第4章 生産衛生 乳牛の管理衛生

第4章 生産衛生
乳牛の管理衛生 教科書160頁 185 平成27年7月1日 4時間目 8日 3時間目 58 B21 牛の初乳に関する記述として
正しいのはどれか
•  a. カゼインやビタミンが多く含まれる •  b. 比重1.047以上の初乳には免疫グロブリンが高濃
度に含まれる •  c. ビタミンやミネラルの子牛への移行は、免疫グロ
ブリンとは異なり緩やかである •  d. 初乳摂取量が十分な子牛では24時間の血清総タ
ンパク質5.5-­‐6g/dl以上を示す 2.乳牛の管理衛生
�
•  農家1戸当たりの飼養頭数�
•  �57.7頭(全国)�
•  �93.9頭(北海道)�
�
•  飼養技術の向上・経営形態の多様化�
•  日本もヨーロッパ水準以上となった・・・�
•  ドイツ�40頭、フランス41頭、イギリス70頭�
1)新生子牛の管理衛生�
(1) 初乳の意義�
•  初乳中:カゼイン、脂肪、ビタミン、免疫グロブリ
ン�
•  初乳投与:生後数時間 6時間が効果的�
• 
• 
• 
• 
�推奨される初乳給与法�
��生後2 4時間以内に0.5 1ℓ、�
��6時間以内に1 2ℓ、�
��12時間以内に総量として3ℓ程度を給与。�
•  新生子牛:摂取後24時間でピークとなり、3
週間感染防御に働く�
5
1)新生子牛の管理衛生�
(1) 初乳の意義�
•  抗体の半減期:IgG 20日,IgM 4日,IgA 2日�
•  移行抗体の測定法:�
•  血清蛋白測定法、�
•  亜硫酸ナトリウム混濁法、�
•  硫酸亜鉛混濁法、�
•  グルタルアルデヒド凝固試験、�
•  単純免疫拡散法、�
6g/dl以上が良好�
•  初乳の品質:比重1.047 以上では高濃度、1.036 以下
はIgG量が少ない�
• 
電気泳動法など・総血清蛋白量5.5
数値は覚えて
おくこと!�
図4-9胎盤構造と移行抗体�
�
図4-10 新生子牛の血漿総蛋白量と疾病罹患率
低γグロブリン血漿の
子牛は感染症に罹患
する可能性が極めて
高い!
50g/l以下は>80%�
初乳中IgG抗体の推移
図4-12 �新生子牛の血清電気泳動パターン
�
�
図4-13 �初乳の比重と初乳中γグロブリン濃度
初乳の比重
子牛用初乳粉末「さいしょのミルク」
�■表1�「さいしょのミルク」給与方法 �����������日齢
�さいしょのミルク
�1
���1袋、250g
�2
���1袋、250g
�3
�0.5袋、125g
�4
��������������0g
�5
��������������0g
�6
��������������0g
�
�7
��������������0g
�
�代用乳
���0g
���0g
��75g
�200g
�200g
�200g
�お湯
�� 750ml
�1,000ml
�1,000ml
�1,200ml
�1,200ml
�1,200ml
�200g
�1,200ml
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小林製薬「たたかう初乳」は 『風邪を予防し、治りやすく』仕事や家事、受験勉強、習
い事…毎日休めないあなたの健体維持にも効果があるようです。
日本初、200人(3 9才の小児)規模のヒト臨床試験にて証明
(弊社調べ)
ウシの「後期初乳」が子どもの風邪を予防し、治りやすくします
−2008年11月15日�第12回生活習慣病対策研究会(福岡市)に
て発表−�
(2) 子牛の飼養衛生�
•  初乳を給与した後:代用乳や発酵初乳を基礎にし
た給餌プログラム�
•  代用乳(粗蛋白質20%、脂肪15 20%程度)�
•  生後2週齢までにスタータ(人工乳)の給与を開始、
良質の乾草も給与�
•  40日前後で離乳し、良質の固形飼料を給与。�
•  3ヶ月齢までは穀類75%、粗飼料25%位の割合
が望ましい�
(2) 子牛の飼養衛生�
•  新生子牛は低温に比較的強いが、高湿度や換気が
不十分な環境に弱い�
•  生後2ヶ月齢までは単独飼いとし、敷き料を豊富に与
え石灰で消毒した隔離房(カーフハッチ)を活用。�
•  外部の農場からの導入子牛�
�は一定期間、隔離牛舎で�
�収容・観察(防疫)�
表4-1 子牛の主な下痢症�
表4-2子牛の主な呼吸器疾患�
2)育成牛の管理衛生
•  離乳後2 3ヶ月は発育状態
を考慮して群飼育 •  6ヶ月までは徐々に粗飼料を
増し、穀類50%、粗飼料50%
とする •  育成牛の穀物摂取量は体重
の2.5 3.0%程度 •  除角は生後1週間 3ヶ月齢
頃に行う •  正常発育曲線 正常発育曲線と生まれ月
第一胃の大きさ
「哺育期」は、第1胃
(ルーメン)の発達も弱く、
食物をもっぱら4胃(腺
胃)で消化しています。
�
��
ルーメンの絨毛を発達さ
せるのはVFAで、乾草で
はない�
胃の発達と容積の変化 草食動物は微生物と共生
• 
• 
• 
• 
反芻獣の第一胃(牛:200リットル)は発酵槽 分解できないセルロースを微生物が分解する。 分解産物を胃から吸収。 微生物を蛋白源として、第四胃で分解・吸収。 草食獣は菌食動物
•  草の栄養分だけでは生きてゆけない •  飼養効率を求めて、肉骨粉も蛋白源としてしまっ
た(BSE問題の根源) •  余談:1960年代に「石油タンパク」が話題となった。
これは、石油を微生物(石油分解菌)にたべさせ、
その微生物蛋白質を動物の飼料にして、さらに、そ
の動物を人間が食べようという発想であった。 2)育成牛の管理衛生
•  適正な発育を確認するた
めに育成牛の体重や体高
を測定し、月齢別の発育
体重と体高を示した正常
発育曲線と比較 • W(体重kg)=21x(T月齢−3) + 98
ヒトの場合�体重=身長(m)x身長(m)x22
計算してみる
• 
• 
• 
• 
W(体重kg)=21x(T月齢−3) + 98 3ヶ月齢=98kg 13週齢(100kg) 13ヶ月齢=308kg 52週齢(300kg) 23ヶ月齢=518kg 94週齢(500kg) •  余談 BMI(Body Mass Index) •  =体重 身長 身長 25を越えると赤信号 •  18以下も赤信号 初回分娩時期
•  ホルスタイン種の初回分娩月齢24 25ヶ月を目
標 •  生後15ヶ月で体重350 360kgで初回交配 •  IBR, BVD-MD, PI3のワクチン接種を2 6ヶ月齢
で •  W(体重kg)=21x(15月齢−3) + 98=350kg 月齢と体重
�
母牛の栄養管理
の重要性!
分娩前から始める子牛育成
•  子牛の育成を分娩前から始めるという考え方は、育
成を成功させる重要なポイント。 •  正常な分娩により周産期病も発生も減少。 •  泌乳成績も高くなる。 •  そのためには、まず分娩前の母牛の栄養管理!
母牛の栄養管理
•  経産牛においてはタンパク水準を引き上げる程大き
い子牛が生まれ、育成が楽になる。 •  初産牛では難産の危険を避けるために小さく生まれ
る方が良い。 •  実際には生時体重が30Kgを下回ると、哺乳力も弱
く、その後の発育も手間がかかる。 •  できれば35 40Kgくらいで生まれてほしい。 •  そのために分娩前のタンパク水準を初産牛では乾
物中の濃度が13% 14%とし、経産牛では15%
程度でコントロールできるのではないかと考えます。
初乳から常乳
全固形
総タンパク
カゼイン
免疫グロブリ ン
脂肪
乳糖
ミネラル
比重
g/dl
初乳
2日
3日
4日
5日
1 1日
23.9 17.9 14.1 13.9 13.6 12.9
14.0
8.4
5.1
4.2
4.1
4.0
4.8
4.3
3.8
3.2
2.9
2.5
6.0
4.2
2.4
0.2
0.1
0.09
6.7
5.4
3.9
4.4
4.3
4.0
2.7
3.9
4.4
4.6
4.7
4.9
1.11 0.95 0.87 0.82 0.81 0.74
1.056 1.040 1.035 1.033 1.033 1.032
3)乳牛の管理衛生
(1)施設環境と牛舎内外の管理 •  ストレスを排除し、生産性を高めるため
の施設環境:表4-3 •  タイストール、フリーストールでその構
造とサイズが異なる タイストール(;e-­‐stall)牛舎 (スタンチョン)(繋ぎ式)
•  ;e 結ぶ stall 牛舎の1区画 •  stanchion 家畜をつなぐ仕切 •  搾乳牛60頭規模までの牛群には最も一般的な収容
施設。 •  ストール牛舎は、搾乳作業を除けばフリーストール牛舎と同様に機械化
すろことが可能。 •  タイストール牛舎では、フリーストール牛舎よりも1頭1頭に対する管理が
ゆきとどく。 •  建築費は、どちらのタイプも、60頭規模までであればあまり変わらない。 スタンチョンストール
•  スタンチョンストールは金属
製スタンチョンが上下で固定
されており、自由に回転でき
るようになっている。 •  牛からの排泄物がふん尿溝
に落ちるようにするため、前
後に移動できるようになって
いるものもある。ウォーター
カップは、隣り合った2頭の
牛の中間に設置される。 •  水道管は床面やスタンチョン
の枠の1部、あるいは高い位
置に配管することができる。
タイストール
•  それぞれの牛がチェーン又は
革製の首輪をつけ、後へ下が
り過ぎたり前へ出過ぎたりしな
いようにしている。 •  しかし、一般的に牛の快適さを
考慮して、スタンチョンよりもタ
イストールの方が好まれている。 •  通常のタイストールでは、牛は
頭を飼槽側でも牛床側でもど
ちらにでも位置させて伏臥する
ことができる。
フリーストール
牛が自由に行動できるためストレスが軽減される。と
いったメリットに着目したもので、労働生産性の向上
により必要な所得の確保が可能となり、労働環境の
改善、畜舎環境の改善、消費者へのイメージアップ
も図ることができます。 フリーストール・ミルキングパーラーシ
ステム
フリーストール・ミルキングの一長一短 パーラーシステムを導入の長所
1. 作業が楽になった。 2. 作業の効率が上がった。 3. 発情の発見がしやすくなった。 4. 牛が健康になった。 5. 乳量が増えた。 6. 乳質が良くなった。 といった改善効果をあげています。 フリーストール・ミルキングパーラー システムを導入した経営の短所
1. 肢蹄病が増えた。 2.個体管理がしづらい。 3.ふん尿処理が困難。 4.つめ管理困難。 5.敷料の確保が困難。 6.牛体が汚れる。 7.建設費がかかりすぎた。 8.労働力が軽減されない。 9.資金繰りがうまくいかない。 といった問題も発生しています。 第63回 国家試験必須問題
養豚場の豚舎構造、飼養形態でないのはどれか
• 
• 
• 
• 
• 
タイストール(スタンチョン) 開放型畜舎 マルチサイトシステム 閉鎖型畜舎 発酵床
a. 換気 •  乳牛に提供すべき環境:換気が良く、清潔で乾
燥しており、安楽性と安全性が保持 •  換気の目的:牛舎の温度と湿度の調整と、新鮮
な空気の供給 •  タイトストール:夏季は壁を解放した横断換気 •  冬季においても重要:自然換気の場合は排気口
を入気口より大きく。 b. 牛床環境
乳牛に快適な牛床の条件 •  清潔に保たれている •  起立・横臥が容易である •  採食・飲水が容易である •  拘束ストレスがない •  牛体が清潔に保たれる b. 牛床環境
管理側の条件 •  個体群管理が容易 •  衛生的である •  維持管理費が低コスト •  作業効率が高い b. 牛床環境
牛床の条件 •  牛床幅:120 130cm:腰角幅の2倍程度と搾乳
作業スペース •  牛床の長さ:ブリスケットボードから牛床後端
まで165 175cm:牛が横臥した時に必要なサイ
ズ:坐骨端から肩端までの長さ •  ネックレールの位置:牛床後端から165 175cm b. 牛床環境
問題となること •  牛床が長すぎると:牛体及び牛床を汚しやすい •  牛床が短すぎると:牛に不自然な姿勢を強制し、横臥時
に乳房や乳糖を汚染し環境性細菌の付着を増大 •  快適性が劣るストールでは、佇立している時間が長く、
肢蹄の障害を増加させる原因 •  牛体とストールの適不適:乳牛の牛体サイズを知る •  ストールと牛の清潔度は、作業性、乳房炎、乳量に影響 •  牛のストールでの休息、起立、佇立は、肢蹄の健康や乳
生産量、牛の寿命に影響 c. 横臥率 •  牛の快適性 •  =牛の横臥率(牛床横臥頭数/牛床利用可能数) •  タイトストール牛舎の牛床が快適な場合の横臥率は80%
以上 •  問題がある場合は70%以下 •  観察:搾乳終了1.5時間後から2時間の間に。 •  搾乳終了後に給餌する場合は給餌終了後2時間から2時間
の観察 •  横臥率が低い場合:原因は牛床、空間、敷料、その他に
ある c. 横臥率 •  牛床の構造と敷料の量と質は、肢の関節障害、蹄疾
患、乳房炎と関係 •  タイトストール牛舎の敷料: •  麦稈、オガクズ、乾草、稲ワラ •  フリーストール牛舎の敷料: •  先の4つにゴムチップマットレスなど その他重要な管理項目 •  栄養管理、搾乳、敷料、 •  削蹄、毛刈り、
換気、採光と照明、 •  運動、 •  牛舎の消毒およびふん尿の処理 牛舎外の管理項目 • 
• 
• 
• 
パドックの整備、 外部寄生虫の駆除、 暑熱、騒音、 防疫に対する対策 •  これら牛舎内外の管理は個体の生産性向
上と疾病予防に重要 4)乳牛の栄養管理
(1)ボディコンディションスコア •  牛の栄養状態を視診および触診で判断する方法 •  体の脂肪の蓄積程度を示すもの •  適正な体脂肪の蓄積は高泌乳生産や健康維持に
密接に関係 •  乳牛の腰角、寛骨、坐骨、尾根部、肋骨などで
行う •  BCSは1の削痩状態から5の肥満状態まで0.25
0.5単位で細分化 場所をしっかり憶えてね
ボディコンディションスコア
•  BCS3以下と3.25以上の見分ける主要部
位は尻部の外観 ボディコンディションスコア
•  V字型:BCS3以下 U字型:BCS3.25以上 重要なのは、その牛の肥満の変化とスピードを把握することです。
①痩せるスピードが早い牛には食わせる工夫をする。
②泌乳後期には太らせない栄養管理の目安に利用する。
③乾乳期にはBCSを変化させない。�
ボディコンディションスコア
• 
• 
• 
• 
• 
• 
BCS3 3.25 泌乳期ステージで理想的体型 BCS3.5 3.75 初妊牛妊娠後期 経産牛の乾乳期及び分娩期 BCS4以上:分娩後の乾物摂取量が有意に
低いためBCSの低下が早く、分娩後の代謝
病の発生率が高くなる ボディコンディションスコア2と3 BS 2
BS 3
ボディコンディションスコア4と5 BS 4
太りすぎ�
BS 5
58 D44 2)泌乳中期のボディコンディションスコ
アの目標として最も適当なのはどれか
•  1.5 •  2 •  3 •  4 •  4.5 58 D44 2)泌乳中期のボディコンディションスコ
アの目標として最も適当なのはどれか
•  1.5 •  2 削痩 •  3 •  4 肥満 •  4.5 (3) フェーズ・フィーディング • 
• 
• 
乳牛の栄養要求量は泌乳ステージで異なる 高泌乳牛の泌乳および栄養特性の違いに基
づき泌乳ステージを4 5期に分類した乳期
別の栄養管理をフェーズ・フィーディング
と呼ぶ。 効率的な乳生産と周産期の代謝疾患の理解
と発生予防から栄養学的な知識が不可欠 泌乳ステージ •  牛は1年周期で分娩・泌乳・乾乳を毎年
繰り返す。 •  約280日間の妊娠期間をへて、子牛を産
み、ここから泌乳期が始まる。 •  泌乳期間は次回分娩予定日の約60日前
の乾乳期まで続く。 泌乳ステージ ●泌乳期はさらに4つの時期に分かれる 分娩後のはじめの1週間位:初乳という特殊な乳 分娩後50日目までを泌乳初期:泌乳量は徐々に増加 分娩後51日から110日位までを泌乳最盛期。徐々に泌
乳量は下がり始める。 分娩後111日から220日を泌乳中期。泌乳量がグンと
下がる。 乾乳するまでの期間を泌乳後期。 ●教科書では、泌乳前期、中期、後期となっている。 さらに、乾乳期を前期と後期に分けている
乳牛の生産サイクル
●乳量
•  通常、朝夕の2回の搾乳。 •  そこで牛の泌乳量を表す方法として1
乳期305日間の合計乳量(305日乳量)
を使ったり、その乳期で最も乳が出た
1日の乳量(最高泌乳量)などで示し、
その牛の生産乳量の基準とする。 •  乳量は、年齢によっても変化。初産乳
牛の泌乳量は少なめで、最もよく出る
3産から5産次の乳牛に比べ30%ほど少
なくなる。 フェーズ1 図4-18は重要! a.泌乳前期:分娩から泌乳ピークまで:分娩後50日まで ① 良質の粗飼料を給与して乾物摂取量を高める ② 適切な粗蛋白質量と分画のバランスを考慮する ③ 繊維含量のレベルとして、酸性デタージェント繊維
(ADF)18%以下、中性デタージェント繊維(NDF)は28%
以下にならないようにする ④ 体重低下の著しい牛にはエネルギー補給を目的として
油脂含量の高い飼料を給与するが、第一胃発酵を阻
害するので粗脂肪は摂取乾物中5%を上限とする。バ
イパス脂肪を給与する場合は7%を上限。乾物摂取量
は体重の3.5 4.0%。 ⑤ ボディコンディションの目標は2.75 3.0 58 D43 図22はフェースフィーディングにおける
乳牛の泌乳期の体重、乾物摂取量、乳量の推
移を示した模式図である。
•  1)図中のA−Cに該当する語句の組み合わせ
として最も適当なのはどれか
• 
• 
• 
• 
• 
乾物摂取量、体重,乳量、 体重、乳量、乾物摂取量 乳量、体重、乾物摂取量 乳量、乾物摂取量、体重 乾物摂取量、乳量、体重 フェーズ2 b. 泌乳中期:分娩後50 200日 •  乾物摂取量が最大となり、エネルギーバランスはプラ
スに転じる •  最高泌乳量を長く維持させるように栄養管理 •  急激な乳量減少や低脂肪率が問題となることもある 栄養管理 ① 第一胃内環境の恒常性を目的として1日数回以上に分
けて粗飼料と穀類を給与 ② 乳量、乳成分を参考に栄養バランスを適正化 ③ ボディコンディションの目標は3 フェーズ3 c. 泌乳後期:分娩後200 305日 •  乳量は減少 •  摂取養分は栄養要求量よりも過剰になりやすく、
オーバーコンディション(肥満)になりやすい。 •  栄養管理として、粗飼料給与を主体として、ボ
ディコンディションを3 3.5に調整 フェーズ4 d. 乾乳前期:分娩前60 21日) •  乳腺組織やルーメンの機能回復の時期 •  良好な乾乳プログラムは次期泌乳期の乳量を増加、分娩
後の代謝疾患を減少させる 栄養管理 ① 乾乳期牛の維持、胎子発育を考慮し、栄養要求量を適
正にし、肥満を避ける ② 分娩後の第四胃変位の予防のために、乾草を給与する
(体重の0.5%) ③ Ca(40 50g/日)、P(30 35g/日)の給与量を適正に ④ ボディコンディションは3.5 3.75
フェーズ5 e. 乾乳後期:分娩前21日 分娩 •  泌乳開始の準備と代謝障害の予防に重要な時期 栄養管理 ① 第一胃内微生物を泌乳期用飼料に馴らすために
濃厚飼料を徐々に増量する ② 分娩前後1週間は飼料の急変を避ける ③ CaとPの過剰給与を避ける 62-­‐B35乳牛のフェースフィーディングに関
する記述として適当なのはどれか。
•  泌乳前期は油脂含量の高い飼料を給与しな
い •  泌乳中期は穀類の給与を避ける •  泌乳後期はボディコンディションスコア3.5
4.0 •  乾乳前期は粗飼料(資料は誤り) •  乾乳後期には濃厚飼料を通常より多く 62-­‐B35
•  乳牛のフェースフィーディングに関する記述とし
て適当なのはどれか。
•  泌乳前期は油脂含量の高い飼料を給与しない •  泌乳中期は穀類の給与を避ける •  泌乳後期はボディコンディションスコア3.5 4.0 •  乾乳前期は粗飼料(資料は誤り) •  乾乳後期には濃厚飼料を通常より多く (3)栄養管理と疾病予防 •  周産期(移行期)分娩前後2 4週間 •  この期間に摂取する栄養と乾物摂取量はその
後の泌乳量を決定 •  この期間の管理が不適切な場合: •  代謝・繁殖・消化器障害、 •  ボディコンディションの低下、 •  乳量低下、 •  治療及び高淘汰率が問題 周産期の生理学的目標 ① 泌乳初期に給与される高エネルギー飼料にルーメン
を適応させる:ルーメン内微生物を適応させること
と、揮発性低級脂肪酸(VFA)を最大限に吸収できるよ
うルーメンの絨毛の発達を促す ② 分娩時期を通じ、血中カルシウム濃度を正常に維持 ③ 分娩時期を通じ十分な免疫システムを維持 ④ 乾乳期間を通じプラスのエネルギーバランスを維持
分娩直前に乾物摂取量が急激に低下する場合には、
分娩前にマイナスのエネルギーバランスによりケ
トーシスの危険性が大幅に増加する (4) 飼料プログラム •  基本的な飼料プログラムの考え方 ① 体重、産乳量、妊娠の有無などから栄養要求量を産出 ② 産乳量、乳成分、体重、泌乳ステージ(分娩後80日ま
では採食量は十分回復しない)や環境温度などのデータ
から乾物摂取量を決定 ③ 泌乳ステージに応じて、乾物摂取量の内で粗飼料と濃
厚飼料の割合を決定 ④ 粗飼料分析データに基づき、粗飼料から供給可能な栄
養の総和を産出 ⑤ 栄養の総要求量と粗飼料で供給可能な栄養量の差を求
め、濃厚飼料から供給すべき乾物量に、栄養素を含ませ
るために濃厚飼料の給与量と成分含量を産出 TMR ( Total mixed ra;on)
(5) 代謝プロファイル •  泌乳牛は泌乳ステージにより代謝変化が大きく異なるほ
か、疾患により血液成分は大きく変動する •  代謝プロファイルテストは、牛群の栄養管理の失宜に起
因する低生産性や潜在的な代謝疾患において、血液生化
学的データから問題点を明らかにする。 •  脂肪肝、ケトーシス、起立不能、第四胃変位、繁殖障害
などの生産病の予防に連動させるために、 •  牛群から各泌乳期牛を選択・抽出し、複数の項目につい
て血液検査を実施 (5) 代謝プロファイル ① エネルギー代謝:血糖、遊離脂肪酸、総コレステロール ② 蛋白代謝:尿素窒素、アルブミン ③ 無機代謝:カルシウム、無機リン、マグネシウム ④ 肝機能:コレステロール・エステル比、γGTP、GOT ⑤ その他:ヘマトクリット、γ-グロブリン 代謝プロファイルの解釈 •  各々の測定値の分布から上限値と下限値で示した正常範
囲との関連において、群の分布を捉え、それらの意義を
解釈して、栄養管理の適正化を図る •  得られた代謝プロファイルテストの成績を基礎にして、
ボディコンディションスコア、乳用牛能力検定(乳検)
成績、飼料給与成績、飼養管理の状況などから総合的に
牛群の健康状態、栄養状態を評価して改善を図る 代謝プロファイルの解釈 •  蛋白代謝の指標:乳中の尿素窒素の測定:給与
された蛋白質の乳生産への利用状況の評価指
標:飼料の総エネルギーと粗飼料蛋白が高くな
るとMUNは上昇傾向 •  10 14mg/dlが正常範囲:6mg/dl以下は蛋白利用
率が低下し、繁殖障害との寒冷で卵胞嚢腫や黄
体遺残の増加、20mg/dl以上の高値では飼料中の
蛋白が有効に利用されず黄体遺残も増加 5)生産関連疾患の発生概要 • 
• 
• 
• 
成乳牛の頭数被害率は病傷事故全体の74.8% 乳房炎などの泌乳器疾患頭数被害率27.1% 黄体遺残・排卵遅延などの卵巣疾患18.2% 乳熱・ダウナー症候群および胎盤停滞に代表さ
れる産後疾患9.9% •  蹄疾患に代表される運動器病6.2% •  第四胃変位に代表される消化器疾患5.6% 余談 畜産規模の拡大と売上高
家畜
乳用牛
肉用牛
豚
1981年 1991年
2001年
2011年
一戸当たり
の飼育頭数
19.8 (100)
34.6 (175)
53.6 (271)
69.9 (353)
一戸当たり
の売上高 758 (100)
1496 (197)
2398 (316)
3481 (456)
(B/A)
1.00
1.13
1.17
1.30
一戸当たり
の飼育頭数
6.5 (100)
12.7 (195)
26.5 (392)
39.7 (611)
一戸当たり
の売上高 109 (100)
264 (242)
397 (364)
570 (523)
(B/A)
1.00
1.24
0.93
0.86
一戸当たり
の飼育頭数
79.4 (100)
314.9 (397)
906.3 (1141)
1625.3 (2047)
一戸当たり
の売上高 661 (100)
1787 (270)
4636 (701)
7380 (1116)
(B/A)
1.00
0.68
0.61
0.55
単位は万円�
鶏と稲作
家畜
採卵鶏
肉用鶏
稲作
1981年 1991年
2001年
2011年
一戸当たり
の飼育羽数
0.653 (100)
13.8 (2113)
29.5 (4518)
46.9 (7182)
一戸当たり
の売上高 316 (199)
5016 (1587)
8182 (2586)
13141 (4159)
(B/A)
1.00
0.75
0.57
0.58
一戸当たり
の飼育羽数
15.8 (100)
28.1 (148)
35.6 (225)
44.8 (284)
一戸当たり
の売上高 5032 (100)
7468 (148)
8329 (166)
12295 (244)
(B/A)
1.00
0.83
0.74
0.86
一戸当たり
の売上高 80 (100)
114 (143)
130 (163)
145 (181)
単位は万円�
畜産の総生産額 2兆5000億位
余談:ワクチンの話
●牛3種混合生ワクチン(IBR、BVD-­‐MD(1型)、PI3)、 牛5種混合生ワクチン(IBR、BVD-­‐MD(1型)、PI3、
Ad7、RS) •  流産、奇形胎児の発生を起こすBVD-­‐MDウイルス
が含まれているので、妊娠牛、授精前3週以内の
牛には接種できない!BVD-­‐MDについては、1型し
か予防できない。 •  訴訟問題となることもあるので、要注意!
余談:ワクチンの話
●牛5種混合不活化ワクチン (IBR、BVD-­‐MD(1型、2型)、PI3、RS) •  BVD-­‐MDは1型、2型とも予防することができる。 •  不活化されているため、妊娠中でも接種可。 •  しかし、初年度2回打つ必要があり。
余談:ワクチンの話
●牛下痢5種混合不活化ワクチン (ロタウイルス(3種)、大腸菌(K-­‐99)、コロナウ
イルス) •  母牛に接種し、初乳を子牛に飲ませることに
より、はじめて予防効果が得られる。 •  初年度2回打つ必要があり。 •  接種牛の出荷制限は6ヶ月。 電力業界vsパチンコ
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順位会社 売上高(億円) 東京電力 5兆0,162 関西電力 2兆6,065 中部電力 2兆2,385 東北電力 1兆6,633 九州電力 1兆4,449 中国電力 1兆0,384 J-­‐POWER 5,844 145,922 vs 193,800 産業としては、自動車産業より多い