やにや涙が出る。
抗アレルギーの目
薬を差す。花粉症
の場合は,外出前
に目薬を差し,室
内に入るときに顔
を洗うと効果的。
寝ているより,座っているほうが呼吸が楽。手
のひらで軽く背中をたたくと,たんが出やすく
なることも。また,水分をとると気道が湿って
せきが治まりやすくなる。
注意!
じんましん
食後しばらくしてから出ることが多く,食品
を限定するのは難しい。花粉や虫刺され,体
調を崩したあと,過労,睡眠不足,精神的ス
トレスなどで起こることも。
皮膚が部分的に赤くはれ,とてもかゆい。かく
とどんどん広がってさらにかゆくなる。数時間
から1日程度で自然に治まることが多い。
患部は冷やしたほうがよく,かゆみ止め,抗
アレルギー剤などを服用。首や顔に集中して
出ている場合は,気道にも浮腫ができて呼吸
困難になるおそれがあるので,すぐに病院へ。
アナフィラキシーショック
アレルギーのある食品の摂取や,ハチ
に刺されたときなどに起こる。
原因物質を摂取したあと,急にくしゃ
みが出始め,息が苦しくなる。血圧が
低下して,意識が薄れてしまうことも
ある。
呼吸困難,意識低下,ショック症状が
見られたら,すぐに救急車を。30 分ほ
どで危険な状態になることもある。シ
ョックを起こした子は,衣服を緩め,
足を 15°くらいに上げた姿勢で寝か
せ,目を離さないように。何を食べた
か,どんな症状かを医師にきちんと話
せるように。