otsu2924_thesisreview

別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号
乙 第
論文審査担当者
2924
号
氏 名
主査
相良
博典教授
副査
内田
直樹教授
副査
高橋
春男教授
鈴木 貴裕
(論文審査の要旨)
CC10 は鼻粘膜上皮、気管支から炎症性刺激により産生され、アレルギー性鼻炎や気管支
喘息などにも影響を与えていることは知られている。本論文ではこれら CC10 と第 3 世代
ヒスタミン H 1 受容体拮抗薬との関連性を検討した ものである。
実験 1、2 では第 2 世代ヒスタミン H 1 受容体拮抗薬との比較を行い、第 3 世代ヒスタミ
ン H 1 受容体拮抗薬の方が低濃度で CC10 産生を増強できることを示した。
実験 3、4 では第 3 世代ヒスタミン H 1 受容体拮抗薬により、CC10mRNA の発現は抑制され
てしまうが、CC10 の産生量は増加することが示されていた。これに関しては、mRNA の発
現は抑制したものの、翻訳を増強したためであると考えられた。
実験 5、6 は臨床試験を行った。アレルギー性鼻炎患者は CC10 が低値である。そのアレ
ルギー性鼻炎患者に対して、第 3 世代ヒスタミン H 1 受容体拮抗薬を投与することで CC10
を有意に増加させることがわかった。併せて臨床症状スコアの改善にもつながった。
本論文は第 3 世代ヒスタミン H 1 受容体拮抗薬と CC10 の関連性を示し、今後、臨床応用
に向けての基礎研究として学術的価値のある論文であると判断した。
論 文 題 名 : Enhancement of CC10 Production from Human Nasal Epithelial Cells by
Histamine H 1 Receptor Antagonists, Desloratadine and Levocetirizine in
Vitro and in Vivo(ヒスタミン H 1 受容体拮抗薬であるレボセチリジン ,デス
ロラタジンによって ヒ ト鼻腔上皮細胞から産 生される CC10 の増強 について
の検討)
掲載雑誌名:HSOA JORNAL OF Clinical Immunolgy and Immunotherapy
volume2. issue.1 2015 年
(主査が記載、500 字以内)